戦闘システム

Last-modified: 2025-11-29 (土) 02:14:40

兵器の性質

投射兵器、ビーム兵器、ミサイル兵器の三分類

兵器には様々なパラメーターや属性がある。中でも投射系兵器〈Projectile〉、ビーム〈Beam〉、ミサイル〈Missile〉の三属性のうちどれに属するかで顕著な違いが生じる。

〇投射系兵器
発射後、目標に向かって攻撃弾が飛んでいき、着弾時にダメージが発生する。発射時点で目標に命中することが確定している。命中(ダメージ発生)までの時間は実際の距離に比例するので、遠くの敵ほど攻撃開始からダメージ発生までの時間が伸び、オーバーキル〈overkill〉*1が発生しやすくなる。

兵器の例: 機関砲、ガウス砲、レーザー、プラズマ、パルスガン、ウェーブ砲、フェイズキャノン…大抵の兵器は投射系である。

〇ビーム系兵器
敵味方の距離とは無関係に発射と同時に命中する。投射系兵器、ミサイル兵器とは異なり、照射中少しずつダメージが増加する。ただしヴルラックの超高出力ビームを除き、ヴァサーリのビーム兵器は照射時間が一瞬(0.3秒程度)なのでこの点では投射系兵器と区別できない。

例: 名称に「ビーム」と付く兵器

〇ミサイル系兵器
発射した弾頭は加速しつつ目標を追う(ホーミングする)。実際に敵に当たって初めてダメージになるので、命中の可否は発射時点では不明。敵の弾頭は対空〈Point Defense〉系兵器で撃ち落とすことが可能。弾速が遅く命中までの時間が長いため、オーバーキルを招きやすい。

目標到達前に他の敵ユニットに衝突した場合はそこで爆発し、そのユニットにダメージを与える。従って狙った敵に命中する保証は無い。発射後、一定時間が経過すると自爆する。飛翔中に目標が消失した場合、自爆時間まで真っすぐ飛び続ける。ただし研究やアイテムで「目標再設定機能」を付与すると、新たな目標を探しそちらを追うようになる。

例: 名称に「ミサイル」または「魚雷」と付く兵器

対空兵器〈Point Defense〉

航空機とミサイルには対空兵器属性のある兵器でしか攻撃できない。命中率は100%だが、航空機もミサイルも動きが速いので捕捉できないこともある。

通常のユニットにも攻撃できるが、貫通力と威力が低いので効果は期待できない。

v1.41時点では、DLC「Paths to Power」マップに現れる古代要塞の対空ビームを除き、対空兵器は全て投射系である。

目標捕捉能力

どの兵器も敵を捕捉しなければ(=敵に照準に定めなければ)攻撃できない。艦の兵器は、射程内に敵がいれば敵に狙いを定めようと旋回する(向きを変える)。この速さを兵器の「旋回速度〈tracking speed〉」または「捕捉能力〈tracking rate〉」という。ゲーム中はどちらも同義だが、このページでは説明のため兵器の動く速さを「旋回速度*2と呼び、旋回速度を含めた敵に狙いを定めるための総合的な能力を「捕捉能力」と呼ぶ(正式な用語では無い)。

兵器の捕捉能力が高いと以下のような利点がある。欠点はその反対だ。

  • コルベットのような素早い敵が相手でも攻撃の効率が落ちない
  • 移動しながら戦っても火力が低下しない
  • 目標から目標へと間をおかずに攻撃対象を変更できる。

捕捉能力を大きく左右するのが兵器の旋回速度である。兵器の威力とは異なり兵器の旋回速度はユニットの情報タブでは確認できないため、実際にユニットを動かして覚えることになる*3

兵器の可動域(角度)も重要だ。各兵器には動かせる角度(範囲)が決まっており、その外にある目標には艦の向きを変えない限り攻撃できない。可動域がゼロである固定砲塔兵器〈spinal weapon〉は艦自体が動かない限り照準を合わせられない。

また兵器自体の装填時間*4も捕捉能力に関与する。連射可能な兵器は装填中に敵を逃すことが少ないからである。

全兵器の性能を網羅するのは煩雑なので、ここでは目安となるよう分かりやすいものに絞って例を挙げる。

〇捕捉能力の高いユニットまたは兵器

  • 貫通力の低い兵器全般
  • 艦載機とコルベット全般。
    兵器は固定砲塔だが、ユニット自体の旋回力が極めて高いので敵を狙いやすい。
  • 対空兵器全般
  • TECの重巡洋艦、ヴァサーリのオプレッサー
    兵器の旋回速度を砲の数と可動域の広さでカバーしている。
  • 軍事スロットを1占有する防衛衛星
    TECの機関砲防衛衛星、アドベントのレーザー防衛衛星、ヴァサーリのパルスガン防衛衛星

〇捕捉能力の低いユニットまたは兵器

〇特殊

  • ミサイル兵器全般
    他の兵器に比べ、照準が厳密に合っていなくても発射できる*5。ただし兵器分類の項にあるように弾頭が命中するかどうかは別問題。
  • キャピタルシップ、要塞、タイタン
    ユニットによって違いが大きいが、兵器を多数搭載しているので機動力の高い艦が相手でも一方的に撃たれることない。

防御の性質

防御レベル

ユニットの基本的な防御力を表す値で、シールドポイント、装甲ポイント、船体ポイント(戦闘不能含む)全てに作用する。ダメージ軽減率は、攻撃を受ける側の防御レベルの値から攻撃側の兵器の貫通力の値を引いた有効な防御レベルに比例する。

【有効な防御レベル=ユニットの防御レベルの値-貫通力の値】

防御レベルによるダメージ軽減率は以下の通り。
【防御レベルによるダメージ軽減率=100/(100 + 有効な防御レベル)%】

算出した%をダメージの値に掛けたものが軽減処理後のダメージ。兵器のダメージが500、有効な防御レベルが100の場合…

【最終ダメージ=500*50%=250】と、軽減効果は50%で、ダメージは250になる。

ユニット同士の戦闘は基本的に【攻撃側の貫通力の値が防御側の防御レベルの値に近ければ近いほど有利】と考えていい。

有効な防御レベルはゼロ未満(マイナス)にはならない。従って貫通力が防御レベルを上回っていてもダメージは増加しない

攻撃側の貫通力が防御側の防衛レベルより高くても戦闘で不利になることはないが、貫通力が高いユニットはコストが高く生産時間も長い傾向があるので戦場全体で考えると効率が悪い。

シールド

装甲と違って装甲強度によるダメージ軽減が無い(次の項参照)のでポイントの減少が早い。ただし装甲と船体を上回る再生力と「シールド急速復旧」のおかげでダメージ回復が早く、中途半端な攻撃で削るのが難しい。

シールドポイントが0になっても、シールド急速復旧という技術が有効なら、しばらくすれば一気に再生する。復旧までの時間と回復量は艦艇アイテムや研究、ユニットのレベルで変化する。

TECのコルベット、フリゲート、巡洋艦にはシールド研究を進めるまでシールドが無い。
コルベットとフリゲートは軍事ティア2で、巡洋艦は3でシールドを追加可能。

シールド急速復旧はアドベントは軍事ティア2、TECは3、ヴァサーリは協調派のみ3で開放可能。

アドベントにはシールドポイントが高いユニットが揃っており、シールドを強化する手段も多い。

装甲

シールドポイントが尽きた状態で受けた攻撃は装甲ポイントで受けることになる。装甲には「装甲強度」という値に比例してダメージを軽減力する性質がある。計算式は以下の通り。

【100/(100 + 装甲強度の値)%】

この計算式で算出した%を元ダメージに掛けたものが装甲ポイントへのダメージになる。例えば装甲強度が120なら【100/(100 + 120)%】で軽減率は約45%となる。

装甲には防御レベルと装甲強度の二つのダメージ軽減効果が両方働くので最も堅い(=減少が最も遅い)。

TECはユニットの装甲ポイントと装甲強度が高い。

船体

防御レベルによるダメージ軽減は作用するが、回復力はシールドに劣り、装甲強度による軽減効果も無いため減少が早い。

船体ポイントが尽きると通常のユニットは爆発するが、キャピタルシップとタイタン、要塞などの大型施設に限り戦闘不能状態に移行し、船体[戦闘不能]ポイントが表示される。こういったユニットは船体[戦闘不能]ポイントがゼロになるとようやく消滅する。

防御レベルの効果は船体[戦闘不能]ポイントにも作用する。ただし兵器、アビリティ、アイテムは全て使用不能になる。発艦した航空機は戦闘を続けられるが損失分の補充はできなくなり、遺構回収も不能なので戦力にはならない。

船体[戦闘不能]ポイントが最大まで回復したユニットは戦闘不能から復帰し、船体[戦闘不能]ポイントが船体ポイントに切り替わる。このとき船体ポイントは0しかないので戦闘させるとすぐに戦闘不能に戻ってしまう。

耐久力の再生

シールドポイント、装甲ポイント、船体ポイントには平常時の再生力戦闘中の再生力*6が別個に設定されている。
ユニットがダメージを受けると平常時の再生力が戦闘中の再生力に切り替わり、一定時間ダメージを受けなければまた平常時に戻る。
戦闘中の再生力は初期は0。研究やアイテムで強化しても平常時に比べると遅い。

平常時に戻るまでの時間は装甲と船体は60秒、シールドは20秒(初期状態)。

戦闘中の自然再生は頼りないので、耐久力を(特に他のユニットの耐久力を)回復できる施設や艦やアイテムは貴重。
こうしたユニットやアイテムは、説明が無い限り、船体ポイントを回復できるものなら装甲ポイントも回復できる。
回復の優先順位は常に船体ポイントが先なので、装甲ポイントは船体ポイントが最大でなければ回復しない。

  • 耐久力再生アイテム

ヴァサーリは回復ユニットが少ないが再生力を強化する研究や艦艇アイテムが強力で、戦闘中の再生力もTECとアドベントに比べて上昇率も高い。

ステータスの確認

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ユニット選択中に画面中央下のユニットUIに表示されるアイコンにカーソルを合わせると、各ユニットの戦闘能力やバフ、デバフの効果が表示される。

1は上から兵器、防御系統、アビリティのステータスを、3は、上はユニットに掛かってるデバフ、下はバフを表示するアイコン。

兵器や防御、アビリティのステータスは大雑把にしか分からない。例えば兵器の旋回速度や可動域の値はゲーム中確認できない。細かな数値を確かめるより実際に艦艇を動かしてみて覚えたほうが早いが、。ゲームのファイルを覗くのに慣れていれば、ゲームのインストール先*7のentitiesフォルダー内にある各種ファイルを開いて調べることもできる。拡張子.unitにはユニットの設定が、.weaponには兵器の設定が載っている。アビリティは.abilityファイルと.action_data_sourceファイルと.buffファイルに分かれているので把握が難しい。


このページは公式wikiのCombat Guide>を参考に執筆しています。

更に詳細な計算式は公式ウェブサイトの計算式を参照のこと。


*1 A.敵に残り耐久力を大きく上回る攻撃を撃ちこむこと B.他の味方の攻撃で既に消滅が確定している敵ユニットに他の味方が攻撃してしまうこと 今回はBの意味で用いた
*2 艦の旋回速度と混同する箇所では「兵器の…」と書く。
*3 データ上は、各兵器ファイルのpitch_speed(上下に動かす速さ)、yaw_speed(水平に動かす速さ)の値で決まっている
*4 攻撃頻度、クールダウン、冷却時間も同義
*5 兵器のデータにはfiring_toleranceという値があり、この値が大きいほど雑な狙いでも撃てる。ミサイル兵器はこの値が大きい
*6 ゲーム中、「再生」は文脈によって「修復」、「修理」、「回復」などに変わるがここでは再生力に統一した
*7 初期設定ならC:\Program Files (x86)\Steam\steamapps\common\Sins2