【組織・職業】/護傍導士

Last-modified: 2024-04-18 (木) 22:17:50

アルファベット表記:Arctzquai
読み:ごぼうどうし/アークツクァイ
分類:スタイル、流派
発案者:tocoma110
Tag: 組織職業 護傍導士 流派 発案:tocoma110


概要

多目的唱撃棍を主に利用し戦う、特殊な武芸者などの総称。
攻めよりも守りに重きを置いたスタイルで、精素現象をも駆使しての多彩な防御技が特徴とされる。彼らの使うとされる技の多くは自己のみならず、同胞などの他者を守るための技とされる。そのため、古来より防衛線や護衛など、守りのための戦いで活躍したという。


あくまでその戦い方に由来するものの総称故、これという『型』や『呼称』は、厳密には存在しない。
そのため、各地でこれに分類される様々な職業・様式が存在する。

  • 護傍導士が使う棒術は総称して『護棒術』と呼ばれている。

 

目的

基本的には「守るための戦い」を行なうことにある。
相手を倒す・殺すこと以上に、「自他を守る」ことに重きを置く。その理由は遠隔に詳しいが、基本的に宗教的あるいは信条的に死・流血を避けつつ、相手と戦うためとされる。


大陸秘境開拓時代以降は後述のような団体のみならず、秘境開拓者間でいわゆる『護衛役』と呼ばれるポジションを担える者、としても注目されることとなる。

 

沿革

起こりは種類によって変わるが、概ねは宗教関連の分野から生まれたとされる。
旧い信仰から現代の思想性の強い宗教に至るまで、聖域や聖職者は流血や死を忌避する傾向が強い。これは大陸全土地方のいずこでも見られ、そうした中、「自らの信仰を守る」ために一部の聖職者間で自然的に発生していった、と考えられている。

  • 一部では護衛などの間でも伝播したとされるが、非殺生を重んじる必要がないことからあまり広まらなかったようである。

霊祭節であっても聖職者層が精素精術を使っていたこともあり、その歴史は長い。
現状残るとされる最も古い流派は数千年の歴史を誇るとされる。
実際、原理・特性も比較的単純なものであるため、同党の発想は各地で自然的に生まれていった。結果、該当する戦術は多岐にわたり生まれ、現代にいたるまで受け継がれ続けている。

  • 同種の戦闘技能者の姿は大陸歴以前の文明から存在したとして、いくつかの遺跡にその名残と思しい美術品・意匠が見られる。

そして、大陸秘境開拓時代以降は一部の開拓者の間で、「多彩な防御術を使える」ことに注目されるようになる。

 

特徴

使用する武器は『唱撃棍』が中心。
「非殺傷性をある程度確保出来る」「防御のための幅広い技が使える」ことを求められるため、棒型のものを使うことを好む傾向が強い。起こりの通り、流血を忌避する事情も相まって刃物はつけていないものがほとんど。

  • 相手の攻撃にぶつけることも多いため、打撃・打突型の方が都合良いようである。

戦闘スタイルは一般的な棒術に似る。
波音を扱う都合上、打突のみを中心とせず「振る」形の用法も多い。
攻防ともに響撃を中心にする通り、生体精素への攻撃から精素現象による物理障壁・物理相殺などを主軸に置く。纏剣術的な生体属性攻撃や炎熱等を纏わせる技もないわけではないが、どちらかと言えば純粋な衝撃伝導性を重視する。


特に、打撃打突による相殺が強い。
これらは精素現象をかき消すような対精術型以外にも、大質量攻撃の緩和・無力化などにまで及び、退獣士などにも使い手が存在するほど。それらを応用することで生体精素の鎮静化を促す攻撃などもある。
その他、相手の力を利用した受け流し・カウンターも多い。
剣術型と比べると一層「相手の力を活かす」技が豊富で、精術型と合わせることで驚異的なカウンターを攻めの奥義に据える流派も珍しくない。


精術型では簡易防壁型が主流。
打突によって空間に精素による壁を展開したり、空間自体を短時間固定するような防御術が主体。単純な空間打撃で起こせることもあり、こうした術を使うものは多い。
また、精素現象を受け流す技も多い。
それらを応用することで、術を撃ち返すカウンターや完全霧散などを実現することもある。
また、精素に干渉しやすい性質上、精粒類原精虫相手に特に有効とされる。

  • 一方、遠距離型の攻撃はそれほど多くない。

格闘術を組み合わせることも多く、戦闘技能としては武術家に近い。

著名な流派

ボーツ・クァイ

Bawtz Quai。
綴州で発展した、最も著名な護傍導士。
精素関連のトラブルの多かった綴州では一般的な戦士でもあり、古くから様々な護傍導士が存在したという。精素に対応しやすい防衛能力という点から、聖域の守護以外にも各地の村落などの防衛、また旅の護衛など幅広く浸透している。
綴州では一般的な戦闘職の一つとして親しまれる。

  • ボーツとは「戦闘用の棒」、クァイは「使い手」を意味する。

対人技もだが対精素系の技が多い。
精術を霧散するようなものから、対精粒類では有利を取れるほどに有効。このことから秘境で活動する者の間では特に有力視され、後述の護棒士の原型になったとも伝わる。


【主な技】

  • ウチャライ(弾き払い)
  • ヒャツキ(高速での打突)
  • シポォチ(大振り打撃)
  • マーシチ(回転を利用した技の総称)
  • ヵラヵベ(短時間空間固定防壁)
  • レ・○○(対精素用の技につく冠詞)
  • (××・)ェーカ・○○(相手の攻撃を利用した返し技につく単語)

龍華法士

りゅうかほうし。LonggKa Phonsuii。
華州固有の護傍導士の中でも、特殊な存在。
華丹拳法で用いられる華州式精華術を組み込んだ技を使う、精素活用性の高い術。
波音術並みの身体強化・格闘技能に加え、華州の仙道思想が強く組み合わさった異質なものとなっている。六感*1すべてで万物を感じ取る修行も行なうため、護傍導士の中では最も強力とされる。
特に、一定の段階を超えたものたちの実力は、竜に比肩するなどと謡われるほど。


だが仙道思想とか変わるように習得も困難なら、外界と関わることも少ない。
半端な武術として納めるものもいないわけではないが、多くは一般的な技を学ぶ。


【主な技】
技の多くには「龍」の字がつけられる。

  • 龍尾槌(りゅうびつい/攻性打撃系)
  • 巻龍楓(かんりゅうふう/大振りの払い技)
  • 龍啼戳(りゅうていたく/突きで精素に干渉する技)
  • 吼龍發(こうりゅうはつ/空間波紋防御技)
  • 伏龍堅(ふくりゅうけん/受けて衝撃を殺す技)
  • 環龍爪(かんりゅうそう/相手の攻撃を利用して放つ技)

護武僧

ごぶそう。
栄州起僧のある流派の護傍導士たち。
心身の修行の一環に武術を取り入れており、その中で発展したとされる。
一般的な僧はもちろん武僧のそれとも異なり、精素と思想が強く結びついており、それらに基づいた型・技を使う。そのため精素を扱う考えが強く、どちらかと言えば精術使い的な一面が強い。

  • 開祖は地面を一突きして地下水を湧かすなど、魔法使いじみた逸話が多い。

【主な型】

  • 黄精技(受けや止めを中心とする)
  • 黒精技(絡めや吸い受けを中心とする)
  • 青精技(いなし、力の利用を中心とする)
  • 赤精技(力を練り操る技を中心とする)
  • 白精技(鋭い動きを中心とする)

セーマシ

Sehmashi。
燦州で生まれた、対魔北戦用用護傍導士。
攻めの魔剣士に対し発展したとされる
防御用の技のみならず、魔北生物へ特に有効な威力を発揮する技が発展している点が特徴。その性質上、魔剣術と比べるとマイナーな存在ではあるが、有用性に関しては勝るとも劣らない。
実際、畏州の護傍導士はセーマシの系譜を汲んだものであり、


魔剣術が黒色精素系統を使う技なのに対し、こちらは白色精素を中心に使う。
そのため、力を散じさせるような技や、衝撃などが防御を通り抜けるような技が目立つ。受けて立つというよりは力を無くす、希薄にすると言った方向性で技が組まれ、また使い手の動きも早さに重きを置くなどの特徴が見られる。


【主な技】

  • 白貫(しらぬき/防御貫通衝撃浸透技)
    • 日刺(ひざし/白貫発展の生体精素爆発との合わせ技)
  • 雪散(ゆきちらし/精術霧散技)
  • 百合壁(ゆりかべ/物理衝撃霧散技)
  • 白羽(しらは/遠当て)
  • 風絡め(かざからめ/対精術用カウンター利用法)
  • 揺れ回し(ゆれまわし/対物理衝撃転用法)
  • 征魔○○(せいま~/対魔北存在用技の冠詞)
  • 聖磨○○(せいま~/白性精素全般を強く使う技の冠詞)

護棒士

ごぼうし。Arctist。
ボーツ・クァイを源流に、秘境開拓者界隈で育まれた護傍導士。
各地の護傍導士の系譜にある者たちが交流し、その中で生まれていったものであるため、前述のいずれとも成り立ちが異なる。秘境開拓用ということもあり、「同行者を守る」技に重きを置くとされる。


他の流派のいいとこどりである一方、特化性が薄い。
そのため汎用性は高いが技の精度では(極めた場合)見劣りするとされ、真に先を目指すものは他の護棒術を修めるようになるという。
また、防御系の技が多い傾向にあることから、白騎士と共に防衛役の代表の一つに数えられる。


【主な技】

  • 波紋打ち(攻撃霧散技)
  • 空壁(からかべ/短時間空間固定防壁)
  • 弾雲(はじくも/常に棒を振り回し干渉を弾く防御乱打技)
  • 網返(あみかえし/精術や精素現象を受け止め、それをそのまま返す技)
  • 蛇守り(絡みつくように対象を守る防御乱打技)
  • 蛇穿ち(受けた衝撃を利用して放つ返し技)
  • 雷打(らいだ/生体精素爆裂技)

 

評価

一般人・戦闘技能者共に「棒使いは防衛職」という印象に寄与している。
古くから存在するだけあり、このスタイルの認知度は高い。
特に戦闘技能者の間では「棒術使い」の防御技は、臨機応変での対応がとりやすいものと知られる。そのため、あえて棒を使うことを選んだ者は、同業から相応の期待を掛けられることとなる。


一方で、一般人の間では実態は知られていない。
特に地方別の流派は集団内でのみ伝える傾向にあり、九大州ほどの規模でなくとも地方ごとに数多の流派が存在する。そのため、各地で同系統の技が混同される傾向にあり、大枠の知名度に反して個別流派は認知されにくい。

 

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*1 聴覚・視覚・嗅覚・味覚・触覚・精覚のこと。