【ソレッタ】

Last-modified: 2021-01-11 (月) 16:14:25

DQ4

【ミントス】の南東に位置する、水と緑に囲まれた農業国家。第五章に登場する。
FC版の【公式ガイドブック】での英語表記はSoletta。英語版での地名はNES版ではSoretta、DS版以降ではParthenia。
釣りをしている商人がしれっと【たこまじん】(没モンスター)の名を口にすることでも有名。
 
大陸では唯一の城がある一つの立派な国家なのだが、その実態はシリーズでも指折りのド田舎。
あちこちに畑がある他、シリーズで初めて案山子が登場する場所でもある。
ソレッタは小さな国なので同じ大陸のミントスは別に自国の領土というわけではない。
というか仮にも城下町(城下村?)であるはずのソレッタよりも、ミントスの方が遥かに栄えているほど。
 
元々は伝説の薬草と言われる【パデキア】の特産地として知られており、どんな病気でも治せるというその根の部分、【パデキアのねっこ】を名産品としていた。
ところが、5年前の干ばつの際にパデキアは全滅してしまい、国の財政は一気に悪化。
現在は大根や人参などの野菜を栽培したり、牛を育てたりしてなんとか財政をやりくりしている状態。
それでも人々の暮らしは貧しくなる一方で、【ソレッタ王】自らが先頭に立って畑を耕している。
 
城の規模もかなり小さいため、ベッドは王様の部屋の一つしかなく、大臣を初めとした家臣たちはなんと城の床で寝ている。
ただし家臣以外にも城の民も城の中(床ではあるが)で寝かせてもらっている者もいる。
FC版では一応すべての民家・施設は普通にブロックでてきた壁でできており、お城も小ぶりながらもしっかりとした石造りで2階建て。
 
後に主人公達が【パデキアの洞窟】から【パデキアのたね】を取ってきたことによってパデキアは蘇り、瞬く間に成長を遂げたその根っこをもってソレッタの国は救われることとなる。
ここでクリフトを治療するためのパデキアのねっこが王様から貰える。
 
なお、再び国が豊かになったのだから国王はもう率先して働く必要もなさそうなものではあるが、当の本人はこれからますます野良仕事に精が出ると言ってその後も変わらず鋤を振るっている。
大半の国王が玉座にふんぞり返ってるだけのこの世界で、目立つところで働いているところを見せる王様というのはまことに好ましい印象を与えるものであろう。
国王としてなすべき政務をやっているのかは不安になるが、ソレッタ自体が比較的小さな国で大臣もいるため、政務の方はそちらで何とかなっているのかもしれない。
支持率も高いことが想像できるし、そのうち新たな名産品が生まれるかもしれない。
 
住民の一人のおじいさんは娘がミントスに嫁いでおり孫のためにパデキアのねっこを持って行ったことがあった。
その娘はソレッタを小さなお城のある村と言い、その子供もソレッタ村と呼んでいた。
世間一般ではソレッタは国ではなく村なのだろうか?
一応ミントスの宿屋にいる詩人はソレッタの国と呼んでいる。
 
5章でこれまで戦ってきたモンスターは、過去の章にも出て来たものが中心だったが、このあたりからいよいよ5章初登場のモンスターが中心となっていく。特に【じごくのよろい】は過去の章でプレイヤーを苦しめた強敵をも大きく上回る能力値を持っている。
 
なお、教会も宿屋も入り口からすぐの場所にあるので、宿屋でパーティを全快させた直後、即座にセーブができる。
また、ここから船で真南に進むと【海鳴りのほこら】の岬に到達できるため、FC版では【メダル王の城】に行くためのルーラ地点としても使える。
船を使った際の移動距離も、【スタンシアラ】【サントハイム】に次いで3番目に近いのも魅力。

リメイク版

お城が1階建ての平屋になり、素材も木の壁に布の屋根というものに。
さらに教会や道具屋、民家は壁・屋根なし、宿屋ですら壁がないという、あまりにも悲惨な状態になってしまっている。
おまけにブタや牛といった家畜がそこら辺で普通に放し飼いになっており、前述のような有様なのでますます田舎になっている。
城にはベッドすらなくなり、夜は王様すらも家臣もろとも床に寝転がっている。
このようにどこからどう見ても「ちょっと大きな掘っ立て小屋」もしくは「立派なテント」でしかない自称お城を目の当たりにして、仲間たちの多くも「これが城……?」と困惑を隠せていない。
さらにBGMも【街(DQ4)】に変更されている。国の規模からしてこのBGM変更は当然の処置であろう。
 
FC版では城門の前には衛兵が1人いただけだったが、リメイクにあたって人員が増えて衛兵1人+牛1匹になった。
違うそうじゃない。
 
国がパデキアを失ってからたかだか5年、繁栄してた頃の建物は普通に残っていても良さそうなものだが、建物に使われる石材まで売り払ってしまったのだろうか?
それとも当時から住環境そっちのけで現在と同じように畑仕事に精を出していたのか。
 
建物らしい建物がロクにないためマップの切り替えもほとんどなく、システムデータ上は「城内」と「村」の2マップのみがこの国の全て。
人口のほとんどが「村」の中に集中しており、人口そのものが他国より少ない割には1マップ内の人口密度が非常に高くなっている。
このせいで処理落ちして歩くのが遅くなってしまう時がある。
 
とはいえ拠点としては前回以上に便利になっており、入り口から宿屋へは建物に入ることなく文字通り直行できる。
そのうえ宿屋からそのまま上にある教会には屋根がないため、ゲーム再開→即ルーラができるという利点がある。
体力を全快してからのセーブや、セーブ&ロード拠点としてはかなり便利。
 
ちなみにパデキアの種を植えると、一瞬のうちに村中の畑で一斉にパデキアがにょきにょき生えてくるという衝撃的な光景が巻き起こる。
そんなとんでもない生命力を持っている植物が全滅するほどの旱魃って……。
 
リメイク版で追加された会話でも王様の評判は高いようで、他国の王家を片っ端からボロクソに貶すあの【ブライ】をして(国そのものの田舎ぶりはやっぱり貶しつつも)王様の働き者ぶりを見て「ソレッタはいずれ大きな国になるかもしれない」と色眼鏡なしに言わしめるほど。
一方【トルネコ】はパデキア以外の特産品を何も作っていなかったために一気に貧しい国になってしまったことについて「名物を絞るとこういうことになる」と厳しいプロの意見をくれる。
言っている事自体は至極もっともな事なのだが、FC版から多くのプレイヤーが【はじゃのつるぎ】専門店として成功を収めさせてきたトルネコにこれを言わせる辺り、とても深い。
現実にも、特定の作物などで経済を成り立たせている(「モノカルチャー経済」という)発展途上国は、しばしば干ばつや国際取引における作物の価格変動が経済に大打撃を与える場合が多い。