【ビスタ港】

Last-modified: 2024-06-16 (日) 19:05:14

DQ5

世界北部の大陸の南海岸にあり、他に施設などは無い小さな港。
SFC版の【公式ガイドブック】での英語表記はPort of Bista。【ポートセルミ】との違いはofがあるかどうか。もしofが無かったら、こちらも「ポートビスタ」になっていたかもしれない。
リメイク版では名称が「ビスタ港」となっている。
ちなみに綴りは異なるが「ビスタ(vista)」とは英語圏を含む欧州の国々で広く使われる単語で「眺め」という意味があり、「将来の展望」や「過去の回想」という意味でも用いられる。
映画の影響でスペイン語の「アスタ・ラ・ビスタ(また会おう)」は日本のみならず世界中でもわりと有名なフレーズになっている。
英語版のDS版以降での地名はLittlehaven。
「haven」は主にイギリス英語で船を停泊させる港(portよりは設備が乏しい)を意味する。北米英語では「harbor」の方が一般的で「haven」は避難所のニュアンスが強いため、あまり港の意味では使われないようだ。

幼年時代

ゲームを始めて最初に目にする建物。
船での旅も終わり、これから始まる大いなる冒険を感じさせてくれる始まりの場所。
 
上陸すると父【パパス】が港の主人と長話を始めてしまい、待てど暮らせど誰に話しかけても全く終わらないため、主人公は1人で外へ出ることになる。
すると早速【スライム】3匹がお出迎え。
途中からパパスの助けも借りて撃退し、第1の故郷【サンタローズ】の町へと歩いていく。
 
リメイク版ではこの船が【ルドマン】の所有する【ストレンジャー号】ということになっており、その娘【フローラ】と運命的な邂逅をする場所でもある。
ただし、特にストーリー上で重要な会話が聞けるわけでもなく、単なる顔見せの意味合いが強い。
ルドマンとフローラ親子がビスタ港にいた理由は詳しくは語られない。しかし、会話システムでフローラが「幼い頃、父に連れられて【オラクルベリー】へ行ったことがある」と言っており、一方でフローラが幼少時にサンタローズやアルカパを訪れたという話はまったく出てこないため、オラクルベリー界隈で何らかの用事があったという設定になっている可能性が高い(占い師の件も含め、詳しくはオラクルベリーの項目を参照)。
また、修業に先立って【修道院】にて、見学あるいは打ち合わせ等の用事があった、という可能性もある。
しかし、幼年時代の時点ではビスタ港からオラクルベリーや修道院へ陸路で渡るための橋はまだ存在せず、ビスタ港を経由する必然性は全くない(リメイク版の本作によくある設定矛盾の1つと言えるかもしれない)。
上陸後にはパパスから【ふしぎなちず】が貰える。
 
DS版以降では【デボラ】も登場する。

青年時代前半

青年時代前半では、【ラインハット】の王命により、長い間船の往来が途絶えていることが女性の話からわかる。
船が途絶えたことにより、ラインハットの国は交易ができずに衰退している。そのわりにラインハット・アルカパで売られている武器は10年前より強力だが、武器は交易していないのかもしれない。
偽太后の影響で強力な武器が作られた可能性や、オラクルベリーとの間に橋がかけられ陸路での交易ルートが確立していた可能性(そちらならばアルカパで10年前より強力な武器防具が売られるのも納得できる)などもある。
 
【ニセたいこう】を倒した後に来ると、何年振りかで【ポートセルミ】行きの連絡船が寄港しており、これに乗って海を渡ることになる。
なおラインハットクリア以外に【馬車】の入手もフラグになっており、馬車がないと船に乗れない。にも関わらず馬車はこの港の中には入る事が出来ないので、出航シーンの見かけの上ではスタメンの3名だけが船に乗って、馬車は港の外に置き去りにされているように見えてしまう。
もっともいつの間にかちゃんと馬車も積み込まれていたようで、到着先のポートセルミの町の外に『先回り』している。主人公たちとは別の搬入口から積んだのだろう。
これ以降、【ルーラ】を覚えるまでは元いた大陸へ帰ることはできなくなる。
余談だが、「夜が明けた」状態から再び夜になるまでの歩数が160歩(80マス分)なのに対し、ラインハット城から徒歩で最短距離でビスタ港まで来たときの歩数が155歩なので、来る途中にわずか数歩分最短からそれただけで港の手前で夜になってしまい、翌日まで船に乗れなくなる。
もし夜になってしまうと、港には宿泊施設がないため、夜明けまで周辺でウロウロするかラナルータを使う必要がある。
道中にサンタローズに寄って宿屋に泊まることで余裕をもって港に来る方法もあるが、なんとも絶妙にいやらしい距離感である。
 
リメイク版ではこの時の船がルドマン所有のストレンジャー号に差し替えられており、しかもこれが最後の連絡船ということになっている。
ラインハットではビスタ港に再び船が往来するようになったことを喜んでいる老人がいたのだが、ぬか喜びだったようだ。
さらに訳がわからないことに、ポートセルミについたときに、「しばらく前にビスタ港との連絡船が魔物に襲われたことで、連絡船が出せなくなったところを、ルドマン氏に無理を言って特別に船を出してもらった」と、いかにもビスタ港との連絡船はしょっちゅう往来していたかのような矛盾した話を聞ける。何がどうなっているのかさっぱりである。
ポートセルミからの連絡船が出ない理由も、魔物の影響ということになっている。
SFC版では、主人公たちの旅の目的からの必要性や、おそらくはタイミングの問題で乗れないだけで、船の往来が途切れたというような話はない。
おそらくは、主人公が【うわさのほこら】【サラボナへの洞窟】でヘンリーが結婚したニュースを聞き、彼に会いに行くのに連絡船を利用する選択肢がないことを矛盾と捉えたことによる変更なのだろうが、特殊なプレースタイルでなければこの時点ですでに習得済みのルーラで帰るのが筋であるし、少なくとも世界観を根底からひっくり返して新たな矛盾を生じさせたことに比べれば矛盾とも呼べないような些細な話だろう。
ついでに言うと、海がまともに船が往来できないほど危険なのであれば、ヘンリー(あるいはデール王)が兵士たちに命令して、どこにいるのかもわからない主人公を海を越えて探しに行かせるというのも無茶苦茶な話である。
 
なお、リメイク版ではポートセルミと共に馬車ごと入れる施設になっており、船にも馬車ごと乗り込む。
上述のオープニング追加イベントで、乗船口には幼いフローラが乗り越えられない程度の段差があったはずなのだが、改善されたということだろうか…。まあこの場合、馬車のほうが特別と見るべきだろう、なにせ一部のダンジョン等では平気で階段を上り下りしているくらいだから。
 
ルーラを覚えてから再び訪ねると、港の主人が眠気に誘われている姿を見かける。
奥さんの話によると、「平和だから寝ていられる」とのこと。
この会話はリメイク版でも全く同じで、ポートセルミで魔物のせいで連絡船が出せないとか言っているのが何なのかわからなくなる。
 
ちなみに、この主人、幼年時代は商人風の風貌だったのが、このときにはえらくたくましい姿に変貌している。
このときの長閑な光景を見ていると、後の悲劇をより辛く感じさせる。

青年時代後半

青年時代後半では訪れる必要はないが、訪れると奥さんから「主人が魔物に喰われて死んだ」と聞かされる。
顔馴染みの人だっただけに、この死には驚かされ、悲しませてくれる。

余談

意外だが名前のある場所なのに、ここにちなんだ名産品はない。
夫婦2人で営んでいる場所のためか、名産と言えるような物を作れないのだろう。

ユアストーリー

プロローグでDQ5のグラフィックを再現して登場した。
SFC版のグラフィックながら、リメイク版の追加シーンであるフローラとの対面シーンが描かれる。この時のルドマンとフローラは映画での外見に合わせて新規に起こされたドット絵である。
 
また、青年時代前半編では【セントベレス山】の麓の町からリュカ(主人公)とヘンリーが木箱に入れられてここに運ばれるが、台詞で判るのみで映像としては登場しない。