ソ連 RankVIII 中戦車 T-55A
概要
T-54の正統進化と言える、バランス型で扱いやすい車両。
車両情報(v2.25.0)
必要経費
必要小隊レベル | 0 |
---|---|
車両購入費(SL) | 1,680,250 |
報酬
SL倍率 | 2.2 |
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車両性能
項目 | 数値 |
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砲塔旋回速度(°/s) | 15.0 |
俯角/仰角(°) | -5/18 |
リロード速度(秒) | 10.5 |
スタビライザー/維持速度(km/h) | 二軸 / 75 |
車体装甲厚 (前/側/後)(mm) | 100 / 85 / 45 |
砲塔装甲厚 (前/側/後)(mm) | 200 / 160 / 66 |
重量(t) | 36.0 |
エンジン出力(hp) | 1,107 |
2,000rpm | |
最高速度(km/h) | 50 |
実測前進~後退速度(km/h) | *** ~ -*** |
視界(%) | 83 |
乗員数(人) | 4 |
武装
名称 | 搭載数 | 弾薬数 | |
---|---|---|---|
主砲 | 100mm D-10T2S cannon | 1 | 43 |
機銃 | 12.7mm DShK machine gun | 1 | 350 |
機銃 | 7.62mm SGMT machine gun | 1 | 3500 |
弾薬*1
名称 | 砲弾名 | 弾種 | 弾頭 重量 (kg) | 爆薬量 (g) | 初速 (m/s) | 貫徹力(mm) | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
10m | 100m | 500m | 1000m | 1500m | 2000m | ||||||
100 mm D-10T2S | 3BM-8 | APDS | 4.13 | - | 1415 | 336 | 332 | 317 | 299 | 282 | 265 |
BR-412D | APCBC | 15.88 | 100.1 | 887 | 239 | 236 | 220 | 202 | 185 | 170 | |
3BM25 | APFSDS | 3.4 | - | 1430 | 335 | 330 | 307 | 290 | 275 | 260 | |
3BK17M | HEATFS | 9.96 | 1170 | 1085 | 390 | ||||||
OF-412 | HE | 15.0 | 1460 | 880 | 19 |
発煙弾
砲弾名 | 弾種 | 弾頭 重量 (kg) | 爆薬量 (g) | 初速 (m/s) | 貫徹力(mm) | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
10m | 100m | 500m | 1000m | 1500m | 2000m | |||||
3D3 | Smoke | 15.6 | 0.050 | 880 | - |
装備
設置場所 | 装備名 | 説明 |
---|---|---|
車体 | ESS*2 | 車両後方に煙幕を展開 |
主砲 | 二軸スタビライザー | 移動中の砲の垂直と水平方向への揺れを軽減 |
車両改良
Level | 名称 | 購入費(SL) |
---|---|---|
15 | 迫撃砲 | *** |
曳光弾ベルト | ||
リロードシステム | ||
20 | 大口径 | *** |
装甲貫通ベルト | ||
濃煙 | ||
25 | 発煙弾 | *** |
ステルスベルト |
迷彩
小隊ツリー
前車両 | - |
---|---|
次車両 | T-62 |
解説
特徴
Mobileでは本車とレオパルト A1A1から遂にAPFSDSを使用可能となる。
【火力】
本車のAPFSDSはゲーム内最弱と言っていいほど弱い。何故かと言うと、それは傾斜装甲に弱いからだ。スペック表では確かに最大貫徹力335mmとそこそこあるが、これはあくまで垂直装甲への貫徹力なので、傾斜装甲が当たり前のこのランク帯では貫徹力に反して跳弾がよく起きる。
現在APFSDS弾は大きく分けて2種類ある。
タングステン合金で作った物と劣化ウラン合金で作ったものだ。
T-55A及びT-62が使っているAPFSDS弾はこのタングステン合金でも初期型の物である。初期型のAPFSDS弾はタングステン合金の強度が不十分であり、弾頭単体では装甲を貫徹する事が出来なかった。なので低密度で高靭性を持つマルエージング鋼製の弾殻と一緒に使用されていた。
しかしそれが災いし、タングステン合金単体で作ったAPFSFS弾より密度が劣り、肝心の貫徹力が他国の物より劣っていた。その為、T-55A及びT-62のAPFSDS弾は比べ弾かれやすくなっているのである。
ちなみに1970年代にイスラエルがモノブロック構造のタングステン合金単体で作られた特製APFSDS弾(M111)を開発し、他国はこのAPFSDSを使用しているため弾かれにくくなっているのである。
また本車の装填速度は最短で10.5秒と、同格の中で1番遅い。(本当は1番遅いのはM60A2だが、向こうは152mm砲で本車は100mmなので砲なので実質本車が一番遅い)そのため、装填速度で相手に勝つというのは相手の乗員が2人の時ぐらいしかない。
【防御】
このランク帯は殆どの戦車がHEATFSやAPFSDSを所持しているので弾を弾く効果は期待できない。また砲付近はT-10Aでも抜けてしまい、側面装甲に至ってはM3ブラッドレーのAPDSに抜かれてしまう為、信用しないほうがいいだろう。
【機動性】
最大速度は56km/hと中戦車らしくそこそこの機動力を誇る。後退速度が-8km/とやや遅いものの、基本的に移動で困る事はないだろう。砲旋回速度もT-54の10°/sから15°/sに速くなっている為、T-54の砲旋回速度に悩まされていた人にとっては嬉しい強化だろう。
史実
1950年以降、ソ連では陸軍の再編と機械化率の向上に着手すると共に、核兵器を使用した後の放射能汚染下でも行動できる能力を戦車や装甲車に与える研究の開始が指示されていた。
1952~53年にかけて、T-54中戦車を核爆発に曝す実験が繰り返された。
当初は爆風で砲塔が吹き飛ばされたり、車体各部に亀裂が入る等の現象が見られ、その都度、砲塔と車体の接合方式や車体構造の改善が図られ、最終的には2~15キロトンの核爆発の爆心から300m以内において、何とか無傷で生残でき得る車体にまで改善することができた。
しかし、問題は放射線による影響であった。
仮に車体が無傷であったとしても、T-54中戦車の場合は爆心地から700m以内においては放射線による影響、あるいは放射能に汚染された空気によって乗員が死亡するとの結論が試験から確認された。
ソ連国防省は第75ハリコフ・ディーゼル工場(KhDZ)の第60設計局(主任技師A.A.モロゾフ)に対して、戦車用の放射能防御システムPAZの開発を発令し、1956年には基本的なシステムが完成を見るに至った。
PAZは、車外から採り入れる空気を汚染除去フィルターに通して車内に供給すると共に、乗員区画内の空気を加圧して、わずかな隙間からも放射能汚染気が侵入することを妨げる機構を採用していた。
そのため砲塔の前部右上面にあった、主砲や同軸機関銃の発砲煙(および含有される一酸化炭素)の充満を防ぐための換気ヴェンチレイターは廃止され、PAZによる空気循環システムで搭乗空間の吸排気が行われるようにされた。
PAZを導入した新型中戦車はニジニ・タギル所在の第183ウラル貨車工場(UVZ)の第520設計局(主任技師L.N.カルツェフ)で設計・試作が行われ、これにはさらにT-54M試作中戦車に搭載された出力向上型ディーゼル・エンジンV-54-6(出力580hp)を導入することとなり、「T-55」(オブイェークト155)と呼称された。
T-55中戦車は、1958年5月24日付のソ連国防省命令によりソ連軍への制式採用が決定された。
戦後、ソ連においては新規の兵器を軍に採用する場合はソ連閣僚会議の決定によって行われ、同種兵器のヴァリエーションの採用は国防省命令で行われる体系になっていたようである。
従ってT-55中戦車については、開発番号こそ異なるもののT-54中戦車系列のヴァリエーションの1つと目されていたといえる。
1958~62年にかけてニジニ・タギルのUVZ、ハリコフのV.A.マールィシェフ工場(VMZ、1957年に第75ハリコフ・ディーゼル工場から改称)、スヴェルドロフスク(現エカテリンブルク)のウラル重機械工場(UZTM)で生産されたT-55中戦車の基本型は、PAZや出力向上型エンジンの導入の他、幾つか形態的にもそれまでのT-54中戦車シリーズとは異なる特徴を有していた。
顕著なのは砲塔の各部の違いで、まずPAZ導入で右上面のヴェンチレイター・ドームが無くなったことは前述したが、その他にも装填手用ハッチが対空機関銃用の回転マウントの無い単純な前開き式の1枚ハッチにされたこと、砲手席上面部に設置されたTPN-1暗視照準機の他に固定式の視察用ペリスコープが設けられたこと等がある。
戦車固有の対空兵装(12.7mm重機関銃DShKM)は廃止され、戦車部隊の対空防御は別に編制された対空自走砲部隊(多くは装甲兵員輸送車に連装式の14.5mm対空機関銃ZPU-2や23mm対空機関砲ZU-23-2等を搭載したもの)が組織的に行うと割り切られたのである。
外部に露出した対空機関銃は、放射能汚染された場合の除染作業が面倒であることも搭載が嫌われた理由のようである。
併せてT-55中戦車では、排気マフラーを使用する独特の煙幕発生装置TDAが採用された。
これは排気マフラー内に燃料を噴射して白煙を発生させるもので、T-34-85中戦車以来用いられてきた車体後部に取り付ける発煙燃料ドラムによる発火式の煙幕展開装置BDSh-5に代わるものだった。
またT-55中戦車は、すでに10年を超えたT-54中戦車シリーズの量産・運用実績を踏まえて、パワープラント関係の信頼性を向上させるための改良が施された。
主に変速・操向システム関係の他、冬季でも夏季でも機能障害を起こさない燃料噴射装置や、オイル循環装置の導入が図られた。
これで、アフリカから極北地帯まで広く使用できる戦車としての実質を備えていった。
また車体前部の主砲弾薬ラック周りの燃料タンクの容量を大幅に増量し、T-54中戦車シリーズに比べて150リットル以上も多く燃料を搭載できるようになった。
その結果、路上航続距離は500km程度まで延伸された。
車体前面装甲板の後ろに燃料と弾薬をぎゅうぎゅう詰めにしたことは、確かに航続距離の延伸という面ではメリットがあったが、後にT-55中戦車を供与されたアラブ諸国軍が中東戦争におけるイスラエル軍戦車との戦闘において、この部分の装甲を貫徹された際に燃料や弾薬が誘爆して思わぬ被害をもたらすことに繋がり、T-55中戦車の致命的な弱点となってしまった。
T-55中戦車は火力の増強も図られ、主砲の搭載弾薬数がT-54中戦車シリーズの34発から43発に増やされた他、新たに開発されたBK5M HEAT(対戦車榴弾)が導入された。
BK5Mは射距離に関わらず厚さ390mmのRHA(均質圧延装甲板)の穿孔が可能で(弾着角90度)、西側がイギリスの王立造兵廠製の105mm戦車砲L7を搭載した新型MBTを登場させたことによって、性能面で水を開けられたT-54/T-55中戦車の100mm戦車砲D-10シリーズの対装甲威力を大幅に向上させるものと期待された。
併せて、T-55中戦車からプレス製造の星型転輪OKZFが標準装備されるようになり、これ以前のT-54中戦車シリーズや近代化改修を受けたT-34-85中戦車、T-44中戦車等にもオーバーホール時に導入されていった(西側では「スターフィッシュ」(ヒトデ)型転輪と呼称された)。
T-55中戦車の量産は、1958~62年にかけて行われた。
また本車をベースにした火焔放射戦車「TO-55」(オブイェークト482)も、同時期に少数が生産された。
TO-55火焔放射戦車は、T-54中戦車ベースのOT-54火焔放射戦車に用いられた火焔放射機の改良型ATO-2000を同じように主砲同軸機関銃に代えて搭載したもので、これに伴い主砲の搭載弾薬数は25発に減らされている。
乗員区画への汚染空気の侵入を防いで、一応NBC防御システムを備えることになったT-55中戦車であったが、車内の空気清浄化と気密性の確保だけでは、装甲板の薄い部分を貫くX線やγ線が乗員に与える影響を充分に防げないことは明らかであった。
そこで1961年より、鋼鉄研究所において対放射線防護カバーの開発が着手された。
鋼鉄研究所が開発した防護カバーは、放射線を遮断する鉛分を混入させたプラスティック樹脂製のもので、取り付け部に合わせて成形しネジ止めすることができた。
防護カバーは車長用キューポラとハッチ、装填手用ハッチの全体に盛り上がるように取り付けられ、操縦手用ハッチの前半部にも盛り上げた形で追加された。
さらに砲塔や車体の内部にも、防護カバーと同じ材質のライナーが内張りされた。
この対放射線防護カバーを取り付けたタイプは、「T-55A」(オブイェークト155A)として1962年7月16日付のソ連国防省命令により制式採用が決定された。
T-55A中戦車では操縦手席右横に配置された7.62mm固定機関銃が廃止され、また主砲同軸機関銃もT-54中戦車以来のSGMTから、M.T.カラシニコフが設計した7.62mm汎用支援機関銃PKの車載型であるPKTに換えられた。
これ以後、順次オーバーホールが実施されるごとに旧来の車体の機関銃も同様に交換されていった。
T-55A中戦車は1962~69年にかけて生産された前期型と、1970年代以降に生産された後期型の2種類に分類することができる。
前期型がT-55中戦車に対放射線防護カバー等を追加し、主砲同軸機関銃を変更したのみだったのに対し、後期型は、装填手用ハッチ側に12.7mm重機関銃DShKM用の回転マウントを対放射線防護カバーで被って取り付けていた。
前述のように、ソ連はT-55中戦車において一旦12.7mm重機関銃の装備を取り止めたものの、アメリカ軍がヴェトナム戦争において地上攻撃ヘリコプターを多数投入したことから、戦車固有の対空兵装の強化のために再度、1970年以降に生産されたT-55A中戦車に12.7mm重機関銃を取り付けると共に、過去に生産されたT-55中戦車シリーズにも順次取り付けが図られていった。
T-55A中戦車は1963~77年にかけて量産され、主に東欧諸国に輸出された。
1990年代の旧ユーゴスラヴィア内戦においても、多数が投入されている。
1967年には100mm戦車砲用の新型徹甲弾が実用化されたが、このBM8 APFSDS(装弾筒付翼安定徹甲弾)は砲口初速1,415m/秒で発射され、射距離2,000mにおいて直立した厚さ275mmのRHAを貫徹できた。
しかし、T-54/T-55中戦車シリーズはFCS(射撃統制システム)の性能が西側第2世代MBTに比べて大きく劣っていたため、主砲の威力が強化されても西側第2世代MBTとの戦闘では依然として劣勢を強いられた。
小ネタ
T-54とT-55、この両者は名前も似ていれば外見も非常に似ている。しかしこの2両をすぐに見分けられるポイントがある。一見すると主砲先端部分のエバキュエーター(排煙装置)の有無で見分ける事ができるがその見分け方は少々危険である。ゲーム内ではその見分け方ができるが、現実のT-54/55の見分けをする際にはその見分け方が当てはまらない事がある。というのもT-54のバリエーションでT-54Aというのがありこの型はエバキュエーター付きの主砲を装備している上に、この型以降のT-54シリーズは皆エバキュエーター付きである。
ではどこを見ればいいのかというと...砲塔である。全く同じ様に見えるがハッキリと違う点がある。それがベンチレータードーム(換気扇カバー)の有無である。T-54は砲塔上部に換気扇があるのでベンチレータードームが付いているが、一方のT-55は核兵器や化学兵器などによる汚染環境下でも活動できるように「PAZシステム」という特別な換気装置を付けている為に通常の換気扇を外しており砲塔にベンチレータードームが付いていない。ここがT-54とT-55を明確に見分ける事ができるポイントである。
2019年6月13日、ポーランド中部の街中で戦車が走っているという通報があり、警察が駆け付けるとT-55が道路の真ん中に止まっており、そばに酷く酒に酔った男(持ち主)がいたという事件が発生した。撤去するのに軍が協力することとなったそう(持ち主は飲酒運転の疑いでその場で逮捕された)。
外部リンク
コメント
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- レオA1じゃなくてこれ買うのはあり?見た目めっちゃ好きだけど色々言われてる小隊だから買おうか迷う… -- 2024-04-06 (土) 23:17:59
- 長い装填、このランクでは意味のない装甲、傾斜に弱いダーツ、遅い砲塔旋回...もうちょっと強くてもいいんじゃないですかね... -- 2024-04-23 (火) 03:07:05
- この戦場になると装甲ほぼ無意味だから見た目で選びたい人は見た目で選んでいいと思うよ。 -- 2024-05-29 (水) 07:44:52