原語は「Zombi」。
何らかの不可思議な力が死体に宿り、動くようになったモンスター。
スケルトンと並んで、実体のあるアンデッドモンスターとして有名。伝承としてはブードゥ教の司祭により作られるゾンビ、架空作品としてはジョージ・A・ロメロ監督のアメリカ映画「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」のゾンビがよく知られている。
ファンタジー作品でも下級のアンデッドとしてそこそこ登場するし、亜種や強化体などもたまに見られる。
スケルトン同様、最下級のアンデッドでありメタルフィギュアなどの立体化は数多い。TRPGで使うのなら、安価なプラスチック製のフィギュアがオススメ。塗装はそれなりに大変だが。
クラシック・ダンジョンズ&ドラゴンズ
第4版ではベーシック・ルール・セットに登場する。新和版での表記は「ゾンビ」。
最下級に近いアンデッドモンスター。
ヒットダイスは2とスケルトンよりは強く、移動速度も速い。ただし、戦闘時のイニシアチブは常に失うという欠点がある。
邪悪なマジックユーザーやクレリックにより、護衛や宝物の番人として使われるという記述は、エキスパート・ルール・セットで登場する呪文「アニメイト・デッド」で実現できる。
映画作品のゾンビのように、ゾンビに噛まれたり殺されたからといって被害者が次々と増えていくわけではない。
ルールサイクロペディア
ルールサイクロペディア版でも表記は「ゾンビ」。
種別はアンデッド、魔力タイプ。知力1。サイズM。
「安価な労働力や戦闘員として、よく邪悪な支配者に使われています」という文が追加されている。
アドバンスド・ダンジョンズ&ドラゴンズ
AD&D第2版のモンスターコンペンディウムでは通常の人間型生物の死体を使用した「ゾンビ」(原語ではCommon)、大型クリーチャーの死体を使用した「モンスター・ゾンビ」(原語ではMonster Zombie)、強力なウィザードが特別な呪文や儀式を行うことで生み出されるジュジュ・ゾンビの3種のデータが紹介されている。ジュジュ・ゾンビは別項目を参照。
ゾンビ、及びモンスター・ゾンビは、かつて生きていた屍体を基にして強力なウィザードやプリーストの魔法により組み上げられたアンデッド。
両者のデータで共通しているのは、気候/地形は全域、出現頻度は希~非常に希、社会構成はなし、活動時間は夜間、知性はなし、アライメントはTN(トゥルー・ニュートラル)、モラルが特殊であること。
スケルトンと同じく知性というものがなく、創造者の命じた単純な命令に従うしかできない。ゾンビは喋ることはないが、命令された使命を全うできない時に低い呻き声を上げることが知られている。
戦闘では基本的に手や爪を使って襲ってくる。死体である彼らは動きが鈍い為、移動速度は遅くアーマークラスは悪い。加えてイニシアチブは常に最後尾となる。また基になった死体の状態によるが、臭いが酷い場合は数十フィート先からでも死臭が漂うため気づかれやすい。
AD&Dのアンデッドの常として、スリープ・チャーム・ホールド系の呪文の効果や冷気によるダメージを受けない。さらにフィアー系呪文の効果を受け付けず、モラルの崩壊も起こらない。
Monstrous Manual
日本語では未訳だが、Monstrous ManualではZombie LordとSea Zombieが亜種として追加されている。