呪術体系

Last-modified: 2024-01-17 (水) 23:54:43

四大系統

星見の塔による分類。呪術とは人間の普通の行いを類推によって拡張するもの
という視点で、起点となる人類の知的営みを4つに区分する。

邪視

  • 世界観の拡張。人間の本性に対応。カバラ四世界のアツィルト。
  • 自分の感じたこと判断したことがそのまま真実であるとする思考。子供のままの思考。
  • 自分の世界観を他者に押し付けて事象を改変する。取捨選択して空間を総べる呪術。
  • 呪術体系の頂点。
    しかしカメラ役になりがちで、【主人公】としての性質に乏しく運命力に欠けるのが邪視者の弱点。
  • 邪視者として第六階梯に至ると、小世界の創造すなわち浄界の発動が可能となる。
    第三階梯に至ると、アストラル投射と入神(トランス)が可能になる。
  • 第六階梯以上は、高位呪術師であり俗に『達人(アデプト)級』と呼ばれる。
    第七階梯に至ると、魂の位階があがり巨人?とも神とも呼ばれる。
    第八階梯に至ると、世界の根本言理である紀元槍にアクセスできる。
  • 邪視のみに傾倒した末路は小鬼。最悪の邪神。
  • 最終目標は自らが造物主となって新しい世界と人類を創造すること
  • 『魔』を、わかりやすく捉えやすい現象にしてしまう。瘴気は単なる怪物になり、英雄によって殺される。

呪文

  • 言語の拡張。人文科学に対応。カバラ四世界のベリアー。
  • 既知の記号と象徴を寄せ集めて意味構造を作り出す思考。野生の思考。呪術的思考。
  • ありふれたものを再解釈して神秘を見出し、語るがままに世界を変える。組み替えて時間を操る呪術。
  • 歴史も予言も言葉に過ぎない。よって世界は呪文で出来ている。
  • かつては言語魔術として唯一の神秘・まことの力とされていたが、零落した。
  • 話し言葉だけでなく、文字・身振り手振り・図像などあらゆる記号をあつかう。
  • 模倣子に対し記号で間接的に参照するため、直接的な他の体系などより遅いのが弱点。
  • あまりにも異質な言葉が通じないものには呪文無効化される。
  • 最終目標は絶対言語を紡いで全世界を調和させること
  • 被害者ポジションを取るのが、現代呪文戦の基本らしい。
  • たぶん、お互いに異端として追放し合うとか、そういった戦術が基本なのだろう
  • 近代の呪文は、因果の整理と文脈の構築によって、『魔』に対応する。瘴気は、宗教的に捉えなおされ、適切な祈りや清めで払われる。

使い魔

  • 関係性の拡張。社会科学に対応。カバラ四世界のイェツィラー。
  • 自己と他者の関係性で世界を規定する思考。社会が人間を人間にすると考えること。大人の思考。
  • 愛憎・畏れ・蔑みなどの目に見えぬ呪いを扱う、呪術らしい呪術。
  • 権力関係の呪術。国や社会の形成がその最たるもの。
  • 身近なものを自らの身体の拡張部位として認識するのが使い魔の基礎。
    身体、家族、親族、国家、社会、人類とどこまで拡張できるかが使い魔の呪術師の技量となる。
  • モノに対しても人は関係性を作らざるを得ない。自らの一部とするほど愛し執着したものを三本足と呼ぶ。
  • 信頼と協調性とコミュニティの義務感に熱をあげるのが使い魔のノリ。愛と絆が世界を救う
  • 極まった使い魔の術師は、身内のなかだけでなく、敵対するということにも呪力を見出す。攻撃するとパワーアップするやつ。
  • 弱点は術者本人
  • 最終目標は全人類を繋いで根源種に回帰すること
  • 古形の使い魔は、『魔』を『魔』として扱うものであった。

  • 身体性の拡張。自然科学に対応。カバラ四世界のアッシャー。
  • 分析し概念を定義し体系化していく思考。栽培された思考。科学的思考。
  • 投石・服飾・武術・サイバネティクスなどが杖の呪術。神秘なき猫の国でも働く、客観的物理パワーを扱う。
  • しかし、世界法則がゆるゆるのゼオーティアにおいては、オカルト的破綻と飛躍を内包して初めて科学は科学足りうる。
    マイナスイオンなどの疑似科学、風水や錬金術などの隠秘学もまた杖の呪術である。
  • 古来より『杖』の製造技法は、精緻な工学と神秘的な徒弟制度の狭間で曖昧に発展してきた
    • 『職人ギルド』と『白魔術結社』はほぼ同義で、古代の『杖』ほど純粋な自然科学で割り切れない領域を有している。
    • 熟練の職人が作り上げた呪具は、近代呪術文明が製造する工業製品以上の品質を有する。
  • 神秘の価値を解体し誰でも使える技術にすることが杖の真骨頂。
    定まった手順で定まったコストを支払う、生贄などの儀式魔術も再現性のある杖的呪術である。
  • ゼオーティアにおいては旧世界の残骸。神秘の後追いしかできない呪術体系の底辺とされる。
  • 最終目標は人類を拡張し続けてポストヒューマンの新時代を更新すること
  • 事象のプロセスを細かく切り分け、原因を特定することで、『魔』を滅ぼす。たとえば、瘴気を消毒可能な病原菌にすること。

四大系統の対比・複合

対比
  • 邪視と呪文の才はどちらかといえば希少。大学では杖を中心に教えている。
  • 邪視は空間を統べる。呪文は時間を構築する。
  • 呪文は神秘化。杖は零落。
  • 邪視は子供の思考。使い魔は大人の思考。
  • 邪視は魂を尊び。杖は魂を迷信とする。
  • 邪視は真実。杖は硬質な事実。呪文は柔らかな幻想。
  • 存在の基点は邪視。その幻想を強めるのが呪文。幻想を維持するのが使い魔。杖の観察で存在が確定する。
  • 邪視はアストラルネット。杖はインターネット。
  • 二重スリット実験。杖はあるがままの奇妙な量子的結果。邪視は直感的な結果。呪文は後付けでなんとでも。(静謐、沈黙することこそ呪文の肝か?)
複合
  • 邪視の複合呪術は色号論。
  • 杖と使い魔の複合は、切り離された肉体を操ること。道具を自らの一部と見なして遠隔操作すること。
  • 邪視的な呪文は牽強付会。自分の世界観を押し付ける言葉。
  • 使い魔的な呪文は、法律と契約。関係を強める言葉。
  • 杖的な呪文は、数式と論理。定義と体系化の言葉。
  • 杖的な呪文は、肉体言語魔術。身体の言葉。
  • 呪文の使い魔は、仮想使い魔。言葉で編まれた擬似知性。
  • 王と王国は、邪視と使い魔の共犯。ヴィジョンとカリスマは邪視であり、邪視者とは王の器である。
  • 命を吹き込むのは邪視の到達点の一つ。邪視と使い魔の複合の極致は造物主の御業。
  • 古代の言語魔術で黒の色号は『使い魔=呪文』。因果関係を整理せず曖昧な魔として扱う。

色号論

イデアリストが好む観念的な分類。それゆえか四大系統的に考えると黒以外は邪視との複合呪術となる。
地獄では各色号を極めたものを天主として敬する。それは獅子王の十二賢者の正当なる後継。
古くからいる天主は、彩域(ティティ)を統括している。
彩域(ティティ)は色号呪力を生み出す基本領域であり、五つ存在する。

基本五種

夢を司る朱

四大系統でいうと邪視と使い魔の複合呪術。
邪視よりで人類の集合無意識を利用する。
天主は、最古の夢占い師にして言語支配者がひとり、マーブシュズール

対応の小神は朱神(トラス)。現実感が薄いような場所で多く産出する?

記憶を司る藍

四大系統でいうと使い魔と邪視の複合呪術。
使い魔寄りで血統や種の記憶を利用する。
トライデントっぽい。天主はセレクティ

対応の小神は藍神(クリマ)。特定の血統と強く結びつく

言語を司る黒

古の言語魔術。四大系統以前の未分化な古代呪術。
歌や舞などの肉体言語魔術も。

対応の小神は(恐らく)黒神(エルト)。

知識を司る白

四大系統でいうと邪視と杖の複合呪術。
『星見の塔』の分類で言えば『邪視』と『杖』の中間に位置する呪術。
錬金術/占星術/神学もどき。
天主はデルゴ
『職人ギルド』と『白魔術結社』はほぼ同義。

対応の小神は白神(グリア)。工房のような場所で多く出る。
『モノ』には呪力が宿り、活発な白神(グリア)が多量に含まれた呪具ほど上質に仕上がる。
伝説級の武具というのは、そのほとんどが熟練した白の色号使いである職人が全身全霊を込めて白神グリアを定着させた『彩域の凝縮体』だ。

時間を司る灰

時空間操作。黒と白の色号の複合呪術。高等呪術。
四大系統でいうと邪視と呪文と杖の複合呪術。
黒の言語と白の知識によって、字/絵/像や近代以降の杖的呪文を扱う。
天主はテララだが、役目を放り出して異界で遊んでる。

対応の小神は灰神(パルム)。骨董品や古石像を配置して産出量を強化(同時にやや黒が出ていた)していた。

特殊

失われた紫

朱と藍の色号の複合呪術。超高等呪術。現代では失われた秘術である。
朱の集合無意識と藍の種の記憶から、人類の根源へのアクセスを可能にする。
現在天主は存在しないが、オルヴァがその地位に相応しい。

有り得べからざる黄緑(ライム)

あらかじめ失われた全体論(ホーリズム)
五色の複合から存在しない色彩が産まれる。
紀元錘と関係あるかも。
天主はアリス

亜系統

藍の亜系統。十二賢者の一人である植物神レルプレアがこの色号を極めた。
現在の天主はロードデンドロン

ヴァージルが天主になる実力があるかも。

その他

十二賢者と対応するなら、群青・橙・明藍もあるかもしれない。
白銀は灰の座を乗っ取れて、黄金は黄の座を乗っ取れるらしい。

共感呪術

フレイザーによる分類。連想のメソッドに着目した。

類感呪術

『似ているもの同士は共感する』
この類似の原理による呪術。似ている別のものを連想すること。メタファー。

感染呪術

『一度接触したもの、あるいは一つであったものは共感する』
この接触の原理による呪術。断片から全体を連想すること。メトニミー。
一度触れた道具を自らの身体の一部である三本足だと認識すること、親族を元は一つの命だと認識すること、
そういった『身体性と関係性の拡張』が感染呪術である。

五大コントロールパネル

火、水、地、風、槍。
マテリアリストが実用面において着目して分類した。四大系統だと杖よりっぽい。
教本に載っているらしく、恐らく呪術基盤となっている呪術を発動するときに便利なのだろう。
作中では、呪石や呪術構築時にその色彩が描写される。
赤=火、青=水、茶=地、緑=風、灰=槍だと思われる。

シャルマキヒュの凍視

三次元映像が床に描かれた紋様と隣接し、一つの複雑な構造体として完成する。
内部を青、緑、黄の三色の光が循環し、まるで何かの回路のような有様だった。

災厄の槍

キロンの手の平に生まれる、燐光の渦。無数の粒子が螺旋を描き、赤と緑、そして灰色が混ざり合って一つの物質を形成する。

技術体系

神働術

大神院の用いるもの。大神院公式発表的には呪術とは異なるメソッド。
信仰基盤という高次存在の索引を参照して、槍神と御使いの奇跡を再現する。
過去の聖蹟を引用しにくい、曖昧で抽象的な事象を起こすことは苦手。
術を使用するための力を、呪力ではなく霊力と呼び変える。
星見の塔的には呪術の一部であり、宗教的世界観の具現化は邪視、宗教的記号の運用は呪文、高位の霊的存在との交信は使い魔、聖遺物などの使用は杖という解釈がされる。

氷炎術

熱を移動させることで、凍結させる呪術。
杖体系の視点では物を直接冷やすことは難しい。

ゆらぎの神話百科事典>氷炎術

ビーンズ式詠唱短縮術

【豆(ビーンズ)】と俗称される、呪石の弾丸に様々な呪文を封じ込めておき、適時発動する呪術。
異なる呪文が封じられた呪石弾を次々と投射することで複合的な呪術の行使すら可能にする。

ゆらぎの神話百科事典>ビーンズ式詠唱法

錬金術

杖使いの技術。観測が肝であり、観測者・観測基準がないと錬金術は崩れ去る。
呪術的視点の入り混じった科学的研究、道具の開発や利用を行う。
元素の大元はエーテルであると考えている。
最終目標は終末に耐える次世代人類の作成。

占術

天気予報-天気占い・弾道予報-弾道占いと対になるように、
受動的に未来を知るのではなく、能動的に未来に干渉する呪術。
手の皺や血液型などの事実から、文化・文脈・様式を見出して未来を描き、改変する。
人々の支持を集めるほど占いの結果は真実になりやすい。
また非実体的事象の変更には、他人の支持はあまり必要ない。
呪術の基本であり、時代を遡るほど○○占術という名前の曖昧な呪術が増える。
死霊術も占術から派生して名前を変えたものである。

対抗手段
  • 別の占術でさらなる未来干渉すること
  • 占いのソース自体を変更すること(手相術には整形や幻肢。占星術には星の配置の変更など)
  • さらなる未来から演劇や史書で過去干渉すること
メソッド
  • 占星術(アストロマンシー)
    現在では、ほとんど廃れている。
  • 占地術(ジオマンシー)
  • 占手相術(キロマンシー)
  • 影占い ( プシュコマンシー )
  • 衣装占い(ストリソマンシー)

血統魔術

ヒトを素材として扱い、イエを部品として見立てるまじない。
ゆらぎの神話百科事典>血統魔術

サイバーカラテ

サイバーカラテは呪術である。