モジュール/【炎の島】

Last-modified: 2020-03-03 (火) 21:53:32

薄暗い地下牢の中、邪悪な緑色の皮膚をしたモンスターが閉じ込められている。ジアテスの商人、ローロ・バーグマンは、その醜悪な怪物を見る目を静かにふせた。一隻の船と60人の勇敢な船乗りを失い、手に入れた成果がこのたった一匹の怪物だけなのだ。
亡くなった船乗りの断末魔を思い出し、気を取りなおすと再び拷問が開始された。何としても、恐怖の海を脅かしている事件の解決の糸口を見つけなければならないのだ。

 

果たして、嵐の吹き荒れる恐怖の海の東部海域で、いったい何が起っているのだろう?

 

緑色の肌をした“海のオーク”と、“船の災(シップ・ベーン)”と呼ばれるモンスターにより、今や恐怖の海の商船航路は閉ざされようとしている。確かに、昔から奴らを操っているのだ。

 

既に拷問は終了しているだろう。ローロは敵のアジトを突き止めたに違いない。そう、その時こそ、勇敢かつ有能な冒険者のパーティが必要とされるのだ。

 

用意はいいか?

X8モジュール「炎の島」日本語版裏表紙より
 

コードX8、原題は「Drums on Fire Mountain」。
原語版はTSR UK(UKはイギリスのこと。United Kingdom of Great Britain and Northern Irelandの略)のスタッフであるGrame Morris(グレイム・モリス)とTom Kirby(トム・カービィ)により執筆され、1984年に出版された。このため表紙上部のX8のコードの右に、英国製である事を示す国旗が描かれている。
日本語版は新和から1989年3月に翻訳販売された。当時の販売価格は2,200円。メタルフィギュア用フロアタイル付き。
アートワークはBrian Williams(ブライアン・ウィリアムズ)、Paul Ruiz(ポール・ルイズ)。
表紙絵はジャングルの中、3体のカラ・カラが立ちはだかっているという構図。
表紙カバーは三つ折りであり、表紙裏はDM用の地図となっている。小冊子の本文は28ページ。

概要

プレイヤーキャラクターは、ジアティス海運ギルドの有力者からの依頼を受け、緑色の肌をした邪悪な半人の部族が支配する火山島へと出発する。
対象となるプレイヤーキャラクターは5~8人。レベルは5~8レベル。

評判

フリー百科事典ウィキペディアによると、グラハム・ステープルハーストはホワイトドワーフ誌でこのモジュールを論評し、10段階評価で8を与えた。「D&Dシナリオの守備範囲の歓迎すべき追加」と呼んだ。彼はこのモジュールが「主にポリネシアの趣を持ち、それに少量のアメリカ先住民とアフリカの含みを与えた」ことがこの設定を「進行中のいかなるキャンペーンに配置するのに申し分ない」と感じた。ステープルハーストは「多くの思慮深い詳細とたくさんの配慮が、社会、歴史、島全体の雰囲気に対して払われていた。多くの刺激的な(そして滑稽でさえある)遭遇があり、プレイヤーとDMは同様に、このシナリオが非常に満足のいくものであることを理解すべきだ」と感じた。彼は「知性は、シナリオの理由付けを作り、プレイヤーの手腕と楽しみの釣り合いを取らせるのに使用された。大いにお勧めできる」と述べて論評を終えた。