第3章 特権者のヒロイック・シンドローム、さもなくばアズーリア・ヘレゼクシュの憂鬱
- 第3章 特権者のヒロイック・シンドローム、さもなくばアズーリア・ヘレゼクシュの憂鬱
- 3-0 どうして空は青いの?
- 3-1 未来回想、あるいはこれからのあらすじ
- 幕間 『もうひとつの左手』
- 幕間 『もうひとつの悪夢』
- 3-2 言の葉遣いは躊躇わない
- 3-3 半熟英雄
- 3-4 天の鴉と月の兎
- 3-5 言語魔術師の弟子(前編)
- 3-6 魔女と英雄
- 3-7 言理の妖精語りて曰く
- 幕間 『幻想再起のイリュージョニスト』
- 0-1 『フォービットの魔獣』
- 0-2 『色無しマリー』
- 幕間 『松明の騎士』
- 3-8 再びの未来回想、そして来るべき次回予告
- 3-9 トライアンドエラー
- 3-10 青の空、黒の空白
- 3-11 チョコレートリリー
- 3-12 隠れた変数(オクルトゥム)
- 3-13 この戦いが終わったら
- 0-3 『砂漠の花』
- 3-14 パレルノ山六千人殺し
- 幕間 『静謐なる多弁』
- 3-15 【死の囀り】カタルマリーナ
- 3-16 黒いアネモネの花言葉
- 3-17 無造作な死
- 0-4 『祈りの価値』
- 幕間 『言震(ワードクェイク)』
- 3-18 激光(レイジ)
- 0-5 『青空』
- 3-19 夢幻の果て
- 3-20 言語魔術師の弟子(後編)
- 3-21 第五階層より第一階層へ
- 3-22 シナモリ・アキラより
- 3-23 睥睨するエクリーオベレッカ
- 3-24 十三階段
- 3-25 オンステージ
- 3-26 奈落に飲まれ、闇に包まれる
- 3-27 影に沈み、振り返らずに去っていく
- 3-28 言葉は断ち切られ、絶望は感染する。そして――
- 幕間 『この夜が明けるまであと百万の祈り』
- 3-29 黒百合の子供たち
- 3-30 その名はサイバーカラテ
- 3-31 それは、世界がこんなにも光に満ち溢れているから
- 3-32 澄明なる青空に
- 幕間 『特権者の英雄症候群、さもなくば――』
- 0-6 『第九魔将』
- 3-33 黒血のハルベルト
3-0 どうして空は青いの?
- タイトル参照元
- 談話室
- 鏡に映らないアズーリア。自分の名前の来歴がわからない。
- 骨組みの花と金眼。
- び、美少女! ――アキラがコルセスカと会ったときと同じ言葉
- ハルベルト、アズーリアの唇を奪う。
3-1 未来回想、あるいはこれからのあらすじ
- ヒ感想
- これからのあらすじ
「色んな戦いがあったわよね。良くもまあ、勝利からあんなに足りない準備にまで繋げられたものだと、今でも思うわ。目を閉じれば鮮明に思い出せる。貴方の宿敵である迷宮の主との戦い、そして貴方の運命である最後の魔将。重要な戦いの瞬間に、貴方は必ず居合わせていた。地獄の英雄、黄金のマーネロアが率いる巨人ネフィリム族との戦い。そして巨人族と双璧を為す最強の異獣、小鬼ゴブリン族の軍勢とその長である矮躯ミゼットのガドール。あの途方もなく強大な上位複合種、狂怖ホラー族のイェレイドも、貴方の力が無ければどうなっていたことでしょう。それだけに、第五階層での事を聞いた時はとても残念だったわ」
「今にして思えば、それも必然だったのかもしれないわね。だって彼と貴方は、似てはいても――あるいはだからこそ、対極に位置するひとの手をとることになるのだから」
「まるで、同じ方向へ進んでいるのに、表と裏の位置関係だから相容れない――平行世界の同一人物のよう」
幕間 『もうひとつの左手』
- 「時々思うよ。君の見ている世界はどんなものだろうと。果たして私の見ているものと同じ世界なのだろうかと」
クオリアの説明によく使われる話
マリーの部屋、哲学的ゾンビなどと併せて3章の重要モチーフ - フィリスについての話
- 間テクスト性
- 間テクスト性
幕間 『もうひとつの悪夢』
- ヒ感想
- タイトル参照元
もう一つでない方の悪夢は二章の『幕間 『悪夢』』のことを示していると思われる - アズーリアの妹ベアトリーチェ
- 口調は丁寧語
- 「誰かの人生を犠牲にしてまで生きるなんて、私だったら耐えられない」
- 「今日のニュース――新種が発見されました。おふとんごろごろ目おふとんからでたくない科の生き物――」
- 『国庫から松明の騎士団への寄進増額が決定。ファナハード議員の金を火にくべる発言に賛否両論』
ファナハードはセリアの家名 - 『北ドラトリアと本国との間で緊張高まる。聖大公は病死との噂も』
このあとめちゃくちゃ炎上する - 『テリス川に小さなイッカクの赤ん坊が出現』
3-2 言の葉遣いは躊躇わない
- タイトル参照元
- メモ
- きぐるみ妖精 ( ドーラーヴィーラ )
ドーラーヴィーラはインダス文明の古代都市。
カーネリアンの加工輸出を生業としていたというのが今後のトリシューラを示唆する。 - タマラ以外の四人は
アズの一人称語りに介入している? - 「隙あらば無自覚で人の獲物を横から掻っ攫おうとする泥棒カササギ。略奪が得意な探索者――吸血鬼らしいけれど。こっちだってそんなに甘くない」
ハルベルトかミルーニャの発言。猫は幻の存在なので、泥棒カササギなのだろう。
カササギは哺乳類以外ではじめてミラーテストに合格した動物。
- きぐるみ妖精 ( ドーラーヴィーラ )
- 「第六階層潜ります。後衛に欠員が出たので一人募集。寄生は容赦なく切るのでそのつもりで」
『寄生』はネトゲ等におけるパーティーでは役立たずなのに配分される経験値とかでちゃっかりみんなの利益を得てる奴を指すスラング、寄生異獣とは多分関係ないだろう。このあたりの会話群だと他にもネトゲ系の文脈を参照してそうな会話がチラホラ見受けられる
3-3 半熟英雄
- ヒ感想
- タイトル参照元
- ビーンズ式詠唱の直撃を受けた鴉のように慌てたメイファーラ
鳩に豆鉄砲的な - 「やっぱ見た目かな――あれのせいで距離感あったのかな。くそうラーゼフせんせーめ」
3-4 天の鴉と月の兎
- ヒ感想
- タイトル参照元
- 奇妙な事に、私はハルベルトやミルーニャ、メイファーラの顔を個別に把握できていた。全くの初対面である筈なのにだ。
初対面じゃない。
- 完璧な人工知能というのは、有名な呪術の解決不能問題の一つである。
常識的な発言をしたつもりだが、ハルベルトは私の方を見て、何故か少しだけ悲しそうな表情をした。
- 死人の森断章に触りたがるリーナ
- 骨の花を見て愕然とするリーナ
3-5 言語魔術師の弟子(前編)
- タイトル参照元
ゲーテ『魔法使いの弟子』及びそれに触発された作品群。
その他にも候補は多数ある。ロード・ダンセイニ著『魔法使いの弟子』
- 「あの、ガーデニア」
- 花言葉は「幸せを運ぶ」「胸に秘めた愛」
- 「口無」にも通じる
3-6 魔女と英雄
- ヒ感想
- タイトル
『2-3 魔女と狂犬』と対になっている。
- ロクゼンとマイスどっちがいい?
ロクゼン茶は甘くてマロゾロンドが好き。マイス茶は渋くてドルネスタンネフが好き。 - 「箒のねーちゃんはいっぱい持ってきてくれたぞー」
リーナのこと - 山道で疲労困憊するハルベルトを世話するミルーニャ
- 第五階層開放以降、治癒符の流通が滞っている。メガコーポが流通を絞っているようだ。
- 「巨大企業っていうと、ペリグランティア製薬とか? 生命の水とかの」私が訊くと、何故かミルーニャは気まずそうに呻いた
ミルーニャはペリグランティア製薬所属
- 「まあ個人的な意見だけど――二股かけるような人って、人格に問題があると思う。はっきり言って最低の屑。私は嫌いだな。絶対に関わり合いになりたくない」
- 「いいですよ、エストさん。大嫌いでしたけど、それでも父親は父親。仇を討ちたいって気持ち。私も良くわかります」
一人称が私。ミルーニャの素。
- 「【アルタネイフ呪具百貨】の品揃え、ご覧あれ!」
取り出される品々はバンド名や楽曲からの引用が多め(詳細はこちら)
- 生と死の神秘性を否定して再現性の呪術で死を無かったことにしようとする一部の杖使いたちだけ。ゆえに彼らは疎まれ蔑まれ、邪悪であると排斥されるのだ。
3-7 言理の妖精語りて曰く
- ヒ感想
- ブラストビート
- ソナタ・アークティカ
あといい忘れてたが当時誰かが腹痛とかになったとき「それが俺の能力。そして俺はそれを‘ソナタ・アークティカ’と名付けた――」とかいってた
上遠野浩平総合スレッド68 竹泡対談>975
以降、ソナタ・アークティカ上遠野スレに定着する。これはたぶん参照してない。
- ミルーニャという現在とその過去を関連付けて語る。バインドする。
IT用語辞典>バインド
bind:拘束する、束縛する、結びつける、装丁する
幕間 『幻想再起のイリュージョニスト』
- ヒ感想
『幕間 きぐるみの魔女』のセルフオマージュか言語支配者たちが打ち立てた絶対言語という理性は失われた。旧世界の崩壊で科学文明を唯一絶対とする杖の秩序は失われた。繰り返す愚かさの歴史の中で進歩史観は失われた。奪え、殺せ、勝ち取れ。野蛮へと絶え間なく後退し、停滞し続けることを人類は選択した。
トリシューラが「だから今は祈ろう。祈りながら、祈祷の道具を鈍器に換えて、殴って悪夢を醒ましてやろう」と続けたのに対し、ハルベルトが望むのは引き裂かれた言葉と意思を、再び繋いで語り直すこと。即ち「世界平和」
- アズーリアの過去、開示される
0-1 『フォービットの魔獣』
- ヒ感想
- タイトル参照元
- 登場人物/フォービットの魔獣
- グリュカが片腕を切り落とすが如し
ゆらぎの神話BBS>文化・風俗
グリュカ族の戦士は片腕を極端に肥大化させ、武器とする。
しかしその腕は時に邪魔にしかならない事が多く、身軽になる為に敢えて片腕を切り落とす事がある。
このことから、目的の為に犠牲を払う行為を【グリュカが片腕を切り落とす】という。
0-2 『色無しマリー』
- マリー・スー・ヘレゼクシュ
幕間 『松明の騎士』
- 「『汝らこの門をくぐる者は一切の望みを捨てよ』――かぁ」
おどろおどろしい文言が転移門の上に刻まれていた。 - 鮮やかな緑色が、次第に黄色に、そして赤に、最後にはそれらが入り交じった極彩色へと変貌していく
- どうしてかはわからないけれど、透き通るような蒼穹を見るたび、私の胸には郷愁のような思いが去来する
- 「いぐにす・あうるむ・ぷろばっと」
「みせりあ・ふぉるてーす・うぃろーす」
“Ignis aurum probat.(炎は黄金を証明する)
miseria fortes viros.(悲惨は英雄を証明する)”- コルセスカの詠唱では「悲惨は強さを証明する」
- ソルダ・アーニスタ登場。松明の騎士、空想祭祀のアリュージョニスト
- 「異界の悪魔――まことの名を持たないという異質さの塊。いかなる伝承にも登場したことのない名無しの怪物。僕はいつかその最強の悪魔と対決し、勝利しなければならない」
- アキラはこの時点では未だゼオーティアにいないはずだが…?
- アストラルの鬣を持つ少年、【オー】の使い手
「ずっと昔、君は僕に会いに来てくれた――これから会いに来てくれる」
「最も自由で残酷な、世界の真ん中で会おう。君のもう一つの運命と一緒に、再会の喜びを分かち合おう」- アズーリア、彼を恐れる
3-8 再びの未来回想、そして来るべき次回予告
- ――もしかしたら、まだ妹の影の中には私の一部が入り込んでいるかもしれない。
伏線?
3-9 トライアンドエラー
- 世界槍の最上層
守護の九槍になれば立ち入りを許される。
そこには秘密があるとされているけれど、誰もその秘密がどんなものか知らない。 - 黄花藤(ゴールデンチェーン)が満開になった藤棚の道
- 「お前が、この世界の歪みか」
ハルベルト、ソルダを敵視。- ユネクティアにも言っている。決めゼリフ?
- ガンダム00でよく聞くフレーズでもある。
3-10 青の空、黒の空白
- ガルズ、マリーとの邂逅。十三階段の犯行予告。
- ヴァニタス
wikipedia>ヴァニタス
Vanitas vanitatum omnia vanitas.
なんという空しさ、なんという空しさ、すべては空しい。(コヘレトの言葉、1章2節) - リーナとの再会
3-11 チョコレートリリー
google画像検索>黒百合
花言葉は「恋」と「呪い」
- アルタネイフ呪具店で作戦会議
- チョコレートリリー結成!
3-12 隠れた変数(オクルトゥム)
- ヒ感想
- タイトル参照元
オクルトゥムはラテン語で隠れたものの意(中性主格)。
- 二重スリット実験
観測器具が電子の通り道を邪魔して、実験結果が変わることを「観測が現実に影響する」などという。
この言い回しのためか、人間の意識によって現実が変容するというオカルト話も有名。 - ハルベルトとミルーニャの絶対言語解説
- 「あのっ、サイン下さいっ」
3-13 この戦いが終わったら
- タイトル参照元
死亡フラグ
0-3 『砂漠の花』
- タイトル参照元
- アデニウム
砂漠のバラ
- 九姉と言う割に、そこには八人しかいなかったけれど
- ちびシューラとちびセスカ登場
- 【鉄の踵】ミヒトネッセ
3-14 パレルノ山六千人殺し
- タイトル参照元
ゆらぎの神話百科事典>パレルノ山六千人殺し
大本のネーミングの由来は↓だろう
- 【白焔】【七つの風の主】【空虚大公】
コルセスカが師事していたキュトスの姉妹。
順に第8位ビークレット、第7位シャーネス、第11位クレアノーズ。(登場人物/星見の塔)
幕間 『静謐なる多弁』
- タイトル参照元
ゆらぎの神話百科事典>マロゾロンド
彼の者、語らずとも多弁なり。
- 修正力
タイムスリップものではよく登場する概念だが、修正力で本来存在しない敵が出現したりしているので二次SSでよく使われる方の意味の修正力も含んでいると思われる。 - 定められたプリエステラの死。
彼女を救うことで第五階層の言震が確定する。彼女が生きていると、とても不都合な事が起きてしまう。
世界そのものを揺るがしかねない――それこそ、この世界を引き裂いて滅茶苦茶にしてしまうような天災が起きてしまうんだ。
3-15 【死の囀り】カタルマリーナ
- 天眼の民の錬金術師メイエル
3-16 黒いアネモネの花言葉
3-17 無造作な死
- 夜の民たちはその原形態の有り様から、影の海の黒花翁草という異名を持っている
アネモネの和名「紅花翁草」
「海のアネモネ」でイソギンチャクの英名Sea Anemone
0-4 『祈りの価値』
- 『呪術的思考――すなわち寄せ集めの仕事』
- 『呪術的な思考とは既知の記号を操作し、再構成していく総当たりの探求。体系化された学術や概念よりも、記号や象徴を重点的に参照する野生の思考のこと』 『やせいのしこう?』
幕間 『言震(ワードクェイク)』
3-18 激光(レイジ)
- 談話室で思い出語り
- 黒百合の子供たち、黒百合宮での思い出を取り戻す
- ハンドルネーム
- リールエルバ
- ドラトリアの権力闘争を文字通り生き延びることが第一目的
末妹選定でもその前提で立ち回り、ハルベルトと同盟している - トリシューラとは逆の構想で培養されてる
- アレなのは幽閉されて精神が―とかではなく、素
- ドラトリアの権力闘争を文字通り生き延びることが第一目的
0-5 『青空』
3-19 夢幻の果て
- 私、青嶺瑠璃(あおねるり)、十六歳。ちょっと夢見がちだけど、ごくごく平凡な高校一年生。
新井素子的
3-20 言語魔術師の弟子(後編)
3-21 第五階層より第一階層へ
3-22 シナモリ・アキラより
- タイトル参照元
『2-12 リーナ・ゾラ・クロウサー』よりと対になっている。
- 2-5あたりの戦闘記録を再生中、カーインの顔にメイファーラが反応する。
- 「万色!」
- 「よっし名前貸しは任せろー! 空気を読まずに流れを作ってみせるよん!」
3-23 睥睨するエクリーオベレッカ
- タイトル参照元
- ファッション:Spear
少しだけ尖った両耳と僅かに青みを帯びた長く美しい黒髪、黒玉の瞳、奇跡のような美貌。
ゆったりと広がったスカートが綺麗な青と黒のドレス。
3-24 十三階段
- 『信用できない時制と語り手の解決』
- 台所にいる、【法の外】にして【平和喪失】状態に陥っている、秩序から爪弾きにされた小さな【生ける死体】たち
3-25 オンステージ
- 一条の魂魄が天の御殿へ飛んだ。
安能努版封神演義で繰り返し使われる『一道の魂魄が封神台へ飛んだ』のフレーズから
- 「祝え、生まれてない日っ♪ ばんざーい♪」
不思議の国のアリス“A very merry unbirthday to you.”
3-26 奈落に飲まれ、闇に包まれる
- その両手にはがらがら鳴るおもちゃが握られていた。柄の先に木製の子豚が取り付けられており、その内部で何かが音を立てているらしい。
3-27 影に沈み、振り返らずに去っていく
- 『聞こえますか――聞こえますか――今、あなたたちの心に【深層心話】で話しかけています』
3-28 言葉は断ち切られ、絶望は感染する。そして――
幕間 『この夜が明けるまであと百万の祈り』
- タイトル参照元
- 意味を呪力に変換して、心をモジュールとして扱う単位。
- 幕間内幕間『舌(スペル)』
- ベル・ペリグランティア【瑠璃光の薬師】
ゆらぎの神話百科事典>ペリグラント・アベル
wikipedia>薬師如来
薬師瑠璃光如来 - ヴァイドゥーリヤ
サンスクリット語で宝石を表す「वैडूर्य(ヴァイドゥーリャ)」か
その響きに漢字を当てて「吠瑠璃(ベイルリ)」。そこから「吠」が省略されて「瑠璃」となったといわれる。- トリシューラのことをそう呼んでいるようにも読めるが、もしかするとアズーリアへの呼びかけかもしれない
- エルネトモランの混乱
レポーターが後ろからゾンビに襲われたり、異獣動物園から動物が脱走したり、パニック映画でよく見る光景
3-29 黒百合の子供たち
背後に伸びていく右側の角が、髪の一房のように棚引いたように見えたのは、光の悪戯だろうか。
ユディーアはツインテール。ポニテと角で再演した。
- 「隔世よ――【ユディーア】」
コトバンク>ユダ
- この世界は一つの生物、一つの生命が形作る系(システム)である。
- 原形質(プロトプラズマ)
- 予測されるゼオーティアの終焉
世界が、宇宙が、静かに終焉を迎えようとしていた。
正常な『生から死』というサイクルを維持できず、ただ膨張と拡大を続けることによって世界そのものの許容量を突破してしまう。 - 呪力圧の壁
「音の壁」「熱の壁」を参照していると思われる - 塵理論
グレッグ・イーガンのSF『順列都市』に出てくる架空の理論 - アーカーシャ
3-30 その名はサイバーカラテ
2-20 その名はアズーリアと対応。
- 全ての可能な文字列
全ての可能な文字列。全ての本はその中に含まれている。
参照元@Self-Reference ENGINE - 非線形参照型差延機関(セルフ・ディファレンス・エンジン)
Self-Reference ENGINEの中で、以下のような計算機の進化の過程が書かれている。
Difference Engine(階差機関)→Analytical Engine(解析機関)→Différance Engine(差延機関)→……→Self-Reference ENGINE
- また著者の円城塔は非線形物理を専門としていた。
- ヘルプを呼び出して視界隅に表示された鬱陶しい赤毛の二頭身ガイドを消す方法を検索。
3-31 それは、世界がこんなにも光に満ち溢れているから
- パルプ・フィクション
ざら紙の三文小説。
タランティーノ監督の同名映画は時系列シャッフルを利用した群像劇。 - リーナが帽子から袋を取り出して私に預ける。中にはずっしりとした重さの呪石弾
手帳なども入っていたが、四次元ポケット? - 知らない幻想の狭間に住まう、私という存在の本質は、幻。
うつろい、不確かで、形のない、そして本当はなにものでもない。「その『紀源』は『幻』。うつろい、不確かで、形のない、そして本当はなにものでもない、それこそがエスフェイル。闇には脚など無い。闇とは無。何も無い場所で、地に足を付けることはできない」(1-2 死者を代弁する者)
- 永続者
おそらく『神曲』の作者兼主人公、ダンテの洗礼名から。
3-32 澄明なる青空に
- 「お空にいます」
「ご、ごめん! つらい事を思い出させちゃったね――」「ええと、あなた、一人? お父さんかお母さんは?」
「お空にいます」
「あっ、それは、ごめんなさ――」(3-10 青の空、黒の空白)
- ハザーリャの海綿質繊維
- 「――あのね、ガルズがあの時、会場でサイリウスお爺様に殺されたじゃん。沢山の人が『かわいそう』って言いながらガルズを殺すことに賛成して――私、あれがすごく怖かった。あれってごく普通の感性で、状況によっては人を助けるための原動力にだってなる感情でしょ? それがガルズを殺しちゃうんだってことが、人はそういう本性を持ってるんだってことが、どうしようもなく恐ろしかった」
- 人間の本性――それは善でも悪でもない。
- 優しさが人を殺し、悪意が人を救う。道理にそぐわぬ現実は存在し得る。
- 結果が事象に後付けで意味を付随させるだけに過ぎない。
- だから、そんな風にして優しい言葉を口にする彼女を見て。
- ――やっぱり、リーナとは仲良くできても相容れることはないんだろうな、と私は思った。
- 未だ悪しき魂しか持っていない状態。それは生きているとは言えない。あるいは幼年期とも言えますね。地上の表現で言うならば、守護天使を選択する前の十二歳。未成熟な子供。大人未満の存在なのです
アーサー・C・クラーク『幼年期の終り』
Wikipedia>ダグラス・マッカーサー>日本人は12歳
- 人類の峻別。人間とゾンビ、眷属種と異獣、『生きている』と『死んでいる』。
- 価値を決定付ける権力。
- 特権者として天上から地獄を見下ろすこと。
- それこそが地上の価値観、槍神教の秩序である。
- 私は、それを否定できない。
- 自分の都合で迷宮を攻略し、『異獣』を殺し続けて英雄と呼ばれている私には。
- 妹が何より大切。
- そして、幼馴染たちのことも、私の命と同じくらいに大切に思っている。
- これは、全く言葉通りに、みんなが私の命であり存在そのものだから。
- 私もまた地上の秩序に従って、人に価値を定めて、序列を付けている。
- そんな私に、人の価値を勝手に定める傲慢さを否定する資格は無い。
- だとしても。
- 「貴方もそう! 地上の世界観を押しつけられている。『哲学的ゾンビ』っていうのは、地上人類が協力して展開している世界を塗りつぶす認識――浄界なの」
- 「地上と地獄。地上と天獄。二つの世界に存在する視座の違いとギャップ。それが全ての原因。遠い過去に起きた言震が、人類と哲学的ゾンビを分断してしまった」
- 言震は言語の混乱――呪文秩序の崩壊によって引き起こされる情報的な破壊だ。
- ならば、それは呪文によって修復できる。
- 「きっと、『上』も『下』も同じなんだと思う。きっと、槍神教って最初は共同体を維持するためのシステムだったんじゃないかな。外敵を排除して、仲間を守り、内部の秩序を厳格に維持し続ける――その果てが、この天の獄」
- 極限状況に置かれた人は容易く歪み、暴力的になる。
- ならそれは環境の問題だ。
- 必要なのは、世界を変える事。
- 人の数だけある膨大な認識と言葉、その連関を、私たちは呪文で変幻自在に揺り動かす。
- その為に、どれだけの『世界観』が必要だろう。
- 引き裂かれた世界を一つにするために、どれだけの願いが、祈りが、言葉が必要になるのだろう。
- 気が遠くなるような道のりだけど、それでも私は、私たちは願った。
- 月の歌姫が優しい世界の秩序を祈った。
- 三界に歌を響かせて、二つの世界を一つに繋ぐ。
- けれど結局それは、武力によって平定し、無力化するという前提が無ければ意味が無い言葉だけの変革だ。
- 心を安堵させる為に武力としてのサイバーカラテがあり、同じように未来への希望として英雄がいる。
- だから私は、それまで戦い続ける。
- ――この夜が明けるまで、あと百万の祈り。
- 今はまだ、遠くても。
- 見たことのない、見ることができない幻想を、想像することだけはできるから。
- エスフェイルの最期
セレクティフィレクティとアズ、本来の妹あたりの示唆
幕間 『特権者の英雄症候群、さもなくば――』
- 囁きのエーラマーン
- 守護の九槍第五位、トライデントの第五細胞【右耳】のテッシトゥーラ
- ハルベルトに興味がある様子。壁ドンからの「あなたはわたしの対となる存在ってこと」
額へのキスは『3-0 どうして空は青いの?』に対応。 - 「予約。あなたは、いつかわたしのものにするから」
- ハルベルトに興味がある様子。壁ドンからの「あなたはわたしの対となる存在ってこと」
- 四英雄、【吟遊詩人】ユガーシャ・ランディバイス登場
- センジュと幾断(イクタチ)登場
- 転生者と喋る刀、かつてキロンに敗れ、命を救ってくれたユガーシャに忠義を捧げている。
- 男は袈裟斬りの鬼だ。その斬撃、ブシドー三段。閃くはタイ捨の心。
wikipedia>タイ捨流
「右半開に始まり左半開に終わる、すべて袈裟斬りに終結する」独特な構え。
- 転生者と喋る刀、かつてキロンに敗れ、命を救ってくれたユガーシャに忠義を捧げている。
- 「ただで食える飯なんてありゃしない。都合のいい汎用最適化戦略メタヒューリスティクスなんてのは馬鹿の妄想ですよ。どいつもこいつもほいほい扇動されやがって。武術の強みってもんをまるで理解してねえんです」
- 守護の九槍第七位登場
- クロウサーの始祖は転生者。つまりリーナは末妹候補の使い魔となる資格を有する。
「なら、そいつは――トライデントの頂点は、本当にいたのか」
「いいや、いない。いるはずがない――今は、まだ」
「何?」
そもそも、初代のクロウサーは大断絶以前――それこそ散らばった大地の時代を生きたという数千年以上も前の人物だ。
クロウサーの血が融血呪の影響下にあるのだとすれば、トライデントの細胞というのはその時代から存在したことになる。
首魁たるトリアイナと会ったことがあるという言葉と、クロウサーが既にトライデントの細胞だったこと、そして今はまだいないという言葉――何もかもが矛盾に満ちており、到底理解できない。
- ガルズ、死の間際にリーナのため何かを遺す
- ヲルヲーラは【脳】と【脊髄】の指示で動いていた
- メイファーラの役目、全ての『鍵』を監視し、守り、最後の救世を見届ける
- 半年後、アズーリアはセレクティフィレクティと出会う
0-6 『第九魔将』
- カーインは道化師とか芸術家の家系
- 「心なき拳は空虚だ。天上の狂信者たちのように、保身と利益の確保に汲々とし、『経済性』などで戦いを語るようになればそれは生きながらにして死んでいるに等しい――そのはずだ」
「これは傑作だ!そうか、『経済的』か!その観点は確かに重要だとも!確かに君の言うことの方が理に適っている!」
なにがそんなにおかしいのか、カーインは心底愉快げに笑い続けている。(2-4 六淫操手)
- トライデントの細胞【脳】のルーシメア
「僕の大切なひとを、よろしくね」- 全知全能の超越者であるかのように全てを見通していた
- 無害で、か弱くて、守ってあげたくなるような少年
- 分かたれた『三姉妹』
- 絶対順守の呪い
「決して、みんなに危害を加えるような『おいた』は駄目ですよ」
3-33 黒血のハルベルト
- 「多分ハルベルトってのは主従の二人一組で、従の方が魔女と使い魔を兼任する、っていう構図なんでしょ。あと、曲と詩っていう組み合わせ? してみると、四魔女ってのは全員が全員、きっちり例外なく人工魔女になるように仕組まれてたってことかしら」
- 「どういうことそれ聞いてない」
「私だけって言ってくれたのにずっと一緒ってずっと私が一番だって一日一回言ってくれてたのに最近は全然言ってくれないし照れてるんだとしてもやっぱりちゃんと言葉にして欲しいし寂しいからううん私はもちろんそういうことを気にしてるわけじゃなくて別に重いって思われたくないとかじゃなくてむしろ気持ちがちゃんと全部伝わったら重いじゃ済まないだろうからこうやって少しだけ言葉で伝えたいって言うかつまり私はこんなにコアのこと大切なんだよってわかってほしいのなのにコアはもう私のことどうでもよくなっちゃったのそれとも私といるのなんてつまらないのかな飽きちゃったのかなこんな女なんてもううんざりしちゃったのかなしつこいよねおかしいよねわかってるんだよだって延々と諦め悪く付きまとって本当は何の関係も無いのに使い魔気取りなんて笑っちゃうよねでもやっぱり私コアの使い魔でいたいしそういうこと一人で決められるのは悲しいよアルマは家族みたいなものだから例外で仲間を増やすときにはちゃんと私に相談してって言ったよね約束したよね離れて行動する時は毎晩連絡してって言ったのにずっと無視するし返信したって言わないよね一言だけの素っ気ない返事なんて機械でもできるでしょ私はコアの言葉がちゃんと聞きたいのコアが私だけ見てくれないと嫌なの心から吸いたいって思えたのは私が初めてだって言ったのは嘘だったのねえ答えてよ黙ってないでそれからそいつ今そこにいるのいるんだよねいるんでしょ隠してもわかるんだよ待っててね大丈夫コアは優しいからきっとそいつがどんなに屑でも放っておけなかったんだよね安心して第五階層は色々環境が悪いでしょこれから行って綺麗にしてあげるからね何をするつもりですかって決まってるじゃない――害虫駆除だよ」
- 白いガーデニアと手書きのファンレター
- 尊い