クラシック・ダンジョンズ&ドラゴンズ

Last-modified: 2023-04-01 (土) 09:03:58

テーブルトークRPGの『ダンジョンズ&ドラゴンズ』シリーズの1つ。
オリジナル・ダンジョンズアンドドラゴンズから初心者向けとして編纂、展開されたもので、かつてはこれが「ダンジョンズ&ドラゴンズ」と呼ばれていた。D&D3rd発売以降は「クラシック・ダンジョンズ&ドラゴンズ」と呼ばれるようになった。
当Wikiおよび当項目では、日本語版が発売された第4版と第5版を中心に扱っている。

Dungeons & Dragons

1974年発売。Original Dungeons & Dragons。初刷は白色の箱に三分冊のルールブックが入っていた。AD&DとクラシックD&Dが未分化の頃の製品なため、現在ではクラシックD&Dとは別ものとして扱うことの方が一般的である。

出典「ウィキペディア」

Dungeons & Dragons Basic Set(第2版)

1977年発売。この頃、TSRはそれまでのD&Dが積み重ねた莫大なルール・データは整理するため、入門者向けの「D&D」と、上級者向けの「AD&D」にシリーズを分けて発売することにした。入門者向けの「D&D」にあたるのがこれである。このバージョンのルールはAD&D(もしくは現行のD&D)との共通項が多く、呪文の触媒を必要としたり、1ラウンドに複数回攻撃が可能になったりしていた。
コンポーネントはボックス型で、箱の色は青。内容物は48ページのルールブック一冊と、ダンジョンマスター(DM)向けの資料として、ダンジョン作成マニュアルである「Dungeon Geomorphs Set One」と、モンスターと財宝のデータ集「Monster & Treasure Assortment Set One」が封入。その他にはゲームに使用するダイスがポリエステル製の小さなポーチ(小袋)に入れられていた。1978年に発売された第二刷にはこれらに加えてシナリオとして「B1 In Search of the Unknown」と「B2 The Keep on the Borderlands(国境の城塞)」が同梱された。
ルールブックではプレイヤーキャラクター(PC)のレベルは3レベルになるまでしか対応しておらず、ルールブック内では「それ以上のレベルで遊びたければAD&Dを買うように」というアドバイスがされていた。

出典「ウィキペディア」

Dungeons & Dragons Basic Set (第3版)

1981年発売。ルールが大幅に改訂され、AD&Dとの共通項は薄くなった。現在「クラシックD&D」でイメージされるルールの原型はこの3版からとなる。また、3版からレベル別にルールセットを発売するようになり、高レベル用のルールセットである「Expart Set」を購入すればAD&Dに移行しなくても4レベル以上に成長したPCを扱うことができた(14レベルまで)。Basic Setだけでは3レベルまでのPCしか扱えないところは変わらない。
このバージョンのBasic Setもコンポーネントもボックス型で、箱の色はマゼンタ。内容物は64ページのルールブックと、シナリオ「B2 The Keep on the Borderlands(国境の城塞)」である。

出典「ウィキペディア」

Dungeons & Dragons Basic Set(第4版)

1983年発売。15レベルから25レベルまでのPCを扱う「Companion Rules」、26レベルから36レベルまでのPCを扱う「Master Rules Set」、人間の域を超えてイモータル(亜神となったPC)を扱う「Immortals Rules Set」が発売されたのがこの版。なお第4版のBasic Setは1984年に「Dungeons & Dragons Basic Rules Set 1」に改名されている。


この1984年版が株式会社新和により『ダンジョンズ&ドラゴンズ セット:1 ベーシックルールセット』のタイトルで1985年に邦訳された。クラシック・ダンジョンズ&ドラゴンズの関連製品ではこの第4版の関連製品がもっとも多く日本語化された。
この版のルールセットは以下の通りボックスセットとなっている。当時「イモータル・ルール・セット」も翻訳される予定があったが、TSR側からストップがかかってしまいそのまま中止されてしまった。

Dungeons & Dragons Rules Cyclopedia(第5版)

1991年発売。第4版のレベル別ルールセットを一冊の書籍にまとめたもので、A4判ハードカバーで全304ページ。基本的な内容は第4版とあまり変わっていない。
1994年にメディアワークスから日本語版「ルールサイクロペディア」が発売された。
日本語版では1-9レベルまでのデータと、初期レベルで使われるであろう基本的なルール部分のみを抜粋したうえで、3冊に分割して再構成された。残りのルール部分と10レベル以上のデータについては後に発売する予定であったが、TSR社の買収により日本語版展開が中断するはめになってしまい、基本ルールブックは完訳されることはなかった。
新和版や原語版と異なり、ルールブックは文庫形態となっている。また、原語版のイラストは使われておらず、中沢一登によるアニメ調のイラストに替えられている。
詳細はルールサイクロペディアの項目を参照。

New, Easy to Master Dungeons & Dragons Game

Rules Cyclopedia版と同時期に発売されたDungeons & Dragonsの初心者向けボックスセット。
そもそもRules Cyclopediaはハードカバー本であり、本来の「入門向け」という側面が薄れていた。また1991年当時の米国の非電源系ゲームは「Hero Quest」(邦訳「ヒーロークエスト」)などのフィギュアやゲーム盤などの付属物を充実させた初心者向けを意識した物が多かったことから、改めて初心者向けとして発売された。
1レベルからのシナリオとシナリオに合わせたポスターマップ、6面のマスタースクリーン、キャラクターやモンスターのペーパーフィギュア、一揃いのダイスが付属している。PCの成長は5レベルまでで第4版のベーシック・ルール・セットに該当する。
このボックスセット自体は未訳だった上に新和が発行したファンタスティック・ゲームズで少し紹介されただけだったため、日本ではあまり知られていない。

Classic Dungeons & Dragons GAME(第6版)

1994年発売。第5版の「New, Easy to Master Dungeons & Dragons Game」と同じコンセプトで作られたもので、フィギュアやカラーマップ、すぐ遊べるシナリオなどが入ったボックスセット。Rules Cyclopediaの関連製品ではなく新作の体裁で発売されたので、この記事では便宜上第6版として扱っている。クラシックD&Dのルール大系を引き継ぐ製品としては最後のものとなった。

出典「ウィキペディア」

前述の「New, Easy to Master Dungeons & Dragons Game」の外装を変えたボックスセット。中に入っているシステムや仕様はほぼ同じとなっている。当時の価格は20ドル。
Boxの裏面によると内容物はルールブックとシナリオ「Escape from Zanzer's Dungeon」が纏められた128ページの冊子、プラスチック製フィギュア6体、モンスターのペーパーフィギュア24体、チャートが印刷された6面のマスタースクリーン、付属シナリオ用のダンジョンのカラーマップ、各種ダイスが入っている。
付属しているプラスチック製フィギュアはAD&D公式メタルフィギュアとして発売されたものではなく、ラルパーサ社が自社で販売していたメタルフィギュアをプラスチックで成型したもの。全て男性で各クラス1人ずつだが、ハーフリングだけ含まれていない。


ウィキペディアではクラシックD&Dの第6版として扱われているが、ルールそのものの改変などは行われておらずプラスチック製フィギュアの追加以外は「New, Easy to Master Dungeons & Dragons Game」とほぼ同じ仕様の模様。