【ゆるさんぞ! にんげんどもめ!】

Last-modified: 2023-12-22 (金) 23:27:13

DQ4

【エビルプリースト】に唆された3人の悪人によって、【ロザリー】を殺された【ピサロ】の憤怒と憎悪に満ちた言葉。
【エスターク】を倒した後に【イムル】の宿屋に宿泊すると、ロザリーが息絶える寸前にピサロが駆けつけ、ロザリーが死ぬのを見届けた直後にこの言葉を言う夢を見られる。
ちなみにFC版とリメイク版で台詞が微妙に違っており、全文は以下の通り。

FC版

「ゆるさんぞ! にんげんどもめ! たとえ わたしが どうなろうとも ひとりのこらず ねだやしに してくれん!

リメイク版

「許さん……!
「許さんぞ!人間ども!たとえこの身がどうなろうとも一人残らず根絶やしにしてやる!

その言葉通り自身に【進化の秘法】を施し、憎悪以外の全てを捨てた怪物に豹変してしまう。
 
FC版では台詞の直後、画面が瞬時に文字まで全面真っ赤に変わる。
さらに、音楽が無音状態からロザリーが死ぬと全滅時のBGM【エレジー】が流れるので、(人によってはトラウマレベルで)印象に残ったプレイヤーも多いだろう。ロザリーの最後のセリフ【ぐふっ…!】も、より印象深い。
これに対して、リメイク版では、画面は赤くなるが全面真っ赤ではなく、【ピサロ(曲名)】が流れ、エレジーは使われなくなったので、表現的には少しソフトな印象になった。
 
もっとも、5章の冒頭の悲劇を経験したプレイヤーからすれば、因果応報だという感想もある。
悪人がロザリーを虐待して事態を悪化させてしまったことは事実だが、勇者(プレイヤー)サイドからしてみれば、なんの罪もない【山奥の村】で一緒に暮らしてきた村人たちや、【シンシア】を皆殺しにされた遺恨があり、その行為は『欲に囚われた悪人がロザリーを殺したのと同じ蛮行』ともいえるため、「許さないのはこっちの方だ!」と思ったプレイヤーも少なくないだろう。
 
ただし、人間を滅ぼすという目的を抱くに至った根本的な理由が明かされていないため、ピサロが真の悪だと言い切ることもまたできない点には留意すべきだろう。
【ロザリーヒル】でピサロと仲良く暮らしていた【ホビット】や動物たちは弱く少数者として人間に虐げられていた可能性がある。
また、元々イムルの村の近くに暮らしていた【エルフ】は人間に土地を追われ、リメイク版ではロザリーが以前にも人間に襲われていて、人間のエルフ狩りが目に余る状況にあった。
このような状況下で、魔物のみならず彼らを守るため、人間との確執が生じ滅ぼすべきとの考えに至ったとの仮定はゲーム内情報から十分あり得る話である。
 
リメイク版では、そんな憎悪の連鎖を断ち切ることができる可能性が用意された。
本来なら決して許せない相手であっても、正しく事情を理解しそれを受け入れる勇気を持つこと。それこそがリメイク版の大きなテーマといえるのかもしれない。