ファンタジーRPGに、モンスターは欠くことのできない存在である。AD&Dにおいても、冒険のクライマックスには、必ず恐ろしい怪物が登場しているのだ。ドラゴン、ジャイアント、トロール、グリーン・スライム、シャドーなどなど。
このモンスター・コンペンディウムの第一弾は、DMとプレイヤーに、五つ穴のルーズリーフ144枚にも及ぶモンスターを提供してくる。それら総てのモンスターは、2ndエディション用に新しくデザインされたものであり、各ページに一枚のイラストが掲載されている。さらに、詳細な解説とデーターが読みやすく、使いやすく、まとめられている。
従って、冒険の途中でモンスターと遭遇した場合や、モンスターのタイプやその他のデーターなど、必要に応じてモンスター・コンペンディウムを使用することができるだろう。
さらに、このバインダーは、モンスター・コンペンディウムIIとIIIのルーブリーフを収容できるようになっている。Advanced Dungeons & Dragons 日本語版「モンスターコンペンディウムI」箱裏面より
AD&D第2版用のモンスターのデータ集。
原語版の題名は「Monstrous Compendium」、日本語版では「モンスターコンペンディウム」と表記された。
目次
- 目次
- 概要
- Iの内容
- Monstrous Compendiumの未訳一覧
- Monstrous Compendium Volume Two
- Monstrous Compendium Vol. III
- Monstrous Compendium DRAGONLANCE Appendix
- Monstrous Compendium GREYHAWK Appendix
- Monstrous Compendium Kara-Tur Appendix
- Monstrous Compendium The Outer Plane
- Monstrous Compendium SPEELJAMMER Appendix
- Monstrous Compendium RAVENLOFT Appendix
- Monstrous Compendium FORGOTTEN REALM Appendix
- Monstrous Manual
- 関連用語
概要
原語版の題名は「Monstous Compendium Volume One」。
原語版は1989年に発売、1991年に新和から日本語版が販売された。
日本語版ルーズリーフ2枚目裏面に記載された奥付によると、初版は1991年4月。
A4変形サイズの外箱の中に、A4変形サイズの5つ穴のバインダーが入っている。バインダーにはルーズリーフと、バインダーの大きさを維持するためのダンボールが挟まっている。当時の販売価格は6800円(税抜)。
カバーアートはJeff Easley(ジェフ・イーズリー)で、ビホルダーが正面から睨んでいるイラストの左にアンバー・ハルク、右にディスプレイサー・ビーストがいる。
本文のイラストはJim Holloway(ジム・ホロウェイ)。
基本ルールブックその3。もちろん、これだけではプレイできない。
外箱やバインダーでは「モンスターコンペンディウム」と「・」が無いが、ルーズリーフなどの本文では「モンスター・コンペンディウム」というような表記ゆれがある。
「モンスターコンペンディウムI」と記載されている通り、当初はII以降も日本語版が発売される予定になっていたが株式会社新和のD&D事業撤退ためIのみの発売で日本語版展開は終了した。
原語版ではルーズリーフ形式のMonstrous Compendiumが15まで出版されており、そのうちIVはバインダーとの同梱で販売されている。
ルーズリーフ形式のTRPG用のアクセサリーと言えばかつてホビージャパンが発売していた「スーパースクリーン」が有名だったが、もともとゲームマスター(D&Dシリーズにおけるダンジョンマスター)にしか需要がないため、廃れてしまっている。
モンスターデータのルーズリーフ化は、必要なデータのみ抽出することで不要部分のデータを置いて持ち出すことが可能という利点がある。特にAD&Dでは膨大な種類のモンスターが存在するため、この利点は大きい。その一方、所持者が整理整頓を心掛けないと短時間で探し出すことが難しくなるばかりか、欲しいモンスターデータがどこにいったか分からなくなる恐れがある。
そういった声があったのかは不明だが、AD&D第2版のMonstous Compendiumのルーズリーフ形式が展開されてる傍ら、ハードカバーのMonstrous Manualが刊行されたりした。
後の第3版、第3.5版ではルーズリーフ形式は採用されなかった。
Iの内容
外箱の中はバインダーだけであり、バインダーの中に本文であるルーズリーフが挟まれている。なおカラーイラストの描かれた見出し付きの仕切が8枚、巻末に同梱されている。
構成物のせいか、広告ページは無い。
モンスター・コンペンディウムの使用方法、モンスター・コンペンディウムI・インデックス
1枚目。モンスター・コンペンディウムの本文の各項目についての解説。裏面は空白。
ブランク・モンスター・シートの使用方法
2枚目。
ブランク・モンスター・シートについての記述。オリジナルモンスターのデザインについての注意が主題。
裏面は「モンスター・コンペンディウムI」のインデックスと、奥付となっている。
モンスター・データ部分
- 日本語版モンスターコンペンディウムのモンスター一覧はこちら
3枚目以降は各モンスターのデータ集となっている。
各モンスターは1ページで収まる内容となっているが、表裏の1枚つまり2ページ分を割いているモンスターもある。
モンスター1種につき1枚のモノクロイラストが掲載されており、モンスターのイメージを想像しやすくなっている。
モンスターの並びはアルファベット順。
最後のゾンビの裏面がブランク・モンスター・シートになっている。
一覧を見てもらえれば分かる通り、結構な有名モンスターが含まれていない。基本的なモンスターは日本語化されたIと、未訳で終わったIIで揃う予定だった模様。
付属物
- 召喚表と遭遇表
2枚分4ページで構成。
最初のページは「モンスター・サモニング(I~VIII)」と「コンジュア・アニマル」のランダム召喚表。
2~4ページは各種地形やダンジョンにおけるランダム遭遇表が掲載されている。 - 仕切
見出しの付いた厚紙の仕切が8枚ある。それぞれの仕切には異なるカラーイラストが掲載されている。
Monstrous Compendiumの未訳一覧
Monstrous Compendium Volume Two
商品コード2103。Vol. Iと合わせることで、D&Dシリーズの基本的なモンスターがある程度揃うため、新和による日本語版の発売予定にはあがっていた。
Monstrous Compendium Vol. III
商品コード2104。モンストラス・コンペンディウム第3弾。
フォーゴトン・レルムのモンスターデータ集。
Monstrous Compendium DRAGONLANCE Appendix
商品コード2105。モンストラス・コンペンディウム第4弾。Vol.I同様、リングバインダーが同梱されているため価格が高い。
「ドラゴンランス」シリーズが展開されているクリンのモンスターデータ集。
Monstrous Compendium GREYHAWK Appendix
商品コード2107。モンストラス・コンペンディウム第5弾。
グレイホーク世界のモンスターデータ集。
Monstrous Compendium Kara-Tur Appendix
商品コード2116。モンストラス・コンペンディウム第6弾。
カラトゥアのモンスターデータ集。東洋をイメージしたモンスターが集められている。
「Yuki-on-na」(雪女)や「Tengu」(天狗)などのデータがあるらしい。
Monstrous Compendium The Outer Plane
商品コード2118。モンストラス・コンペンディウム第8弾。
アウタープレーンのクリーチャーが収録されている。次元世界を越えることができるクリーチャーばかりのため、原則として高レベル仕様。
Monstrous Compendium SPEELJAMMER Appendix
商品コード2119。モンストラス・コンペンディウム第9弾。
スペルジャマーのモンスターデータ集としては第2弾となる。
Monstrous Compendium RAVENLOFT Appendix
商品コード2122。モンストラス・コンペンディウム第10弾。
レイヴンロフトのモンスターデータ集。
Monstrous Compendium FORGOTTEN REALM Appendix
商品コード2125。モンストラス・コンペンディウム第11弾。
フォーゴトンレルムのモンスターデータ集第2弾。
Monstrous Manual
商品コード2140。1993年に刊行されたハードカバー本。
IとII、さらに他のMonstrous Compendiumに掲載されたモンスターの一部が再録された。モンスターのイラストは一新され、全てカラー絵になっている。