奥付では「Dungeons&DragonsMAGAZINE vol.5 1989年2月1日発刊。隔月刊」となっている。
概要
表紙はキース・パーキンスンによるカラーイラストで、ラルパーサ製のメタルフィギュアのボックスセット「フォーゴトンレルム・ヒーローズ」のボックスアートでもある。
1989年1・2月号。
全88ページで、当時の販売価格は980円。
2~3ページはTSR社のボードゲーム「ヒーローの伝説」の宣伝。
4~5ページはDFCの会員募集要項。
Dragon SECTION
特集記事「マスタリング・サンプルシナリオ」
1988年のサマーイベントで使用されたベーシックレベルのシナリオ「オイメル村の影」と、そのマスタリングに関するガイドという構成になっている。最後には、和栗朗が実際にDMをした際のリプレイの要約がサンプルとして掲載されている。
「D&Dトーナメント開催法」
美間謙一による記事。
前号からの続きで、コンベンションでのトーナメント形式のイベントを行う場合の注意。トーナメント形式はここでいう「MM式トーナメント」に焦点を当てて記述されている。
MM型トーナメントとは、普通の卓であるDMとプレイヤーの他に情報や遭遇を管理するIM(インフォメーションマスター)やモンスターを統括するMM(モンスターマスター)を設けたトーナメント形式。筆者はこの形式を強く推している。
ガゼッタワールドへのいざない
第二話「スレスホールドへ」その4。
スレスホールドでのシティーアドベンチャーの最終回。
マキビィズ・アーマー&ウエポンハウス
第六話「スピアについて」。
マイスター・マキビによる記事。今回はD&Dなどのファンタジーではイマイチ不遇感のある槍。
Dungeon Original World
第十一回「ベテランプレイヤーへのラプソディー」。
大貫昌幸による記事。
「よいプレイヤーとよいDMになる」ことをテーマにした記事。プレイングレベルについて、RPGAのアンケートやパーティが戦術的に適切な行動をしたかという事例を挙げて述べている。
戦術的な部分のサポートとして、メタルフィギュアの運用方法に関しても今後述べていくとしている。
アトランティス魔法商会
フォーチュンホイールの効果の公募の紹介が3つ。
「総ての歯が虫歯になる。痛みのために通常の思考ができなくなる。(INTやWISにペナルティの可能性有)」、「しゃっくりが止まらなくなる。気が散漫になり集中した行動ができなくなる。(STRやDEXにペナルティの可能性有)」「突然バラの花が降ってきて誕生日を祝ってくれ、おいしいケーキを食べられる。(クリスマスのバリエーション有)」。
また編集局との共同で、オリジナルモンスター・オリジナルマジックアイテム・オリジナルスペルの公募がされている。
DFC Q&Aコーナー
マジックアイテムに関する質問で占められている。
またGAZ用の追加ルールとして、経験レベルの上昇によるスキルの追加習得が掲載された。
AD&D「新幻界創世記」
第四章「心の章(II)」。
藤川俊一による記事。公式ワールドの1つであるグレイホークを用いた筆者のキャンペーンに関する記事。
今回は小説部分と、解説の部分が字体を含めて変えてあり、読みやすくなっている。解説部分の文字はかなり小さくなっているが。
AD&Dについて一言
八木沢啓之による記事。
当時未訳だったAD&Dのルールブックのうち、DMが利用する6冊の簡単な紹介。
紹介されるのはモンスターマニュアルII、レジェンド&ロア、アンアースドアルカナ、ダンジョネーズサバイバルガイド、ウイルダネスサバイバルガイド、プレーンマニュアル。
Dungeon SECTION
シナリオ「幽霊船出現」
Dungeon誌9号に掲載されたシナリオの和訳。
ステップ・バイ・ステップ
明日川敬による連載記事6回目。今回の主題は「テーマの次に必要なもの」。
「テーマ」を決めた後のシナリオ作成に関する記事。
またミニシナリオの募集が行われている。規定は400字詰め原稿用紙16枚とB5サイズの地図一枚。
FG JOURNAL SECTION
今号は「サークル紹介」、「プロショップ紹介」、投稿コーナー「ようこそグリフォンインへ」は休載。
ヴィジュアルラウンジ
ぐわるまによる記事。
明日川敬が「メタルフィギュアか。塗ってみたいな」と言い出したことから、「明日川奮戦記」と題した企画が立てられた。
明日川敬がメタルフィギュアを組み立てる為の道具を買いに行き、メタルフィギュアマニュアルを編集局から一冊譲ってもらうところまで。
誌上大学公開講義「幻想教養講座」
ファンタジーに関する様々な事柄を講義するコーナー。
第一時限「メルヘン学講座」
秋澤弘による記事。
第五回「ロマン主義とメルヘン」というタイトル。
本来のドイツ文学のメルヘンや、ロマン主義との関係についての記事。
第二時限「中世欧州入門講座」
柴田純一郎による記事。
現代日本とは異なる価値観と生活を持ち、D&Dなどのファンタジーゲームの舞台に類似した中世の欧州についての講義。
今回は大人の遊び、子供の遊びをテーマにしている。
参考文献として『中世の窓から』『世界風俗史2』が記載されている。
第三時限「欧州大戦争史考講座」
滝祐一による記事。中世の戦争に関する史実を扱う。
第二回「ウィリアムはかく語りき(たぶん):破」。
第四時限「洞窟外生活講座」
石丸太による記事。
前号に続き、広場に関する記事。古代ローマの「フォルム」と呼ばれる形式の広場が語られている。
ソーサラーズ・ライブラリー
ライターによる書籍紹介。
大貫昌幸はC・Aスミスの小説『イルーニュの巨人』(創元推理文庫刊)、林利也は『聖獣伝説』(講談社刊)、篠木原俊之は三橋敦子の『アイルランド文学はどこから来たか』(誠文堂新光社)、和栗朗はラリー・ニーブンの小説『魔法の国がよみがえる』『魔法の国よ永遠なれ』(創元推理文庫刊)を奨めている。
Hello?Your Majestye?
Dragon誌116号の翻訳記事。著者はCraig Barrett。
前号の続きで、近代以前の遠距離通信手段に関して伝書鳩や日光反射式の信号が述べられている。また、D&Dにおける魔法的な手段にも言及されている。
マイスター・マキビの旅日記
マキビィズ・アーマー&ウエポンハウス番外編。英国のヘイスティング古戦場に関する記事。
デザイナーズ・ナウ
ゲームやファンタジーに関することをテーマにした対談形式の記事。
第三回はD&D関連雑誌に記事を書いている藤川俊一と滝祐一による対談。
マスターはどうプレイヤーやPCに対するべきかという点について語られている。
インフォメーションガイド
GAZ2 イラルアム首長国連邦、「ACJ1 シナリオデザインセットト」、「ACJ2 ビギナーズガイド」の宣伝。