推薦図書/小説/た行

Last-modified: 2024-03-24 (日) 09:39:34

推薦図書/小説/た行

  • アリュージョニスト以外のネタバレに注意
  • サイバーカラテを実践しよう (知ってる作品があったら、説明を追記しよう)
  • 最下部のコメントボックスで作品紹介を書き込むと、誰かが追加してくれるかもしれません
  • 多分図書じゃなくてもいいと思うよ
  • 参照と類似は呪力です。高めよう。
  • ほんの少しでも推薦図書に見えたのならそれが推薦図書です(邪視)。追加しましょう。五十音順に並んでいます。
  • 編集カラテ入門
    • 発勁用意! 次の2行をコピペして、自分の文章で書き換えます。ここは、Webブラウザ以外のアプリでやるのがオススメ。

      *** タイトル

      -説明1

  • NOKOTTA! 文章が出来たら、Webブラウザに戻り、画面の一番上の「編集」を押します。
  • GOOD! 編集ボックスが出てくるので、1で作った文章をコピペします。場所は、根性で探してください。
  • COMBO! 「プレビュー」を押して、うまくいってるか確認します。まだこの段階では、誰にも見られません。
  • EXCELLENT! 「ページの更新」を押せば、完成です!!


小説

た行

ダーク・タワー スティーブン・キング

  • スーパーキング大戦
  • さまざまなキング作品の設定や登場人物、怪物が登場するセルフ・クロスオーバー的な長編小説(全7巻)
  • 全世界の中心に存在する塔を修復するために、英雄が仲間と共に悪の勢力と闘う物語
    →紀元槍
    電子化○

ターン 北村薫

  • 「時の魔」=一種の虚しさに捕まってしまった版画家の女性の物語
  • いわゆるループものだが、「永遠に繰り返す時間の流れにどう対応するか」という心情的な面に重点が置かれており、ケン・グリムウッドの『リプレイ』の系譜を継ぐタイプの作品である
  • また、イマジナリーフレンドが出てくる作品でもあるが、その扱いは人によっては解釈違いを起こすかもしれない
  • 『スキップ』と『リセット』を加えた「時と人三部作」の一冊だが、内容は独立しているのでこれだけ読んでも問題はない

第四の母胎 スタンリー・ポティンジャー

  • その体内に、プラスティックのベビー・ドールが縫い込まれた死体をめぐる犯罪小説
  • 中絶問題について、真正面から取り組んだ貴重な作品である
  • 一応ミステリーではあるが、謎解きより事件をめぐる人々の感情や思惑の揺れ動きが中心となっている
  • 中盤まで主人公が分かりにくいせいかストーリーにはイマイチまとまりが感じられないし、真犯人の趣味が悪すぎて、作品の政治的主張さえも殺してしまっているきらいがあるのが難点
  • しかし、中核にあるアイディア自体は比較的独特
  • 中絶にまつわる人の感情をさまざまな角度から描くことにも、ある程度成功していると思われる
    • とくに自分の思想に固執してきた人々が、最後にはそれまでと真逆の選択を選ぼうとするあたりは、思考実験としては面白い
  • 真犯人の演説にも迫力がある
    • もっとも犯人の意図、その復讐は、犯人と感じ方が異なる人々が多数派であった場合、復讐として成立しなくなってしまう脆弱なものであることも確かなのだけれど
    • それに、自分の犯行には罪悪感を覚えない人物が、他人の非を説いたところで説得力があるわけもないのであった
    • そもそも、人を安直に属性でくくって復讐のターゲットにするあたり、作中に出てくる「無敵の人」のテロリストと大差ない犯行でもある
  • あるいは結局のところ、この小説は対立するどちらの立場も等しく正しく、等しく間違っているということを明らかにしただけなのかもしれない
    • 「生命」の価値を称揚するにしても「苦痛」の忌避を求めるにしても、自分の主張のために他者に痛みを押し付けることになれば、その自らが立脚する価値自体によって裁かれてしまうのだから
      電子化×

黄昏教室の最終制服機兵《カタストロフィ》 ジェネリック参勤交代

  • TS制服サイボーグ男子が、先輩のために戦うリレー小説
  • 「制服サイボーグ」という発想と、それを活かしたバトルが面白い
  • 全作者が鎌池和馬先生の影響を強く受けていて、文体で作者を区別するのは困難
  • 資源めぐる異種族間の争い
  • 『杖』的な消費文明
  • 毎週の連載を終え、全八話で完結済み
  • 無茶振りや遅刻もあったが、奇しくもそれによって日から月へと至る話となった
    電子化◯ハーメルンにて無料掲載

戦う司書シリーズ 山形石雄

  • 魔法権利によってに髪色が違う
  • 人間は死ぬと「本」と呼ばれる結晶の石版になり、そこにはその人物の一生が記述されている

タタの魔法使い うーぱー

  • パニック・ドキュメンタリー風の学校異世界転移
    →ランカーシュの妄想
  • 第24回電撃小説大賞・大賞受賞作
  • 突然現れた謎の魔法使いに、卒業アルバムの「将来の夢や願望」を叶えられ、チート能力を得てサバイバル
    • ただし、そもそも有用な能力を得られなかったり、自分の能力が得られなかったり、更には願いの影響で消滅した者もいたりとその影響は様々
  • 校長など経営側が無能
  • 日曜朝の番組のヒーローやヒロインに変身する者もいる
    →引喩(アリュージョン)
    電子化◯ BOOKWALKERの月額読み放題にて全巻読むことが出来る

ダディフェイス 伊達将範

  • オカルト雑誌に出るような古代文明、スーパー古武術、年齢差9歳の実の娘、すれ違いラブコメなど色々要素てんこもりな冒険活劇
  • 進歩し過ぎて魔法の域に達している【杖】的な古代技術のオーパーツが、色々出てくる
  • 攻撃と防御で、身体の右半身と左半身を使い分ける古武術の型
  • 主人公は、その古武術によってボロボロの身体を維持している
  • 最後の話である「メドゥーサ編」自体は完結しているが、シリーズとしては打ち切りの模様
    電子化×

タテの国 外伝 オメガニウム採掘者 田中空

  • タテ読みに特化しており、しかも全編無料で読めるという特異な形態のうえにカルト的な人気を誇るマンガ『タテの国』、その作者による外伝小説
    世界槍?
  • カクヨムで無料連載されていたが、削除されてしまった
    電子化◯kindleunlimitedなら0円

ダブル/ダブル 編:マイケル・リチャードソン

  • 「分身」「双子」「鏡」「影」「人造人間」といった「一人が二人で二人が一人」の物語を集めたアンソロジー
  • 不幸な結末に至る話も少なくないが、それを含めて人生の一つの側面を見事に切り取っている名作ばかり
    • そしてどれも、間違いなく名文ばかりである
    • その、歴史に残るような名作童話を書ける筆力をもって全力で鬱方向へ突っ走るアンデルセンをはじめ、それぞれ異なる方向性でその力量が優れた作家、独特のストーリーで溢れている
  • そして、それらの作者やその背景を紹介する解説文もまたしっかりと良い仕事をしており、作品の読解を助けている
  • ア関連としては、女性主人公のポール・ボウルズ『あんたはあたしじゃない』フリオ・コルタサル『あっちの方ではーーアリーナ・レイエスの日記』
    • そして、バカ話に見せかけて生と死、そしてIFの人生や世界の可能性について考えさせてくれるブライアン・W・オールディス『華麗優美な船』を始めとして、
    • ほぼ全ての作品になんらかの関係があるように思える
  • また、アに大きな影響を与えていると思われるボルヘスと、「第三の人物」ドメクのペンネームを使って小説を書いた共著者ビオイの作品もある
  • さらに「本書自身のドッペルゲンガー」と題して、選考している類書まで紹介されているという、至れり尽くせりである
  • 編者あとがきにも、古代エジプトで万物が持つと考えられた分身カーや、北アメリカ・イロクォイ族の理想の片割れ「オイアロン」を始め様々な信仰が語られているし、

〈卵王子〉カイルロッドの苦難 冴木忍

  • 怒れる神と戦った救世主の物語
  • 表題に偽りなし
  • ある霊媒による神への抵抗の物語でもある
  • 現代から見ると内容は薄めかもしれない
    電子化×

誰にも奪われたくない/凸撃 児玉雨子

  • 副業作曲家と論破を売り物にする生主、コロナ禍を生きる二人を描いた二つの短編
  • 多くのモノや関わりからなる二人の日常が、流れるような文章をもってつづられており、
    • 後半は前半のアンサー的な関係にある
  • 誰にも奪われたくない
    • 作曲家とアイドルの少し変わった付き合い
    • どうしてもたったひとりだけで存在を完結できない
    • わたしは誰かから分けてもらったり奪ったりしたものの組み合わせであり、それらの総体でしかない
    • 組み合わせのわたしは、そこから盗まれ続けてもいる
      →憑依転生して転生先を「上書き」してしまったり、上位世界存在としての罪悪感を抱えているベアトリーチェ
  • 凸撃
    • どうしてもよどみを吐き出してしまう連関、防げない社会の悪循環
    • 救いや思いやりのようなもの
      電子化◯

ダレン・シャンシリーズ ダレン・シャン

  • 子供向けダークファンタジーで、ホラーあり、友情ありの冒険物語
  • セリフで設定を説明しすぎる欠点はあるが、主人公の心情描写が、いい感じに物語に緊迫感を与えて盛り上げている
  • 現代に生きる独自のヴァンパイア像も、面白い
  • 父親的な超常存在による運命の操作、主人公と地球に約束された暗黒の未来
    →アの「失敗した未来」?
  • 未来が見える超人には、未来を変えてはいけないという掟があり、だからこそ未来が見えない者に未来を変えることが出来る希望がある
  • 親子関係も重要であり、「血縁」を通常とは異なる方法で増やせる吸血鬼の性質も、その点で活かされている
  • メタ要素がある
  • ただし、ラスボスを知恵と勇気で出し抜く話でもあるため、暴力による決着を望む人にはオススメ出来ない
    電子化○

断章のグリム 甲田学人

  • 神話・民話原型がギミックのホラー小説
  • 〈神の悪夢〉から生まれた〈悪夢の泡〉、〈泡禍〉
  • "夢の底で眠り続ける私の意識は、絶えず悪夢を海面へと送り出していく。""浮かび上がった悪夢の泡。"
  • 邪視の暴走みたいな「泡禍」を呪文的な解釈によって解体する静謐使いの白野蒼衣、みたいな
  • 彼の解体は、怪奇現象に対する理解と共感による「悪夢の共有」であり、推理要素がある
  • 意識のそこから〈神の悪夢〉をくみ出す〈異端〉(ヒアテイ)も、【小鬼】感ある
  • 時槻風乃のリールエルバ感
  • リストカットで戦う復讐者の少女
  • エスフェイルと『赤ずきん』など、アの童話系のイメージの源流が結構あるもよう
    電子化○

ダンジョン城下町運営記 ミミ

  • 異世界転移した高校生社長が、亡国の姫君たちと一緒にダンジョンをアトラクションパーク化して、国の復興を目指す話
  • わりとがっつりと政治やっており、ピンチに陥ったりもするので、スローライフや無双好きな人には向いていない
  • 「宗教による魔族の否定」を子供の水掛け論にまで零落させ、「楽しいゲーム」にしてしまうアイディア
    →『鮮血呪』?コルセスカのコキュートス?
    電子化◯BOOKWALKER月額課金読み放題にて、2024年1月31日まで読むことが出来る

箪笥の隙間のアムネシア 雨

  • まったり日常系異世界転生ファンタジー
  • 少女にTS転生した主人公が、特にえっちなイベントなどが無い平穏でちょっとポエムでメルヘンなダンジョン攻略と友情の日々を過ごしていく
  • 更新は停止しているが、特に壮大なストーリーとかもないので、まったり読む分には問題ない
  • 主人公のチートは夢を操るもの
    →赤の色号
    電子化○小説家になろうにて連載中

地球最後のゾンビ 鳩見すた

  • 死に場所を求める少年と、夢を持っていなかったゾンビ少女が旅するロードムービー風ジュヴナイル
  • 「主観では悲劇、客観では喜劇」な生きるための旅路の話
  • 北へ向かう旅、完全にゾンビ化する宿命を背負った天然系の少女、終末世界、そして「死ぬまでにやりたいことリスト」と、感動系の役満、パーフェクトコンボである
  • だが、登場人物たちのクールな振る舞いやさまざまな人々との触れ合いがあるため、あざとさや湿っぽさは抑えられている
  • 終末世界でのサバイバルは、細部の描写がしっかりしていてリアリティがあるし、ゾンビものの小ネタも沢山あるので、そういったものが好きな人にはたまらない作品であろう
  • ゾンビ災害から五年、大半のゾンビは寿命で死に絶え、災厄は終わっていた
    • だが、文明はいまだ復興せず、人類は、緩やかに滅亡に向かっているかのようであった
    • 世紀末な暴力をくり返す「パンクス」や、紙媒体で反出生主義を伝染させて人を死に誘う「紙ブロガー」が横行していたのだ
    • その時代に生きる主人公は、親たちの【失われた世代】(ロストエイジ)をも、鼻で笑うことができる“奪われた世代”
    • 少年は、ゾンビと化した仲間にトドメを刺すことができず、“人助けができる人になる”という夢に破れていた
    • 彼は、死ぬこともできず、さりとて生きる意味も見出せず、ただ滅びゆく世界をさまよっていた
    • 自分より生き生きした「ゾンビの少女」に出会うまで・・・
      電子化○

地球の長い午後 ブライアン・W・オールディス

  • 自転が停止し、活発に動く食肉植物の天下となった未来の地球での冒険譚
    →第八世界槍ティルブ・ユグドラシル?
  • 生物に寄生して、その生物の種の記憶を汲み出したり知性を拡張するキノコも出てくる
  • 地球から子どもを略奪する鳥人もいる
  • 人間の男性が希少な時代であることもあり、わりと性差別的な表現もあるが、最後にはその横暴も・・・

チグリスとユーフラテス 新井素子

  • 女たちの人生を通して語られる、逆さSF年代記
  • そして、開拓惑星における最後の人類となってしまった〈最後の子供〉の物語
  • 滅びが宿命付けられた移民星を舞台に、「女性たちがどう生きたか」そして「人生の意味が存在しないならどう生きるか」が語られる
  • 人工子宮とスケープゴートになってしまった夫妻、冷血漢とか罵られるアキラという男と、少し変わった多角関係が出てくる
  • レイディ・アカリ(穂高灯)の自分を元気づけるおまじない
    • 惑星ナインの女神である彼女は、神頼みが出来ないから、自分の右手と左手を交互にかばい合わせて立ち直る
      電子化×

厨娘公主の美食外交録  藤春都

  • ちゅうにゃんこうしゅのびしょくがいこうろく
  • 清朝末期をモデルにした敗戦国家で、食卓外交を挑まなければならなくなった料理人王女の話
  • 金髪毒舌イケメン大公とのラブコメもあるが、基本的には、等身大の主人公が地道にお仕事をがんばるストーリーである
    • 食卓外交もたしかに機能はするが、それも入念な下準備や政治的事情あってのものであり、単にチートスキルで無双するような話ではない
    • その活躍には、多分にハッタリや情報戦の要素が含まれる
      →『呪文』、政治の媒介としての食卓
  • 舞台となる敗戦国は、西太后ならぬ「聖太后」が支配しており、若き皇帝は実質お飾り
    • 主人公は、外国だけでなく自国の事情にも悩まされることになる
  • 設定や世界観はしっかりしており、主人公の立場や技能にもちゃんとした理由付けがある
    電子化◯

超人幻想-神化三六年 會川昇

  • かつてのヒーローと史実昭和をアリュージョン。選ばれなかった元号「神化」を舞台に。
  • 現実と架空のあわい、ゆらぎ続ける過去、歴史改変の焦点。すなわち〈ファンタズマゴリア〉。
  • 〈ファンタズマゴリア〉である〈超人〉を架空から史実へと変えようとするSFミステリヒーローもの。
  • いまここに居ながらに特別な力もなく、ただ記述しようという決意ひとつで過去をまるまる改編するやわらかな時空感がアリュージョニスト。

超世界転生エグゾドライブ -激闘!異世界全日本大会編- 珪素

  • 異世界転生が「子どもの対戦競技」として楽しまれている世界を描いた作品
  • 異世界転生もののパロディであると同時に、メタを張り合って戦う対戦ゲーム要素もあって、勢いと伏線回収が両立された面白さを持つ小説である
    →アリュージョニストの「異世界転生が娯楽や保険の特典になっている」世界観
  • ぶっちゃけると、テレビ東京系列などで放映している(していた)少年向けホビーアニメのノリである
  • 『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』や『ダンボール戦機』など、コロコロコミックでメディアミックスするようなアニメ、と言えば分かりやすいだろうか?
  • なお、タイトルは「日本全国大会編」となってはいるが、それ以前の過去編は実際には存在しないようだ
  • これは「少年マンガのクール系ライバルキャラ」タイプである主人公が、だんだんと変わっていく(本来なら)サブストーリーな展開を、メインで描くためのギミックであると思われる
  • 電子化○(カクヨムで完結済み)
  • 書籍化もコミカライズもしている

痛快ファンタジー活劇 ご存知!エルフ三人娘(実況付き) 雀bot @suzumeninja

つきたま※ぷにぷにしています 森田 季節

  • 何もできないぷにぷにしてるだけの、つきたま
  • 3巻における、つきたまへの解釈がアキラくんだった

月と貴女に花束を 志村一矢

  • 最強の人狼『黄金狼』ラグナウルフの血を引く主人公が、戦いの宿命に襲われながら、ヒロインへの愛を貫く現代伝奇異能バトルなライトノベル
  • ストーリーはシンプルかつ王道だが、最後に主人公は、アキラくん的な残酷な選択を迫られる・・・
    • その選択の処理と結末が、人を選ぶかもしれない
  • 殺されるたびに強化復活する鬼族など、転生要素も少しある
  • 外伝『remains』、後継作品に、世界観や一部キャラが共通の『麒麟は一途に恋をする』がある
    電子化○

月と炎の戦記 森岡浩之

  • 岩戸隠れで夜が明けなくなった世界。祈りが通じないカエデは、神を脅して化け物退治を願い始める。
  • ツクヨミが薄情な人間っぽい性格をしてる。「どうやら僕は人間の神らしいですからね」
    「どうして僕が来なければならなかったのです?」「だって、あんなに一生けんめい祈ったのよ!」
  • ツユネブリがかわいい
  • 最近先生も読んでます
  • 漫才と皮肉の掛け合いが小気味いい
  • 明けない夜はない

月は無慈悲な夜の女王 ロバート・A・ハインライン

  • 原題は“The Moon Is a Harsh Mistress”
  • 終節・序『The Orb Is a Harsh Mistress』

月の光 星新一

  • 言葉を憎んだ男に、言葉を一切使うことなくペットとして育てられていた少女の話
  • 男と少女の間では、言葉なしにコミュニケーションが成立していたようだが、その男は死んだ
  • その後少女は社会に「発見」されたが、それでも彼女は誰とも意思疎通することが出来ず、食べ物を受け取ることすらしなかった
  • そして……
  • 『ボッコちゃん』収録
    電子化○

創られた心 AIロボット傑作選 編:ジョナサン・ストラーン(2022)

  • ケン・リュウ「アイドル」:人格シミュレーションプログラムである「アイドル」を通して、人間の心の在り方を考える短編
    • 陪審員裁判のシミュレーションやアートとしての使い方が描かれているし、
    • クレジットカードの審査や企業の採用活動でも使われているという、わりと恐ろしい社会
    • 与えるデータを制限したり、誤ったデータを加えるパターンもあったりして、鏡の進化系のような扱いを受けている
  • 同様のテクノロジーが出てくるSFとしては、柴田勝家『走馬灯のセトリは考えておいて』がまさに日本芸能的な意味での「アイドル」(アイドルVtuber)を扱っている
    電子化◯

繕い屋  矢崎存美

  • 異能者の女性が、悪夢の中に入って心の傷を癒やしていく事件簿(全二巻)
  • 傷を癒やす方法が、心の傷の象徴となっているモノを食べさせることなのだが、その治療法がけっこう適当な感じなのが特徴
    • とはいえ、逆にその大雑把さこそが、強固な思い込みやこだわりに囚われた人を救うことにもつながっていたりする
    • 分類としては、グルメものというより、カウンセリングものに近いと言うべきか
    • 「人の不幸は蜜の味」という慣用句を「自分の心の傷も美味しい」に変換して、まず食べさせてから過去の話を聞き出すあたり、
    • ロールシャッハ・テストや箱庭療法のような心理療法を思わせるところがある
      →『呪文』も使える『邪視者』?赤の色号
    • 夢の中なので、材料や調理の手間を一切気にせずに美食のイメージを広げていけるのは、利点かもしれない
  • 設定としては、怪物と戦う異能バトルものだが、基本的にそこは気にしなくても良さそうな話ではある
  • 異能が受け継がれ、血族結婚が奨励される一族が出てくる
  • 作者は、『ぶたぶた』シリーズでも有名
    電子化◯

ツナグ 辻村深月

  • 死者との再会を叶えてくれる特殊な職業「使者」(ツナグ)
  • 再会の機会は生者も死者も一度だけ、会える相手も一人だけ
  • 言いたかった言葉と言えなかった言葉、会って分かったことと、それでも分からなかったこと
  • 死者は生者のためにいてもいいのか、それは、その死を消費することと同義な、生者の自己欺瞞なのだろうか
  • 死者に残された生者の物語
    電子化○

罪と罰 フョードル・ドストエフスキー

  • 序盤さえ乗り切れば、探偵役との駆け引きや美少女の登場でどんどん面白くなっていく小説
  • しかし、長くてクドい文章のうえに、真夏の都会で殺人計画に悩む主人公というストレスフルな場面から話が始まるため、序盤はひたすらとっつきにくい。
  • 主人公ラスコーリニコフは、罪悪感を感じない英雄に憧れて人を殺す
    →アキラくんの望み
  • 物語の最後に彼が見る悪夢が【言震】そのもの

冷たい校舎の時は止まる 辻村深月

  • 学校を模した異空間に閉じ込められたクラスメイトたちが、忘れた記憶について問い詰められる話
    • オカルト系サスペンスであり、青春の苦悩の物語
  • 被害者と加害者の話でもある
    →人間ドラマの舞台として、そして自己と向き合う場所としての第五階層(シナモリアキラ)?
  • 閉じ込められたのは、高校三年生の八人の男女
  • 彼らは、優等生、おとなしい普通の子、ヤンキーやギャルと、クラス内の立ち位置が違いながらも仲はいい
  • そしてどうも、閉じ込められた校舎は誰かの精神世界であり、その目的は学園祭で自殺したクラスメイトに関わっているようなのだが……
  • 招待した「ホスト」のせいか、誰もその誰かの顔や名前を思い出せないのだ
  • 自殺したのは、この中の誰かなのか?
  • 彼らは、共同生活を送りながら、それぞれの来し方について思いを馳せることになる
  • ちなみに、この物語は第31回メフィスト賞を獲得した作者のデビュー作であり、「名刺代わりの話」という前書きもある
  • そのうえ、作中にも作者と同名の「辻村深月」が登場するのだ
    • 果たして、それをどう判断するべきだと言うのだろうか……?
  • ともかく、小説としては、若者たちそれぞれの苦悩や関係性がしっかり描かれていて面白いし、心に響く名作
  • 進学校なのに、茶髪で片耳ピアスの担任教師がいたりもするが、
    • 同時に、いじめや家庭環境、夢や進路、「本物」へのこだわりや劣等感などはリアルに描写されているし、
    • 超常的な現象は起きるが、ディティールや感覚情報は細かくしっかりと描写されている
    • 理想とリアリティのバランスは、適度にとられているように思われる
  • また、生徒たちはほぼ全員異性からモテてはいるが、それでもそれぞれ悩みを抱えていたりはする
  • 人間が心の中の世界に他の人間を閉じ込めるというオカルト話の説が、使われている
    →内世界型の『浄界』?
  • コミカライズ済み
    電子化◯

TRPGしたいだけなのにっ! 異端審問ハ ソレヲ許サズ おかゆまさき

  • 『撲殺天使ドクロちゃん』の作者による、上下巻のコメディTRPG布教小説
  • 常に生真面目すぎる高校生ヴァンパイアハンター(七三分け)が、彼をTRPG沼に引きずり込もうとするアホ美少女吸血鬼と戦う話
  • 恋愛要素は薄めだしイラストはイマイチだが、テーマを一つに絞ったいさぎよさがストーリー全体を引き締めている
  • ややエログロ要素があるのは、人を選ぶかも
  • 主人公の異端審問官はじめ、登場人物は全体的に天然ボケぎみ
  • ゲームを元にしたヴァーチャル空間を作る異能
    →コルセスカの『コキュートス』
  • ゲームによる人類のレベルアップ、世界の『更新』計画
    電子化◯BOOKWALKERにて読み放題

DDD 奈須きのこ

  • 本人以上に「本人らしく」振る舞い、相手の居場所と相手自身を奪う「悪魔憑き」久織 巻菜
  • 悪魔憑きの正式名称「アゴニスト異常症」
    電子化×

TRPGプレイヤーが異世界で最強ビルドを目指す ~ヘンダーソン氏の福音を~ Schuld

  • TRPGにとどまらない多数のネタが、『指輪物語』めいた和風の言葉選びと固めの文体にミックスされている文章が、魅力的
  • 世界観をじっくり描いているし、バトルも、圧勝だけでなく緊迫感がある命のやりとりもあって良い
  • ヘンダーソン・スケールとは、本筋から外れた度合いを測る物差しのこと
    • ヘンダーソン氏は、本筋から大きく外れた上うえで、見事ハッピーエンドを掴んだという
    • それにちなんだ一種の{IFエンド」が多数描かれているのも、この作品の面白いところ
  • アラクネ幼女ヒロインが、積極的
  • 熟練度ポイント振り分けによる、スキル獲得(キロンのようなポイント振り直し/リビルドは無い)
  • <見えざる手>という念動系の魔法が登場し、活用される
  • 書籍化もしているし、電子書籍にもなっている
    小説家になろうにて連載中
    電子化○

Dクラッカーズ あざの耕平

  • ドラッグ・・・・のようなものを使って「悪魔」を呼び出して戦う異能バトル作品
  • 少年と少女の、そして魔法使いと騎士と女王の「再会」の物語
  • 【邪視】と幼馴染と、オカルトオタクの悪党たちの話でもある
  • 三巻以降、面白くなりピンチ度も増す。
  • 三枚目な使い魔と暴走探偵少女も出るよ!
    電子化○

ティタン アッズワースの戦士隊 黒色粉末

  • 勇気と闘志が奮い起こされる、熱き英雄神話
  • ただ一人決戦に置き去りにされた英雄が、戦いのレベルが下がった未来に蘇り、誉れある戦士団を復活させるハイファンタジー
  • そして、後悔を抱えるベテランが新人たちの影響を受けて、活力を取り戻す話でもある
  • ア的に解釈するなら、『地上』側に近い、異種族・邪神との殲滅戦争とも言える
  • 死の価値、ナショナリズム、勇気の称揚、同胞のダメージに対する復讐の義務、そして死後に神の下で得る永遠の生にそのための名誉ある死と、かつての日本を思い出させるような要素がたっぷり
    • 政治思想的に受け付けないヒトは多いだろうし、アキラくんが一番嫌いそうな方向性ではある
  • ただ、割り切ったシンプルな闘争の物語は、読者に活力を与えてくれるものでもある
    • 北国での話なので、急に寒くなった時季などに特にオススメ
  • マジックアイテムな戦旗、人間側の英雄と同一視される固有種、神造の英雄、敵の持つアイテムの略奪それに神の祝福なども出てくる
  • 女性の戦士や指揮官も登場し、メイン級で活躍もする
  • (あえて作品中では描かれないが)英雄神話を描くには邪魔な外側の事情も、しっかり設定してあるようなのも良い
  • 推察するに、どうも神々の支配から逃れる「トゥルーエンド」もあり得たっぽいが、そちらは描かれていない
  • 同タイトル、白色粉末名義で書籍化済み
    電子化○小説家になろうにて完結済み

帝都物語 荒俣宏

  • 帝都の破滅を企む魔人・加藤保憲が、歴史の裏で暗躍する都市オカルト小説
  • 各巻ごとに新しい呪術や科学技術が登場し、戦いに用いられる
  • 有名な文人や思想家などが登場するし、かなりアリュージョニストである
  • 一度は完結したが、著者のライフワークとしてその後も続いている
  • 著者の解説や書き下ろし短編が収録された『異録』もあり、伊藤悠可の「憑霊現象」の乗り移った人間の振る舞いをコピーして生きたキツネの話や、死者の鎮魂にあやかった理想都市のノウハウなど、アと関係ある解説もある

テーオバルトの騎士道入門 斎藤洋

  • 『ルドルフとイッパイアッテナ』の著者による児童文学ファンタジー
  • 戦いや殺害によらずに英雄となる若者の旅を、面白おかしく描いている
  • 領主の息子テーオバルトは、周囲の反対も聞かず怪しげなマニュアル本『騎士道入門』に従って、「竜のなみだ」を求める旅に出てしまう
  • そんな実現不可能な旅を八百長で片付けるため、領主の命を受けた従者が仕掛け人として彼に同行するが・・・
    電子化×

デート・ア・ライブシリーズ 橘公司

  • 危険な存在である美少女精霊を「デートしてデレさせる」ことによって、無害化していく話
  • 空中戦艦を所有するような秘密組織のメンバーが、AIが導き出したギャルゲー的選択肢を前に、わいわい騒ぎながら主人公をサポートしたりもする
  • ヒロインである精霊の力を、限定的に借りることが出来る主人公
    →サイバーカラテ
  • タイムスリップ系の要素や仲の良い姉妹も出てくる
  • アリュージョニスト第四章度がとても高い。シナモリアキラ観がガバガバでないタイプの第四章。
  • 永遠の少女が絶望から太母(グレートマザー)になり、蠱毒の果てに自分だけの最強の主人公(代替物)を作る話。
    電子化○

できればムカつかずに生きたい 田口ランディ

  • 兄が自殺し、残った父との家族としての関係を断ち切ることにした人のエッセイ
  • 人間関係・人間集団とは、みんなで大きなシーツを持つようなもの。
  • シーツのどこかには、必ずしわがよってしまう。その「しわ」がいじめ。
  • シーツを持ち続けるためには「シーツが必要な理由」が必要、いじめられてもシーツにしがみつくいじめられっ子は、その理由を証明してしまう。
  • この世界が美しいのは、美しいと感じる人間がいるからだ。
  • 自我が確立するときには、対立する相手が必要。それが明確な「他」であり「父性」
    →クレイの修行っぽい
  • 変化をするには、他者と出会うしかない。精神的な違和と出会うしかない。
  • どんな仕事も、編集作業。人生についての観念も、全ては編集
  • 自分が自分の責任で編集している。
    →【呪文】ぽい
    電子化○

デュラララ!! 成田良悟

  • 池袋の街を舞台に、人間的な怪物と怪物的な人間たちが繰り広げる群像劇
  • 歪んだ愛の物語
  • 吸血鬼のように人間を支配し感染する妖刀「罪歌」が、少しだけシナモリアキラぽい
  • 実体がほぼ存在しない加入自由のコミュニティ「ダラーズ」が他の組織に乗っ取られたり暴走したりする、コミュニティの話でもある
  • SHシリーズやスピンオフも出ている
    電子化◯

伝奇集 ホルヘ・ルイス・ボルヘス

  • タマちゃん先生の蔵書
  • マリー・スー・ヘレゼクシュ愛読!
  • 幻想が現実を打ち倒す感覚を味わいたい人にオススメ
  • 引用の引用で構成されてる物語がアリュージョニストとしか言いようがない
    電子化×

天国に涙はいらないシリーズ 佐藤ケイ

  • オカルトハートフル・ギャルゲー系ライトノベル
  • ロリコン守護天使が大暴れするし、転生もあるし、新宗教を元ネタにしたキャラもさらっと出てきたりする
  • オカルトや呪術がたくさん出てくるし、あとがきでそれらのマイナーな元ネタや出典がしっかり解説されたりもしている
  • いわゆる「泣きゲー」的な話が多数ある
    • 鬼になる巫女さんな妹キャラなど、オカルト系萌えキャラもガンガン出てくる
  • 知らないうちに多くの人に不幸をもたらしてしまった少女が、救われていく話でもある
  • 使用される魔術は、物事の因果をたどる感知系の【邪視】を基盤としたもの
  • ロリコン天使アブデル、語りて曰く「神はすべての属性を持つ完全者であるから、すなわち全ての属性を持つ究極の美少女でもある」
    →最期の末妹?キュトス?
  • メインヒロインのIFの姿がラスボス
    ソルダコルセスカ?アキラくんとトリシューラのコルセスカ?
  • ゲイでビキニパンツやふんどしを愛好する変態なども出てくるので、そこは(そこも)わりと人を選ぶ
    電子化◯

転生稼業-これが私の仕事です- 浦切三語

  • 忌み嫌われる転生トラック運転(アと違って合法ではある)を生業とする男の気付きと選択、そして少しだけのコミュニケーションの話
  • 全七話の短編で完結済み
    リンク
    電子化○

転生者の私に挑んでくる無謀で有望な少女の話 小東のら

  • 大人の記憶を持ったまま転生したことで、天才児に勝ってしまう負い目を背負った転生者と、それに負けない少女の競い合いを描いた短編
    →ベアトリーチェから観たアズーリア?
  • 舞台は魔法がある異世界だが、短編では戦闘などは起きないし異世界要素もあんまりない
  • 書籍化され、3巻まで続きが出ている
    電子化○

天冥の標 小川一水

  • 四章で出てきた瘴気(ミアズマ)出てくるよ。苦しみを共有したり、死の悲しみを怒りに変えたりもする。
  • 羊の遺伝子に組み込まれた情報生命体が、電子上で解凍されて自我を起動させる展開とかあります。
  • 第四巻では娼婦アンドロイドが演劇を繰り返しながら聖なるものを問い続けたり継ぎ接ぎ存在になったりするのでアリュージョニスト感ある
    電子化○

伝説シリーズ 西尾維新

  • 英雄となった一人の少年の活躍を描いた、分厚いわりに読みやすい小説
  • 科学的考証などについては一切期待しない方が良いが、それなりに奇想天外な展開は保証できる
  • 主人公は、他者に共感しない無感情な人物であり、それゆえに英雄として見出された
  • 全自動で敵を切る『破壊丸』に人間そっくりの敵を人間に見えなくさせるゴーグル『実検鏡』と、主人公のの戦闘力は大半が外付け
  • 最終巻には、人格再現AIも出てきて主人公に助言を行う
    →シナモリアキラ、サイバーカラテ
    電子化◯

DOORS 神坂一

  • 『スレイヤーズ』の作者による、ごちゃまぜ世界・修復冒険コメディ
  • ある日、家の中が無数のドアでいっぱいになってしまった主人公が、
    • 複数の世界の混じり合いで、それぞれの常識すらおかしくなってしまった異常を正すために世界修理に協力することになる話
    • 部活とか雑用のようなノリで、放課後や休日等に出かけている
  • 基本的には、さまざまな「変な常識」やお互いの行動などに対し、主人公や出会った人々が互いにツッコミしあうコメディではあるが、
    • 主人公たちが「普通」とは何か、このまま世界を修理するのは正しいことなのか悩んだりとシリアスな部分もある
      →『門』、ごちゃまぜてんこ盛りがアリュージョニスト感
      電子化◯ BOOKSWALKERにて、全二巻が月額読み放題で読める

とある魔術の禁書目録 鎌池和馬

  • そげぶ=静謐の手
    • 幻想=現在の相手の信念や思い込みを否定する上条の幻想殺しと、「ブレている」者を異世界に誘う上里の理想送り
    • 救い方が異なる二人の「ジョーカー」
  • 「似ているものは魔術的に同じものとして扱うことができる」という魔術理論を非常に初期の段階から使用しており、魔術・オカルト関係の引用知識の広範さはちょっと驚愕するレベル
  • 「助っ人を介して苦手な分野を補う」戦法が基本な作品であり、新約後半では三人の主人公が、全員少女の姿をしたアドバイザーの支援を受けていたりする
    • AIM拡散力場や『人的資源』など、集団が潜在的に持っている力を借りたり利用する技術も存在し、無能力者な全人類の力でさえ、何らかの形で利用できる可能性すら仄めかされている
  • 新約1~10の、主人公なき世界→主人公とは?→真の主人公復活!というメタくて統合的で綺麗な流れがアリュージョニスト
  • 新約8,9,10の、主人公の主人公性を問いながら創造神と10億年くらいバトルするの、とても楽しいのでこれだけでも読んでみて下さい。主人公が作中世界でもTheヒーローとして扱われてるのを把握してれば読める気がする。
  • 科学的に世界の物語性に到達して、科学的に仕立てたヒロインで、科学的に7500人のヒーローに干渉する展開とかあります
  • 新約3巻:サイボーグの「体」の範囲が曖昧であることを利用した戦術
  • 新約6:死者の代弁や紀人の内的闘争ぽい展開も
    • 昆虫のようなデジタルな判断しか持たないが、人間のように振る舞うフロイライン=クロイトゥーネ
    • 「垣根帝督」のスレーブだった能力生成物にして人工知性・カブトムシ05
  • 新約7:超能力者の能力を引用し、脳も代替可能な部品であるサイボーグ「恋査」
  • 宗教概念から産み出され、純粋な科学法則の世界と重なり合うレイヤーのような異世界「位相」
  • 噂話から存在が確立されたウィルス生命体?の「サンジェルマン」
  • 対魔術式駆動鎧
  • 新約14:悪の定義:誰かが誰かを見捨てたときに発生する
    • 大勢から諦められ、切り離された誰かさんが悪という事になる
  • 創約5巻:強制的に「理想的な展開」をもたらす『呪文』使いのアリスが登場
  • 創約6巻:信者を集める信仰バトル
  • 上条当麻の強さ:「繋がる力」:暴力をも包み込める人間としての理性の力
    • 殺しの技が増えるほど、相手を活かして助ける道から遠ざかれば遠ざかるほど、上条当麻は弱くなる
  • 木原唯一の戦闘スタイル
  • 木原唯一の試み「全人類を『木原に脅えて木原を組み込んだ誰か』に作り替える」言ってみれば相互監視社会を超えた相互犯行社会を作るための実験
  • 「原型制御」:独断でパラダイムシフトを起こせる手法であり、人間の共通認識や共通価値観を創造・実装・破壊できる
  • 自分の可能性を分割して、10億8309万2867人に増殖
  • AIアネリ(実は魔道書の写本)とプロセッサスーツによるダンスゲーム風中国拳法が、ほぼサイバーカラテ
  • 無理解と不寛容の【邪視】系魔術兵器「神威渾淆」(ディヴァインミクスチャ)
  • 人造の樹(クロノオト)の成立と、余計者であるゆえにその案内人になれるという理屈
  • 13巻、22巻、映画、スピンオフコミックス『エンデュミオンの奇跡』など要所要所で歌で祈りを束ね、人の思いに干渉して奇跡を起こしていると見られる描写がある
  • 「御坂美琴と食蜂操祈は同じ男を好きな女同士なので百合」by最近氏
    BOOKWALKERで電子化○

東京レイヴンズ あざの耕平

  • 呪術!呪術!呪術バトル!(正確には陰陽道だが)
  • 現代の東京(および日本)を舞台に若き陰陽師たちが呪術を競う
  • 安倍晴明の子孫とか土御門家の末裔とか芦屋道満(本人!)とかが出てくる

闘争領域の拡大 ミシェル ウエルベック

  • 市場経済がうなる。勉学・仕事・恋・友情、すべてが軋みだ市場に晒された闘争だ!逃げ場はない!勝利と敗北のあとにさらなる闘争が待ち受ける!!
  • それがつらい。とても。市場マジ虚無。というお話。

トカトントン 太宰治

  • ある瞬間を境に、それまでの興味や熱中が消え失せてしまう幻聴に取り憑かれた男の手紙と、それへの作家の返信を書いた短編小説
    →ユディーア?
    電子化◯青空文庫>トカトントン

時空の巫女 今野敏

  • ときのみこ
  • アイドルとオカルトと様々な学説を結びつけたSF小説
  • 事態の全貌が見えて解決策が分かったところで盛り上がりがほぼ終わり、完結するタイプの話
  • 技巧的な文章や軍事的リアリティはないし、今ひとつハラハラ・ドキドキもないが、丁寧に描かれた過程や心情描写はかなり分かりやすく読みやすい
  • ただ、破滅の未来に抵抗する話であり、20世紀末の世情が濃厚に反映されているため、それを体感していない世代には今ひとつ共感しにくい話かもしれない
  • アのような紀元槍の端末こそ出てこないが、予知夢、集合的無意識としての神や量子力学、並行世界、そして人々の望みや恐れが選択する未来と、アにも関連する話が出てくる
    →アイドルや紀元槍への干渉によって、人々の思いが呼び込む破滅の未来を覆せる可能性
    電子化×

時をかけてきた娘、増えました。 今慈ムジナ

  • まだ恋人すらいないにも関わらず、未来から娘に押しかけられてしまった高校生のラブコメディ
    • しかも、姓が違う娘が増えたうえに、娘たちにもそれぞれ目的があるようで……
  • 彼らの未来と、青春の物語
    ディスペータラクルラール?未来転生者?
  • 恋愛だけでなく、ヒロインや主人公が抱いている夢や悩みもストーリーに深く関わってくる
  • また、ヒロインの一人には発達障害(ASD/ギフテッド)の傾向があり、そのあたりもしっかり描かれている
  • 似て非なる小説に、氷純『あなたを救いに未来から来たと言うヒロインは三人目ですけど?』がある
    電子化◯2013/12/31まで、BOOKWALKER月額課金読み放題で読むことが出来る

時をかける社畜 灰音憲二

  • いつのまにかタイムループしてしまった派遣会社の社員が、よりよい未来を目指して奮闘する、熱血社畜冒険小説
  • 働くこと、そして生きることを問う選択と決断、そして時を進めることについての物語
  • 「土日が失われる」という、設定だけで大抵のホラーに勝てそうな状況
  • しかしそれでも、主人公の性格とガンガン進むノリ、少ない描写の中でも個性や生き様が感じられる登場人物や少しずつ明かされる謎といったギミックのおかげで、気軽に読むことが出来る
  • 最終的にはわりと勢いと精神力で押し切るが、それでも、しっかりと働く人の心情に寄り添った内容や人物などのディテールの描写はあるため、
    • 単なる熱血肯定エンタメの域にとどまらず、働く人を応援する小説ともなっている
  • 交換可能性
  • 「人材」商品として人を扱うこと
    電子化◯

ドグラ・マグラ 夢野久作

  • 日本探偵小説三大奇書の一つであり、様々な要素が詰めこまれた幻想的な小説
  • ヤンデレぎみな妹が(主に声だけ)登場する作品でもある
  • 精神病院の恐ろしさを指摘する部分や「胎児の夢」というオカルト科学な要素、果ては仏教的な必殺技が繰り出される場面まであり、かなりアとの親和性は高いと思う
    電子化◯青空文庫にて無料公開中

時計じかけのオレンジ(小説) アンソニー・バージェス

  • 犯罪者に、犯罪や暴力を嫌悪する(パブロフの犬的な)「条件付け」を施して「更生」させることの意義を問う小説
  • 個人の選択肢を奪う話でもある
    →『順正化処理』
  • 映画版も有名
  • 編集者によって削除されていた終章が、後に完全版で追加された
  • 序列を固定させる「条件付け」を描いたディストピアものとしてはオルダス・ハクスリー『すばらしい新世界』などもあるが、おそらく『地上』は(基本的に)そこまではやっていない模様

都市と星 アーサー・C・クラーク

  • 内部に引きこもる未来都市と、それから隠れ住む自然な生活を送る集落、その二つの共同体を、一人の少年「アルヴィン」がつなげ、新しい時代を創っていくSF
  • 住民は一種の転生によって無限の寿命を持ち、VRゲームを楽しむが、十億年間子どもが産まれなかった都市ダイアスパー
    • 転生を繰り返し、目覚めるタイミングをずらすことで住人の組み合わせパターンに変化をもたらし、刺激をもたらしている
    • ただし、死がない都市には誕生もなく、思いやりや子育てという概念も存在しなかった
      →トリシューラの理想世界?
      電子化○

図書迷宮 十字 静

  • 迷宮学園アドベンチャーなハイファンタジー・ライトノベル
  • 二人称メタ小説。人外ロリBBAラブコメ。物語がひとたび始まったらすべてが踏台になるという話。
  • 外見が幼女の吸血鬼がメインヒロインだったりと、『魔法先生ネギま!』の影響がかなり見て取れる
  • あなたは記憶を保持できない。あなたの本は周囲の状況を自動書記する。あなたの本を書き換えればあなたを改竄できる。
  • この手に作中のテキストがある、からもう一つ二つジャンプします。注釈の世界とかもでてくる。
    →『死人の森の断章』
    電子化◯BOOKWALKERの月額読み放題で読むことが出来る

とどけるひと ~別れの手紙の郵便屋さん~ 半田 畔

  • 「別れの手紙」だけを届ける専門部署「さよなら郵送課」の仕事を通して、別れと手紙の価値を描いている小説
    →人と人をつなぎ、その背を後押しする媒介としてのサイバーカラテ道場(シナモリアキラ)?
  • 主人公は、目的を探しにとりあえず東京に出て、失恋&失職して故郷に逃げ帰った女性だが、
    • そんな彼女が成長していく姿も描いている
  • 主人公とそのメンターの先輩はかなり口が悪く性格もわりと悪いが、
    • 逆にそれゆえのおせっかいが仕事で功を奏したり、
    • 軽快なやりとりを生み出したりもしている
      電子化◯

トニーノの歌う魔法 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ

  • 大魔法使いクレストマンシー(平行世界すべてにおける魔法の使われ方を監督する役職)のシリーズ作品であり、【呪文】系ファンタジー
  • ロミオとジュリエットの改変的なゆかいな物語であり、この作者の本の中ではダントツにあらすじが分かりやすい本
  • 二つの呪文作りの名家が対立し、国を守る魔法の歌が失われた
  • さらに両家で最も呪文が苦手な子供たちがさらわれ、あやうく内戦に
  • 呪文が苦手な子供たちが悪の魔法近い相手に活躍する
  • 魔法遣いと会話出来る猫も出るよ!
    電子化×

隣の席の佐藤さん 森崎緩

  • 地味で、とろくて、美人でもないクラスメイトをだんだん好きになっていくラブコメ(全二巻)
    →ルッキズム
  • 主人公が、素直になれないツンデレ男子高校生なので、けっこうもどかしくもある
    電子化◯

トネリコの王 日向夏

  • 『薬屋のひとりごと』の作者によるライトSFアドバンチャー・ライトノベル(全二巻)
  • 未来で目覚めた主人公が、トラブルに巻き込まれながら自分の足で歩き出す話
  • 登場人物全員が、しっかり自分の思枠で行動しているところが魅力であるが、
    • 逆に言うと、主人公の思いのままにならないこともしばしばある
  • 選択がメインテーマであるだけに主人公の選択には重大な責任と影響力があるが、そうなる状況を形作ったのは割と他の人物の怠惰や悪意によるものでもあったりする
  • 文体は基本的に淡々としており、病室でのリハビリから始まるストーリーに合っているが、
    • 後半からはそれも変わってくる
  • ちょっと主人公のセクハラ的な視線が多いので、そこは人を選ぶかもしれない
  • 未来を選択する(通俗的な理解の)量子力学的な超能力「神託」と、それを人間に与えている機械的な性質を持った「神」樹木ユグドラも出てくる(たぶんこれがタイトルの「トネリコ」)
    →『邪視』とその能力を与える『杖』
  • 人造人間バイオロイドが存在し、差別がある
  • イマジナリーフレンドっぽい「もうひとりの自分」も存在し、主人公の左手を操ったりもする
    電子化◯2023年3月25日まで、BOOKWALKER月額読み放題で一巻を読むことが出来る

トビアと天使 スザンナ・タマーロ

  • 現代が舞台のおとぎ話
  • 争いが絶えない両親の姿に深く傷ついた少女が、イマジナリーフレンドの助けを借りて、問題解決した家に戻る
  • 言葉を視覚的にとらえたり、物体や樹木と会話したり、他の人には見えない守護天使と対話して諭されたりもする
    電子化×

とらドラ 竹宮ゆゆこ

  • ラブコメラノベの金字塔
  • 虎に従う犬ではなく、並び立つ龍になろうと志した少年
    電子化○

ドラゴンランスシリーズ マーガレット・ワイス&トレイシー・レイ・ヒックマン

  • TRPGの元祖の一つ、『ダンジョンズ&ドラゴンズ』を原作としたファンタジー小説のクラシック。
    作者たち自身が認めているように指輪物語の影響を大きく受けながらも、それとは異なる方向に進もうとした作品であり、
    日本での知名度はいまひとつだが、アメリカでは長年愛されているベストセラーシリーズ。
  • TRPG原作だけあってより、ゲーム的(いわゆるリプレイ小説の元祖とも言える作品である)な小説であり、コルセスカの好みにも合いそう。
  • 通常の物理攻撃を受け付けず、最高位の魔術師の呪文以外は手傷を負わせることすら困難で、
    高速で空を飛び、当たれば即死のブレスを吐くドラゴンの軍勢(それを率いる神々)といかに戦うのか?という戦略が重視される(単なる個人やパーティ単位の剣と魔法では戦争を終わらせることはできない)
  • 神々が実体をもって人間やエルフ、ドワーフらに介入し、戦争を通じて己の支配圏を広げようとするなど、
    積極的に神々が現れる(人間たちにとっては非常に迷惑)あたりがアリュージョニスト的
  • 複数の版があり、読むなら注釈付き完全版がオススメ。
  • 多数の作者によって書かれるシェアードワールド状態であり、
    入手の容易さや話のまとまり的に第三部か第四部まで(ここまでは同一作者のコンビなので)読むのがキリが良いと思われる。

トランスヒューマンガンマ線バースト童話集 sanpow

  • 文字通り「トランスヒューマン」と「ガンマ線バースト」でアレンジされた有名童話集
  • 基本的にポジティブでパワフルで、そして優しい話ばかり
  • 最後の話は、それまで全ての童話を新たに語り直す、締めくくりのお話となっている
  • カクヨムにて無料公開されていたが、ハヤカワSFコンテスト応募のため取り下げられた
    そして、みごと第6回の優秀賞を獲得。
    第一話地球灰被り姫がweb上で無料公開中
    電子化◯

ドリーム・ライク・マイン M・T・ケリー

  • 原題「A Dream Like Mine」
  • 被害者と加害者の共感
  • 誘拐暴行という個人の暴力を通して見えてくるインディアンへの迫害、より大きく理不尽な暴力の邪悪さ
  • インディアンに同情的な新聞記者が、暴走する混血児(メティス/フランス人とインディアンの混血)の復讐に巻き込まれ、自らの中にもある闇と罪に気付かされる話
  • 文章も話の流れもイマイチではあるが、現実の難しさを難しいままに伝えてくるところが良い
  • 「逃げ場」「ここではないどこか」を求めるあまりインディアンに幻想を抱いてしまう主人公など、登場人物の心情も理解共感しやすく描かれている
  • 混血児の悲しい在り様
    • 彼はインディアンの言葉をほとんど話せない
    • そして、その行動理念である「インディアン迫害の歴史」の語りさえも、白人の作った資料とその言葉に依存している
  • 白人とは異質で、理解し難いインディアンの話し方への困惑も描かれている
  • これは新たな神話の誕生であり、切断処理されていた憎しみとはぐれ者が受け入れられる物語でもある
    電子化×

トリストラム・シャンディ ローレンス・スターン

  • 全九巻の未完の小説
  • 内容にまとまりがないため、奇作と呼ばれているらしい
  • 情報のハイパーリンクを扱った小説であるとの声もある
  • アと連想の仕方が同じであり、リスペクトされているという指摘がある
    電子化◯

トレマリスの歌術師 ケイト・コンスタブル

  • 万物を操る九つの「歌術」が存在する世界、トレマリスを舞台とした全三巻の冒険ファンタジー
  • 女しか歌えない歌術によって守られる氷壁の国アンタリス
    • そこで規則に縛られた日常にウンザリしていた見習い巫女のタルウィンは、ある日壁の中に存在しないはずの男の侵入者を発見、それをきっかけとして世界の覇権を巡る戦いに巻き込まれることになる
  • 人間ドラマはイマイチだが、そのぶん魔法の歌(【肉体言語呪文】のような踊りも含む)やそれがつながる雄大な自然がしっかりと描写されており、魔法遣い同士の戦いもある【呪文】の物語となっている
  • すべての根源たる第一の歌術が女神そのものとして信仰されていたり、先住民との対立があったりとア要素もある
  • 作者からのメッセージ「川から海、海から雨、雨から川」
    • 「どんな本も、川と同じように、多くの水滴からできています」
    • 「うろ覚えの歌の断片、ずっと昔に読んだ本、夢の中で見たイメージ、無意識の中に埋もれた恐れや憧れ。それらがもがきながら表に出てきて、創作物語のかたちをとっているにすぎません」
      電子化×

泥水サーシャと美味しい魔法 ハナブサ

ドンキホーテ ミゲル・デ・セルバンテス

  • 英雄物語パロディの古典
  • 現実を観ないために、まるで【小鬼】のように振る舞って、周囲とトラブルを起こす狂人の物語
  • ドンキホーテの行動方針と思想の全ては、騎士道物語というファンタジーに依存しており、彼の選択はそれによって下される
  • 彼は、いわば騎士道物語のように生きようと、自ら生まれ変わった擬似的な「転生者」であり、自分を物語の英雄のように助けてくれる、チートな「善の魔法使い」が実在すると信じている人間でもある。
  • 今風に言うならば、ドンキホーテは、自分がファンタジーの世界に生きるチート転生者だと信じている男である
  • ただし、ドンキホーテはただの狂人に留まる存在ではなく、正義と理想を信じ、自分より他人のために戦おうとする理想主義者でもあるのだ
  • ツルゲーネフが打ち立てたという概念に性格分類の「ドン・キホーテ型」があるように、彼は一つの元型(アーキタイプ)となったといえる
  • また、どんな失敗も「これから逆転するシチュエーション」に落としこんで乗り切ってしまう彼の世界観は、もはや一つの宗教であるとも言えるだろう

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