【馬車】

Last-modified: 2024-03-21 (木) 04:52:28

概要

【乗り物】の一種で、現実世界でもかつては広く使われていた【馬】が引く車。現在でも主に観光業界で現役である。
DQ4・DQ5・DQ6では戦闘に参加しないスタンバイメンバーを待機させる乗り物として、DQ8では荷馬車として登場。
【天空シリーズ】3作品すべてで登場している点は、意識してのことなのだろうか?
DQ11・DQ10オフラインでもスタンバイシステムがあるが、時代の流れか馬車を使用しなくなった。ただしプレイヤーによっては過去作の慣例からスタンバイ枠を「馬車」と呼ぶこともある。
 
その頑丈さは折り紙つきどころかもはや意味不明な域に達しており、【落とし穴】で1層下に落下しようが、高い崖上から何層分も落ちようが、まったく壊れる気配がない。というか、壊れたことが無い。
さらに、モンスターから灼熱の炎を受けようが、【イオナズン】の大爆発に巻き込まれようが、馬車も、馬も、中の仲間も全くの無傷である。魔物に存在をスルーされてるだけかも知れないが、それはそれで不思議である。
馬の方は竜族の子供だったり天馬だったりという設定が付与されることがあるが馬車本体は本当にただの馬車である。よくよく考えたら不思議である。馬ともども、どんだけ丈夫なのだろうか。馬車というより、もはや結界か聖域の領分に思える。
 
移動性能も極めて優れており、PS2版DQ5の【チゾットの山道】のようなきつい斜面でも一切横転しないし、あまつさえ【ダンジョン】【階段】やハシゴも普通に昇降できる。
初登場のDQ4では、旅の扉などで入口側に馬車を置き去りにした場合は移動先についてこない仕様になっていたが、処理が複雑だったためかDQ5以降の作品(リメイク版DQ4なども含む)では山や川を越える洞窟や旅の扉などでも、移動先の出口に普通に先回りしていたりする。
一体どうなっているのだろうか?

入れ替えシステムとしての馬車

DQシリーズで戦闘に参加できるメンバーは最大4人まで(SFC版DQ5のみ3人まで)。
だがこれらの作品では、プレイヤーキャラがそれより多いうえ、しかも一度にある程度まとめて連れ歩くことができる。
そこで登場したのがこの馬車。戦闘に出さないスタンバイメンバーを乗せておくことで、一緒に冒険しながら、また例外を除いて【いれかえ】コマンドで自由にバトルメンバーを交代することができる。
しかも、スタンバイメンバーにも【経験値】が入るので、加入したてで弱いキャラの安全な強化にうってつけ。
加えて馬車に籠ってさえいれば、【毒】【猛毒】【呪い】による衰弱も進行しなくなるし、【毒の沼地】【マグマ】【ダメージ床】の上を移動しようと被害を受けない。
入れ替えは戦闘中の運用も割と柔軟に可能。
 
バトルメンバーが全滅した場合でも即座にスタンバイメンバーが飛び出して戦闘を継続できる。
飛び出してくる順番は馬車内で並んでいる順番がそのまま使われる。
例えば、5番目に【ミネア】がいる状態でバトルメンバー4人が全滅した場合、入れ替わりの直後はミネアが先頭に立つことになる。
馬車内での並び順はDQ4だと固定だが、DQ5とDQ6では(多少コツはいるものの)任意に並べることができるので、全滅入れ替えが予想されるような強敵との戦いでは、馬車内の並び順にも気を使うべし。(詳細は【隊列】を参照)
なおFC版DQ4以外の作品では、入れ替えで唯一の生存キャラを引っ込める、または総替えで【死亡】【マヒ】状態の仲間だけを外に出すなどした場合、即座にこのメッセージが出てスタンバイメンバーが外に飛び出してくる。
ただしターン中とは異なり、コマンド入力前の状態なので、敵はまだ襲ってこない。
ただし馬車のドアが閉められていると馬車の出入りが一切できないので要注意。
 
便宜上、バトルメンバーを「一軍」、馬車で待機しているスタンバイメンバーを「二軍」、DQ5とDQ6でルイーダの酒場やモンスターじいさんに預けられて冒険にも参加させてもらえない仲間を「三軍」と呼ぶこともある。少なくとも「二軍」は公式も採用している呼び名である。
【主人公】が二軍落ちすることも少なくない(特に主人公がいなくても【仲間会話】が使えるリメイク版DQ4や、【職業】によっては戦いに出るのが難しいくらいにまで脆くなることがあるDQ6。【メタル狩り】をする際【どくばり】のように主人公では使えない武器・戦法で固めた場合もあり得る)。
 
全体攻撃を連発する敵が多く出現する地域で逃げ回る場合、【不意打ち】の被害を抑えたい場合、【行動パターン】がローテーションになっている敵の強力な攻撃のターンをやり過ごす場合などは、バトルメンバーをわざと限界より少なくするのも有効な戦術であるが、この戦術が強力過ぎるとでも判断されたのか、3DS版DQ8以降の作品では(「馬車」として登場しない作品も含め)、バトルメンバーは必ず4人でなければならないという制限が付いてしまった。作品によっては「主人公を必ずバトルメンバーに加えなければならない(3DS版DQ8)」「一部の状態異常になっているキャラはスタンバイと入れ替えられない(DQ10オフライン、DQ11)」といった更なる制限が付けられている場合もある。
それ以前の作品でも、バトルメンバーをわざと少なくする戦法への対策が取られている箇所は存在する(通常攻撃の頻度が上がったリメイク版DQ4の【バルザック+】など)。
 
馬車付きでの行動時のフォーメーションは、4人が馬車を中心とした十字の形に配置される。
これは見栄えの良さもあるが、初採用されたDQ4における、ファミコンの性能限界を避けるための形でもある。
大雑把に言うと、ファミコンはキャラクターを水平方向に5体以上並べることができず、苦肉の策としてキャラをチラつかせているのだ(参考:【4色】)。
4人パーティ+馬+馬車を一本に繋げると最大で6人並ぶ形になってしまい、頻繁にチラつくことになる。
そこで3・4人目を横に逃がすことで、水平に並ぶキャラの数を最大で4人までに抑えているのだ。
DQ5以降はハードの性能が上がったので一本にしてもチラつかせなくて済むようになったが、見栄えの良さもあるので前衛が狙われやすく、後衛が狙われにくいという十字のフォーメーションは伝統として残されている一方、馬車の入れるダンジョン内では一本にフォーメーションを変えることで、外とは違う「狭さ」を表現している。
なお、フィールド上での2~4番目のキャラの馬車外の配置については作品ごとに異なる(後述)。
 
外では、ダメージ床の側を通行すると、先頭キャラが避けても横を歩くメンバーがダメージ床を踏んでしまい、そのメンバーだけダメージを受けることがよくある。

DQ4

【ブランカ】から【アネイル】の間の【砂漠】は砂嵐がひどく、徒歩での移動は困難なため、【砂漠の宿屋】で馬車を貸してもらうことになる。
ただし、【裏切りの洞窟】【しんじるこころ】を入手し、【ホフマン】の人間不信を治さなければならない。
馬の名前は【パトリシア】
 
馬車入手後であっても状況によっては馬車が切り離されることがあり、これには2種類の状態がある。

  • 馬車の入れないダンジョンや、旅の扉を通るなどして馬車を切り離した場合には、馬車(待機メンバー)が完全に置き去りになり、移動中・戦闘中とも利用できなくなる。
  • 町や城などの施設内では馬車は外部に待機しているような扱いで、移動中は待機メンバーの道具や呪文などが普通に利用できるが、メンバーの入れ替えはできない(馬車外メンバーの並び替えのみ可能)。したがって施設内で戦闘が起きた場合には「馬車がいない」扱いになり、待機メンバーは戦闘に参加できない(しかし経験値は入る)。

 
最終的にDQ4のパーティは8人か9人、途中では最大10人(【パノン】【ルーシア】を同時に仲間にした場合)となる。
馬車と共に移動しているときはスタンバイメンバーにも経験値が入るが、【塔】【洞窟】など馬車の入れないダンジョン内ではスタンバイメンバーは経験値を得られない(ただし、入口の広い「馬車ごと入れる洞窟」ではスタンバイメンバーも経験値を得られる)。
こうして一軍と二軍の格差はますます広がっていくのであった。
一部のダンジョンでは町や城など施設内と同じ状態になり、前述のように移動中ならスタンバイの【アイテム】【呪文】を使えるので、これを活用できることもある(経験値も入る)。
最終決戦直前には【デスキャッスル】を出ると馬車は同キャッスルの入り口に置き去りになる。他にも【旅の扉】を使った場合や【魔神像】で岸を渡った場合(FC版のみ)も置き去りになる。
条件によっては【天空城】にルーラで来た際に、移動する雲が天空城のすぐ近くに配置されている場合があるが、これに乗っても馬車は置き去りになる。
置き去りになった馬車は【バロンのつのぶえ】を使用して呼び寄せることができる。他に【ルーラ】を使ったり【全滅】したりしても合流できる。
なお【天空への塔】はもともと馬車の入れないダンジョンなので入れば馬車は切り離されるが、最上階の雲に乗り一旦天空城に入ってから外へ出ると馬車が合流するようになっている。
また馬車入手後にシナリオ上で非AIキャラを含むメンバーの増減があったとき(【ガーデンブルグ】の投獄イベントを含む)にも、基本的に馬車が勝手に合流しているケースが多い(例外もある)。
 
特殊なのが【海鳴りのほこら】。ここは船ごと入るダンジョンになっているため、船に乗っている間は外と同じように馬車を使えるのだが、船から降りると馬車を置いて戦闘メンバーのみになってしまう。
この状態でもスタンバイのアイテム・呪文は使用可能(経験値も入る)だが、そのまま船に戻らずに【リレミト】で脱出すると馬車とスタンバイメンバーが消えてしまう(船は戻ってくるのに)という怪現象が発生する。
ルーラや角笛で呼び寄せれば元に戻るので焦る必要はないが。
リメイク版では船ごとではなく【イカダ】で入る方式に変更され、馬車は一切入れなくなった。
 
本作では馬車の外に出したメンバーは、それぞれ馬車の前・後・左・右の順に配置される。2番目に置いたはずのキャラが一見最後尾にいるように見えるため初見では戸惑ってしまうことも。
FC版では馬車がいる状態で【すべる床】を踏むと馬車と馬車の前後にいたキャラだけが滑り、左右にいたキャラがおいて行かれる。4人パーティ+馬車を全員一度に動かすほどの技術は無かったようだ。おいて行かれたキャラは、移動後に落とし穴や壁を無視して追尾してくるというシュールな光景が見られる。左右のキャラがいない状態でも戦闘になったらちゃんと参加はする。
リメイク版やDQ5以降はダンジョン内のフォーメーションの変更もあり、全員が一度に滑るようになっている。
FC版では【闇の洞窟】の中で船に乗った場合も、馬車の脇に配置されたキャラは船の中に乗り込んだとき消えずに船の上に重なって表示されるが、戦闘終了後には解除される。
また同所では馬車の脇に配置されない2人以下のフォーメーションのときに入れ替えを行って3人以上のフォーメーションにすると、そのフロアの入口から3人目以降のキャラが現れ、滑る床のときと同様に飛んでくるという挙動がある。
 
【オートターゲット】の存在しないFC版DQ4のみ、狙われたキャラが敵の行動より先に馬車に戻った場合に、「しかし○○は馬車の中にいる!」となってダメージを受けない。
というより、FC版DQ4以外ではターンの初めのコマンド入力の段階で即時入れ替えが完了するので、仮にオートターゲットがなくてもこの技は使えない。
 
なお、馬車が初登場した本作では特定のメンバーが馬車外にいるときに台詞が変わるNPCが結構多い。

ライアン
【バトランド王】【バトランド】の兵士(一部)、【アレクス】【フレア】【イムル】の戦士
アリーナ
【エンドールの旅の扉】の兵士、【テンペ】の老人
トルネコ
【レイクナバ】の住人達(【トムじいさん】【トムの息子】【トーマス】など)、【ネネ】、トルネコの息子(【ポポロ】)、【ブランカへの洞窟】の老人
マーニャorミネア
【コーミズ】の住人達、【モンバーバラ】の座長、【オーリン】【キングレオ】【バルザック】

 
【週刊少年ジャンプ】1989年19号での発売前情報では「傷ついた仲間は馬車のベッドで休んでHPを回復することができる」とあったが、製品版ではボツにされたらしく回復はしない。
【取扱説明書】によると、馬車にいてもメンバーは気を休めていない(臨戦態勢を解除していない)ことが理由付けらしい。経験値が入るのも同様の理由とのこと。
 
PS版に限り【馬車殴り】という裏ワザがある。

DQ5

青年時代前半、【モンスターじいさん】のモンスターを仲間にするなら、という勧めで【オラクルベリー】【オラクル屋】で300Gで購入することになる。えらく安い。
(4コママンガ劇場には300Gの安さで入手できる物には裏があり、馬車は自分でDIYして作り、馬はラムポーンを穴掘って待って捕まえるというとんでもない代物だった、というネタがあった)
モンスターじいさんの言葉通り、【仲間モンスター】は馬車を買わないと仲間にならない。
それらを無視して馬車を買わずにストーリーを進めても、いつまでたってもビスタ港に【船】が来ない。
すなわち【ヘンリー】離脱とともに馬車購入が船到着のフラグとなっているのだ。
 
馬の名前は前作と同じパトリシアだが、【パルプンテ】を使って暴れだしたときしか名前が出てこない。
馬単体ではストーリーに絡んでいないので、名無しでも問題は無いのだが、パルプンテで起こる効果とそのメッセージを使い回した関係で前作と同じ名前になったのだろう。
リメイク版では仲間会話で他のキャラにその時点で誰もセリフがない場合、パトリシア「ヒヒーン!」と出るので名前が確認できる。
こちらもストーリーに絡むわけではないが、仲間会話をよく利用する人は印象に残る。
 
今回のパーティは馬車内を含めると最大8人までに減少、身内や家臣を入れると7人が固定化されてしまう。
入りきらない場合はモンスターじいさんや【ルイーダの酒場】に仲間を預けなければならない。
【仲間モンスター】を積極的に利用する場合、終盤になるとゴーレムだのキングスライムだのグレイトドラゴンだの大型モンスターも乗り込んでくるが、問題なく運べる。馬車の丈夫さ、大きさはシリーズ随一と思われる。
 
馬車内の仲間にも経験値が入るが、馬車が切り離されるダンジョンでは戦闘参加メンバーにしか経験値が入らなくなるのは前作と同じ。
入手経験値が増える青年時代後半のダンジョンのほとんどに馬車が入れないため、前作以上に1軍と2軍の差が広がるようになってしまった。
 
DQ5では物語が主人公の半生であることが強調されているためか、彼を馬車に入れていても全ての【城】【町】に着くたびに自動的に彼が先頭に立つ。
【ほこら】でも同様の処理があるが、馬車ごと入れる【ラインハットの関所】【森深きほこら】【暗黒世界のほこら】の3ヶ所は例外。
主人公が死んでいる状態で特定の町に入った場合には、仲間が自動的に主人公を教会で生き返らせる。
また、上記の処理が行われる城・町・ほこらでは、他にも人間キャラクターが馬車にいる場合に馬車外の人数分だけ、人間キャラクターが優先して外に出てくる。
特に、【大神殿】も町扱いで人間が優先されるので、仲間モンスターを戦わせたいのなら、人間は戦わせるキャラ以外ルイーダの酒場に預けよう。
 
馬車外に出せる人数が少ないせいなのか、本作のみ戦闘メンバーの人数によってフィールド上で配置される場所が異なるという仕様がある。
それが2人の場合は馬車の前・後、3人の場合は前・左・右となる。
【マリア】がいる時期は少し変化して2人の時は3人と同じ配置(マリアが3番目扱い)、3人の時はマリアが馬車の後ろについてくる。

リメイク版

リメイク版では、馬車が侵入できる条件や、人間が優先される場所に一部変更があった。

 
バトルメンバーがSFC版よりも増えて4人になったが、何故か馬車外の配置順はDQ4・DQ6と異なり前・右・左・後という順番になっている(4人パーティー時にマリアがいる場合は最後尾のさらに後ろ)。
2番目以降の配置はDQ4・DQ6と丸っきり逆順であり、そちらを知っていると違和感を覚えるかも知れない。

天空物語

第2巻と第3巻で登場。テンとソラの父親が使っていた馬車だが、カデシュ曰く「王が使っていた馬車にしてはチンケ」らしい。
しかし【グランバニア】に来るまで父親は自分の出自をほとんど知らなかったし、馬車も格安で購入したものだから、全体的にシンプルなのは仕方ない。

DQ6

今作の馬車は「上の世界のレイドック王の所有物であり、現時点で使用する予定がないため主人公たちに貸し与えたもの」という設定である。
作中に「馬車を返す」というイベントは存在しないため、安心して使って良い。
 
上の世界では歴代のレイドック王が代々これに乗り込み、荒野を駆けていたらしい。
そのため上の世界の【レイドック】の城内にいるおじいさんは、この馬車が活躍する勇姿を見たくて仕方がなく、馬車を引く馬がいない現状を嘆いていた。
一方、城下町では西の森で暴れ馬に襲われて怪我をした【商人】が泊まっている。
自分が【兵士】になれた場合は、困っている人を助けることも兵士の務め。
兵士になれなかった場合は、手柄を立てれば兵士になれるかも。
ということで、【主人公】【ハッサン】とともに暴れ馬を捕まえて馬車を動かせるようにすることになる。
今回の馬の名前は【ファルシオン】。このファルシオンは、物語の後半では過去作以上に重要な役割を果たすことになる。詳細は当該項目で。
 
馬車外メンバーの人数に応じたフォーメーションはDQ4のものを引き継いでいる。
序盤に【ミレーユ】が加入してから【月鏡の塔】までは3人パーティで一人が左、一人が後ろに回るため、右手側が不自然にもお留守になるのはご愛嬌。
 
馬車があるときのパーティは前作と同じく最大8人で、主要メンバーと固定サブメンバーの【アモス】【ドランゴ】を入れると丁度満杯になる。
【ダーマ神殿】復活後はアモスを加えた後だと控え枠が2人余るので、仲間モンスターを2体増やしても問題ないが、【ゼニスの城】解放のあとは【テリー】【ドランゴ】を加えることができ、仲間モンスターがいるとルイーダに預けなければならないメンバーが発生する(リメイク版では、【ピエール】【ホイミン】を加えた辺りで満杯になる)。
 
なお、本作では大幅に馬車が使いやすくなっている。
洞窟や塔など馬車が入れないダンジョンであっても、経験値や【熟練度】をスタンバイメンバーも稼ぐことができるのだ。
また、同じくダンジョンではその場にいないスタンバイメンバーの呪文・特技や道具も使うことができる。
DQ4・DQ5でも一部のダンジョンでこの仕様だったが、本作ではどのダンジョンにも適用されるため、便利さは段違い。洞窟の外で【ホイミ】を唱えるだけで、洞窟の中の仲間の傷が治る。
これについて、【堀井雄二】は『週刊ファミ通』1996年2月9日号で次のように語っている。

回復魔法など、呪文の種類によっては、距離が関係ないものがあると思うんです。"魔法"っていうくらいですからね。だから今回から使えるようにしたんですよ

しかし特技や道具については説明がなく謎のまま。不自然ではあるが、非常に便利なのでツッコミはやめておこう。
ちなみにこのルールによって、4コマのガンガン編4巻や4コマクラブ4巻に載っている「遠い場所からホイミを唱えるものの、回復しなかった」というネタがやんわりと否定されてしまっている。
唯一、この件の例外は【カルベローナ】での【マダンテ】伝授イベント時で、【バーバラ】が馬車の外にいないと【すなのうつわ】が使えない。バーバラ抜きで【ブボール】に会うという事態を無くすためだろう。
 
「すぐそこに馬車がいると思われるにも関わらず、どうしてここでメンバー入れ替えができないのか」と思わせる地形・ダンジョンが登場するようになった。
【天馬の塔】【ムーアの城】【お楽しみダンジョン】といった馬車を連れて攻略できるダンジョンが作中に存在するため、不自然さが際立ってしまっている。
残念ながら、そこでの入れ替えは諦めるしかない。

ツッコミどころがある地形一覧

ツッコミどころがある地形一覧

マンガ版

第2巻でファルシオンを捕まえていたが、本格的にボッツ達が活用するのは第4巻から。
【ムドー】戦後は二手に分かれて魔王の情報を集めることになった時は、ボッツ、バーバラ、【キズブチ】が使っていた。

DQ7

【ユバールの民】は馬車で移動しているらしく名前のみ登場する。

DQ8

馬姫様こと【ミーティア】に引かれて登場。
本作では馬車のデザインまで【鳥山明】が担当した。鳥山の説明によると、馬車の下には車輪用の油を入れたバケツが備え付けられているらしい。
旅をしているときはいつもの幌馬車で、エンディングでは貴族用の馬車っぽいものが登場する。
 
移動中は先頭キャラしか映らない同作だが、「なかま」コマンドを使うことで馬車が確認できる。
また走っている最中には馬車の音とミーティアの鳴き声がしっかりと聞こえてくる。
ただし、仲間が4人しかいないPS2版・スマホ版では、天空シリーズと違い、スタンバイシステムには何の関係もない。
劇中描写を見る限り、人間が乗るスペースもほとんどない(かなりの肥満体とは言え、【チャゴス】1人が乗ってパンパンになっている)ようで、専ら荷馬車として使われている様子。
ただ、その荷物の中には大事な大事な【錬金釜】が鎮座しており、馬車を連れて入れないダンジョンや、イベントでミーティアと馬車が盗まれたときなどは、錬金釜が使用できなくなってしまう。
旅のためには不可欠とはいえ、自分の愛娘に重い荷物を引かせなければならなかったトロデ王の心中、察するに余りある。
ダンジョンには馬車は入れず、錬金釜も使えなくなるが、そのおかげで「落とし穴に落ちても壊れない」「何故か階段を昇降できる」などの怪現象が起きなくなったので、妥当なところだろう。

3DS版

仲間が2名追加されて最大6人になったことにより、DQ8でもスタンバイシステムが導入された。
天空シリーズと違って主人公はスタンバイメンバーにすることができず、またバトルメンバーは必ず4人でなければならない。
したがってスタンバイシステムを利用できるのはパーティが5人(【モリー】または【ゲルダ】の加入)になってからである。
町などではスタンバイを含めたパーティ全員と【なかま】コマンドで話したり、入れ替えをすることができる。
 
設定上は、バトルメンバーがダンジョンに入る時は、スタンバイメンバーは馬車の中にいるわけではなくトロデ王の護衛をしているということになっている。エピローグにて十分強いところを見せているので、守るならばトロデ王よりミーティアを守った方がいいような……。
本作のスタンバイシステムは移植にあたって後付けされたものであることから、PS2版から存在するダンジョンはすべて馬車持ち込み不可であり、【暗黒神ラプソーン】戦や【竜の試練】も4人のみでの挑戦となる。
ただし、経験値はスタンバイメンバーにもしっかり入る。したがって【竜骨の迷宮】でも格差の発生を気にすることなく【メタル狩り】ができる。
例外として、【追憶の回廊】には馬車ごと入れるので、戦闘での入れ替えが可能。

DQ10オフライン

各地の【小国】【大国】、Ver.2の【グランゼドーラ王国】(真偽とも)の入口の前に行商人の馬車が止まっており、25Gでその大陸の【キャンプ地】【出身村】などまで運んでくれる。ただし訪れたことのある場所のみ。
【ルーラストーン】の利便性の高いオフ版では、使われることはあまりないだろう。
なおパーティメンバーの入れ替えには使用しない。
 
また、【プクリポ】を選んだ場合には【出身村のおはなし】の冒頭に登場する。

DQ10オンライン

NPCの商人が交通・運搬手段として使用しており、Ver.2からプレイヤーも便乗できるようになった。
詳しくはこちらを参照。
馬車型の【ドルボードプリズム】も登場しているが、狭かったり段差がある場所では無理が生じることがある。

DQ11

前述のように今作ではスタンバイシステムがあるものの、パーティに馬車という概念は無い。
PS4版等の場合、オブジェクトとしてならば【デルカダール城下町】などに置かれている。下層ではかくれんぼ名人の【ジェット】が隠れていることがある。

キャラバンハート

キャラバンの名の通り歴代一の大所帯で最終的に3台も連れ歩くことになる。
ルインの父・ウエインが使っていた「イーグル号」、カカロンがビーナス共々与えてくれた「カカロン号」、サマルトリア王の命を受けたゴードンたちが乗っていた「グレイト号」の3台。
基本的には人間キャラの4人乗りだが重量制限がある。
 
詳しくは【キャラバン編成】を参照。

テリワン3D

初回クリア後、魔戦士たちが空飛ぶ馬車に乗って【タイジュの国】にやってくる。
かと思いきや実は戦車だったことがその後判明する。

ウォーク

2024年3月7日より実装。いわゆるソシャゲにおいてはこれが初登場となる。
ストーリー2章5話(仲間4人が全員揃う段階)クリアと冒険レベル20以上の2つを満たすと追加される馬車解放クエストをクリアすると開放される。
クリア後に、スタンバイ仲間として【テリー】が加わる。常設であるため、以降もスタンバイ仲間は増えるとみられる。
ここでは、スタンバイ仲間の共通項についても触れる。
 
運用方法については上述のナンバリングのものと似通うが、1回の戦闘で入れ替えできる回数に制限(通常戦闘では2回上限)があり、その回数はコンテンツによって異なる。
その入れ替え自体も1ターンに使用できるのは1回のみ。クエストボスなどでは一部を除いて入れ替えができない。全滅時の強制入れ替えも発生しない。
入れ替えでしか戦闘参加できない関係上、スタンバイ仲間はいきなりスキルを発動できない。
 
スタンバイ仲間は、馬車に待機させるとキャラ固有の特殊効果が発動するほか、戦闘中に固有特性を発動することがある。
プレイヤーキャラと同じく手持ちの武器・防具を装備でき、経験値で成長しレベルアップする。スタンバイしていれば戦闘に参加せずとも経験値を獲得できる。
錬成ができる武器であれば、装備することで参戦の有無にかかわらず錬成に必要なポイントも一緒に溜められるので、装備武器区分次第で活用したい。
ただし、武器はキャラ毎に装備可能な種別しか装備できず、アクセサリが装備できないほか、装備に持つ職業固有効果は発動しない。
こころは装備できないが、代わりに心珠は最大5つ装備可能。仲間モンスターやふるさとスライムの効果は職業に関係ないものだけ反映される。
 
馬車を使わない設定にもできるが、馬車スキルがあること等を考慮すると、縛りプレイでもない限り使わないのは勿体ない。

ダイの大冒険

ほんの数コマだけだが登場している。馬一頭が屋根もない荷車を引いているだけと質素。
ダイ一行が【ベンガーナ】へ向かう際に使用され、【レオナ】が手綱を握っており【ダイ】【ポップ】が降り落とされそうな程スピードを出していた。
 
ちなみに映画版「ダイの大冒険 起ちあがれ!!アバンの使徒」ではソフィア港に向かう際に荷馬車に乗せてもらっている。

アベル伝説

17話では【ドランの都】の兵が【サーラ】王女を追うのに、住民から奪って使用している。
 
26話では瀕死状態の【アベル】を運ぶために【モコモコ】【ヤナック】が、森の住人【リリパット】からお金と引き換えに馬車を調達した。引くのは馬ではなく巨大な鳥のようなモンスター(キャストでは【コドラ】と表示)だが、作中では馬車と呼んでいる。
しばらくモコモコたちはこれでアベルを運ぶが、【大目玉】から逃走する際に壊れてしまった。

ロトの紋章

馬車とは微妙に違うが、【アッサラーム】からカーメンに向かう際に
タルキンが5000ゴールドもした獣車(牽くのは【おおくちばし】)を購入している。
カーメン到達後にはカーメンに置いていったのか登場はしていない。
また、アルス達は乗っていないが、【おおねずみ】が牽く獣車も登場している。

勇者ヨシヒコと悪霊の鍵

第10話にて登場。
この中に、ヨシヒコ達が仲間にしていった魔物が待機している。
しかし、暑かったため熱中症にかかる魔物が多く、無事だったのはキメラだった。
もっとも、ヨシヒコ達は「少し頭のいい」魔物を探していたので、「無事だったけども頭が悪くて今回は見送り」というパターンの魔物もいたのかもしれない。
 
メレブ曰く、「『馬』の必要性を感じない」「『車』の部分単体だけで力強く走りそうな感じが拭えない」というフォルム。
それもそのはず、今作の馬車はトラックに馬を括り付けただけのものである。