ナンバリング作解説

Last-modified: 2024-01-03 (水) 17:23:54

本ページは「新・世界樹」シリーズ以前に発売されたナンバリング作に関する簡易解説ページです。
「新・世界樹の迷宮」シリーズのリメイク元となった作品の詳細や新シリーズという改悪リメイクに至ってしまった流れを知る上での解説とし、過度な批判は避けた中立的な概要を記述するものとします。
より詳しい解説などは参考リンク(外部)を参照してください。

 

世界樹の迷宮

2007年1月18日に発売された世界樹シリーズ第一作。プラットフォームはDSで、ディレクターは新納氏。
「ウィザードリィ」のような3DダンジョンRPGをベースに、MMORPGのように徹底的に役割分担された職業観やゲームブック風味のテキストを取り込み、
さらに地図をタッチペンで描くというDSの特徴をフル活用した独自システムを組み込んだ斬新なRPG。
エトリアという街で迷宮と化した樹海が発見され、プレイヤーは冒険者となって樹海の謎に挑む。
 
後発の作品と比べてバランスが大味だったりUIが不親切な点も見られるが、システムの純粋さはシリーズ随一で、余計な要素に振り回されることなく育成・探索・戦闘を楽しむことができる。
シナリオそのものも余計な馴れ合いが少なく多くを語らない演出が「樹海に眠る謎を求めての探索」という一本のテーマを引き立てており、
昨今のシリーズにない独特の雰囲気で後続シリーズが続く現在まででも「初代が一番好き」というファンも多く存在していた。
それ故にインターフェースやグラフィック面を改善したリメイクが望まれていた作品でもあり、新1があのような形になってしまったことを悲しむ声も多い。
興行的には初動はあまり奮わなかったものの、口コミでじわじわと売り上げを伸ばし、シリーズとしての地位を獲得した世界樹シリーズの原点である。

シリーズ他作品と比較しての世界樹Iの特徴

  • キャラメイク・育成
    • 初期から使える職業はソードマン、レンジャー、パラディン、ダークハンター、メディック、アルケミスト、バード。
      さらに、ブシドー、カースメーカーの職がシナリオ中盤で解禁され、総数は9種。
    • レベル上限は70固定。
    • Iに限り、引退した前のキャラの職に応じて新人に補正が与えられるステータスが決まる(他作品は全キャラの職を問わず5ステータスすべてに補正)。
  • 戦闘
    • 3以降に比べると敵の体力は低めに設定されておりザコ戦闘の所要ターン数は比較的少なめ。5ターンもあれば敵か味方のどちらかが全滅している。
    • ザコの行動パターンも単純なものが多い。が、その単純さゆえに奇襲からハメ殺しという悪夢もままある。
    • ゲージ技に相当するのは「ブースト」。ブースト発動キャラのそのターンにおける各種行動が強化される。
      スキルレベル+5判定に留まらず、攻撃や防御、逃走などにも補正あり。
    • ダメージ計算に当たってレベル差補正が存在する。低レベル攻略はかなり難易度が高いが、反面キャラの成長を実感しやすいともいえる。
    • 防御力によるダメージ減算が物理ダメージなら数値の2分の1、属性ダメージなら数値の4分の1だけ差し引くという仕様。
      終盤は防具を装備するよりも割合でダメージ減算する耐性アクセサリを装備させた方が効果が高い。
    • HPブーストやTPブースト、ATCブーストの効果が職ごとに個別に設定されている。
      特にメディックのATCブーストは驚異的でMAXまで振ると前衛職と遜色なくアタッカーを担えるほど。
      その結果全職装備化の真龍の剣を装備させた剣メディに属性オイルなる運用が火力最強候補に挙がったりもする。新1ストーリーの剣を持ったメディックの元ネタか?
    • メディックの防御バフがパラディンやバードのスキルと比べて非常に強力だったり、
      レンジャーのHPや攻撃スキルが前衛職並だったりと職業バランスにやや大味な点がある。
    • また、中盤で解禁されるブシドー、カースメーカーの二職は加入時期の遅さもさる事ながら、全体的にクセが強い事も相俟って低評価を下される事が多い。
      とは言え、職業自体のコンセプトはしっかりと確立しており、普通に運用する分には全く見劣りする事はなく、クリア後のダンジョンを含めたラストまで十二分に一線を張れる。
      あくまでも突き詰めた場合の評価である。
    • 後発の作品と違い、味方前列の全滅による後列の強制押し出しを除いて戦闘中に隊列変更を行う手段はない。
    • 「封じ」という当時としては見慣れない状態異常が導入された作品であるため、持続保証5ターンという今にしては強烈な効果となっている。
    • パラメータのカンスト値がこの作品のみ127である。以降は99。
    • また、状態異常の付与率に関わるステータスにTECが大きく関わっていた(以降の作品では、Iのリメイクである新1以外は状態異常付与はLUCが最も大きく影響するようになる)。
    • 条件ドロップの売却により、入手可能時期が序盤~中盤にも関わらず最強クラスの装備が店頭に並ぶことがある(ただし多額の資金が必要になる)。
      ともすれば初期からバランスブレイカーになりかねない装備品が入手できるというロマンある要素は、シリーズを引き立てるスパイスとして好評で、この要素は世界樹IIIまで続いた。
  • ダンジョン
    • ダンジョンの傾向として、ギミック主体のフロアは少なめ。特に第5階層はシリーズで唯一、純粋で長大な迷路となっている。
    • 抜け穴自体も少なく、PTの継戦力とプレイヤーの引くか進むかの判断が重要なバランスであった。
      慣れないうちは引き際を誤り長時間探索の成果が失われることがよくあり、それゆえに難易度が高いと評価されることが多い。
    • 戦闘に不慣れな場合は戦闘あたりの消耗が大きくなり、探索あたりのマップ踏破率が低下する。前回到達点までの移動でザコ戦の積み重ね不可避なために何度も往復するうちにレベルが上がる。レベルが上がるとレベル差補正で戦闘が楽になり消耗が減る。という流れをだんだんでき上がっていく地図に対する達成感をモチベに繰り返させるゲームとなっており探索の比重はシリーズで一番大きい。
  • シナリオ
    • シナリオはIIIやIVに比べるとあっさり気味で、時に良心の呵責を感じるようなストーリーイベントも存在するが、中盤以降のどんでん返しのインパクトが強く、また常にストイックな描写であり多くを語らないシナリオは「プレイヤー自身に発見の驚き、喜びを強く感じさせる」としてシリーズ中でも評価は高い。
    • 無粋なことに新1では早期からネタバレされてしまうが、未プレイの方は原作をプレイして自分の手で真相を解き明かすとよいだろう。
    • シナリオに限らず、余計な説明がない分インパクトのあるイベントや敵が多い。「記憶を消してもう一度プレイしたい」としばしば語られるほど。
  • その他
    • シリーズ第一作ということもあって、装備やスキル振りの画面でLRボタンでキャラの切り替えができなかったり、
      移動中にLRボタンでカニ歩きができなかったり、マッピングのアイコンが少なかったりとお世辞にも21世紀のゲームのUIとは言い難い。
      ダメージ床なども存在するのにマップの床色が一色のみ、一部ギミックでマップアイコンが設置上限に達しやすい等、迷宮攻略中に頭を悩まされるような不便さもある。
      しかし逆にその不便さに慣れれば、マッピングの工夫に頭を使う楽しみがあるとも言える。なおUIの不便さに関しては後続シリーズで徐々に改善されていく。
    • 本作のマラソン要素は「レアドロップ」。II以降と違い、初代のボスモンスターのレアドロップはランダムで入手するものが多い。
      レアドロップを確定で得る手段もないため、図鑑のコンプリートにはある程度のマラソンか乱数調整が必要になる。
      (特にクリア後のクエストボスの3属性の各竜のレアドロップ集めは「逆鱗マラソン」と呼ばれた)
      またアイテム図鑑ではクエスト限定モンスターからのランダムドロップも含まれ、運が悪いとコンプ出来ないといった問題点も。

世界樹の迷宮II 諸王の聖杯

2008年2月21日、初代(1)から1年後に発売された世界樹シリーズ第二作。ディレクターは小森氏。
大樹の元に建国されたハイラガードという国を舞台に、大樹の内部に広がる迷宮へプレイヤーは冒険者となって探索をする。
前作から1年という短い期間で制作された為か、バランスはややピーキー、少々バグも多い作品となっているが、
プレイヤーキャラデザイン含めたベース自体は前作を踏襲しつつも職業スキルの見直しやインターフェイス等の改善が試みられているため、拡張作品としても楽しめる。
またシナリオ(というかラガード国が樹海探索を推奨する理由)自体も比較的人間味のある、分かりやすい王道ものとなっている為
前作が淡々殺伐としすぎていると感じた人にも比較的親しみやすい内容となっている。
ただし、本作のみレベルキャップ開放に引退マラソンが必要&FOEからの経験値が得られないという仕様があり、最強育成には非常に手間がかかるという問題点もある。
(図鑑完成にマラソンの必要だった初代と比べれば、引退マラソンはやり込みの領域といえるので改善されているとも取れるが)。

シリーズ他作品と比較しての世界樹IIの特徴

  • キャラメイク・育成
    • 使用可能な職業はIで登場した9種(ソードマン、レンジャー、パラディン、ダークハンター、メディック、アルケミスト、バード、ブシドー、カースメーカー)+新規3種(ガンナー、ドクトルマグス、ペット)と、ナンバリングの中ではIIIと並んで最多の12種。
    • Iの職とガンナー、ドクトルマグスは最初から登録可能で、ペットは序盤のイベントで解禁される。
    • Iからブラッシュアップされた分職業の使用感は改善されており、どの職業もそれぞれの特徴を生かした使用感に進化している。
      純粋に強化された職業としては、前作での隠し職業2種が特に強化され、逆に強すぎた職業はそれ相応の性能に落ち着いた。
      • 前作ではブシドーの刀スキルは「構え」という事前行動が必要なクセのあるものであったが、「構え」がアクティブスキルからパッシブスキルへと変更されたために事前行動がなくなり、使い勝手が飛躍的に向上した。
        また、一定確率であらゆるダメージを無効化する*1「白刃取り」や、唯一最強防具が全身に存在する事もあり、最終的な耐久力は前衛でもトップクラスになる。
        三色属性攻撃各種を単体、全体と使い分ける事も出来、ドクトルマグスの「鬼力化」を掛けたツバメ返し(通称鬼力ツバメ)は、手軽に、かつ作中でも上位の火力を叩き出す。新2ではどうしてあんな事に……。
        しかし、そこまで行き着くには相応のSPが必要であり、防具が揃わない間はやっぱり脆い。雑魚戦で一人だけ昇天している事もザラである。
      • カースメーカーは状態異常成功率やスキルの発動速度が高い上に、雑魚ボスの両方に対して有効なスキルを持つIIきっての強クラスとなった。
        雑魚戦では毒・眠り攻撃が猛威を振るい、ボス戦では敵の耐性を下げたり弱点を書き換えたり、ペイン砲でアタッカー職と同等かそれ以上の火力を出すことも可能。
        ただしピーキーなバランスである本作でHPを減らしたりバステ特化ステータスにするにはそれなりにリスクもある。
      • この2職以外では、ダークハンターも大幅に強化された職である。
        敵に高確率で全縛りを与えるフォーススキル「オールボンテージ」が防御の面でも「エクスタシー」とのコンボの面でも非常に強力。
        さらに、「ジエンド」が極めればHP50%以下の敵を確実に即死させ大半のFOEにも効いてしまう超性能に強化された上、状態異常・封じへの抵抗力を上げるパッシブ(ただしバグ注意)等も所持する。
    • レンジャー、ダークハンター、ブシドーのスキルを中心にバグが多く存在し、スキル効果が敵に表れたり、別なスキルに追加効果が適用されたりといった不具合が起こる。
      一部についてはスキル取得を非推奨とされるバグもあるが、一部にはバグを回避可能なスキルもある為、攻略情報を見るのが嫌なプレイヤーでも調べておいた方が無難とされる。
      • レンジャーはバグによりフォーススキルが実質使用できず、また無類の性能を誇った初代と比較すると攻撃スキル系も若干弱体化気味。
        ただしこれは初代レンジャーがあまりに高性能過ぎた為と言う意見も多く、遠隔攻撃しながらの補助役というポジションとして手堅くまとまったとも言える。
    • IIのレベルキャップは、前のキャラのレベルをカンストさせて引退すると、新人のレベル上限が1増える仕様。
      • つまり、レベル99まで上げようと思えば、一人のキャラの完成までに30回近くもの引退と再育成が必要となる。
        この苦行は初代の「逆鱗マラソン」に代わる「引退マラソン」と呼ばれ、最強育成を目指すプレイヤーの心を折ってきた。
      • その分、99引退99のキャラの性能はシリーズ内で群を抜いて高い。中でもパラディン、ペット、ブシドー、メディック等はレベルによるパラメータ上昇やSP増加の恩恵を強く受ける大器晩成型のステータスとなっていた。職業によってはクリア後ボスでさえソロ攻略が可能となるほど。
        新2でのメディック不遇に対して嘆きの声が上がるのはこれが一因。
      • 一応70レベル到達時点で一度引退をした71レベルの状態でも裏ボスを攻略できる程度の難易度であり、
        アルケミストなどの一部キャラはメインステータスが最大レベル以前にカンストしがちなため、やりこみの範疇ではある。
  • 戦闘
    • 戦闘バランスはややピーキー。殺るか殺られるかという大味なゲームバランスとなっているが、
      敵も味方もHPが低い割に強力な技を多数配分され、フォーススキルという切り札も追加されている為、大技が飛び交う派手な戦闘バランスとも言える。
      • 雑魚敵ですら適正レベルのキャラを瀕死~即死に追いやるような単体攻撃・スキルを使うことが多い。初代と比較しても純粋に敵の攻撃力が高い傾向にある。
        しかも、特定の雑魚モンスターは、単独で遭遇すると必ずこちらに先制してくる仕様がある。特に序盤でいきなり一人殺されたりすると非常に厄介。
    • 戦闘アイテムの効果が非常に強力。
      • 特に使用するとパーティの戦闘不能者すべてを蘇生させる「ネクタルオール」系が強烈。
      • 前作では使用ターンのみであったミストがバフ枠となり複数ターン持続し、属性のみならず物理に対して効果を発揮する種類も新たに増えた。
      • これらにより回復職等が割を喰うかと思えば、それぞれに得手不得手が存在してきちんと住み分けができる職業バランスになっており好みに応じたパーティ編成の自由度、戦略の幅が増えている。
    • 本作ではブーストに変わりゲージ技に相当するものとして「フォース」が追加。それぞれ職業ごとに強力な効果のスキルを使用することが出来る。
      • 前述した「オールボンテージ」と敵全体に無属性ダメージを与えるアルケミストの「超核熱の術式」、使用ターンのあらゆるダメージを防ぐパラディンの「完全防御」の3つは、特に強力なフォーススキルと言われる。
        「超核熱の術式」は序盤のボス戦で救済措置といえるレベルの火力を引き出し、「完全防御」は使ったターンは絶対安全となるため最後まで役立つ。
        フォース補助アイテムを使えば短期間でフォーススキルを連発することも可能となるが、そうなると最早バランスブレイカー級なので自重されることも多い。
    • 武器による速度補正の要素が導入された。ただし以降のシリーズとは異なり補正が加減算ではなく積算となっており、AGIの数値よりも装備している武器の方が重要という極端な仕様。その上職業ごとに装備できる武器の幅が限られている為、装備品で速度を調整できる職業は限られている。
    • 戦闘中に隊列を変更できる「CHANGE」コマンドが追加。IIのチェンジはターン開始時に誰かの行動として、味方の前列と後列を入れ替える仕様。
  • ダンジョン
    • IやIIIの樹海、IVの各迷宮が基本的に「降りていく」ものなのに対し、IIではラガード国に立つ世界樹を「登っていく」。
      • また、第1~第4階層は木々の色が異なっており、まるで季節が変わっているかのように風景が変化していくのも特徴で、また階層画も美しい物ばかりで評価は高い。
        …が、実際の3Dでの迷宮内グラフィックはやや今一歩な面も。(ある意味では初代の方が「らしく」見えたという意見もある。)
    • マップギミックは一部Iと共通する箇所も多い。2層6層のダメージゾーン、6層のワープゾーン等、ギミックが登場するタイミングも似ている。
    • II限定の要素として、「磁軸の柱」というものが存在する。
      これは街→樹海の一方通行のショートカットで、事前に対応するフロアの磁軸の柱を起動しておけば階層ごとの最初のフロア以外にも移動することができる。
      ただし、一度に使用可能な磁軸の柱は一つだけで、あるフロアで磁軸の柱を起動すると別なフロアの磁軸の柱は使用不能になる。
    • 特定の職業のキャラがパーティにいることや、パーティ人数が一定以下であることといった条件を満たさなければ通れない通路が存在する。
      これについては、キャラメイク・パーティ構成の自由に反する要素として不満が上がることも。
  • その他
    • 本作から「ああっと!」(採集中に一定確率でモンスターに襲われてしまう仕様)が導入。
      しかもIIの「ああっと!」は確実に敵に先制される上に通常ならば瀕死時など特定の状況で使用してくる技を高確率で使用してきたり、その層における最深階層のザコが出現してきたりと採集作業も命懸けになった。
      例:1Fで「ああっと!」が発生した場合5Fのザコであるラフレシア等が出現したりする。
    • IIのみの仕様として、ボスキャラ以外のFOEからは経験値を得られない。
      最終的には図鑑埋めやドロップアイテムのために一度は戦っておく必要があるが、厄介な障害物という印象が強くなった。
      • 階層ボスからは経験値を得られるため、階層ボスを速攻撃破できるパーティで2週間毎にボスを狩るマラソンが流行した。
    • ダンジョン探索において以降のシリーズどころか前作と比較してもラグが多め。特にダメージ床が絡むエリアでは非常にもっさりした動作となってしまう。
    • 以降のシリーズに比べマップに線が引きにくい。またXとYが同値の座標から下に一マス分線を引いておくとそのX座標では右から左に線が引けなくなるという奇怪なバグも存在する。
    • 前作で出力可能なパスワードをゲーム開始時に入力すると前作の進行具合によってアイテムがもらえたり、一部イベントが鬼畜化したり、イベントマスが追加されるなどという仕掛けがあった。
      ただし、特典アイテムは序盤突破に役立つ程度の性能で、イベントの追加も図鑑埋めに直接影響はせず、あくまでおまけの域を出ない。

世界樹の迷宮III 星海の来訪者

2010年4月1日発売の世界樹シリーズ第三作。ディレクターは小森氏。
大陸の遥か南、海を越えたその先の海都アーモロードを舞台に、海底の遺跡へと続くとされる迷宮にプレイヤーは冒険者になって富と名声のために探索する。
前作より2年弱かけて製作されており、さらに舞台が陸続きの拠点から海上都市へと大きく変わったことから職業は一新されている。
また、前作の反省を生かしてか主に戦闘バランスやシステム面が改善されており、特にサブクラスの登場や育成面の緩和・改善によってより戦略性の自由度を高めさせている。
その半面、サブクラスによって強力な補助スキルを重ねた火力ゲーができてしまったり、シナリオでは冒険者がNPCに振り回されたり、
図鑑コンプリートはおろかすべての職業を使用するためには周回プレイ必須とといった部分に不満の声も存在する。
また、本編の迷宮とは別に、大海原に出て海図を描く「航海」は航海内でのターン制限や大航海クエストのNPC強制加入など賛否両論な点も見られる。
一応通信機能としてすれちがいによるギルドカードの配布が本作から実装されたほか、DSを持ち寄れば他人の操作するキャラクターと共にボスを攻略できるなどの機能も実装されており、
前述した大航海での操作できないNPC(各自独特のルーチンを持つ)との共闘等も合わせてシリーズ内でも唯一無二の機能もある作品であり、
追加要素だけでなく基礎部分の進化ややり込み要素も含め、総合的に大きな進化を遂げた作品である。

シリーズ他作品と比較しての世界樹IIIの特徴

  • キャラメイク・育成
    • 使用可能な職業はIIまでから一新。
      初期選択可能なプリン(セ)ス、ウォリアー、ファランクス、パイレーツ、シノビ、モンク、ゾディアック、バリスタ、ビーストキング、ファーマーと、シナリオ進行に伴い解禁されるショーグン、アンドロの全12種となった。
    • グラフィック面では本作から「Yカラー」と呼ばれる色替え差分立ち絵(名称はキャラ選択時にYボタンを押すことに由来)が追加され、より多様性が増した。
    • 職業間バランスに関しては「シノビ」の固有スキル・所持スキルが優れている物が多すぎるきらいがあり、また割合として攻撃職が多い事からパイレーツ等火力の控えめな職業が割を食いやすいという意見もある。
    • 育成面ではメインの職業以外に「サブクラス」システムが本作から実装。より戦略に多様性が持てるようになった。
      • サブに取得したクラスのスキルは、それぞれの職が一つずつ持つ固有スキル以外全て使用可能。
        また、サブで武器マスタリーや盾マスタリーを取得した場合に限り、本来メインクラスでは扱えない装備品も装備可能になる。
      • サブクラスの仕様は後述する宝典でのステータスブーストを使用しない状態でも、一部の職業では本職よりも別職のサブの方が使いこなせてしまうという事もあり、バランスが悪いとまでは言えないものの、一部に惜しい面がある。
    • HP/TPブーストや採集スキル3種は「コモンスキル」となり、どの職でも習得できる。
      一応、メンバーを選ばずに採集ができるようになってはいるが、ファーマーが採集関連のより高度なスキルを習得するため、結局はメインかサブでファーマーを取っている採集役を用意した方が効率はよい。
    • シノビやビーストキングは、今まで利用することのできなかった「6枠目」に関するスキルを習得する。
      世界樹IIIは、シリーズで唯一6枠目をプレイヤーの好きなように扱える作品である(IVや新シリーズはNPCが加入するイベント以外では利用不能)。
    • レベルキャップは、エンディング後に三竜を1体倒す毎に70→80→90→99と上がっていく仕様になった。これはIVや新シリーズも同じ。
  • 戦闘
    • 前作、前々作に比べ敵体力がかなり増加し戦闘の所要ターンが増えた。
    • シリーズ中でも難易度調整・戦闘バランスは高めの難易度で丁寧に仕上がっている。
    • ただし、容易に複数の職の強化&弱体スキルやチャージスキルを重ねることが可能になった割に各種補助スキルの倍率は高い(特にチャージ系)ためか、火力ゲーとしての傾向は強くなっている。
      • その一方で耐性アクセサリの中には物理・属性いずれか一種類のダメージを50%カットし、同種2つ装備で無効化してしまうという強力な代物が登場したり、属性攻撃を無効化するスキルを持つ職が複数(ファランクス、ゾディアック、アンドロ)存在したりと耐久型PTへの配慮もなされている。
      • ただし状態異常・封じ関連は、テラー戦法やエクスタシーの廃止、累積耐性の実装、また状態異常担当のビーストキングが操作不能なNPCを召喚して攻撃させる独特のスタイルである、等の理由で不遇気味。
    • ゲージ技に相当するのは「リミット」。これはイベントで奥義書を入手すれば職に関わらず使用可能な必殺技で、探索メンバーの一人一人にリミットスキルを割り当てて使用する。
      リミットスキルは単独で発動可能なものから、複数人にセットして協力して発動する必要があるものまで存在する。
      • 通常の行動とは別にターン開始時または終了時に発動するため一見使い勝手がよいが、協力技は参加メンバーの誰かが行動不能な状態異常にかかっていると使用できない欠点がある。
    • 本作から1つの職業で装備できる武器の種類が様々となり、武器ごとの行動速度補正を生かしやすくなり戦略性が増している。
    • IIIのチェンジ(隊列変更)は移動したいキャラの行動として他の味方一人を選択し、ポジションを入れ替える仕様。
  • ダンジョン
    • 後述する大航海が実装された影響か、メインとなる樹海は第6階層以外が1層あたり4階に縮小され、全25階になった。
      • また、IIまでと比較して迷宮のギミックとショートカットが大幅に増加している。
      • 前回到達点からの探索再開が容易になり、長期探索を意識したリソース管理ゲーから戦闘に力を入れたバランスに変化したとも言える。
    • しかしI、IIとは全く味付けの異なるダンジョンギミックが多く実装されており、密度は濃くなっている。
  • 大航海
    • アーモロード近海を航海し、漁や小イベントをこなしつつ他の街との貿易ルートの復活、未開の地の発見を目指すというシステム。
    • ターン制限やぶつかると船が壊れて街に戻されてしまう障害物があり、それらをくぐり抜けて目的地を目指すというある種のパズルとなっている。
    • また、漁によって序盤から安全に金策が可能。
  • 大航海クエスト
    • 大航海で目的地にたどり着くと、NPCと共闘してボスと戦う「大航海クエスト」が解禁される。
      大航海クエストの初回クリア報酬としてはリミットスキルが手に入り、2回目以降は組んだNPCに応じて唯一品の装備がもらえる。
      • 言い方を変えれば、大航海のパズルを解かなければ大航海クエストのボスとは戦うことができず、ドロップアイテムやクエスト報酬も得られない。
        また、ユニーク装備をすべて集めるには別なNPCと組み、初回のリミットも合わせて4回同じボスと戦わなければならない。
      • NPCと組むことも強制であるため、自分のパーティメンバーだけで攻略することはできない。
        パズルギミックやNPCの使用等、総じて強制されることが多いのが不評に感じる人も存在し、やや練り込み不足な点がある。
      • ただし、大航海クエストでの各NPCは独特のルーチンを持つため、そういったものも加味した戦闘は一要素としては楽しめる要素とも言える。
  • シナリオ・周回要素
    • とある理由からオカルト要素を避けていたI・IIから一転して、「クトゥルフ神話」のネタが取り入れられる等ファンタジー色が強いシナリオとなった。
      ただし、I・IIとは世界観を共有している模様。小森氏いわくIVのことは知らないらしいが
    • 6層ボスについてエンディング前に言及される等、ナンバリングの中ではシナリオが濃い。
      また、新を含めたシリーズ中で唯一ルート分岐が存在し、3種のラスボスとエンディングが用意されている。
    • ただし、シナリオと周回プレイの仕様については不評が多く、特にシナリオに限れば新シリーズの前触れとまで言われることも。
      • シナリオの内容は利己的なNPCに冒険者(=プレイヤー)が振り回される(しかも他人の恋愛事情や兄弟喧嘩関連)という展開。
        しかも全ルート共通でエンディング後はプレイヤーにとある問題を解決してほしいと頼まれる流れになるが、真ルートでは中心人物が自身のすべきことや地位から逃げ、冒険者に問題を丸投げしたかのような展開であり賛否両論。
      • また、IIIの樹海は王家(NPC)の私有地という設定があるため、未開の地を冒険するというワクワク感には欠ける。
      • シナリオの都合上、先に進もうとしてもNPCに足止めされて街に戻らなくてはならないといったシチュエーションが多い。
      • ルート分岐が導入された半面、図鑑を完成させるためには3度の周回が必須で、その上一つのルートではショーグンとアンドロの2職のうち片方しか解禁されない。
      • 周回プレイをするにしても、開けた宝箱やクリア済のクエストは復活しない仕様のため、新しい冒険という新鮮味が感じられにくい。
  • その他
    • クエストやミッションのクリア時に経験値が入手できるようになった。ショートカット増加による前回到達点復帰までの戦闘回数減少のフォローとも言えるか。
    • 商店NPCの銭ゲバ発言に反して前作、前々作に比べて消耗品の単価が全体的に安い。そのため回復職を敢えて入れないプレイで資金難に陥りにくくなっている。
    • 今回のマラソン枠は「宝典」。これはキャラクターのステータスを上げるドーピングアイテムなのだが、IIIの宝典は同じキャラに対して無限に使用可能で、最強育成を目指そうと思えばひたすらFOEのレアドロップを狙うことになる。
      • ステータスが揃っているなら、与ダメージに差が付く要素は一部の職が持つ固有パッシブのみとなる。
        そのため、攻撃に関する固有パッシブを持つ職で他職の攻撃スキルを使うと、最終的な火力が本職を上回ってしまうケースも多い。
      • ただし宝典を意図的に集めないプレイスタイルでは戦闘バランスはよい方であり、IIの引退マラソン同様、あくまでやり込み要素の一種と考えて良いだろう。
        ステータス99まではかなりのマラソンが必要になる為、かなりの苦行になるのも引退マラソンと同じである。
      • またバランスブレイク面のみで語られがちな要素であるが、素のステータスが控えめな職業でも好きなだけ強化出来、サブクラスも合わせればいかなる運用でも可能にする為、
        自分の好みの職業・キャラクターを自分の好みに育成したい、固定パーティで冒険をする上で偏ったステータスを補いたいという人間にとっては歓迎される要素であるという側面も存在する。
    • 撃破ターンに使用すると相手のドロップを全取得できる「解剖用水溶液」と呼ばれるアイテムが登場し、採集スキルのコモンスキル化と合わせて図鑑のコンプリートのために特定の編成を組む必要性はなくなった。
      これによりプレイヤーのPT編成や育成のロールプレイ的自由度が大幅に増した。
    • 本作からすれちがい通信機能に「ギルドカード」が登場したが、この頃はDSのすれ違い機能の仕様上、都会地方・イベント会場以外では余り普及していなかった。
      (※ソフトを起動しながらスリープモードにしておく必要があった事と、次回作以降に実装されるQRコード読み込みは本作の時点ではなく、オンライン上でのギルドカード交換などは出来なかった)

世界樹の迷宮IV 伝承の巨神

2012年7月5日発売の世界樹シリーズ第四作。プラットフォームは3DSに変更され、ディレクターは金田氏。
彼方に世界樹を望む辺境地タルシスにて冒険者たちは世界樹を目指し旅をする。
モンスターの3D化、BGMの生音源化、大地マップの移動など、3DSの機能を生かすような試みが多くされている。
全体的なバランスとして、インフレ気味だった火力重視バランスの緩和やカジュアルモードの追加がされた事も影響してか、
今までの世界樹シリーズに比べると全体的にやや低めの難易度であると称される事もしばしば。*2
また、本作ではノーエンカウント地帯である大地を移動し、各地に転々とする3Fまでのダンジョンを潜っていく形式となっており、
延々と迷宮を潜り続けるスタイルを好んでいた人間には賛否両論な面がある。
しかしながら総合的に見れば前作までの火力一辺倒なバランスは適度に緩和され、様々な攻略法を試す余地があると言える。
一言に火力職でも安定した高ダメージを叩き出すにはひと手間必要といった独特の使用感のある職業が追加されている。
シナリオそのものもしっかりと冒険者たちが主人公に据えられ、登場人物こそ数多いものの完全な悪役がいない為、各キャラクター描写の印象も悪くなく、
エンディングも異なる人種や国家を超えた理解、共存を訴えかけるというシリーズ屈指のグッドエンドであるため、
初代のような殺伐さが好みだった人間からはやや物足りないという意見こそあるが否定的な意見は少ない。
また、追加されたすれ違いでのギルドカード機能はキャラメイクシステムとマッチしたシステムとしてこちらも好評。他人の育てた多種多様なキャラクターをギルドに招くことが出来る。

シリーズ他作品と比較しての世界樹IVの特徴

  • キャラメイク・育成
    • 使用可能な職業は再び一新。
      初期選択可能なソードマン、スナイパー、フォートレス、ナイトシーカー、メディック、ルーンマスター、ダンサーと、シナリオ進行に伴い解禁されるミスティック、モノノフ、???*3の全10種となった。
      • ソードマンとメディックはI・IIのものと同名だが変更点は多く、特にソードマンは使用可能武器や戦闘スタイルが大きく異なる。
      • 新職業・ミスティックは封じ、デバフ、状態異常、回復いずれも高水準で使用可能で、他の職業と比べて突出した性能を誇る。ただし他職を食っているわけではない。
        極めれば、武器に即死・石化鍛冶を付与して通常攻撃を連発しているだけでこれらに完全耐性を持つラスボスと裏ボス以外は瞬殺することも可能となるが、武器に拘ると手間がかかるためやりこみの領域といえる。
  • スキルツリーが大幅に変更され、「マスタリー」「ブースト」から他のスキルが派生していくのではなく、アクティブスキルからアクティブスキルへ派生する形となった。
    • 合わせてスキルに「ノービス」「ベテラン」「マスター」のランクが追加。
      最初はノービススキルしか習得できず、ベテランスキルはレベル20以上、マスタースキルはレベル40以上になると解禁される。
    • 固有スキルはIVにも存在し、クラス毎に「心得」「極意」「悟り」を持つ。
    • また、採集スキルと食材に関するスキルもクラス固有で持たされており、採集や調理に特化した職というものは存在しない。
      これらのスキルはスキルレベルが1しか存在しないため、IIIまでの採集スキルのように戦闘メンバーのSPを圧迫しづらくなっている。
    • この形のツリーが用いられているのは、今のところIVとスピンオフ作品の世界樹と不思議のダンジョンのみ。
  • 前作に引き続きサブクラスシステムが導入されているが、サブにした職のスキルはメインの半分のスキルレベルまでしか習得できない仕様が追加され、サブがメインを食うという状況は減少した。
    • 武器マスタリーの廃止に伴い、サブクラスを取得した時点でサブクラスで装備可能な武器・盾をメインクラスでも使用できるようになった。
  • 戦闘
    • IIIまでと比べて隊列関連の戦略性が大幅にアップ。
      • チェンジ(隊列変更)コマンドはターンを消費せず、自由に隊列を変更することが可能になった。
      • 敵にも隊列の概念が導入され、それに伴い「近接」「遠隔」の攻撃射程の概念が明確になった。
      • I・IIの「トルネード」のように敵1体を狙いつつ左右の敵にも小ダメージを与える攻撃は「拡散」と呼ばれるようになり、その種類も増加。
        また、敵前列と後列から1体ずつ選択して攻撃する「貫通」という攻撃範囲も追加された。
    • 本作からは装備できるアクセサリが一種ずつに制限され、使用してくる物理攻撃や属性攻撃の種別に対応したアクセで固めるという攻略が通用しなくなっている。
      • 代わりに本作ではどの職でもサブ解禁後は二刀流が可能になり、メインとサブの武器スキルを両立しやすくなった。
    • アタッカー職はクセのあるものが多く、また、使用者にしか効果のない攻撃バフの割合が上がったことなどから、火力ゲーには抑制がかかった。
      ちなみに、発売前の情報では???の「ドライブ系」スキルによる四桁を超える超ダメージが話題になっていたが、蓋を開けてみればリチャージの仕様やステータスの関係もあって良い塩梅に他の火力職と差別化されており、他職の存在意義を食うような事態にはならなかった。*4
    • また、IIIで補助スキルの重複が強かった反省か、IV以降は補助スキルやパッシブスキルの補助効果が重複すると倍率減衰が起こる仕様が導入されている。
    • もはや恒例となっていた3属性ガードで強力な属性攻撃を完全無効化という構図は本作では3色ガードに当たるスキルがそもそも無く、代わりに事前に食事とアクセサリで耐性を整えたりバフを利用した上で自身の身ひとつで耐える攻略スタイルに絞られた。
      • 装備できるアクセサリが1つのみとなった事もあり、一つの要素のみで完全耐性を得る事は難しい為、強力な属性攻撃への対抗手順がやや複雑となってしまっている。
        また伝統のブレス攻撃が耐性アップや防御で耐えられる程度に弱体化してしまっていて寂しいという意見もある。
    • ゲージ技に相当するのは「バースト」。バーストスキルは職に関係なく使用可能、通常行動と別にターン開始時に発動とIIIのリミットに近い特徴がある。
      一方で決定的に違うのはゲージがパーティ全体で一つであるという点で、ゲージのチャージが5段階あるうちの数段階を消費して発動するようになっている。
      どんな状況で誰が使用しても即座に効果を得られるため、窮地に陥った状態でも使用しやすくなった。
  • ダンジョン
    • 大地を気球で探索し、迷宮を見つけて入っていくという独自のスタイルがある。
      4つの大地マップを合計して、6箇所のメインとなる迷宮(IIIまでの階層に相当)と、13箇所の小迷宮が存在。
      • 半面、迷宮一つあたりのボリュームはダウン。小迷宮は3×3エリア(A.B.C/1.2.3)の1フロアのみ、メインの迷宮も少々特殊な第5迷宮を除いて3階構造となっている。
    • 第4迷宮までのショートカットに視覚的にわかりやすいシンボルが置かれた。
      これについては探す楽しみが削られて不満、第4迷宮まで入れる必要はあるのかという声も。
    • また、大地マップではエンカウントせず、徘徊するFOEが各マップで色だけ変えた使いまわしのFOEも多い為やや不評。
    • 採集は、採集スキルを持たなくても最低限の量だけ集められるようになった。
      採集スキルを持っていると一定確率で収穫が増える。
  • その他
    • ストーリーやクエスト、小イベントなどで一部のNPCと共闘できるシステムがあるが、
      前作の共闘要素である大航海クエストと比べて戦闘前に加入させるかどうかを選択できる・共闘NPCは6枠目に収まる為PTの構成を阻害しにくい等改善されている。
    • 周回機能はあるが、ルート分岐はなし。もう一度順にゲームシナリオを読みたい、心機一転して2軍ギルドを育てたい人向けのサービス要素となった。
      • また、引き継げる項目をある程度選択できるようになり、クエストや宝箱も復活するため一品もののアイテムを無限に集めることも可能。
        その一方でキャラが装備しているもの及び所持金以外のアイテムを引き継ぐことはできなくなり、サブや追加職の開放状況も強制的に戻されるようになった
        (ただし、既にギルドに登録しているキャラは休養等をしない限り影響しない)。
    • 今回のマラソン枠は「最強武器」。各種系統の最強武器はネーミングが統一されており、すべて裏ボスのドロップから作成する。
      そしてこれらの武器は鍛冶スロットが8枠もあり自由に使えるのだが、埋めきるには裏ボスマラソンが必要になる。
      すべての武器種が一括して裏ボス素材の為いささか作業気味となってしまうという問題点がある。
      • IIIでは各系統の最高威力の武器であっても鍛冶スロットが少なくてクセがあったりしたが、IVの最強武器は幅広いカスタマイズが可能なため、純粋な下位互換になり得ない武器は減少。
        武器の没個性化は進んだともいえる。
      • また「拡散」効果も鍛冶出来る事で、状態異常効果を様々に詰め込んだ短剣をミスティックに持たせる事でノーコストで状態異常をバラまけ、
        それどころか「即死」「石化」をスロットに含めることで通常攻撃だけで次々と敵の息の根を止めてしまえるような抜け穴も存在する。
      • なお、宝典はIIIから続投しているものの、ステータス毎に10個までの使用制限がかかっている。
    • すれ違い機能の「ギルドカード」が、3DSのすれ違い通信の改善化に伴い都会地方・イベント会場以外でもすれ違いしやすくなった。また、QRコードを読み取ることで「ギルドカード」を能動的に送受信できるようになった。
      • また、新機能にギルドメンバーを登録することで、他のギルドのメンバーを登録したりさせたりすることが出来る。
        自分自身のギルドのメンバーも登録できるため、スキルビルドの確認などにも使用できる。(実質無限増殖も可能なため世界観的にはやや非現実的ではあるが。)
        クリア前までは、プレイヤーのギルドに在籍するメンバーよりも高レベルのキャラは使えないというレベル制限がある。

レーティングについて

レーティングは、『世界樹の迷宮』シリーズではCERO A(全年齢対象)であったが、『新・世界樹の迷宮』シリーズではCERO B(12才以上対象),セクシャルとなっている。
参考:

ゲームのパッケージにはCERO区分という
対象年齢を示したマークが記載されていますよね。
世界樹の迷宮のこれまでのシリーズはCERO「A(全年齢対象)」。
しかし世界樹の迷宮IIIは当初、
CERO「B(12才以上対象)」になる可能性もあったのです!
(中略)
無事「A」判定になったので良しとしましょう。
http://sq3-blog.atlusnet.jp/cat6631509/ 
『世界樹の迷宮III』デザイナー森重 氏のコメントより。

キャラクターデザインに関して

世界樹の迷宮のイラストレーターである日向氏の絵柄はしばしば「萌え系」であると称されることも多い。
しかし、少なくとも初代『世界樹の迷宮』という作品でのイラストは、一般人や女性ファンから「可愛い絵である」と、評されるものを目指していた。
実際、日向氏もイラストを描くにあたっては、細心の注意を払っていることが言及されている。

新納 いわゆる萌え狙いではなかったよね。今回はかわいいキャラで行こう!とは言っていたけど。

(中略)

宇田 逆にそういった萌えユーザーの方に向けているって言ってしまうと、そのユーザーの方々に失礼ですよね。
僕らなんて「萌え」に関してはまだまだ勉強不足です。
そんな僕らがこれを「萌え」だなんて言ったら「俺たちになんか向けてねーよおめーら!全然萌えを理解してねえ!」って言われると思います。

新納 日向さんもそこは意識されてるいのか、デザイン的には硬派な物をあげてくださいましたね。
もうちょっとやわらかい感じのデザインで来るかと思っていたので、ガッチリ武器とか鎧とかを書き込んでくれた時は「あ、わかってくれてるな」って感じがして嬉しかったです。

(中略)

― では絵を描く人を探すのには結構時間がかかったんじゃないでしょうか。

新納 候補も30人ぐらいの方がいたんで、結構大変でした。(中略)なにより"ウィズ風"が好きな人だけに注目されるゲームにしてはいけなかったんです。
(中略)逆に、日向さんとしては「キャラクターつけて良いんですか?」ってことをずっと不安に思ってたみたいです。

http://www.inside-games.jp/article/2006/12/23/19737.html

※宇田…宇田洋輔(うだ ようすけ)氏。詳しくはこちらを参照のこと。

ベスト版(廉価版)の販売について

「世界樹の迷宮」及び「世界樹の迷宮II」は、2010年7月15日に同時発売。大胆な仕様変更などは特にないが、
「世界樹の迷宮II」では上記にもあるバグがほとんど解消され、スキル関連に関しては通常版よりもSPをやりくりしやすくなっている。
 
「世界樹の迷宮III」は2011年8月11日に発売。通常版のバグは解消されずそのままで、特に変更点は無し。
 
「世界樹の迷宮IV」はパッケージ版及びダウンロード版が2015年11月5日に発売。ナンバリング作品としては初のダウンロード販売が開始された。
 

リマスター版の販売について

2023年6月1日にNintendo SwitchおよびSteam用ソフトとして『世界樹の迷宮I・II・III HD REMASTER』が発売。
世界樹I~IIIのSwitch/Steam移植で、Switchパッケージ版は3タイトルセット、Switchダウンロード版とSteam版はセットか個別で購入できる。
基本的に原作DS版準拠だが、以下の要素が追加・変更されている。

  • UIは非2画面ハードへの移行、およびIV以降のシリーズ作品における改修を反映して変更された。
  • ピクニック・ベーシック・エキスパートの3段階の難易度変更が追加。エキスパートがDS版相当となる。
  • 本来の職業に関係なく立ち絵を選べるようになった。
  • 各職業のイメージイラストとして5人目の立ち絵が追加。
  • IIIの第6層通常戦闘BGMが新曲に差し替えられた。

参考リンク


*1 本当になんでも無効化する。三竜のブレスや裏ボスの超絶ダメージスキルでさえも。
*2 ただし、ラスボスやクリア後のエクストラダンジョン辺りからはしっかりと「殺しに」来る。
*3 公式で名称が伏せられている。
*4 それでも単発火力として見れば、間違いなく全職業中最強ではある。