【生物】/ウィルビン

Last-modified: 2020-06-13 (土) 18:12:26

アルファベット表記:Wyrbin
漢字表記:翼手飛竜
分類:擬竜類四肢飛竜型獣竜種(有鱗類)
危険度等級:C
生息地方・国家:爬州俄州応州楪州など
生息域:森林・山岳の秘境など
発案者:tocoma110
Tag: 生物 擬竜類 飛竜型 獣竜種 危険度等級C 有鱗類 発案:tocoma110


概要

大陸広域で派生種の生息が確認されている、中型の飛竜
有鱗類の擬竜の中では最も平均的な種であり、大陸各地に亜種及び派生種が生息している。そのため、退獣士秘境開拓者も遭遇する確率が高く、数ある擬竜の中でも最も情報が集まっている種の一つ。
対処法もすでにある程度確立されており、擬竜の中では比較的くみしやすい相手と言える。
実際、退獣士の間では秘境での遭遇率が高いこともあり、これを独りで討伐出来れば一人前。秘境開拓者であっても戦闘慣れしている組欄なら、2~3名で討伐可能とされる。
それでもなお辛うじて危険度等級はCにある通り、油断ならぬ相手ではある。


なお、秘境では生態系の中間層に位置することが多く、より大型の種に捕食される光景は珍しいものではない。

  • また、クァッル類は敏捷かつパワーに優れる天敵。
    爬州楪州、また華州の平野や山岳地帯などでは、マステルクァッル・バンデルクァッルに捕食される光景は、さして珍しくない。

 

分布

多くは木々の豊かな地帯を好んで生息する。
また、巣を作る関係上高所を選ぶため、山々の合間などの標高の高いエリアに巣を構える。
獲物は森林部・山岳部・平野を問わないため、広い地域で目撃されている。

 

形態

最もシンプルな飛竜の一つであり、一般に「飛竜」と言われて想像される形態は本種ともう一種がベースとなっている。

  • 細身の体躯に長くしなる首と尻尾、腕が進化した巨大な膜翼。
    鋭い鉤爪を備える脚は鳥類のそれに近く、地上歩行よりも飛行による活動を得意とすることを物語っている。
    頭部は有鱗類の大型肉食種よりは嘴鳥類に近く、角は存在しない。
    また嘴がある通り食いちぎることには向いていても、咀嚼には不適合。全体として有鱗類と嘴鳥類、その中間的な形状をしている。
  • そのほか、後頭部から背筋、尻尾に至るまで棘針状の突起物が無数に生えており、背骨のラインを守っている。
    また、尾先には開閉するヒレがついており、それを使って飛行の補佐をすると考えられている。

巨大な翼は一種の波音器官としても機能しており、羽ばたきによってある程度の浮力を得ることが可能。
しかし、構造としては極めて単純なものであるため、あまり強力な気流制御を行なうことは出来ない。


暗灰色や蒼灰色の鱗はさして分厚いものではなく、擬竜類なりの強度を備えているとはいえ、薄い。
運動を阻害せず、軽量であることに重きを置いた進化をしており、肉弾戦を行なうような事態は避ける方向に進化している。実際、銃火器の弾丸を弾くことも出来ず、まともな機構剣の一撃でも当たれば内臓や骨まで届かせてしまい、致命傷となることも多い。


平均的な全長は10m弱、翼長は片翼12m程度、体高2m程度。

 

生態

数時間の飛行を悠々とこなし、平野などに住む生物に襲い掛かる。
主な獲物は草食の乳生類や有隣類、陸生類、魚類、小型の鎧殻類。非常に雑多な食事を可能とするため、環境適応性も高い。
肉食性で一度の食事で数週間の食いだめを可能とする。

  • また、他種のおこぼれにあずかろうとする狡猾な面も強い。
    より大型な生物が一仕事終えたところを遠巻きに眺め、大型生物が去っていったところで食い残しを食べる姿も広く目撃される。生息区域によって、その主だった食事手段が大きく様相を変える生物でもある。

ある程度の恒温性を保つため、寒冷地でも生息可能だが、寒冷地では概ね平均よりも小柄になりがち。


大抵は家族単位で生活しており、大抵は1~2年周期で発情期が訪れる。
基本的には同じつがいで生活するが、死別や不仲で決別することもあり、必ずしも固定されているわけではない。
また、卵生。
一度に産む数は10~20ほど。その内、巣立ちまでこぎつけるのが全体の半分程度である。

  • 卵は大きめで開拓の民成人男性が両手で持つくらいの大きさ。
  • 幼体は1~2年で巣立ちする程度の成長(全長5mほど)を見せる。その後、自ら巣を構えつがいを見つける。

活動範囲は極めて広く、巣から十数から時に数十kmまで姿を見せる。
その上である程度同種にも寛容な面があり、群生に近い形で巣が乱立していることは珍しくない。

  • その中で不和が起きることもあるが、時に群れで自身よりはるかに大型な生物を襲うこともある。
    それらは綿密な連携ではなく、その場その場一期一会な協力関係も多いようで、本種は独特の社会性ないし社交性を持つと考えられている。

 

能力

前述の通り、翼が波音器官であるため簡素な気流操作が可能。
軽量化に努めてなお重い身体を浮かばせ、風に乗せる程度の機能は備えており、飛竜類らしくかなりの高度まで浮上出来る。また、それなりに小回りを利かせた空中機動も可能で、曲がりなりにも竜であることを思い出させてくれる。

  • とはいえ、飛行能力は飛竜としてはやや大雑把。
    ドラグリウスほどの速度・機動性は兼ね備えておらず、重力緩和・気流操作のどちらも飛竜類としては下の方に分類される。
    当然、自衛に使うにもいささか性能不足。

通常は鉤爪・嘴による攻撃で敵対者に応戦するが、追い詰められると浮力用のガスと口内の発火牙を併用した精華式火炎ブレスを奥の手として使用する。

  • このブレスは人類種程度を殺すには十分な威力であるが、より強大な種を相手には致命傷となりうるほど強力ではない。

 

種類

大陸各地にウィルビンは生息するが、中には環境固有種も数多く生息する。
以下はその代表例。

アロネイ

Aronay。別名、桜衣飛竜。
薄い桜色の鱗と灰褐色の爪・棘を備える独特の翼、頭部に長い角と特徴的なヒレを持つ華州白夢の谷固有種。
性格は穏やかで攻撃的な性質は薄く、くちばしや牙が薄いこともあって顔つきは少し柔和に見える。
大きさは通常種と変わらないが、翼の形状が異なるため飛翔能力に大きな違いが出ている。

  • まるで舞うように、あるいは泳ぐように飛翔する本種は決して素早い飛行を行なえないが、その一方で特殊な精場を形成するこの秘境でも、支障なく移動することが出来る。
    また、独特のふわりとした飛行方法は武器での狙いを定めにくく、いざ敵対した際は思いのほか厄介。

環境固有の特性で、精素吸引と果実・昆虫食を中心とした生活を行なう。
そのため秘境でも人類種を好んで襲うことはなく、遭遇してもすぐさま戦闘になるケースは稀。精素結晶を狙うこともあるが、わざわざ戦闘してまで奪おうとはしない。

  • ただし、相手が弱っているならば話は別である。
    また、肉食もしないわけではない。

本種は波音機能に優れており、頭部の角で周辺精素を整えその翼で自在に精素を操る。
脅威に対しては羽ばたきによる波音術で対抗する傾向が強い。また、使用するブレスは環境の影響か、飛距離が通常種の1.3倍ほどの長さになる。

  • そのため、角・翼は波音杖精具の材料として高値で取引される。

チャルシャーラ

Chal'shara。別名、林泳飛竜。
楪州の密林部に生息する、くすんだ緑の鱗に覆われる小型のウィルビン亜種。
大きさは全長6m弱、翼長7.5m強とやや翼が短い。
危険度等級はD+程度まで落ち込んでおり、退獣士にとっては敵ではない相手。
全身の随所に起伏するヒレが存在し、飛行と水泳の両方を得意とする生態が出来上がっている。

  • 主に沼地や河川を泳ぎつつ、必要に応じて飛翔するという生活スタイルを持つ。
    顔つきは鳥類よりもややワニに近く顎が不均衡に発達し、その一噛みで獲物を確実に仕留める。そのため、狩猟方法は完全な奇襲に特化している。
    • なお、ブレスを失っている代わりに毒腺を獲得、一部の牙から神経系の毒素を注入する。

ウィルビニオ

Whyrbinio。翼手小竜と呼ばれる、ウィルビン亜種最小種。
擬竜類としても屈指の小ささであり、平均して開拓の民の成人男性の両手に乗る程度の大きさ。全長・翼長ともに30㎝を超えることがないという、稀有な種と言える。

  • 全体的にはウィルビンがそのまま小型化したような種。
    ただし、性格はやや慎重さと狡猾さが増しており、通常は単独かつがいで行動しながら、狩りの際には他の個体と連携する形で行なう、独特の社会性を持っている。それにより、自身よりはるかに大型の獲物を捕食する。
    また、他種のおこぼれにあずかることも全く厭わない。

秘境であれば大体どこでも見掛けられ、秘境開拓者にとっては見慣れたお邪魔ものである。
危険度同級はD-。ブレス能力は人類種を殺すには心もとない規模にまで低下している。

 

余談

本種の肉は食用に適しているが、それほど美味とは言い難い。有鱗類飛竜にありがちな、臭みの強い鶏肉じみた食感と味である。

  • 卵の方がどちらかというと人気があり、こちらを使っての料理はそれなりに評判がいい。

また、翼は波音杖や各種機材の素材に用いられることがあるため、しかるべき場所へもっていけばそこそこの価格で買い取ってもらえる。
ただし、損傷が激しい場合は買取拒否を受けることもあるので、その点は注意が必要。

 

関連するもの


相談コメント欄