原語は「Wagon」。
馬車のワゴンは、通常2頭以上で牽引する四輪のものを指す。
人や物をのせて、馬に牽かせる馬車は紀元前2000年より前から存在したとされている。古代ローマ時代には街道が整備され、馬に牽かせた戦車(チャリオット)や四輪の郵便馬車が用いられたが、ローマ帝国衰退により街道の整備が行き届かなくなり馬車の発展が止まった。
基本的に馬そのものより道路への負担が大きいため、道路や街道の整備が行き届かない田舎では使用頻度が下がる。日本では地形や道路、街路の問題から長い間使われず、まともに使われ出したのは幕末以降だった。
ちなみに座席を紐や鎖で吊り下げた馬車は14世紀、サスペンションのような衝撃を緩和する装置を取り付けた馬車は17世紀、主要都市を結ぶ駅馬車は18世紀から。
中世欧州に似た世界観のファンタジー作品の場合は都市や街道を利用した移動や輸送に使われることが多い。ライトノベル作品では商人の荷馬車が盗賊に襲撃される場面はテンプレの1つ。
クラシック・ダンジョンズ＆ドラゴンズ
クラシックD&D第4版ではエキスパート・ルール・セットで解説されている。
「2頭か4頭の駄馬またはラバ(ラバ2頭で馬1頭)によって牽引される。移動速度は毎ターン60フィート。収容力は、馬2頭で引いた時は15000cn、4頭の時は25000cnまでとなる。道路のない砂漠、森林、山岳、湿地を通ることはできない。」と解説されている。
200gpで購入可能だが、牽引する動物は別に必要。移動速度は速くない上、基本的にある程度整備された道路以外では移動しづらい。
ルールサイクロペディア
ルールサイクロペディア版の訳語は「荷馬車（四輪馬車）」。
性能面や価格の違いはないが、移動速度の60(20)は安全に移動できる速度となっている。この速度を越えて走らせた場合、荷馬車が壊れたりひっくり返る可能性が出てくる。