モジュール/【ナイツ・ダーク・テラー】

Last-modified: 2023-12-19 (火) 09:52:17

コードB10、原題は「Night's Dark Terror」、製作者はイギリスのJim Bambra、Graeme Morris、Phil Gallagher。
原語版の初版は1986年で全64ページ。日本語版は電撃ゲーム文庫のレーベルから1996年に発売された。
以下、基本的に日本語版に関する記述となる。

概要

メディアワークスダンジョンズアンドドラゴンズの3本目のゲームシナリオで、新和時代に和訳されなかったB10モジュールである。
メディアワークス版では「D&Dゲームシナリオ3」とされ、「黒い夜の恐怖」という副題がついている。日本語版の翻訳と構成は安田均とグループSNE。イラストは中沢一登。当時の販売価格は980円。
表紙をひらくと、シナリオ内で使用する農場の地図とカウンター、魔法のタペストリーのカラーイラストが描かれた折り込みがある。
9~12ページが「まえがき」、13~32ページが「はじめに」。
33~377ページはモジュール本編=ゲームシナリオ部分となっている。378~384ページが本編終了後から派生するシナリオのヒント、385~411ページが10種の新しい追加モンスター、412~422ページがプレイヤー用の情報、423~515ページがDMのためのデータで、サンプルキャラクターや経験値表、地図、登場するNPCリストなどの付録部分となっている。
本作品の出版をもって、新和時代から未訳のままだったクラシック・ダンジョンズ&ドラゴンズのベーシックレベルのモジュールの邦訳は終了することになった。


海外のサイト「DUNGEONS MASTERS GUILD」によると、当時の英国にあったTSR UK支社では「B10」ではなくベーシック・ルール・セットからエキスパート・ルール・セットへの移行を示す「B/X1」のコードを与えたかったらしい。しかし米国にある本社には反対されたためモジュール本体に「B/X1」のステッカーが貼られたとされている。

「ナイツ・ダーク・テラー」

カラメイコス大公国の歴史に秘められた戦いが現代に復活する・・・・・・!?

日本語版「ナイツ・ダーク・テラー」カバー折り返しより。

2~4レベルのキャラクターが対象。
本編は複数の事件に分かれており、本編全てを終了する頃にはプレイヤーキャラクターの経験レベルは5~7になる。野外での冒険・遭遇に関するルールを使用する。「シリーズ初のロング・キャンペーン・シナリオ」と銘打たれているだけあって、完遂までは何度もセッションをすることになる。

評価

ウィキペディアの記事によると、Graeme Davisがホワイトドワーフ誌78号でレビューしている。Davisは25mmサイズのカウンターと地図で表現する農場での冒険の始まり、DMが長期間のキャンペーンを開く助けとなる冒険のためのセクションの提案、モジュール全体のレイアウトの良さを高く評価している。
Ken RolstonはDragon誌124号(1987年8月)で、「今まで見た中でベスト・イラストとベスト・デザインのモジュールだ—冒険やキャンペーンの材料のどの一節も、グラフィック表示が注目に値する」と評した。
Rolstonの1991年の本Heroic Worlds において、Lawrence Schickは「傑出した野外シナリオだ...D&Dのベーシック・ルールとエキスパート・ルールとの橋渡しになる」と記述している。

また近年のネットでも良くできたシナリオと評価が高く、D&D第5版仕様に改編して遊ぶプレイヤーも複数見られる。