煌玉人

Last-modified: 2023-09-05 (火) 11:08:43

概要

先々期文明時代に名工フラグマンが製造した“極めて人に近く、かつ人を超えた力を持つ”自動人形。

先々期文明において“技術的な到達点の一つ”とされ、“魔導機械工学と魔導生物学の完全なる融合にして、造形美と機能美の極地”などと称された。

 

生体部品を使用した皮膚を持つ美しい人型で、人と言葉を交わすだけの高い女性人格の“人工知能”を持ち、その所作は訓練された人と似ているとされる。
自力でMPを生成可能な“動力炉”を搭載し、完全に独立して行動することができる*1ほか、数多の“特殊機能”を併せ持ち、戦闘においても戦闘系超級職に匹敵、あるいはそれを凌駕する性能を誇る。
ただし、あくまで機械であって人間範疇生物(<マスター>・ティアン)では無いのでジョブに就くことはできず、ジョブスキルを習得することはできない。
他にも、自動修復機能(オートメンテナンスシステム)などを完備し、またその“人工知能”には、全てのジョブの完全リスト*2がインプットされている模様。
初代フラグマンによって盗難対策がかけられており、超級職クラスの窃盗スキルでなければ奪われることはない。
人の所有物でなければ動かない。
基本的に「所有者に従う」でブレないため、所有者が<マスター>(劣化“化身”)であっても従う。

 

かつての先々期文明時代に五体が作られたが、“化身”との戦いで内三体が完全破壊*3され、残り二体が行方不明になってしまう。行方不明となった二体は管理AI9号(マッドハッター)に回収されて、神造ダンジョンの宝物やガチャの景品にされていた。

 

また、煌玉馬同様、量産化が計画されたが、コンセプトが破綻してしまうため、“完全な”量産化は成されなかったとされている。

ネーミングは【○○*4之○○者】で統一されている。

機体リスト

マキナ/【瑪瑙之設計者(アゲート・デザイナー)

初登場:第六章外伝①
属性:?
保有スキル:-
オプション:《アストラル・マニピュレーター》*5
所有者:ラスカル・ザ・ブラックオニキス
備考:煌玉人1号機。長姉にして最も完成度と有用性の高い煌玉人。フラグマンの造った物の中で傑作と評される。
完全破壊された三体の内の一体とされていたが、実際は半壊に留まっていた。
DEX特化型であり、生産系超級職以上の製作技術を持ち、加工技術は初代フラグマン以上で、アイテム作成や機体操縦、狙撃・銃撃能力などにも秀でる。
非実体・幽体を加工する【アストラル・マニピュレーター】を最大限に使用するため、【冥王】の奥義と同様に魂や幽体を見る機能を持つ。
初代フラグマンの開発助手を務めたこともあり、昔取った杵柄で【テトラ・グラマトン】の改修や紅縞瑪瑙(サード二クス)などの開発をした。
ポンコツでバカっぽいが頭脳は人間を遥かに凌駕している。
何より、そんな被造物らしからぬ人格を持っていること自体が異常な優秀さの証明である。
先々期文明の頃に何らかの理由で半壊し、右目と額のコアを失う。
その後、二千年の間に【水晶之調律者】によって左手の《アストラル・マニピュレーター》を略奪され失った。
現在は【器神】が提供した義手を魔改造して装着している*6
決戦兵器四号が建造中の遺跡の中で機能停止しており、【器神】の<超級エンブリオ>からエネルギー提供を受けて再起動。その後は二千年前のしがらみはもうどうでもいいと【器神】に付き従い、半分<IF>のメンバーとなっている。優秀だが度々【器神】のストレスの元になる。

アプリル/【金剛石之抹殺者(ダイヤモンド・スレイヤー)

初登場:第四章外伝②
属性:?
保有スキル:《金剛抹殺(ダイヤモンド・スレイ)
オプション:【マテリアル・スライダー】
所有者:ゼクス・ヴュルフェル
備考:煌玉人2号機。<超級>に匹敵する戦闘力を持つ、END特化型煌玉人。行方不明になったとされる二体の内の一体。
“監獄”にある神造ダンジョンの宝箱からドロップした。
先々期文明時代に当時の【超闘士】(ティアン)に無傷で勝利した実績を持つ。
現代においても、<超級>であるガーベラと何度も戦って無敗。
先々期文明時代に“黒渦の化身”こと管理AI8号(ドーマウス)と戦闘になり、全身のエネルギーを瞬時に奪われて敗北し、管理AI達に回収された。*7
改変兵装の【マテリアル・スライダー】のほか、両手首の内側に強化神話級金属製のワイヤーを仕込んでおり、それで脆くした物質を引っ掛け粉砕・切断する。
1号機のマキナとは逆に戦闘特化した結果、非戦闘時のコミュニケーション能力が部分的に欠けている。
しかし、思考はかなり柔軟で、意外な特技を見せたガーベラに対して戸惑いの声を上げた。
身長:170cm

黒玉之追跡者(ジェット・チェイサー)

初登場:-
属性:?
保有スキル:-
オプション:【超々音速追尾弾(クロック・キラー)
所有者:-
備考:煌玉人3号機。AGI特化型煌玉人。完全破壊されたとされる三体の内の一体。
“必ず最速になる”改変兵装を装備していた。
本体は破壊されたが、装備と動力コアは流用された。

柘榴之破壊者(ガーネット・デストロイヤー)

初登場:-
属性:?
保有スキル:-
オプション:-
所有者:-
備考:煌玉人4号機。火力特化型煌玉人。完全破壊されたとされる三体の内の一体。
戦術兵器を多数装備していた。

真珠之救命者(パール・セイヴァー)

初登場:-
属性:?
保有スキル:-
オプション:-
所有者:-
備考:煌玉人5号機。回復能力特化型煌玉人。菓子作りが得意だった。
行方不明になったとされる二体の内の一体。現在は天地のどこかにある模様。
医療用ナノマシンを搭載し、重傷・重病患者の治療に従事していた。ナノマシンを使い体内から暗殺することにも長けていた。

水晶之調律者(クリスタル・チューナー)

初登場:第六章外伝③
属性:?
保有スキル:???
オプション:《マテリアル・スライダー》《アストラル・マニピュレーター》など
所有者:フラグマン?
備考:初代フラグマンが晩年、最も執念と狂気に満ちていた時に造った、最後の煌玉人にして完成型の“量産型煌玉人”。
そのため既存の五体の煌玉人の枠組みには含まれない。
マキナの予想ではフラグマンの矜持である『オリジナルは一つだけ』という縛りが放棄されて、既存の強力な兵装を搭載されている。
量産型のため複数*8作られ、それぞれが“動力炉”・“人工知能”・“改変兵装”などを有していたが、二千年の間*9に結構減った模様。三体が残存している。
材料の問題で、既存の五体よりも“動力炉”の品質が低く、定期的にMP回復ポーションを摂取しなければ兵器を十全に扱えない。
戦闘面では【賢者之証明者】に遠く及ばない。
天竜型・地竜型動力炉の原理や【水晶之調律者】の詳細、決戦兵器二号と四号に関する情報といった、歴代フラグマンが知らされていないことを知っている。
クリス・フラグメントやスター・チューンを名乗り先々期文明の技術者として長年活動している他、フリーの<超級>を雇うなどして情報収集もしている。
カルチェラタン事件の後に、同じ初代フラグマン製の兵器である【賢者之証明者】と接触して配下にしたが、完全に信用しているわけではない。
現在は、カルディナに残り決戦兵器一号の起動準備と本当に失われた四号の捜索を進めつつ、カルディナの騒乱を見届ける機体と、アルター王国に行き【大賢者】のサポートをする機体等に別れている。
嘘をつけるほど高度な人工知能を持ち、生物でないので《真偽判定》に引っ掛かることもない。
当代【大賢者】は量産型煌玉人ということを知らず、一体しかいないと思っている。
作者曰く「皇国初期<超級>の悪いところ集めた子」

搭載兵器

超々音速追尾弾(クロック・キラー)

【黒玉之追跡者】のオプション兵器。
音速の十倍以上のスピードで対象を追尾する模様。詳細不明。

【マテリアル・スライダー】

【金剛石之抹殺者】のオプション兵器。改変兵装。
周囲の物質の耐久力(END)を自在にコントロールし、ダイヤモンドであろうと“自重で自壊するほど”脆い強度に変えることや自身のENDを上昇させることなどが可能。
なお、ENDがマイナスになった人などは自らの走る反動で骨が折れ、肉が崩れ、最終的には足が消滅する。
つまり、AGI型を自滅に追い込み、END型の長所を殺す兵器。
同一兵器が製造され、【金剛石之抹殺者】だけでなく、【水晶之調律者】達も所有している模様。

《アストラル・マニピュレーター》

【瑪瑙之設計者】の左手一体型の改変兵装。
非実体・幽体を加工する機能を持つ。
現在は【水晶之調律者】の一機が所有している。
他の兵器と異なり、【水晶之調律者】にも製造できない、本来の意味で唯一無二の兵器である模様。
【水晶之調律者】曰く「最高傑作である私達にこそ、ふさわしい」。

煌玉兵

カルチェラタン領で発見された<遺跡>内から出現した、先々期文明の独立戦闘兵器。

非人間範疇生物(モンスター)魔力(MP)の供給源として格納することで稼働し、脅威度以上の敵性対象と認識したものに自動で襲いかかってくる。
また、防衛のみに限定すれば、自動生産プラントから伸びた供給ケーブルを背中に接続することでも稼働できる。

 

正体は先々期文明時代に“化身”への対抗手段として造られた、不完全な量産型の煌玉人。

 

元々煌玉人の量産に際して、高コスト極まる“動力炉”と特殊機能を外す必要性があり、かといって人間が騎乗して魔力供給を行おうとすれば、煌玉馬を始めとする煌玉獣と違って“独立運用”できるという、煌玉人の基本コンセプトが破綻してしまうため、初期案の量産型煌玉人計画は一度凍結されていた。
しかし、“化身”との戦いで複数あった歩兵師団が壊滅した結果、大量に用意でき、かつ単体でも戦力になる存在が必要とされ、計画は新たに煌玉兵量産計画として始動。
 
初期計画において、訓練された【操縦士】による運用を想定していたところを、非人間範疇生物(モンスター)を供給源とすることで、MP供給の問題を解決し*10、さらに“二つの設定”によって徹底的な無人化・自動化を施すことで、最終的に“プラント一つあれば自動で動き続け、『“化身”と戦い続ける』“煌玉兵”という存在が完成した。
 
具体的には「現在大陸に住まう全ての人間範疇生物(ティアン)の人種を登録し、供給源並びに敵性対象から外す」「敵性対象の脅威度を測定し、C以上ならば殲滅、D以下ならば供給源とする」という二つの設定によって敵性対象および供給源を自動で識別し、人々を“化身”から守る人類の永遠の希望として設計された。
そして、造られた地下の“自動作成プラント”はフラグマンの手でスリープモードで待機し、“化身”に気づかれないようにゆっくりと煌玉兵を量産するようにセッティングされ、いくつかの条件が重なった時にのみ“化身”を迎え撃つため再稼働する手筈となっていた。

が、フラグマンの犯したたった一つのミス---二千年後の人間範疇生物(ティアン)に生じる“設定された人種リスト”との差異を考慮していなかったこと---によって“エラー”が発生。
それにより、二千年の時を経て稼働し出現した煌玉兵は、人間範疇生物(ティアン)をも敵性対象・補給対象と認識する、ただの殺人機械と化していた。
 
その現状を把握したアルター王国第一王女アルティミアによって、<マスター>を対象に破壊クエストが出され、プラント外の煌玉兵は瞬く間に殲滅され、残りの煌玉兵を討伐するため、【猫神】を始めとした<マスター>達がプラント内に突入した。
 
最後はプラント内に侵入した“獣の化身”と戦い、圧倒的な物量を前に武器の弾薬等の在庫が切れ、一体残らず破壊された。

風信子之統率者(ジルコン・リーダー)

初登場:第五章
属性:?
保有スキル:-
オプション:【近接防御用電磁放射機構】【超々音速追尾弾(クロック・キラー)
所有者:-
備考:煌玉兵の指揮官機であり、プラントの管理者。
煌玉兵の中では唯一、自力で魔力(MP)を生み出す“動力炉”*11を搭載し、二千年に渡り、煌玉兵生産プラントの管理と監督を行っていた。
戦闘能力も超音速機動に多数の搭載兵器、戦闘技術プログラムなど充実しており、伝説級<UBM>に匹敵する高い性能を有する。

風信子之砲火(ジルコン・ファイア)

初登場:第五章
属性:?
保有スキル:-
所有者:-

風信子之閃光(ジルコン・レーザー)

初登場:第五章
属性:?
保有スキル:-
所有者:-


*1 そのため、“煌玉獣”の分類には入らないので“煌玉人”と名付けられた
*2 先々期文明時代には全てのジョブが判明していた
*3 【瑪瑙之設計者】に関しては実際は半壊
*4 宝石
*5 現在は喪失
*6 見た目にはフレームだけのシンプル武骨な義手に見えるが、実はロケット手首やビーム砲など色々仕込まれている
*7 その際に所有者情報の初期化が発生したため、再起動後抵抗なく【犯罪王】の持ち物になった
*8 千機以上
*9 特に“三強時代”
*10 これにより、『生物の搭載を前提とする』ので細かい分類としては実は"煌玉獣"となる
*11 黒玉之追跡者(ジェット・チェイサー)】の動力コアの流用品。動力コアは本体が“獣の化身”に破壊された後は行方不明になっている。