クー・フーリン

Last-modified: 2023-08-02 (水) 06:32:19

クー・フーリン【くーふーりん】

  • ケルト神話では、半神半人の英雄でルーの一人息子である。
  • 名前の意味はクランの猛犬。この名前を名乗る前の幼名はセタンタという。
    • 幼少時に猛犬に襲われたときに返り討ちにしたことから。鍛冶屋のクラン(クーリンとも)の家に招かれた際、些細な行き違いが原因で大事な番犬を殺してしまったセタンタは、番犬の子犬が大きく育つまでクランの屋敷の番兵を務める、というエピソードがある。
    • ちなみにこのことから犬に縁があり、生涯犬の肉は食べないというゲッシュ(誓い)を立てている。
      • なお、このゲッシュ(誓い)は困難なものほど強い加護が得られるとされており、様々な英雄の助けとなっているが、逆にこれによって命を落とすケースも少なくない。クー・フーリンもその一人。
  • 魔槍ゲイボルグの使い手で、投げれば30の銛となって敵を襲い、突けば相手の体内で30の棘が飛び出して敵を討つという。
    • クー・フーリンの師匠が影の国の女王スカアハで、もともとは彼女が持っていた武器であったが、その技量が認められて授かった。
    • どんな強固な盾も堅牢な鎧も引き裂いて多くの敵を倒したが、最終的には彼自身もゲイボルグによって命を落とすという。
マビノギにおいて(ネタバレ)
  • マビノギではルーの子供はトリアナ、またはエラサがこれにあたるのではないかと目されている。
    しかし、これがクー・フーリンとしては明言されておらず、なんとケルトの大英雄にも関わらず、クー・フーリンとしては10周年を迎えてなおも未登場ということになる。
  • 日本神話で例えればヤマトタケルノミコトが登場していないようなもので、逆にあまりにも有名すぎて登場させづらいのではないか、という説もある。

トリアナ説

  • G2から登場しており、メインストリームにも大きな役割と持つことからトリアナがクー・フーリンにあたるとする説。
    • 父親がルーであることが根拠。ケルト神話のルーがモチーフとなっているため、系譜をたどればその子供も必然的に限定されることになる。ケルト神話ではルーとデヒテラの間に生まれたのはクー・フーリンだけなので、消去法でトリアナ=クー・フーリンということになる。
    • 《反論》しかし、マビノギにおいてはあくまでもケルト神話をモチーフにしたものであり、人間関係まで取り込んだものではない。そのため少なくない箇所でケルト神話と異なる人間関係が見られる。
      • マビノギではルーは人間として扱われているが、ケルト神話では神で、クー・フーリンは半神半人である。その設定を当てはめると、トリアナの母親は神族でなければならないが、現在に至っても生母は明らかではない。
      • 他の登場人物とも(最重要人物のため、メインストリーム限定の登場という点からやむを得ない部分もあるが)ほとんど繋がりはなく、スカアハとの繋がりすらない。もちろんゲイボルグのようなマジックアイテムとも関わらない。
      • また、トリアナは彼女の体の秘密のほうが重要となっており、クー・フーリンとしてのポジションを明確にするエピソードは皆無。つまり「ルーの子供」という以外にはクー・フーリンとしての要素は全く無いということになる。
      • 遡ること自体がナンセンスになってしまうが、ルーの母方の祖父はバロル。そして父方の祖父はディアン・ケヒトである。そのため名前だけで血縁を繋いでしまうと、ルーはヴァン族の血を引いており、トリアナもその血族ということになる。つまりトレジャーハンターとの血縁も生まれてしまうが、この辺になると流石に整合性がとれないため「ケルト神話の登場人物をモチーフに」、名前だけ持ってきたという結論に落ち着いてしまうのではないだろうか。
      • The Drama IRIA第二章にてトリアナはすでに死亡していることがルエリの口から語られた。死因や時期の具体的なものはなく、ただ墓があったというだけにとどまっているため生存の可能性はあるのだが……大英雄クー・フーリンの写し身としてはあんまりな退場である。
      • 加えてG25でもミレシアンを取り巻く運命のしがらみを垣間見るイベントでも死を思わせる描写があることからも、ほぼほぼ彼女の生存の可能性はないものと見て間違いはない。

エラサ説

  • シャドウウォーカーエラサ
    • 光の神とヒトとの間に生まれたエラサは、設定上ではクー・フーリンに近い。
    • エラサは神でも人でもない存在として影の世界を彷徨っていたが、アンドラスによって自分自身を見つめなおす機会を得た。後にメインストリームで彼の力を吸収することで光の覚醒を習得し、超強力なスピアオブライトヒューリーオブライトと、槍にまつわるスキルを覚える。
      • ゲイボルグの描写と似通ったところがあり、稲妻のような速さで刺さる、敵をまとめて突き刺す、奇妙な軌道で飛ぶ、敵を残さず突き刺す、狙いが外れないといった点である。ちなみにヒューリーオブライトは1体の敵に対して12発、最大36発の光弾が発射される。
    • 《反論》彼が関わるものを拾っていくとクー・フーリンに重なる点はあるものの、エラサ自身の共通点は性別と半神半人という点のみで、血縁関係やエピソードにおいてはそうとする部分はない。
      • クー・フーリンのエピソードがモチーフになっているものは実はマビノギにはないため、これを持ってしてエラサがクー・フーリンのポジションではないという結論にはならないかもしれない。確かに半神半人というオンリーワンの設定は他にないものだが、しかし、それだけでエラサ=クー・フーリンとするにはやはり弱いと言わざるを得ない。

どちらでもない説

  • このように、名前(血縁)からの繋がりではトリアナ、設定からの繋がりではエラサがそれぞれクー・フーリンに近いものを持っている。しかし、それぞれが他のキャラクターとくらべてクー・フーリンと共通する点がある、というだけにとどまり、どちらもクー・フーリンをモチーフにしているとは言い得ない。
    • これらの共通点がオンリーワンな点が問題で、それゆえにケルト神話の主人公的なポジションであるクー・フーリンと重ねて見てしまう。トリアナもエラサもメインストリームでは最重要人物の一人であるが、両者ともクー・フーリンをモチーフとした役割であったか、というと……。
  • 結局、クー・フーリンがケルトの大英雄としてあまりにも大きすぎるため、マビノギで同様の登場人物を作るとなると、それこそ女神モリアン並みの重要キャラクターとなるだろう。ケルト神話では最も有名と言っても過言ではない彼の扱いは、それなりであることも求められるはず。となれば、物語として使いづらくなってしまうことは否めず、逆に出さないという選択も道理にかなっている。
    • また、クー・フーリンを「分解」して、設定を各所に分散させるという手法もあるだろう。マビノギでのクー・フーリンにあたる人物が登場しないのは、これではないか?という意見もたまに見られる。
  • 現在ではZEROの英雄エアレンもシャドウウォーカーとして登場しているが、彼女の場合は父親が魔族(ポウォール)と明確に判明しているため、神族の親を持つ混血児というクー・フーリンの設定にはマッチしない。
  • いずれにせよ、未だ登場しないケルトの大英雄の出番を夢想して心待ちに過ごすというのもあるかもしれない……その答えは、DevCATのみぞ知る。

wikipedia.ja:クー・フーリン