【生物】/グラウヴルムス

Last-modified: 2020-05-31 (日) 04:05:00

アルファベット表記:Grau Wrms
漢字表記:帝飛竜
分類:擬竜類四肢飛竜型獣竜種(おそらく有鱗類)
危険度等級:A+
生息地方・国家:不明
生息域:おそらく高山地帯
Tag: 生物 擬竜類 飛竜型 獣竜種 絶滅種 危険度等級A 戴冠種 発案:tocoma110


概要

すでに絶滅してしまったとされる、世界最大の擬竜類の一つ。
超古代文明以前の時代に君臨していた生物であり、現代では目撃されることはなく、幻の生物と化した古き時代の王者。
時折秘境などでその骨が見つかるため、存在していたことだけは知られている。

  • 一方で、大陸歴前にはその生き残りが存在していたとする説もある。
    各地に伝わる「特定の山よりやってくる空飛ぶ竜退治の英雄譚」における竜の特徴が、本種のそれに合致することが根拠として挙げられる。
     

翼膜を広げた際の復元想像図から、『ヘルカイト』の俗称を持つ。

 

分布

厳密な生息域は不明だが、多くは山岳地帯の高所に巣を構え、数百kmを飛び回っていたと考えられている。
また、棲む土地の多くは険しい山々であるのみならず、鉱物資源も豊富であることが特徴となっている。

 

形態

現状、化石のみしか存在しないため、正確なところは不明。
だが、化石から類推するにウィルビンドラグリウスに近しいオーソドックスな飛竜型と目される。


特徴として、ワニ類を彷彿とさせる大きく裂けた長い口を備える。咀嚼より噛みつき食い千切る用途に向いた構造を持つ。他、頭部は額から後頭部に掛けて鶏冠状に伸び鱗に覆われた角と、眉のラインの延長線上に伸びる骨角、ほか、頬横に数本の鱗角を備えていたと考えられている。

  • また、後述の伝説の通りであれば、背面や肩部、腿などに鱗が変質した甲殻状の部位を持っていることになる。

首や尾は長く、また尾先には頑丈な骨質の棘がスパイクか何かのように生えている。
特に先端のそれは鉤爪のように鋭利で、捕らえた獲物を突き刺して持ち帰った……と考える学者も存在する。
脚部はドラグリウスに近く、鋭い鉤爪を生やし歩行よりは物を保持することに優れた形態となっている。


翼は翼膜型。
七本の指先は形状から爪が生えていたと考えられる。それらの爪を行使し、飛行の細かな制御をしていたとする説が強い。
筋肉量も多かったと目されており、羽ばたく力も腕力的な面でも、見た目以上に強かったものと考えられている。
 
特に翼の起点となる親指相当の短い二本は、崖などを自力で登ることすら可能だったと見られており、単なる飛行器官にとどまらぬ活躍を見せたのではないか、とも推測される。

  • 翼膜は非常に巨大で付け根に行くほど広いという特徴を持つ。
    付け根は脇下~尾の一部にまでに及び、翼を広げた姿はまさに地獄からやってきた凧の形容にふさわしい偉容となる。

加えて、本種の体躯は極めて巨大。
多少のばらつきはあるが全長は100mを優に超え、翼長もそれに匹敵する。それこそ古竜・上古竜に匹敵するほどの巨躯を持つ擬竜類は、特殊な個体を除いて現代には観測されていない。

 

生態

正確なところは不明であるが、他の大型飛竜型獣竜種同様に卵生で巣を構え、雌雄一対ないし個体での生活をしていたと考えられている。

  • 現状、雌雄や親子での骨が見つかっていないことから、どのように生活していたかは不明。

骨格から類推されるにドラグリウスに近い肉食の捕食者であり、生態系の極めて上層に位置するものと考えられる。
化石などの傷跡から多数の交戦があったと目され、大型の乳生類や鎧殻類、魚類、また空棲類を相手に狩りを行なっていただろうことは想像に難くない。大型の顎から類推して、一撃で獲物の頸椎を砕いたものと思われる。


その他、何らかの形で鉱物資源と密接な関係にあった可能性が示唆されている。

  • 化石が見つかる秘境や、後述の伝説の残る土地の性質から見て、鉱脈豊かな山を好んでいた様子。
    そのため本種が鋼皮類であったか、ファルニーアのような収集の習性を持っていたのではないか、という推論は古くから唱えられていた。
    しかし、詳細は不明である。

 

能力

詳細な能力は不明だが、少なくとも骨に刻まれた傷跡から接近戦を挑んで狩りを行なっていたことは確実。
鋭い爪や牙、尾先の棘から類推するに、飛行種としても格段に高い格闘能力を持っていたと思われる。


その一方で、精術系の能力やブレス機能を備えていたかについては不明。少なくとも、骨格レベルではそういった器官があったと断言することは難しいのが現状である。

  • 伝承の通りであれば高度な飛行能力から他種同様の浮遊用の気流干渉系の翼膜構造と、ファイアブレスを行使する器官があったものと思われる。

 

伝承

不思議なことに、本種の化石が発掘された辺りでは、大陸歴前の物語として『山からくる飛竜退治』の逸話が伝わる地域が多い。
その多くは、様々な理由から街を襲う飛竜を勇敢な戦士が倒し、飛竜なき山という資源を獲得する……という筋書きとなっている。
これらの面白いところは、どの地域であっても登場する飛竜の形状や能力・習性に共通した特徴があることである。
以下は、その主だった例。
 
【特徴】

  • 茶色い鱗と甲殻。
    甲殻は栄州の鎧のそれに近い蛇腹構造を組んでおり、見た目以上にしなやかに動く。
    また、甲殻の端随所に棘状の突起物も備える。
  • 「○○(近隣地域で著名な飛翔生物)以上に自在に空を飛行した」という記述。
    具体的な描写も伴いやすく、真実であれば高度な飛行補佐精素現象を行使出来たものと考えられる。
  • 「鋭い尾の一撃が~」という記述。
  • 「炎の息吹」についての言及。
    いくつかの段階わけの描写があり、特に最大の一撃は夜空を赤くするほどの大火という形で必ず記載される*1
  • 鉱脈豊かな山に巣を構える。
  • 倒した竜の身体を鍛造の材料にしたところ、鍛造技術的に大きな恩恵(極めて強固な金属を生産出来るようになった)があった、とする結末。

など。
 
これらが果たしてどこまで本種の生存記録とすべきか、議論の余地はあるものも、数少ない手掛かりとは言えるかもしれない。

 

関連するもの

  • マルクドゥール連盟?
    伝わる伝承の中では最も新しいとされ、化石も発掘された国。鍛造技術に優れる。
  • ???

 


相談コメント欄


*1 これについてはファイアブレス系統最強の区分である、灼熱(Incandescent)と呼ばれるものではないか?とする説がある。