『シュテルンヴェルト』

Last-modified: 2018-08-27 (月) 14:37:19

所属者

クロゥム・シュタインバルト
かつて黒無逸祇と呼ばれていた男。
ある聖杯戦争を模した儀式を執り行うもその最後に死亡する。
ただし幾度と無く黒無逸祇と呼ばれた時から幾度と死亡したと思われ、また蘇ってきている謎の男。
また死に際には例外無く死体が掻き消えている。既にその肉体自体は滅んでいるのかもしれない。

 

サリエス・シュタインバルト
またの名を石林鎖里(いしばやしくさり)。
本来はクロゥムのある目的の為に鋳造された人型実験生物。
しかしある儀式により生まれる生命体の母体として選ばれ、出産と同時に死亡する。

 

黒無真純
黒無家の当主であり人理継続保障機関フィニス・カルデアの局員。
双葉聖杯戦争の時間軸においてはほとんど姿を見せていないが、事象記録電脳魔ラプラス』の情報を黒無家に横流ししていたと思われる。
もっとも当の黒無家が壊滅してしまい、加えて黒無家が保有する『阿迦奢の記録』を喪失してしまっているが機関に匿ってもらっている現状身動きが取れないでいる。
(双葉聖杯戦争が行われている時空での該当機関の有無は不明だが類似する機関は存在するとする。
 またFGO第二部発生前にカルデアを去った為、そちらの時間軸ではそれ以降の所在は不明とする。)

 

ヴァルター・アンシェイド
アンシェイド家の当主。『阿迦奢の記録』を保有し現在『虚空詩篇』の管理を行っているシュテルンヴェルトの代表格と言っても過言ではない。
……しかし爆発に魅入られ理想の爆発とそれを至近距離で観測する方法を模索するべく研究を続ける変人。
もっとも、やるべき事はしっかりやるし当組織に所属する、特にクロゥムの協力要請には快く応える男でもある。

 

・???
アトラス院所属。過去破壊された『虚空詩篇』の再構築を手伝った者の末裔。

 

etc...

来歴

北欧にて結成された秘密結社。名称は結成された地であり拠点でもある『シュテルンヴェルト山』に由来する。
シュテルンヴェルト山の地下に埋まっていた古代遺物である『虚空詩篇』の研究とその成果の寡占を目的とした組織。
あるいは『詩篇の守り手(オラクル・キーパー)』と呼ばれる場合もある。

以下、時系列順の主な出来事を記す

十二世紀

シュテルンヴェルト山周辺の魔力の微量な変調を察知した時計塔によりある魔術師の一派が調査を開始、そして偶然にも虚空詩篇を発見する。
この存在を外部へと漏らさず、守護し、また研究する為に魔術師一派は当組織を立ち上げ拠点をこの場所へと移した。
結成から数日後、彼等へと依頼を行った魔術師を事故死に見せかけ暗殺する。そして周辺地域への緩やかな囲い込みにより一旦はこの組織は秘密の結社として成立した。

だが数年後、組織は虚空詩篇の解析により『大地の滅び』を予知する。
遠い未来、宇宙より飛来した地球外最強種が世界を蹂躙し、そして滅んだはずの大地自体が人間を殺す未来。
組織は『滅び』は避けられないとし、であるならばその中での人類の存続と、そしてその守護を担う存在を創造するべく虚空詩篇の利用を始めた。
プロト・アーキタイプ・アースと呼称されたその人工生命体群だが、その精製過程により周辺地域に魔力の減衰をもたらし、やがては組織の存在が露見を始める。

暗殺等による隠蔽も行ったがやがて拠点の存在を嗅ぎつけられ死徒、魔術師、聖堂教会の三方を敵に回し、そしてその全てから同時に攻め入られ組織は壊滅。
この時に虚空詩篇は破壊され、生き残った組織の構成員は資料や特殊礼装、虚空詩篇の破片を命からがら持ち出し逃走した。

内一人は北欧に残り「アンシェイド家」に、そして一人はアジアを経て日本に逃げ延び「黒無家」となる。
代表的なのはこの二家だが、断絶した家系、あるいは役目を放棄した家系、彼等の活動を無視し潜伏を続ける家系などを含めると多岐に渡る。
また彼等を壊滅させた勢力は残された虚空詩篇の破片の所有権を巡り各勢力が争い、最終的にその欠片の多くはアトラス院が保有する事となった。

十七世紀

既にその当主以外に自分達の役目を知る者が居なくなっていたある日、アンシェイド家当主の配下が黒無家当主に接触。
アトラス院に保管されている多量の虚空詩篇の欠片の奪還計画を持ちかけそれを承諾した。
だが潜伏した奪還計画の参加者はそのほとんどが殺害、あるいは拿捕されるも自害する。だがアンシェイド家所属の魔術師の一人は拿捕された際に自害を拒み存命した。
彼は口を割らず、独房の中で期を伺い、そしてアトラス院所属のある魔術師を味方につけ虚空詩篇の欠片の奪還と生還を成功させる。
アトラス院を離脱したその魔術師の協力で虚空詩篇の再構築には成功するが、損失した欠片がまだ多く残っており機能の復旧に数世紀以上掛かる事が判明。
また情報収集機能の破損が得に酷く、既に虚空詩篇単独では機能しない事が判明する。

二家と旧アトラスの魔術師は各方面より虚空詩篇の欠片を収集する一方で、予知を十全な物にするべく世界中に散らばり情報を収集・虚空詩篇に集積する使命を得る。
その為に精製されたのが虚空詩篇の欠片を用いて精製された『阿迦奢の断片(スクラップノート)』である。
またこの時、情報隠蔽の為に時計塔のある魔術師と信託を結ぶ。シュテルンヴェルトは対価として復旧した虚空詩篇の一部利用を約束した。

二十世紀~現代

当主以外はその目的を知らず、ただ情報を集め続ける日々は黒無家に所属する多くの魔術師を堕落させていった。
一方でアンシェイド家は情報の収集は黒無家に任せ魔術の研鑽を積む事で力を強め、虚空詩篇の欠片を回収していく方針を取るも何も知らない末端はただの魔術師であった。

第二次大戦の最中、ある程度の未来予知機能の復調が確認される。しかし何故か2016年以降の未来が観測出来なくなっていた。
以降情報収集を続けるも予測不能の理由は不明。結局その代の終わりまで謎は解明されなかった。

そして現代、黒無逸祇が聖杯戦争に参加する。
短期間に散発する聖杯戦争に疑問を覚え、黒無真純と接触し虚空詩篇や黒無家の生い立ちについて知る。
それから真純が過去に解決した事件の顛末や様々な事件の情報を知り、二人は滅びが今に短縮されたのではと仮定。
真純が外側から滅びの回避の為に動く一方で逸祇は内側から世界の修復を試みようとする。
そしてかつて一族が作り上げた人造生命体「プロト・アーキタイプ・アース」、その最新版の生成を試み始めた。

やがてアンシェイド家と接触した逸祇はヴァルターと友好関係となった。
ヴァルターはアンシェイド家が管理している虚空詩篇を聖杯として利用、聖杯戦争を起こす事を考案する。
その為の資料集めの為に時計塔を訪れ、かつて協力関係となり今では時計塔の中枢に食い込んだ家の現当主と面会。
しかし、プロト・アーキタイプ・アースの生成自体を疑問視され交渉が決裂。これが「情報統率領域ラプラスの庭」へと繋がる。

黒無家から孤立している逸祇の暗殺を首謀者たる魔術師は計画する。
逸祇が警戒せず、且つ個人的に彼を恨む人物?に暗殺計画を持ちかけ結果は成功。
そして黒無家の在り方に疑問を持っていた黒無律架が首謀者に暗示を掛けられた結果ラプラスの庭事件へと至る。
ヴァルターも暗殺されかけるがなんとか逃れ、首謀者である魔術師を逆に殺害する。

一方で逸祇、かつての研究成果であり虚空詩篇と接続しプロト・アーキタイプ・アースの母体として運用を行うべく調整していた「サリエス」に救われる。
サリエスは虚空詩篇の欠片を体内に埋め込んだ事により、虚空詩篇の機能である情報を元に物質を変化・投影を再現した「想生の魔眼」を得ていた。
彼女がプロト・アーキタイプ・アースの母体になりうると確信した逸祇はクロゥムと名乗り、ヴァルターと再接触。黒無家討伐が進む最中、計画を再始動させる。

ヴァルターが改めて聖杯戦争を巡り情報を集める一方で、クロゥムは儀式に必要な土台と協力者を収集する。
そして儀式は開始された。

マテリアル

虚空詩篇

ノーツ、あるいはアースセル・オートマトンと呼ばれる。
前者の呼称はシュテルンヴェルトやその縁者が、後者の呼称はそれ以外の魔術組織に属する者が使用する事が多い。
フォトニック純結晶体で構成された全長3キロメートルにも及ぶ巨大な人工物。ただし何者がいつ、どのような理由で製造したのかは不明である。
また、その構造や技術体系は現人類に解析不能の領域にあり、過去存在したと言われる旧人類か、あるいは地球外の文明がもたらしたモノと推測される。

現人類が発生したのとほぼ同時期に起動を開始した虚空詩篇は地上生命の観察と記録、地球環境の観察とそこから推測される過去と未来の予測演算を行い始める。
そして時折外部との交信を行い、自身に干渉出来る生命体の発生と来訪を待つべくシュテルンヴェルト山の地下深くへと埋没していった。

その規模から小天体と同規模を誇る超超弩級のオートマトンとは比べる事が出来ない程にスペックは低い。
平行世界の観測は不可能であり、未来・過去観測も現状もっとも到達する可能性が高いであろう結果を導き出す事しか出来ない。
ただし、精度を問わなければかなりの遠未来まで予測が可能となっており、一説には世界の終わりをも観測出来ると言われている。

単体では観測と予測演算、その記録しか行わないものの、その中枢には自己拡張機能と現実拡張機能が秘匿されておりいわゆる万能の願望機としての性能も有している。
ただし中枢へと至るには非物理的な干渉、魂のみを内部へと送り込まなければならず、その上で七つの防衛機構を突破しなければならない。
また、仮に中枢にアクセス出来たとしても悪性存在と判断された場合は更なる排除機構が願望の成就を阻む事になる。

組織内でも直接アクセス出来たのは過去ただの一人を除き存在しない。
ただし彼が持ち帰ったアクセス権限により七機の接続用礼装『断片』が精製され、限定的且つ間接的なアクセスは外部からでも可能となった。
もっともその使用には多量の魔力を消費せねばならなかったし、虚空詩篇の破壊と同時期にこの礼装も全てが失われている。
かつてこの礼装により接続出来た表層虚構領域は『O.PH.NE(Oracle Phantasm Network、オファニ)と呼ばれた。

阿迦奢の断片

スクラップノート。
虚空詩篇の欠片より製造された情報集積礼装。その本質は虚空詩篇への情報転送装置である。
かつて現存していた七機の『断片』の資料を参考に製造されており、方法と十分な魔力さえあれば虚空詩篇へのアクセスも一応は可能となっている。
ラプラスの庭では情報燃焼悪魔マクスウェルの駆動に必要な情報を提供する核として、ドリームランドでは虚空詩篇とサリエスの中継点として使用される。