- アリュージョニスト以外のネタバレに注意
- サイバーカラテを実践しよう (知ってる作品があったら、説明を追記しよう)
- 最下部のコメントボックスで作品紹介を書き込むと、誰かが追加してくれるかもしれません
- 多分図書じゃなくてもいいと思うよ
- 参照と類似は呪力です。高めよう。
- ほんの少しでも推薦図書に見えたのならそれが推薦図書です(邪視)。追加しましょう。五十音順に並んでいます。
- 編集カラテ入門
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** タイトル
-説明1
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- 推薦図書/その他
- サイバーカラテ/意志決定関連
- 愛と怒りの行動経済学 エヤル・ヴィンター
- 意思決定トレーニング 印南一路
- AI自治体 公務員の仕事と行政サービスはこう変わる 井熊均 井上岳一 木通秀樹
- エコクリティシズムの波を超えて 塩田弘 松永京子
- NVC人と人との関係にいのちを吹き込む法 新板 マーシャル・B・ローゼンバーグ
- 人生が輝く選択力 印南一路
- 数学的決断の技術 小島寛之
- 選択の科学 シーナ・アイエンガー
- 〈選択〉の神話 ケント・グリーンフィールド
- なぜ保守化し、感情的な選択をしてしまうのか シェルドン・ソロモン ジェフ・グリーンバーグ トム・ピジンスキー
- 悩み方のレッスン 「助けて」と言えないあなたへ ジュリアン・ショート
- 欲望について ウィリアム・B・アーヴァイン
- 性・性愛・聖婚関連/その他
- ありすぎる性欲、なさすぎる性欲 ウィリー・パジーニ
- 井田真木子著作撰集 里山社
- 1冊で知るポルノ デビー・ネイサン
- 男が見えてくる自分探しの100冊 中村彰 中村正
- 「男らしさ」の快楽 宮台真司 辻泉 岡井祟之
- 恋をしまくれ 田嶋陽子
- 少女と魔法 須川亜紀子
- SHOWROOM
- 女性学/男性学 千田有紀
- 性食考 赤坂憲雄
- 性暴力 読売新聞大阪本社社会部
- 性的問題行知的・発達障害者の支援ガイド 本多隆司 伊庭千恵
- 性の進化論 クリストファー・ライアン&カシルダ・ジェタ
- 誰も教えてくれない大人の性の作法(メソッド) 坂爪真吾 藤見理沙
- なにもかも話してあげる ドロシー・アリスン
- 南極1号伝説 高月靖
- にじよめちゃん
- 日本の童貞 渋谷知美
- 裸はいつから恥ずかしくなったか 中野明
- 光源氏になってはいけない 助川幸逸郎
- フランス人の性 なぜ「#ME Too」への反対が起きたのか プラド夏樹
- ポルノグラフィ防衛論 ナディーン・ストロッセン
- 水子 〈中絶〉をめぐる日本文化の底流 ウィリアム・R・ラフルーア
- 欲望のゆくえ 子どもを性の対象とする人たち 香月 真理子
- あ行
- 愛されたい!なら日本史に聞こう 白駒妃登美
- 青の歴史 ミシェル・パストゥロー
- 悪魔の文化史 ジョルジュ・ミノワ
- 朝目新聞
- 『あしたのジョー』と梶原一騎の奇跡 斎藤貴男
- 危ない精神分析 矢幡洋
- アフリカ潜在力シリーズ 総編集・太田至
- あなたを見つけるこころの世界地図 ルイス・ファン・スヴァーイ&ジーン・クレアー
- アナログハック・オープンリソース
- 「生き方」の値段 エドアルド・ポーター
- 生き延びるための世界文学 都甲幸治
- 生きるのが面倒くさい人 回避性パーソナリティ障害 岡田尊司
- いじめの正体 現場から提起する真のいじめ対策 和田慎市
- 居場所の社会学 生きづらさを超えて 阿部真大
- 韻ノート
- 隠喩としての病い エイズとその隠喩 スーザン・ソンタグ
- 伺か
- エイワスの聖杯戦争シリーズ(やる夫安価スレ)
- エケペディア
- エリクソンの人生 アイデンティティの探求者 L、J、フリードマン
- おっさんレンタル
- Orion's Arm(OA)
- か行
- 科学はなぜ誤解されるのか 垂水雄二
- 語り・物語・精神療法 北山修 黒木俊秀
- カルトのかしこい脱け方・はまり方 青山あゆみ
- 「かわいい」工学 編著:大倉典子
- 機械より人間らしくなれるか? ブライアン・クリスチャン
- 帰化植物の自然史 侵略と攪乱の生態学 森田竜義
- 奇想の陳列部屋
- キャラ化する/される子どもたち 土井隆義
- 求人詐欺 今野晴貴
- 境界性パーソナリティ障害 サバイバルガイド アレクサンダー・L・チャップマン キム・L・グラッツ
- 教科書には載らないニッポンのインターネットの歴史教科書 ばるぼら
- 狂気の歴史 ミシェル・フーコー
- キル夫がイオンと戦国入り
- クックパッド
- 心の哲学まとめWiki
- CODE コードから見たコンピュータのからくり チャールズ・ペゾルド
- 心を開くドラマセラピー 尾上明代
- 「個人主義」大国イラン 岩崎葉子
- 「個性」はこの世界に本当に必要なものなのか 東京大学教養学部×博報堂ブランドデザイン
- 小谷真理(お笑い芸人)
- 子どもの感情コントロールと心理臨床 大河原美以
- 古都のデザイン 借景と坪庭 文/伊藤ていじ 写真/葛西宗誠
- こんな夜更けにバナナかよ 渡辺一史
- さ行
- 再起動する批評 佐々木敦+東浩紀
- 最強バーチャルタレントオーディション~極~非公式wiki
- 最高の雑談術 乱談のセレンディピティ 外山滋比古
- 逆立ちしたフランケンシュタイン 科学仕掛けの神秘主義 新戸雅章
- 差別と向き合うマンガたち 吉村和真 田中聡 表智之
- サンダーバード (テレビ番組)
- しあわせに働ける社会へ 竹信三恵子
- Siri
- 色彩を持たない多崎つくると彼の巡礼の年をどう読むか 河出書房新社編集部
- 仕事の小さな幸福 木村俊介
- 「自分のために生きていける」ということ 寂しくて退屈な人たちへ 斎藤学
- 資本主義が嫌いな人のための経済学 ジョセフ・ヒース
- 資本主義がわかる本棚 水野和夫
- 社会運動と若者 日常と出来事を往還する政治 富永京子
- 社会はなぜ左と右にわかれるのか ジョナサン・ハイト
- 植物は〈知性〉をもっている ステファノ・マンクーゾ
- 植物はなぜ動かないのか 稲垣栄洋
- 宗教で読み解くファンタジーの秘密 中村圭志
- 呪歌と説話 花部英雄
- 人狼伝説―変身と人食いの迷信について セイバイン ベアリング=グールド
- 図説「見立」と「やつし」 人間文化研究機構 国文学研究資料館
- スピヴァク みずからを語る ガヤトリ・スピヴァク
- スペルズ 世界のおまじない事典 ジュディカ・イルス
- 世界しあわせ紀行 エリック・ワイナー
- 世界”笑いのツボ”探し ピーター・マグロウ ジョエル・ワーナー
- 絶望に効くブックカフェ 河合香織
- ゾンビ襲来: 国際政治理論で、その日に備える ダニエル・ドレズナー
- た行
- な行
- は行
- バーチャルYoutuber
- 白人の歴史 ネル・アーヴィン・ペインター
- パクリ経済 コピーはイノベーションを刺激する K・ラウスティアラ&C・スプリングマン
- hasnoha
- はじめて学ぶ生命倫理 小林亜津子
- 発達障害の人の就活ノート 石井京子
- 働く文学 奥憲太
- バトルロワイアル・パロディ
- 話すだけで書ける究極の文章法 野口悠紀雄
- 「場の空気」を読むのが上手な人下手な人 和田秀樹
- ハリウッドとマッカーシズム 陸井三郎
- 被差別のグルメ 上原善彦
- ひとりで苦しまないための「痛みの哲学」 熊谷晋一郎
- 貧困のハローワーク 増田明利
- 不安社会を変える 希望はつながる市民力 暉峻淑子
- FaceRig
- 負の力 テリー伊藤
- ベスト・エッセイ 日本文藝家協会・編
- papperくん
- べてるの家の「非」援助論 浦河べてるの家
- PoliPoli
- ま行
- や行
- ら行
- サイバーカラテ/意志決定関連
- コメント
推薦図書/その他
サイバーカラテ/意志決定関連
愛と怒りの行動経済学 エヤル・ヴィンター
- 脳科学、ゲーム理論、行動経済学などの成果により、人間の行動における感情のポジティブな面を評価している本
- あらゆる科学的説明は、絶対の「真実」などではない
- そして、われわれの技術や認識能力には限界があり、すべてを観察することは出来ない
- そのため、ゲーム理論も脳科学も、個人や集団の観察結果を理解しやすくする物語に過ぎないのだ
→【呪文】 - 感情は、時代遅れの遺物などではなく、合理的な面を補ってバランスを保つための高度な優れた道具である
- 自己成就不信:差別意識は、先入観がお互いの行動で実現されることによって、負のスパイラルを巻き起こして増加していく
- ストックホルム症候群:我々は権威ある人物に好感を抱きやすく、その好感はそれが不合理な環境になっても続いてしまう
- 状況を変えられる機会が少なくなるほど、権威者に肯定的な感情を持ち、不当な扱いを受けても悪いのは自分だと思いやすくなる
→四章でイアテムに従ったセージ?
- 状況を変えられる機会が少なくなるほど、権威者に肯定的な感情を持ち、不当な扱いを受けても悪いのは自分だと思いやすくなる
- 進化論上の合理性:個人の行動は(その行動が選択されたときの一般的状況と照らし合わせて)進化上の利点をもっと増やす行動がほかにない場合に、合理的となる
- 感情の正確な定義なんて未だに分からないし、感情と身体感覚の境界もまた分からない
- 身体感覚は、意識でほぼコントロール出来ないが、感情は一定の条件下でならコントロールできる(完全には出来ない)
- 感情は自分と他人に対して確約(コミットメント)を作り出す能力を持つ
- 怒りは、自分の欲求を達成させるための力となる
→バイオカラテ? - お金を分けあったり奪いあったりするゲーム実験で判明した、自民族中心主義
- パレスチナ人プレイヤーは、イスラエル人プレイヤーからもらえた額が予想額と差があったのは差別の表れだと解釈していたが、実際には行動基準の違いだった
- パレスチナ文化では個人主義は恥ずべきものであるため、パレスチナ人は多く分け、同じように多い分け前を期待する
- それに対してイスラエル社会では、危機の時の団結と助け合いは重視されるが、それと同じくらい平常時の利己主義や競争・功利主義も推奨されるのだ。
- 集合的感情:人間は集団に帰属意識を持ちやすい
→【言震】の原因のひとつ?
意思決定トレーニング 印南一路
- 優柔不断は性格の問題ではなく、状況把握と分析の問題
- 優柔不断になりそうな問題をいきなり決断の問題とするのではなく、いちど意思決定という観点から考えてみるべき
- 本当に決断を要する問題はそれほど多くはなく、方法さえ知れば、対処できる問題が大半
- いったん決めたら、その後何をし、どういう行動をとるかの方がずっと重要
- 消去法や足切り法は、絞り込みに有効だが見落としの危険がある
- 複数の条件で選ぶ線形評価は、条件の重み付けなど工夫が必要で難しく、選択に限界がある
AI自治体 公務員の仕事と行政サービスはこう変わる 井熊均 井上岳一 木通秀樹
- 自治体業務へのAI導入の可能性と影響を論じている本
- AIで何が出来るか考えることも大切だが、それ以上に求められているのは、AIを使ってどんな地域と仕事像を作るかといった、ビジョンと合意なのである
エコクリティシズムの波を超えて 塩田弘 松永京子
- 文学批評ジャンル「エコクリティシズム」と「人新世」という地質年代概念を通して、人と環境と人間文明の関わりを描いた様々な作品を紹介したり、批評している本
- ポストヒューマンと文学と人間を含んだ自然をつなぐ本と言ってもいいかもしれない
- 一つ一つの章は短いが、そのカバーする範囲は広く、紹介されている作品も多彩である
- 十九世紀において既にポストヒューマンを描いていたポーの『使い果たされた男』人工的な毒娘が出てくるホーソーンの『ラパチーニの娘』破滅の未来を描くバチガルピの作品にトウェインの影響を読み取る「ポスト加速時代に生きるハックとジム」のなどの再評価から、伴侶種やクィア家族が生き生きと生活する上田早夕里『オーシャンクロニクル』シリーズや被害と加害の関係を撹乱しているジュリエット・コーノの『暗愁』マリー・クレメンツの戯曲『燃えゆく未来の世界図』における”核(によって結びつく疑似)家族”など、カバーされている視座は多様でとても面白い。
- タイトルの「波」とは、エコクリティシズムという文学研究における変化や新しい思想のメタファーのこと
- この本はそうした「実態に合わないメタファーを変えること」と「そうした『波』の先、エコクリティシズムというジャンルを超えた未来」の二つを志向する本でもあるのだ
NVC人と人との関係にいのちを吹き込む法 新板 マーシャル・B・ローゼンバーグ
- 相手に共感を示し、「心の底の欲求」を引き出して紛争を解決する、非暴力なコミュニケーション(Non Violence Communication)のすすめ
・アサーティブ・コミュニケーションと似ているが、言葉以外の行動や態度でも可能とするところが大きく違う - 例が多めなので、やり方はイメージしやすい
- 基本思想が、マハトマ・ガンディーのアヒンサーであり、自我の消滅なのでトリシューラやアキラくんとは相容れないかもしれない
- すべての暴力を解決する唯一の方法は、ひとりひとりが自分のストーリーを手放すことだ
→呪文系の【静謐】 - 妥協ではなく、紛争の当事者が互いに敬意を払って解決をはかること
- 道徳を持ち出す、比較をする、責任を回避するなど思いやる気持ちを妨げるコミュニケーションはやめよう
- 否定形でなく、何を望んでいるか肯定形で語ろう
- 相手にお説教をするのでも、盲目的に服従するのでもない、新しい選択肢を作り出すために役立つ本のひとつ
→サイバーカラテ、第一章のアキラくんなど - (どんなにささやかなものであっても)相手の言葉から自分への非難を感じると、人は相手の苦痛を聞き取ることが出来なくなってしまう
- 人は自分が間違いを犯したと考えたとたん、相手の苦痛をじゅうぶんには理解できなくなる
- 人の言動によって怒りが生まれることは絶対にない
- 人を裁くとき、わたしたちは暴力に加担している
- 「不注意な行動か、誠実な行動か」「貪欲な人か、高潔な人か」といった意識を少しでも持つなら、地球上の暴力に加担していることになる、と私は強く信じている
→【変数レイシズム】? - 道徳的価値判断より、自分たちが何を必要としているのかに注意を向けることで、人生により貢献できる、と私は信じている
- 怒りは、本当に必要としていることに気づくための、目覚まし時計として利用するべき
人生が輝く選択力 印南一路
- 個人の意思決定だけでなく、会議や団体の意思決定の効率化にも触れている
- 特に、予め起こりうる状況を想定して対応をチャート式で決めておく「自動選択機」がサイバーカラテっぽい手法
- 意思決定に関する基本的な知識は、個人レベルは認知科学、脳科学、行動経済学、統計学、オペレーションリサーチに。集団・組織・社会レベルは、社会心理学、政治学、公共政策論に分散しているらしい。
数学的決断の技術 小島寛之
- 確率を応用して意思決定する手法
- 主観的に確率を割り振ってみたり、自分の決断の癖を知ることで、決定しやすくする
- 四つの選択基準
- マックスマックス基準:可能な中で最大の利益に注目する
- 期待値基準:可能な利益の単純平均が最大のものを選ぶ
- マックスミン基準:最低でもいくらの利益があるかにこだわる
- 最大機会損失・最小化基準:「ああしておけばよかった」という後悔を最も小さくする
選択の科学 シーナ・アイエンガー
- NHKで「コロンビア白熱教室」として放送されたもの
- 選択は「今日の自分を明日なりたい自分に変える唯一の手段」
- 実験と検証を繰り返すことで直感が養われ、本当に重要な判断に集中し、より満足がいく選択が下せるようになる
- 死を選択とみなすことが苦痛に感じる人もいるが、その考え方に慰めを感じ、死が人生の選択の延長上に有ると捉える人達もいる
→全体的に、反・シナモリアキラ - 選択とは、自分自身や自分の置かれた環境を、自分の力で変える能力のこと
- 人間は、本能的に選択の自由を求める
- 選択するためには、まず「自分の力で変えられる」という認識を持たなければならない
- 選択は自ら切り拓くものであり、不可能だと思える状況も、選択を作ることによって克服できる
→アキラくん - 誰しも自分の人生を自分でコントロールしたがるが、その解釈は、その人が影響を受けた物語と信念によって変わる
→ヴァージリアとアズーリア - 個人主義イデオロギーは選択を「機会」という観点から捉え、個人には世界を変える力があるとする
- シンデレラなどでは、ヒーローやヒロインは、心からの望みを叶えるために努力しなければならない
- 誰が選択を行い、その選択がどのように行われるかに焦点があるため「いつまでも幸せに暮らしました」という結果に至る具体的な詳細は省略される
→コルセスカとルウテト - 「装置なしでは生きることが出来ず、生きても会話や思考できる望みが一切ない」障害児の死の選択
- 「情報あり、選択権なし」が(比較的に)一番親がラク
- 医師(権威者?)が、望ましい選択肢をはっきりと示すことで、困難な決定に伴う負担を軽減できる可能性がある
→サイバーカラテ - 目は見えないが「視覚言語」を使うことで、自分の経験を上手く語ることが出来ているという著者
→見えざる義肢エル・ア・フィリス - 選択をしないで済む方法はないが、必ずしもつらい思いをする必要はない
- 選択の全貌を明らかにすることは出来ないが、だからこそ選択には力が、神秘が、そして並外れた美しさが備わっているのだ
〈選択〉の神話 ケント・グリーンフィールド
- 法学者が書いた選択についての本
- 「私たちの選択は、さまざまな要因によって制限されているから気をつけましょう」というのは他の本と同じだが、法学者として知的共感の重要性を強調しているのが大きな違いであり特徴
- また、アメリカ文化の中核的な考え方である「選択の自由、それに基づく自己責任」に疑問を突きつけている
- 何らかの法規定と、政府によるその実施なくして、〈選択的自己決定〉という概念に中身はない
- 自己責任が選択そのものだけを表すと考えるのなら、それは実際には「責任」とは何の関係もなく、したがってまったく自己責任などではない
- 〈選択的自己責任〉という考え方は、選択と決定の連鎖の最下流、つまり最後に決定を下した人物だけに全ての責任を押し付けてしまう、という点でも問題である
- 中立を志向する「リバタリアン・パターナリズム」をさらに押し進め、悪影響にさらされている選択に介入や禁止を行い、人々が意思決定能力を行使できる領域を保護すべきだ
- 法や社会的政策は、よりよい選択を奨励し、そうした選択をするための能力を育むためのツールと見なすことが出来る
- 国民は、適切な判断を下すために政府の援助を望んでいる場合もあり、自己責任をとることが必然的に小さな政府の擁護を意味するわけではない
- 自己責任を遂行する方法は、法の力を借りて正しい方向に後押し(ナッジ)してもらったうえであっても構わないのではないか?
→道具(ツール)としての【サイバーカラテ】?
- 私たちの行動の多くは他者にもコストを負わせる
- リバタリアン的観点は、みてみぬふりをする際の心理的苦痛などのコストをたまたま居合わせた通行人に負わせてしまう
→シナモリアキラと片腕のホームレス、そしてカイン - したがって他者の自立や選択の尊重は(実際に誰もが自分の選択の代価を確実に支払えるようにするために)裁判や罰金という形で事後に、もしくは保険という形で事前に立法者や規制者が介入しなければならないということを意味する
- また、自分自身で選択する権利を信奉していると同時に、自分が時に選択をまちがえることがあると自覚している場合も十分にありうる
- さまざまな状況のもとでつねに適切な選択をできるようにする唯一の方法は、投票者としてより普遍的なレベルの選択をして、個々の状況のなかでの選択を禁じること(セイレーンの横を通る前にマストに身体を縛りつける等)
- リバタリアン的観点は、みてみぬふりをする際の心理的苦痛などのコストをたまたま居合わせた通行人に負わせてしまう
- 市場は抵抗不可能な深い影響力を持ち、選択を一定の狭い範囲に制限してしまう
- 市場では、先立つものがなければ選択の余地はないに等しい
- 市場は、市場自体を制約する手段を提供してくれない
- 市場には、経済力がない人が、自身の置かれた状況を改善する仕組みがそなわっているわけではない
- 人々がまっとうな選択を享受するためには、市場はコントロールされなければならないのだ
→【シナモリアキラ】(サイバーカラテ道場)の脆弱性?
- 知的共感(empathy)とは「他人の立場に身を置いて考えること」
- 知的共感は哀れみや同情ではなく、弁論の中に埋もれている状況(ストーリー)の個別的な側面に、献身的に耳を傾けること
- 法の正確性・明晰性は、専門家でない人びとが考えているより遥かに低い
- その本性として、法は、法の意思決定者と状況との「対話」を要請する(法のあいまいさによって、意思決定者は、状況の機微と特殊性を考慮するように強いられる)
→アズーリアの【呪文】?
- その本性として、法は、法の意思決定者と状況との「対話」を要請する(法のあいまいさによって、意思決定者は、状況の機微と特殊性を考慮するように強いられる)
- 本来、共同責任をとるべき人々が、他者に責任を押し付ける手段として自己責任のレトリックを用いているケースが、あまりに多すぎる
- 最終責任者の選択ばかりを問題にすることは、慈愛や慈善の心をもつことなく、安穏としていられるような風潮を生む
- そしてそれは、関心や責任を他者と共有しようとする感覚の欠如を助長している
- グループの同調圧力とグループ思考(先入観を強調し、対立する考え方を閉め出す)に注意
- 人間であるとは、恨み、同情、混乱、愛情を感じながら行動することだと言える
- 私達を取り巻く文化は、選択にも影響を及ぼすが、私達はそれに気づかない。魚が水に気づかぬように。
なぜ保守化し、感情的な選択をしてしまうのか シェルドン・ソロモン ジェフ・グリーンバーグ トム・ピジンスキー
- 死の恐怖が人間の思考や選択に及ぼす影響を、社会心理学の実験で立証している本
- 死の恐怖への自分の反応に気づくことで、選択の際にみずから決断することが出来る
- 人生には意味があり自分は重要で永続する存在なのだという(じつは心もとない)考えを維持するために、私たちは私たち自身の真実を信じなければならない
- 私たちの生き方全体、信じているものすべて、追い求めているものすべてが、別の世界観によって妥当性を疑われかねないのだ
→ソルダの二次創作嫌い?その他の迫害? - 文化的な現実認識が死の恐怖を抑えているからには、自分の信念に反する信念の妥当性を認めれば、自分の信念が押さえつけている恐怖そのものが解き放たれる
- 現実認識が異なる人びとを見下し人間扱いしなかったり、文化的に同化させ手なづけるのも、死の恐怖に対する心理的防衛の一つ
→槍神教の異獣認定や布教、天使化による取り込み - 死を超越する5つの超越モード:生物社会的超越・神学的超越・創造的超越・自然的超越・経験的超越
→万物と同化する自然的超越はトライデント、他は「聖婚」時のヴィジョンや「更新」っぽい - 二つのアプローチ「にっち」(二元論)とさっち(世界はあいまい論)
- 「にっち」には、象徴的な不死をもたらす処方箋と心理的安定感があるが、「我々」対「彼ら」という部族気質を育み、憎悪や対立をあおる
- 「さっち」は、意義や価値は人間が作り出したものであると認めることを意味する
- 人はそれぞれ、自分の断片的な経験を出会うアイデアや、「真実」と結びつけて、自分が生きている現実を構築し、その世界を最大限に利用できるような人になるのだ
→【紀元槍】をハッキングして、偏見を書き換えるアズーリア - 「さっち」は、もっと思いやりのある世界観を生むかもしれないが、死の不安を和らげる効果はあまりない
- どうにかして、心理的安定感と寛容さを両立する世界観を作り出す必要がある
悩み方のレッスン 「助けて」と言えないあなたへ ジュリアン・ショート
- 行動を通して、自分の感情を制御しようと訴える本
→サイバーカラテ? - 文章は要点を抜き出しづらいが、その視点は重要かも
- 人間関係をコントロールすることこそ、自分の感情をコントロールする最上の、そして確実な方法
- 自分の感情をコントロールするには、よく考えて、ほかの人びとからポジティブな反応を引き出すような行動をすること
- 他人に「価値がある人」と思われるように振る舞えば、その周囲の反応の影響を受ける自分の感情も制御できる
- 感情を否定したり抑圧してはならないが、感情の表現のしかたは良く工夫する必要がある
- あなたが得た愛や強さを「自分を観察する自分」が算定したものーーそれがあなたの自尊心です
- 外側から見てるように思える「人の目」も、その正体はこの内なる自分かも
- 自尊心とはアイスクリームサンデーのようなもの
- 「愛」と「自尊心」二つのアイスの大きさが等しくなくてはならず、そうしてバランスが取れてないと上手くいかない
- 愛されても自分らしさを保てなければ心が満たされないし、誰にも愛されなければ世界を動かす力を得ても何の意味もないし喜びも得られない
- 強さとは、自分らしさを攻撃的にならずに主張する能力
- 私たちの感情が求めるものは、二種類だけ
- 1 人とつながりを持ちたい
- 2 自分だけの空間(テリトリー)を持ちたい
- 人から愛され自分を愛するのに、完璧な人間である必要はありません
- 自分がこうなりたい、人からこう見られたいと思っている人物がするような行動を取る
- 自分で自分を好きと思っている人らしく振る舞う
- 迷ったときには愛を与える
- いつも相手が「自分を好ましく思っている」と信じているかのように対応すること
欲望について ウィリアム・B・アーヴァイン
- 欲望について研究した本
- 望ましくない欲望を消し去る「特効薬」は無い
- 私達にはBIS(生物学的インセンティブ・システム)があり、それは人類の繁栄のために、欲望を使って私達を動かしている
- 「足るを知らざるより大いなる禍はない」
- しかし、欲望が無ければ人は何も決断出来ない
- 仏教:達磨大師の教え、平安が無いというなら、その不安な心を取り出せるか?取り出せないなら、それが平安だ
性・性愛・聖婚関連/その他
ありすぎる性欲、なさすぎる性欲 ウィリー・パジーニ
- セックスカウンセラーの著者が、色々な人の性欲や性問題への対処を綴った本
- 色々な性や性欲について、気楽に読むのに向いており、サディズムやマゾヒズムについても記載がある
- 心理学者ダスティ・ミラー:女性は昔から、相手に対して反撃すべきではないとされている
- そのために、心の傷を負った女性たちは、自分自身に対して攻撃的な行為に走ることになる
- ロバート・ストーラーの記事:異常な欲望は、以前に体験した苦しみを乗り越えるために生まれたもの
- サドマゾ愛好者の多くは、幼児期に肉体的にも精神的にも苦しい、ひどい病気に苦しんだ経験をもっています
- そんな耐えがたい状況から逃れるために、苦痛の中に性的な刺激を感じるような極端な能力を身につけたのです
- それで彼らは生きる悦びを感じるのです
→かつてのメートリアン?
井田真木子著作撰集 里山社
- 『プロレス少女伝説』など、対象に真摯に向き合って書かれたノンフィクション集
- ゾーイ・アキラが好きな人などに、オススメ
- 「私は女だし、私の体は、女の体なんだよ。自然な女の体だよ」
- 「いつも、自分の身体も心も、大切にして生きたもん。男に生まれてたらよかったのにってのはよぅ、だから、ゲスな考えってんだ」(神取しのぶ)
1冊で知るポルノ デビー・ネイサン
- 短めで分かりやすいボルノとその批判の歴史、そしてさまざまな面から見たその実態
- 本書の目的は読者に情報を与え、現代のメディアや文化の中で「成人向け娯楽」の世界にどう向き合うかを、読者自身で判断してもらうことにある
- ポルノを利用する人たち、特に、セックスについて急速に知識を吸収している若者には、ポルノは演技であり実生活ではないと理解することが求められている
- けれども事実と虚構を分けて考えられるくらい世の中のことに通じていれば、ポルノは恐ろしくもないし危険でもない
- ポルノが長期的に有害であるという「確証」が研究や調査から得られたこともない
- 疑問がつきまとうためにいつまでもなくならず、発展し続ける、おそらくそれがポルノの本性なのだろう
- テレディルドニクス:遠隔地どうしで擬似セックス出来る機械
- ポルノ研究家のジョセフ・スレイドによれば、ポルノの定義の一部はテクノロジーと身体のコントロールであり、二つはいろいろな意味で分けられない
- ポルノは、イカロスの翼のような魅力的で同時に恐ろしい「快楽のテクノロジー」なのだ
- (ネット含む)テクノロジーの使い方を(利益第一の大企業が決めるのではなく)人々が決める社会を作るために、市民が一役買うよりも刺激的なことがあるだろうか。
→サイバーカラテ? - 女性向けの露骨なセックス描写でも、ロマンスやエロティカと呼ばれる女性向けは規制されていない
- ポルノ制限を廃止したデンマーク、西ドイツ、スウェーデンは、逆に性犯罪が減少した
- 「バトラー判決」をもとにポルノが規制されたカナダでは、ゲイやレズビアン向けのもの、そしてポルノ批判派のアンドレア・ドウォーキンの本まで没収され、後者は現在でも発売禁止である
- ポルノは矛盾だらけだが、女性運動もまた矛盾に満ちている
→【変数レイシズム】? - ポルノのイメージの受けとめ方は、男女とも一人ひとり異なることが明らかになってきた
→『アリス・イン・カレイドスピア』ラストの【邪視】破り? - ポルノは、自分の体やセックスにコンプレックスを持ちながら成長した大人たちにとって、実際に役に立つことがある
- またポルノは、性的興奮を感じてもパートナーがいない人びとに、代わりのものを提供できる
- ポルノはファンタジーであり、実生活とのつながりはほとんどないが、満足やよろこびを得る人もいる
- 男性にとって、女性がモノである以前に、ペニスがモノであり、ポルノはそうした女性とセックスを客観視するという傾向を助長する
- 女性ポルノ映画監督トリスタン・タオルミーノ:ポルノに女性の快楽が欠落していることは不愉快としか言いようがない。
- ポルノを作ることはひとつの政治行動だと思う。
- それは、女性運動のさまざまな活動と同じように正当で価値ある行動だ
- アメリカでは「アマチュア」という、ただ自分の性行為を映像化するのが好きな素人が撮るポルノが、急増している
- ハンガリーなど貧困国では、貧困のためポルノ出演希望者がたくさんおり、貧困ムードもポルノに利用されている
- ポルノには教材としての可能性がある
- ポルノを見たことで、精神が不安定になるという意見も
- セックスは金になると言われているが、実際に売れるのは実はセックスではなく恐怖だ。これを買わなければ美人になれない、美男子になれない、幸せになれないという恐れである
→ミヒトネッセ? - ほんとうに脱ポルノ化を望むのなら、セックスへの興味と性的イメージは人間の条件の一部だということを受け入れ、あるいはいっそ賛美しなければならないだろう
- さらに、民主主義と市民権という魅惑的な概念を受け入れなければならないだろう
- 貧困や抑圧や無知のために誰かほかの人の性的欲望を演じる必要など存在せず、だれもが自分の性的欲望を表現する権利を持つ、そういう世界よりも興奮させるものがこの世にあるだろうか
- 型にはまったパターンに従うのではなく、自分自身を地域社会の一員であり複雑な個人であると理解することで、若者が自分を知る助けになる性教育より刺激的なものがあるだろうか
男が見えてくる自分探しの100冊 中村彰 中村正
- 「男」についてのブックガイド
- 97年刊行の古い本だが「男らしさ」の弊害から老年期の性、イクメンの本音や男が受け身のセックスまでカバー範囲は幅広い。
- ハゲ、男にとっての出産、美男のすすめや性的不能者裁判など、レアな題材を扱った本も多い。
- これから男がどう生きていくか考えるには、読んでおいて損はないと思う。
→イアテムやミヒトネッセ、グレンデルヒに勧めたいブックリスト。「男らしさ」から「自分らしさ」へ移るヒント集。
「男らしさ」の快楽 宮台真司 辻泉 岡井祟之
- 「男らしさ」の肯定的な側面を見直そう、という危うい挑戦をしている本
- 「男らしさ」を全て捨て脱ぎ捨ててしまうのではなく、むしろ徹底的にそれに内在しながら、よりよいものへと徐々にずらしていくこと、その方が責任ある態度とは言えないだろうか
- それがあくまで「ふるまい」である以上、(「男らしさ」は)「男性」だけが行うべきものではもちろんなく、誰がおこなっても良いものである
- 超越性・ここではないどこかへは、男性と絶対に結びつく志向ではないが、近代では男性と結び付けられてきた
- だが、軍事が敗戦で駄目になり、そうした超越を追求する趣味は、鉄道という形で残るようになった
- 超越性も「ここではないどこか」という未来、外国からの輸入で発展してきた時代には適切な「ふるまい」を仕込む文化であった
- 「自分らしく生きるためにやる」という自己準拠性も、「自分らしさ」とは何かという問いに「自分らしさ」と答えるしか無いトートロジーにハマってしまう
- むしろ「男らしく」+「群れよ」集団関係性を養いつつ、内側からホモソーシャリティを基盤に、内側から「男らしさ」をズラせ
- 「男らしさ」を「男らしく」脱ぎ去るだけでは「再帰性の泥沼」へハマってしまう
- あらゆる空間を「舞台」として客を集め、もてなして繋ぎ止めるホスト
- ホストたちの「男らしさ」は他者志向型であり、相手と場面に合わせて変わる
- いわば、洋服のようにコーディネイトしているといえる
→六王とクレイ?シナモリアキラ?
恋をしまくれ 田嶋陽子
- フェミニズムの代表的論客による自伝的エッセイ
- 乙女ゲーム並にバラエティ豊かなイケメン(すごく性格が良くて紳士的な男性)たちが登場する恋愛譚は、読む人を選ぶかも
- 父親から愛された実感が無かった著者が、愛と自分の人生を求めた放浪記であり、愛されたい願望を克服するまでの話
- 自分が自分であること、そしてそのための仕事が一番大事であり、それは何物にも代えがたい
→マラード、アレッテ
少女と魔法 須川亜紀子
- 「ガールヒーローはいかに受容されたのか」とあるように、魔法少女アニメとジェンダー・アイデンティティについて研究した本
- 女の子向けアニメがどんな少女像を描いているかだけでなく、実際に見ていた女性視聴者の受け止め方や理解も、しっかりと分析しているのが特徴
- 日本におけるフェミニズムの流れとともに、魔法少女にまつわるイメージがどう変化していったかを追っている
→コルセスカやトリシューラ、アズーリアなど魔女たち
SHOWROOM
- 双方向のやり取りが売りの生放送配信サービス
- アーカイブが残らないため配信は常にナマモノであるが、それもまたライブ感をかもしだす長所でもあったりする
- このサービスには「星」もしくは「種」という視聴ごとに無料でもらえるポイントがあり、イベントの順位は主にそれを視聴者がどれだけ集めてこれるかで競われる
- しかし、有料のギフトなら無料と同等以上の効果を短時間で発揮することも可能であり、ある意味、金で努力の成果をあがなえるシステムであるとも言える
→サイバーカラテ - さらに、このサービスは、配信者同士のみならず視聴者同士も序列化されており、配信内やイベントにおける貢献度などの順位が明示される仕組みとなっている
→【天獄】?アイドル迷宮?
女性学/男性学 千田有紀
- 歴史的に男女の性差がどう扱われてきたのかをはじめ、フェミニズムやウーマンリブの簡単な歴史や概要などを、分かりやすく紹介している本
- 男性学についての記述は少ないが、そのぶん、参考文献リストもついている
- 男女に違いがないという見方から、違いがあるから、女性が「自然」と「文明」のその時悪く捉えられている方に属していると押し付けられるようになっていった
→イアテム、ミヒトネッセ、グレンデルヒ - 近年では、女とはなにか、抑圧者とは誰か自体がゆらいでいるという
- 田中美津の発言など、生産性の論理に反対したゆえに、後世にあまり受け継がれなかったウーマンリブ活動の記述が、パワフルでとても面白い
- 「便所のワタシと汚物のキミよ」
- 被抑圧者の日常とは、抑圧と被抑圧の重層的なかかわりのなかで営まれる
- 「解放」は、最終的に自己解放でなければならない
- 自分の問題が、他のひとの問題とどうつながるかを考え、自分の解放が他のひとの痛みをどう伴うのか、その痛みをともに考えること。
- そしてときには、その痛みをそのまま、誠実に引き受けること
- 親から自立するときのように
- そして「自分の立場からは、あなたの問題はこうみえるのだ」と発言することを忘れない
- 他者性と他者性がぶつかりあえば、共通点と相違点がわかるから、連帯し会えるところは連帯し、差異は差異として尊重すべし
性食考 赤坂憲雄
- 性と食とタブーについてのエッセイ
- 深い考察はないが、触れる範囲は広く、ハイヌウェレ神話や生贄、異類婚姻譚についても触れている
- もっといい本が見つかったら、忘れても良い本かもしれない
性暴力 読売新聞大阪本社社会部
- 性暴力の被害者だけでなく、性暴力対策のQ&Aや性犯罪者更生に成功したカナダの取り組み、被害者を支える米国の性暴力対策チームの活動などを幅広く扱っている
- 性暴力の被害者への二次被害を防ぐために、社会全体に性暴力被害の実態を知らしめ、被害者へ適切な配慮ができる社会へ変えていくことが必要である
性的問題行知的・発達障害者の支援ガイド 本多隆司 伊庭千恵
- 副題に「性暴力被害とわたしの被害者を理解するワークブック」とあるように、性暴力を理解しづらい障害者にその痛みを教え、犯罪を繰り返さないための習慣を学ばせるためのテキスト
- 普段の行動の癖、パターンが犯罪と結びつかないように訓練するための本
性の進化論 クリストファー・ライアン&カシルダ・ジェタ
- 人間の性の進化に対する「通説」(スタンダード・ナラティヴ)を否定し、一夫一婦制や闘争・騙し合いが人類本来の姿ではないと説いている本
- 「通説」では、人間は一夫一妻が基本であり、男女は互いに異なる生殖戦略をもって争い合い騙し合うとされている
- しかし、この本によればそれは農耕以後の新しいふるまいであり、それ以前の人類は一夫一婦制に束縛されない「乱婚」性だったという
- この本の著者たちは、性的な貞操に対する考え方をもう少し柔軟なものにすれば、結婚はもっと安定するし、それによって社会や家族の安定性も増すはずだと主張している
- 彼女たちは、本書によって、人間のセクシャリティに関する議論を促進すること、それによって人間とはいかなるものであるかについて、その現実をもう少し見つめるようなってくれることを望んでいる
- 「フリントストーン化」:人間は、過去を推測する時に現在の道徳を反映させてしまう、現象
- ホッブズもダーウィンも自分の社会を普遍的なものだとして自説を描いてしまった
- この本が定義する「乱婚」(プロミスキュイティ):排他的な独占が無い性関係。一定数の継続中の性的関係を同時に結ぶこと。
- 無差別なパートナー選びや行き当たりばったりの見知らぬ個体のセックスではない
- 狩猟採集社会では、資源も性も全員の共有物であり、おそらくそれが唯一の生きる道だった
- 子どもの父親が分からない状況や複数の「父親」が産まれてくる子供に影響を与えると考えられている社会では、複数の父親の存在が子供をより強力に支えるのである
- 農耕と牧畜の開始が私有財産を作り、父親であることが重要で女性の地位が低下した社会を作った
- モソ族:中国雲南省と四川省の境に近いルグ湖を取り囲む山々のふもとに住む
- ルグ湖を母なる女神、湖を見下ろすガンモ山を愛の女神と敬っている
- モソ族の語彙には、「夫」や「妻」を意味する言葉はなくアズフという「友人」を意味する言葉が代わりに使われる
- 外国人と人妻のセックスが奨励されたりもしているが、それは成人であれば誰でも性的な自律性が厳格に守られているから
- 人類学者に散歩結婚と呼ばれているモソ族の社会制度「セセ」の実態は、結婚などではない
- 「セセ」には、誓いを交わしたり、財産を交換したり、子供の世話や貞節を求めるというようなことは、一切関係ない
- マーガレット・パワー『平等主義ーー人間とチンパンジー』
- チンパンジーは野生状態では平和的だったが、人間が餌付けを始めたために攻撃的になってしまっていたのだ
- それまでチンパンジーは毎日食べ物を求めてジャングルに散らばっており、互いの助け合いが全ての個体の役に立つ環境だった
- しかし、毎日同じ場所で、簡単に手に入る食べ物は限られた量しかないということをひとたび学んでしまうと、チンパンジーはだんだんと攻撃的な群れを作り「戦争」をするようになってしまうのである
- 人間の餌やりがゼロサムの環境を作り出したのだ
- 狩猟採集社会では、争ってまで奪い合うような資源は存在せず、人口の増大は集団を分裂させるが戦争の条件とはならない
- 自由(戦争からの)というのは、失うべきものがなにもないーそして獲得すべきものも何もないーことの、また別の謂であ-
- 過去の人類の社会行動は化石に残らないが、状況証拠や解剖学的な証拠から推測することは出来る
- リチャード・ドーキンスは確かに「利己的な遺伝子」という概念を生み出したが、同時に、彼は集団の協同性を、個体が目標に向かって前進する(それによって各個体の遺伝子の利益も増大する)一つの手段として見なしていた
- 経済学の中心を構成している「ホモ・エコノミクス」という原理は、一つの幻想・神話でしかない
- 共有地の悲劇も囚人のジレンマも、誰もがお互いの顔を見知っている小規模なコミュニティでは存在しない
- 匿名で運営されるような大規模な社会では共同所有はうまくいかないが、小規模なコミュニティでは現代に至るまで普通に機能してきた
誰も教えてくれない大人の性の作法(メソッド) 坂爪真吾 藤見理沙
- 現代ではまだ珍しい「パートナーを持たない」「非正規」「未妊」の方へ向けた話もある、大人のための性の本
- 男性側と女性側、それぞれの視点から書かれた章もあり、真摯にリアルな性の問題へ向き合おうとしている
- 制約こそが自由を担保するのであれば、私たちが性的に自由になるためには、性に関する作法(メソッド)を獲得する必要がある
→グレンデルヒ、イアテム、ミヒトネッセ的なヒトやその邪視に負けないために必要な知識
なにもかも話してあげる ドロシー・アリスン
- 原題は「私が確かに知っている、二つか三つのこと」
- アメリカ白人下層階級の出身であるレズビアン作家の自伝
- 空手と長い時間、そして物語の力によって生き抜いた人生が語られている
- 自分と違って美しかった妹との、時を経た和解のエピソードもある
南極1号伝説 高月靖
- ダッチワイフについて、詳しく調べたノンフィクション
- ダッチワイフの歴史だけでなく、メーカー3社や利用者のインタビューや豊富な写真も載っている
- 離婚歴があるユーザーの存在、障害者や高齢者など性的な問題や孤独を抱える人向けの需要があることや、技術的な問題点や製法についても記述されている
にじよめちゃん
- 株式会社エイシスが運営するオンラインゲームサイト「にじよめ」のマスコットキャラクター
- パーンに匹敵する逆補足力
- 「誠意」を要求して許されるそのキャラ性と人気、そして「中の人って要らなくない?」と語るその存在感
- きっと彼女こそ、紀人としてのトリシューラとシナモリ・アキラが目指すべき目標であるに違いない
- にじよめちゃん:ニコニコ大百科
日本の童貞 渋谷知美
- 日本における「童貞観」の変遷を辿った本
- 童貞を守り通すことに、価値を認められていた時代もあった。
- 四章で、処女がたびたび話題に出て来たし、ここは一つ、対抗して童貞の価値を検討してみてはどうだろうか?
裸はいつから恥ずかしくなったか 中野明
・日本人の裸への意識の変化を追った本
・日本人にとっての裸は、文明開化の時代までは、顔と同じく恥ずかしがる対象ではなかった
・しかし、外国人の二つの視線=裸のワイセツさを非難するタテマエの「冷たい視線」とスケベなホンネの「熱いまなざし」が日本人の意識を変えてしまったのだ
・隠すことで、裸は西洋と同じワイセツでエロティックな存在になっていった
→【邪視】による文化の浸食。それとリールエルバ
・また、この本には、「日常的に裸で過ごす日本人」と、それを文化の違いだと受け止める「異文化に寛容な外国人」も出てくる
・どちらも、生命力に溢れていて魅力的であり、その部分だけ読んでも楽しめる本である
光源氏になってはいけない 助川幸逸郎
- 『源氏物語』の陰に潜む摂関政治の政治力学
→【使い魔】特にクロウサー一族 - 様々な姫の恋と幸せの話でもある
- 「特別な自分」として大事にされることを求める女性たちと、興味本位や他の男性への対抗意識で付き合ってばかりの男性たち
- だが、どんな生き方も人間的であり、貴賎は無い
フランス人の性 なぜ「#ME Too」への反対が起きたのか プラド夏樹
- 一人の女性ジャーナリストが見た、フランスの性教育や性文化をまとめた本
- 単なるフランス持ち上げではなく、セクハラや不本意なセックスを訴えにくい、性生活を充実させるべきという強迫観念があるなどフランス文化のデメリットも描かれている
- フランスにおける「性」や恋愛は、歴史的に民衆が勝ち取ってきた「自由」であり重要な「権利」であった。
- 「女性も自分が望むセックスをイメージして、相手にはっきり伝えよう。自分の欲望を表明できるようになれば、ノーもはっきり言えるようになる」
- たしかに自分でなにも語らず無反応のままでいるのに、相手に「支配するな」とだけ言うのはズルい
- 「性」は私たちのもの、その字の由来どおり「生きる心」である
- 最低限の枠組みは理解する必要があるが、それ以上は誰にも指図されたくない。
ポルノグラフィ防衛論 ナディーン・ストロッセン
- ポルノ規制反対派のフェミニスト女性が書いた本
- 事例や資料はかなり豊富だが、その分分厚いのが欠点
- ポルノ規制派がもたらした検閲の害と、本当に有効な女性差別対策について書かれている
- 言論の自由を失うということは、これまでに苦労して切り開いてきた道を後戻りすることなのである
- ポルノグラフィの検閲を行ったところで、女性蔑視による暴力や差別が減少するわけではない
- 検閲とは、他者が何を読み、考え、どのように行動するかを管理する必要の結果として生まれたものである。
- 文化に支配されているという気持ちが強くなれなばるほど(文化との協調関係が薄れれば薄れるほど)検閲への意欲は高まる
- ポルノグラフィに反対するファミニストたちは、性差別主義と暴力が支配的な文化から、攻撃を受けていると感じている
- 歴史を通じてすべての検閲は、弱者である人びとと現状に闘いを挑もうとする人びとを沈黙させるために偏って用いられてきた
- ポルノ規制やセクハラに過敏な動きは、性教育の阻止や、ゲイ・フェミニスト・レズビアンたちの抑圧に使われている
- 癒やし文化は、自己を尊重し、心理的安堵感や快適さを求める気持ちを高めるが、それは結局、不快で虐待的な表現に対する検閲へと発展するものなのである
- 言い争い、批判的な尋問、騒々しい意見の好感は「不快」だという理由で除外される
- ポルノグラフィも「不快」であるため、発言する権利を追求するよりも、不快でないことを過剰に追求する文化においては、とりわけ攻撃の対象となりやすい
→ヴァージルの【健康】?
- 言論の自由を保障するために、その言論が心地よいこと、社会的に発展性があること、不快でないことなどを証明する必要はない
- 公民権の根底には、言論は本質的に価値を有しているという信念があり、それは発言内容の価値にかかわらず、発言する権利があることを意味している
- 必要なのは、自由を強く求める気持ちだけである
- 女性の扱いに特別な気遣いを要求するということは、女性は小さくか弱い存在で、不快なことを聞くことも耐えることも、男性にとってはごく普通の苦難に対処することもできないと暗に言われている様なものである
- これこそが、女性に対する侮辱だ
- 性差別主義が横行する法曹界に女性が進出していくためには、女性をまったく対等な相手として遇し、平等の利点だけでなく重荷をもひるまず与えることが、最良の方法なのである
- 国家が「女性のため」に介入せずとも、好みのポルノグラフィを読み、鑑賞し、制作することは一人ひとりの女性の権利であり、一人ひとりの責任である
- これが、自由社会においてフェミニストである大きな利点だ
- 女性は、自由か安全か、言論か平等か、尊厳か性か、という二者択一を迫られるべきではない
- 女性は、性的存在であるために、その他のアイデンティティを放棄する必要はないのである
- 私たちには、個人としての安全をあきらめずとも、セックスや性的表現から得られる興奮を享受する権利がある
- 私たちは、他者の権利を抑圧することなく、言論の自由や平等権を行使して、性的表現も含めたあらゆる種類の性差別的表現を糾弾することができるのである
- 私たちが真に必要としてるのは、政府の侵害から私たちの自由や自治を守ることなのである
- 検閲賛成派のフェミニストが、彼らに反対する女性たちを自分の考えを持たない「ヒモ」や「ポルノグラフィ業者」の手先と決めつけている事実は(彼らが非難するポルノグラフィと同じように)彼らも女性を従属的で劣った存在とみなしていることを示している
- 1927年”ホイットニー対カリフォルニア州”裁判のブランダイス裁判官:論じることによって嘘や偽りを暴き、教育を通じて悪を防ぐ時間があれば、沈黙を強いるのではなく、より多くの議論をつくすことが解決策となる
- 社会心理学者の立場からすれば、どのような思考からどのような行動が導き出されるのかを、確定することはできない
- 私たち人間が人間であるゆえんは、考え、学び、解釈し、それをまた再解釈し、様々な角度から文脈を読み取る力だ
→【呪文】
- 私たち人間が人間であるゆえんは、考え、学び、解釈し、それをまた再解釈し、様々な角度から文脈を読み取る力だ
- 文章や映像に接した時に生じる相互作用は、個人によって様々
- 性や性的関係そのものは、本来個人的なものであり、一人ひとりの精神や生活と最も密接に結びついてるものであるため、性的な描写に対する反応や解釈も、非常に主観的で個人的なものになる
- キャロル・カッセル「セックスは、昔から商品だった。貴重な権力の源だ。性を商品にできるのは、女性だけだ」
- ナンシー・フライデー「女性はセックスを出し惜しみすることで力を得てきた」
→【邪視】
- ポルノグラフィの肯定的側面
- 検閲賛成派フェミニスト自らが立証しているように、社会にはびこる女性への差別や暴力へ人びとの関心を向けさせるという重要な役目を果たすのが、ポルノグラフィ
- (アメリカのポルノは基本的に女性主導であり)女性やフェミニストにとって肯定的な映像や概念を表現しているものが多い
- あらゆる種類(外見・人種・年齢の人物が登場する)のポルノがあり、すべての人間に平等。自分たちの欲望や快楽の正当化し、自分の性的な可能性を確認する一助となる
- 一人で性的快楽を得ることによって、性的に自立できる
- ポルノ規制の害と、本当に有効な女性差別への対策
- トーマス・シャイロ1981インディアナ州で強姦殺人:暴力的なポルノの影響による情状酌量を主張した
- ポルノ有害論は、性犯罪者の責任を軽減させてしまう
- 政府は、性暴力や虐待の被害者支援のために資金を提供するのはもちろんのこと、性的暴力の原因究明や予防策へも資金を提供するべきである
- シャーリー・フェルドマン・サマーズ:かなりの割合の性犯罪者が、性的に抑圧的な環境でしつけられ育てられていることを示す根拠もある
- 性犯罪者を公の場であざ笑い、屈辱を与えることによって、恥の概念を呼び起こし、効果をあげることができるのだろうか?
- 強姦被害者のほとんどは男性であり、さらに被害者のうちのかなりの数の男性が、今度は女性を襲う
- エドワード・ドナーシュタインの実験:暴力的なポルノで否定的な見方が強まった男性も、追加情報で影響を打ち消し、それ以上の効果を得ることができた
- 真実が彼らに考えを植えつけ直したのだ
- さらに、女性嫌悪的な内容とフェミニスト的内容の両方に同時に接した場合は、後者だけよりはるかに否定的な態度が減った
- 情報を制限するのではなく、教育、情報、批判的な鑑賞力の育成などを通じて、性に関する情報を強化することこそが解決策
水子 〈中絶〉をめぐる日本文化の底流 ウィリアム・R・ラフルーア
- 日本の中絶にまつわる文化と思想を、アメリカ人が研究した本(解説から読むのがオススメ)
- 西洋では、中絶をめぐって社会が二分されるのに、なぜ日本ではそうした意見の対立が起こらないのか?
- 筆者の視点は、皮肉っぽくもあるがそれなりに中立的であり、日本全体の思想の多様性や、中絶をしなければならなかった親たちの事情にも配慮している
- なぜ、地蔵菩薩(子どもの代替の役目も果たす)の傍らには風車が立てられるのか、去る者は「日々に疎し」ではないと、祈祷者は詠唱するのか
- 胎児の「この世」の兄弟姉妹たちを霊園に連れて行って紹介するのはなぜか、映画「E.T.」を一緒に見に行こうとお墓に向かって話しかけさえするのは、なぜか?
- 水子供養は、親が中絶をすることと、人間的で思いやりのある存在だという自画像を保つことと、その両方を可能にしてくれるのだ
- この供養によって、日本人は中絶を無条件に禁じるか、それとも単に不活性な物質として胎児を処理するか、の二択に縛られなくてすむのである
→扉の向こうのエントラグイシュ - 儀式のなかでも特に罪と謝罪の儀式とは、何が起ころうとも、人が「そうありたいと願う人物像がいまだ無傷のまま残っている」という感覚を確証してくれる形式なのだ
- いうならば、儀式は人々に能動的な反応を引き起こし、人々を「演じる」のだ
→四章「断章編」 - 実のところ儀式は自己反省的なものであり、儀式のなかにいることは、すでに仁のうちにいることを意味している
→再帰的? - 私たちが倫理的思考と呼ぶものは、たいてい「使えるかぎりのがらくたを寄せ集めて」作られた道徳的ブリコラージュである
→サイバーカラテ? - 人口過剰の危機が迫りつつある今、日本の水子供養に西洋社会は学ばなければならないだろう
欲望のゆくえ 子どもを性の対象とする人たち 香月 真理子
- 幼少期に性犯罪の被害を受けた著者が、さまざまな児童性愛者にインタビューして、その謎を探るノンフィクション
- 2009年の本なので法律関係の記述は古くなってしまっているが、インタビューの質は高いため、現在でも十分に通用するだろう
- 取材の結果、見えてきたのは、彼ら一人ひとりに生き様があり、物語があるということ
- 彼らを孤独に追い込まないことこそが、子どもに対する性犯罪の抑止にもつながるものと信じている
- 性犯罪の被害は、一度忘れても不幸な事件をきっかけに思い出し、全てを性犯罪のせいにしたくなることがある
- 「美しく繊細な少女ほど、不幸な事件に遭うことが多い。私たち大人は可能な限り、子どもたちを守っていかなければならない。美しく大切なものを守らないで、いったい何を守るというのでしょうか」
- 「異性愛を法律で規制しても誰もが同性愛者になれないように、いくら規制をしても小児性愛はなくせない。最後の砦である児童ポルノ(幼女アンドロイドソープ、リアルCG漫画などで良い)を無思慮に規制したら、今度は現実の女児に向かいかねない」
- 「分からなくて怖いものを排除しようとする規制推進派からは『被害者も加害者も生み出さず、子どもや小児性愛者を含むすべての人がしあわせに暮らせる方法を確立しよう』との観点が、抜け落ちている」
- すべての人が幸せになるために必要なのは、違いを見つけて対立を深めることではなく、共通する部分に目を向けて対話を重ねていくことだ
- 性犯罪被害者が、加害者に転じることも。「自分が身体の”境界線”を踏みにじられたことにも気づけない人間は、他人の”境界線”に侵入してしまっても気づけない」
→セージ? - 「その失敗の教訓を活かすため、性加害者を防犯の専門家として雇うべき」
- 「僕にとって性暴力は”言葉にならない言葉”でした。だから、僕たちは何よりもまず、自分の気持を伝える性暴力以外の表現方法を手に入れないといけない」
- ジュニアアイドルの母「子どもを性的な目で観る人は、小学生にしては胸が大きいだけでもそういう目で見る。表に出て何かをすれば必ず、そういう人は出てくる。水着以前の問題の気がする」
- 矯正教育も「自分はどうなりたいか」「頑張れば、これだけのことを達成できる」という希望に焦点を当てながら、自分も満足でき、かつ被害者を出さない生き方を考えたほうが、スムーズにいくという
- 「漫画も、性刺激を過剰に取り入れることによって、頭がセックスでいっぱいな状態を助長するものであることには変わりない」
- 「成人の場合は、誰しもが何らかの性的ファンタジーをもっていることも事実。セックスをすべて目の敵にして、何にでも検閲をかけていたら息苦しい世の中になってしまう。バランスが難しい」
あ行
愛されたい!なら日本史に聞こう 白駒妃登美
- 戦国から幕末にかけての偉人に学ぶ愛され方
- 戦国から幕末にかけての偉人に学ぶ愛され方
- トリシューラ向け
- 信頼され、愛される条件は「相手の自己重要感を満たすこと」
- 著者の名前に反して、意外とキラキラはしてなかった。
青の歴史 ミシェル・パストゥロー
- 異界と死者の象徴として忌まれ無視されてきた青が、世界中で最も好かれる色となるまでの歴史
- イェツィラー
悪魔の文化史 ジョルジュ・ミノワ
- 悪魔の歴史
- キリスト教的な神の対立者から、民衆の道化師、ロマン派にとっての「反逆の英雄」まで幅広い悪魔像をカバーしている
- エロい告白して、自分から魔女として裁かれようとした老婆の話なども載っている
- ルベール・ミュッシャンブレ『悪魔の歴史12~20世紀』も悪魔イメージの変遷には詳しい
→アキラくんも「異界の悪魔」扱いされているらしいので、参考図書にどうぞ。
朝目新聞
- 有名アニメやマンガをパロディしたネタ絵が集まることで有名なサイト……だったが、現在その役割はほぼ終了している
- ニュースサイトとしては現在でもまだまだ健在であり、オタク系を中心とした幅広い話題を取り扱っている>
- ギャラリー「アサメグラフ」では、往時の面影を偲ぶことが出来る
『あしたのジョー』と梶原一騎の奇跡 斎藤貴男
- 『夕やけを見ていた男 評伝 梶原一騎』に加筆修正したもの
- 最も有名な漫画原作者の一人であり、子どものような純粋さと暴力性を併せ持っていた男、梶原一騎
- これは、不器用ながらも人の心に残った、彼の生きざまの物語
- 彼の作品は、現実の格闘技界と重なって栄光をもたらし、そして破滅させた
- そう、彼自身さえも
危ない精神分析 矢幡洋
- 1980年代後半から90年代に流行した「記憶回復療法」の害悪について説いている本
- ジュディス・L・ハーマンたちカウンセラーが、患者に思い出させた「抑圧された記憶」は、ニセモノであり、彼女たちが作り上げた「物語」=【呪文】だった
- トラウマの記憶を追い求めた「記憶回復療法」に、大きな問題があったのだ
- いかなる記憶にも再構成のプロセスが存在しており、また記憶は「他者による暗示や誘導」をすごく受けやすい
- そもそも精神分析だけでなく、現代社会自体に、問題を機械の故障に見立てるような「直線的因果論・原因強迫」が染み込んでいるのだ
- しかし、機械的な修理モデルを適用するためには、対象が閉鎖的な系であり、メカニズムを配線図のようなフローで表現できる、故障の位置を限定できる、修理する比較的確実な手段が存在するという条件が必要
- それに、我々は日常そうした「原因究明型」の問題解決法ではなく「軌道修正ーフィードバック連鎖型解決法」を使っており、原因を探すより、とっさにやり方を変えて成功する方が多い
- 日本社会が精神分析を受け入れたのは、精神分析の持つ「相手が何者なのかを決めつける」という権威性を欲したからではないだろうか?
アフリカ潜在力シリーズ 総編集・太田至
- アフリカのさまざまな民族の生活を研究している本
- 多くの民族や問題に触れているため、一つ一つの記述は少ないが、カバーしている範囲は広い。
- 『1 紛争をおさめる文化』:対面する相手との相互行為のなかで、相手の語りや行為に呼応しつつ関係を構築する文化の存在
- 他者の操作が不可能であるとして、他者とその場で相互の行為を接続しつつ、ある種の秩序を創出する他者と共在する姿勢
- ×他者を先取する姿勢は、区切るもの
- 後者の姿勢は、他民族にレッテルを貼るため、個々人の具体性が捨象されてしまう
- 『4 争わないための生業実践』:環境や多民族の共生能力が描かれている
- 関係論的なプロセス、日常の営みそのもね共生的関係を創造的に維持していく
- 結果的平等を志向する文化である「平準化」:食べ物ない隣人に仕事頼み食べ物あげるなどだが、うまくいかないことも
あなたを見つけるこころの世界地図 ルイス・ファン・スヴァーイ&ジーン・クレアー
- 感情や概念という地形が描かれている、人生を旅するための空想の地図帳
- 人生に迷ったときや気晴らしにオススメ
- 探しているものは、全部うちにあるかも(オズの魔法使い)
- 完璧な楽園では、人間は満足できない
- 罪と苦しみに満ち、獣も崇高な理想も存在し、無限に広がる飛散で壮大なすべてを。そこにいたほうが、死んだように平凡な平地にいるより果てしなく希望があり、助けも望めるだろう
- 私たちは崇高な理想を「幸福」を求めているつもりでいる。しかし、ひとたびたどりついてみると、ぜったいに満足出来ない
- ロバート・ルイス・スティーブンソン「希望を抱いて旅することは、目的地に着くことにまさる。そして真の成功とは、目的に向かって努力すること」
- 求めているのは奮闘であり、懸命な努力という刺激だ。たえず、驚き挑むことが必要なのだ
→【杖】の方向性? - 蘭を探していると、ひな菊を見落としてしまう。
- 「未来」や「新しいこと」「大事なこと」「価値のあること」ばかりに焦点を当てるのに慣れすぎて、ありきたりで自然なことに気づかない。
アナログハック・オープンリソース
- 小説『BEATLESS』の作者であり、漫画『天動のシンギュラリティ』の原作者である長谷敏司による、世界観のオープンソース化の試み
- ポリシーを守れば、世界観や設定を一次創作にも使用可能
- ゆらぎの神話との大きな違いは、オープンソースへの逆輸入が無いことと、使用していることを明記する必要があること
リンク
「生き方」の値段 エドアルド・ポーター
- 「生命」「幸福」「無料」「文化」「信仰」「未来」など様々なものの値段を調べた本
- 単に事例をまとめただけではなく、値段の水面下に隠れている価値や、値段の歴史の記述もある
- ただ、あくまで軽いまとめに過ぎないので、たぶんあまり生き方の参考にはならないだろう
- それでも、値づけの失敗や住宅バブルについても触れている点は、評価されるべきだと思う
生き延びるための世界文学 都甲幸治
- 和訳の有無に関わらず、著者が好きな本を紹介している本
- 異なる言語を使う書き手の発した言葉でも、それが真実を捉えているとき、僕たちはそこに自分を見る
- 文学の言葉とは、暗闇の中で差し出された手のようなもの
- 人生がうまくいかない人々、ただ眠るためだけに親父のタイプライターを叩く自伝的作品、母語ではない言葉でしか作品を書けない作家、美の権力構造、復讐の連鎖、人種差別、黄泉返った妻の帰還、とアリュージョニストに通じる題材の作品が、多く紹介されている
- 合い間に挟まる筆者の人生回顧エッセイはともかく、ジュノ・ディアスの短編「モンストロ」は軽妙な語り口で結構面白い、
生きるのが面倒くさい人 回避性パーソナリティ障害 岡田尊司
- サイバーカラテユーザー向けの本
- 回避性愛着障害についても、軽く触れている
- エピソード中心で具体的なハウツーは無いが、読んで気が休まるかも
- サイバーカラテを愛用しそうな歴史上の偉人が、色々出てくる
いじめの正体 現場から提起する真のいじめ対策 和田慎市
- 高校の教頭経験者が書いた、いじめの実態といじめに対する政策の誤り、そして実際にいじめに対処した経験をまとめた本
- いじめをコレステロールのように捉える筆者のたとえには賛否両論がありそうだが、いじめの曖昧さやいじめを根絶しようとする方針が生み出す軋轢の指摘など、有用な部分が多い本である
- 「自分が嫌ならいじめ」という捉え方だと、被害妄想でもいじめになってしまう
- 加害者を罰することも必要だが、加害者の保護者との間にいじめに対する認識の齟齬がある場合、トラブルになってしまう
→【邪視】 - 教師も全能ではない
- 子供の自殺=いじめとは限らない。貧困や複合的理由、そもそも遺族が理由を探られたくない場合も多い
- 第三者や分かりやすい結論を求めるメディアの認識と異なり、現実のいじめは、被害者が加害者を兼ねていたり誤解やすれちがいと凶悪犯罪が一緒に語られていたりと曖昧で複雑
→いじめは、ラクルラール推奨の【使い魔】呪術
居場所の社会学 生きづらさを超えて 阿部真大
- 居場所作り3つのアプローチ
- 1 周囲とのコンフリクトの解決で居場所作り:自分を出すが、しっかり相手の話を聞いて落とし所も見つける
- 2 孤独感を感じない働き方をする:バイク便などの1人で出来る仕事で、なるべく他人と関わらない
- 3 複数の命綱:家族・友人など複数のつながりで、居場所を作る
- 過剰適応はよくない。無理をしても、いつか反動が来る
- 誰かと一緒にいるからといって、居場所があるわけではない
- 自分だけですることがあるなど「理由がある一人」は、負の属性を帯びない
韻ノート
- 韻を踏む言葉を探せる【呪文】が苦手な人向けのサイト
リンク
隠喩としての病い エイズとその隠喩 スーザン・ソンタグ
- 神話と隠喩は、人を殺す
- 病気の患者に押し付けられるメタファー(イメージ/スティグマ)と、その逆に、メタファーとして病気を用いることへの批判
- 癌や結核についても触れており、この本のおかげで病気の扱いが改善されたらしい
伺か
- 第三者がスクリプトを使って自由に作れる人工無脳デスクトップマスコットソフトウェア
- ソフトウェア自体よりも伺かコミュニティとか作者の自意識とイラストレーターとの噛み合わなさとか元ネタであるペルソナウェア及びプラエセンスとの確執とかのゴシップの方がよりアリュージョニストらしい地獄インターネットであった気がしないでもない
- オリジナルを超えるフェイクたる偽春菜名義の方がこの頁においては意味がある気もする
エイワスの聖杯戦争シリーズ(やる夫安価スレ)
- Fateシリーズの二次創作であり、いわば安価スレッド形式の聖杯戦争
- スレ住民に主人公の行動を選択させるだけでなく、「安価魔法」という形で作品内に反映させたりしている
- ちなみに、この「安価魔法」の設定も友人からの借り物であり、かなりサイバーカラテ感がある気がする
- FGO以前の作品のため、公式と設定やサーヴァントの性格が食い違うことがある(しかしなんとなく似ている場合もある)
- 第一作と関係がある『8番目』などはアと比較してもとても長いが、そのぶん設定やキャラ描写は充実している
エイワス ◆ovWgAQvoZA@やる夫Wiki
エケペディア
- AKBグループファンが運営しているネット百科事典
- 【アマランサス・サナトロジー】
エリクソンの人生 アイデンティティの探求者 L、J、フリードマン
- 自らに「自分の息子」という姓を命名し、自分自身の父となった精神分析家の伝記
- 『アイエンティティ』の概念を提唱した学者自身、父親が不明で自分のアイデンティティに悩む存在であった
- 研究書であり、小説のように読んで面白い本ではないが、彼について詳しく知りたいなら必読
- 存在が隠された彼のダウン症の息子、ニール・エリクソンと代表作『子ども期と社会』への関わりも少し書いてあるので、昔のダウン症児童の扱われ方の資料として使えなくもないだろう
→クレイ
おっさんレンタル
- 色んなおっさんをレンタル出来るサービス
→サイバーカラテ的? - コミケのファンネルも引き受けてくれるかもしれないが、その場合はそれなりに高給を払うべきだろう
サイトへのリンク
Orion's Arm(OA)
- 海外のSF系シェアードワールド
- 自動翻訳してぼーっと見ているだけでもそれなりに楽しい
Wikipediaの記事
か行
科学はなぜ誤解されるのか 垂水雄二
- 科学的な情報がなぜ上手く伝わらないのか、というその仕組みの解明と、その例としての進化論・利己的遺伝子・ミーム説の本
- 科学情報の伝達の話より、後半の進化論などの話の方が詳しくて面白い。
- 集団に流されやすかったり、思い込みに縛られる人間の特性も、古代の狩猟時代では有効な機能だった。
- 社会ダーヴィニズムは、誤解と我田引水によるもの
- 人々は、進化論を自分たちの時代を肯定する説としてしか受け取らなかった。
- ダーヴィンの進化論では、生き残る物が優れているとは限らない。進化は進歩ではないし、直線的な序列ではない。
- ミームの媒体(ヴィークル)は、個人ではなくメディアではないだろうか?
語り・物語・精神療法 北山修 黒木俊秀
- ナラティヴ=「語り」と「物語」について、心理療法の側面から研究している本
- 専門書だが、部分的には易しいところもあるし、それほど読みにくくもないと思う。
- 辞書的で、どこでも誰にでも通用する不変で普遍の意味で流通する「固い言葉」より、その場でしか通用しないような意味を持っている「柔らかい言葉」の方が大事な場合もある
→アズーリアの呪文 - 治療者が「物語に無自覚に組み込まれ、具体的にその物語を生ききるという過程を通して、私たちが本物の物語のなかで出会う可能性が生まれるのかもしれない
- ブルーナーのフォークサイコロジー:人間は文化を通して心的な能力を実現し、心理世界を構成している
- 病んでいる人たちに、いつも同じ「はまってしまう物語」を繰り返させるのではダメ
- いつも新しい方向へ、少なくとも多少は「次の一手」を選択する余地があるような方向性へ物語が展開していくような運動を大事にする
- あるいは、必要なのは「物語の力」や形式ではなく、語りあうことや「語りの場」なのかもしれない
カルトのかしこい脱け方・はまり方 青山あゆみ
- いくつものカルトを体験した著者が書いた、カルト経験の活かし方の本であり、カルト経験者がカルトから離脱しやすくなる方法も書かれている
- 本人以外がカルト離脱を勧める場合は、日本脱カルト協会『カルトからの脱会と回復のための手引き〈改訂版〉』など他の本をあたる方が良いだろう
- だれもがカルトにはまる可能性があるから、それをどう創造的に通り抜けるかに目を向けたほうが良い
- カルト現象は、人類社会全体にとっても、大きな通過儀礼になり得る
- 近代合理主義や資本主義経済やナショナリズムなど、主流文化のなかにも本質的には巨大なカルトにすぎない”信仰”もたくさんあり、その実害を見落としてはならない
- もともと大小さまざまなカルトやカルチャーが共存して、多様な世界を作り出しているのが人間社会
- 本来は、主流文化もカルトもそういう対立を切磋琢磨のエネルギーにして、社会全体の向上に役立てるのが健康な姿
- トランスパーソナル心理学の「前と超の混同」を避けよう
- 「無心」と呼ばれる判断停止・思考停止は取扱い注意
- 合理的な思考と、思考という心のレベルより深い魂のレベルの経験とを組み合わせることが、本当の意味の「超我」に達する道
- 「精神世界のモノ化」批判:”霊的物欲”はダメ
- 特別な能力や境地をガツガツと追い求めたり、自分にないものを手に入れれば物事が解決すると考え方が変わらない教えは偽物
- 何かで自分を埋め合わせようとする、そのパターンが問題
- 自然な欲求は適度に満たすことが必要
- 心や体の習慣を含めて、自分と世界のありさまをじっくり見直す練習をすれば、当たり前だと思っていた現実が、神秘と奇跡に満ちた世界であることが分かってくる
- ”時間の微分”:今ここに集中することで体感する「永遠の現在」
- (呼吸に意識を向けるなどして)意識が少しもブレることなく現瞬間に定まった時、それは宇宙の全時間に通じる窓になります。
- シャーマニズムにおける世界を止める=観音菩薩の「観」
- ウィリアム・ブレイク「無垢の予兆」ひと粒の砂に世界を 一輪の野の花に天国を見る てのひらに無限を ひとときのなかに永遠をつかむ
→氷血呪?
- どの瞬間も、宇宙開闢以来はじめての瞬間
- あなたも、ただ一人だけのユニークな人間だから、新しく試してみないと何が無駄だと言えるはずがない
- 自然界とのつながりを失えば、歪んでしまう
- 自然とのつながりを持たないカルトはダメだし、脱カルトにも自然を体感することは大いに役立つ
→ティリビナ人と第八世界槍の復活?
- 自然とのつながりを持たないカルトはダメだし、脱カルトにも自然を体感することは大いに役立つ
- 末世だからと急ぐ必要はない
- 変化が必要な時代であればあるほど、さまざまな形で変化のタネがまかれ、それぞれに芽を出しているに違いない
- あなたが出会ったカルトだけが唯一の道だなどという可能性は、限りなくゼロに近い
- この世界は幻ではない。
- 魂の深いレベルでは、すべてのものは一つの意識だが、それは現世がどうでもいいという意味ではなく、社会の改革や改善を放棄する理由にはならない
- 宗教体験の真価は、それが日々の生活にどう生きてくるか、一般社会にどう役立つのか、とりわけ人類全体の向上にどんな実質的貢献が出来るのか
→トライデント批判?
- 社会としっくりこないことを恐れるな、今は違いを生かして認め合う時代
- カルト解毒法:心から生きがいを感じられる生き方をすること、宗教的な教義や実践について見聞を広げること、これからは悟りが当たり前の時代になると認識すること、自然なものでカルトを代替する物を用意する
「かわいい」工学 編著:大倉典子
- 「かわいい」を工学的に追求している本
- 薄くて読みやすい
- 「かわいい」の文化的背景や、「かわいい」人工物の系統的計測・評価方法を模索する実験の結果に加え、脳波で動く猫耳やつけ尻尾などの拡張身体や「かわいいことを前提としたロボット」の研究事例のコラムもある
機械より人間らしくなれるか? ブライアン・クリスチャン
- 「チューリングテスト」で、サクラ役の人間に与えられる「最も人間らしい人間」を讃える賞を狙った人の本
- 「人間らしさ」を、私たちは何によって判断するのだろうか?
- 内容はあまり濃くはないが「機械が人間らしくなるなら、人間と機械は『人間らしさ』を競い合う『良いライバル』になれば良い」という筆者の思想がユニーク
- 簡単な応答しかしないのに、名カウンセラーとして認定された機械の話なども出てくる
- 後半は、難しい情報圧縮の話も出てきてくるが、読み飛ばしてもあんまり問題無い
帰化植物の自然史 侵略と攪乱の生態学 森田竜義
- セイタカアワダチソウなど、本来の生態系の外部から持ち込まれる「帰化植物」について研究した本
- 侵入と絶滅を繰り返しながら移動していく「放浪種」(セイヨウタンポポなど)もあり、その生態はさまざまで面白い
→ティリビナ人?
奇想の陳列部屋
- 世界劇場、中世の王侯貴族の個人書斎。溢れんばかりのカラー写真と挿絵で紹介する。
- 天然・人工、古代の神秘・最新の科学、生と死、あらゆるものを混濁させ調和を目指したその結晶を、世界劇場と呼び愛でた。
- 特盛り感が、アリュージョニストに類似してる。たぶん。
キャラ化する/される子どもたち 土井隆義
- トリシューラ、あるいは無数のキャラに分裂した【シナモリ・アキラ】向けの本
- 現代は、一貫したアイデンティティから、その場に合わせて変える「キャラ」の使い分けに
- 社会が価値観を押し付ける圧力が弱くなり、その場の人間関係による承認に依存するように
- 「不気味な自分」失敗した自分に向き合おう
- 異質なモノを排除するために作られた「境界」の内部でも、自然と「不気味な存在」は産まれ出る
→『シナモリ・アキラ』の一人、【鵺】の種族【無貌の民】 - 「自分らしさ」は、想像の臨界を越えて変化していくもののはず
求人詐欺 今野晴貴
- ブラック企業対策プロジェクトの共同代表が書いた本
- 内容と実態が異なっている詐欺な求人票は、ほとんど取り締まられていない
- 国が、求人票の項目をより緻密なものにすれば、それだけで求人詐欺は防げるはず
- まず、話が違う契約書には絶対に合意しないこと
- 無理矢理サインさせられても諦めず専門家に
- 働く側には「時給計算の習慣」を身に付けて、労働条件を常にシビアに考えるクセが必要
- 求人ページプリントアウト、やりとりメモなど常に記録をとることを心がけよう。録音がベスト
- 自分と誰かのやりとりだけなら、録音は完全な合法
- たとえ辞めた後でも、最低2年は給与詐欺分を請求出来る
境界性パーソナリティ障害 サバイバルガイド アレクサンダー・L・チャップマン キム・L・グラッツ
- いわゆる「メンヘラ」の人と、その身近にいる人のための本
- そして、サバイバル、文字通り「生き延びる」ための本である
- 自殺したくなった時の対処法や、リラックス法もあるので「メンヘラ」以外の人にも役立つ
教科書には載らないニッポンのインターネットの歴史教科書 ばるぼら
- 地獄インターネット含めたインターネット入門
- ネットネタの一部の理解の手助けに
狂気の歴史 ミシェル・フーコー
- 狂気や狂人が「どう扱われてきたか」その変遷を書いた本
- 前提知識が必要で、これだけ読んでも何について語っているのか良く分からない
- 狂気は、人間の魂の最高の力をわかつ十二の二元性の一つになっている
→マレブランケ? - 人間の条件のしるしは、非理性である
- それは、人間が閉じ込められている悲惨さ、真と善への接近をさまたげる弱弱しさを認めないこと、そして、自分の狂気がどんな性質であるか知らないこと
- 中世の慈善にとって狂人が神聖だったのは、彼らが「悲惨(ミゼール)=貧困」が持っている正体不明の力を共有していたから
→矮躯(ミゼット)のガドール? - 昔は、別世界からやってきたから、狂人はもてなされたが、今後は閉じ込められるだろう
- 狂人はこの世界から来ているのであり、貧乏人、あわれな人、放浪者の仲間なのだから
→【異言者】(グロソラリア)になったアキラくん?
キル夫がイオンと戦国入り
- SSでおなじみの「内政チート」をゲームとしてプレイする、やる夫系安価スレ(エロス面で18禁・ハーレム要素アリ)
- 戦国時代で天下統一するため、ショッピングモール丸ごと1軒(電気供給付き)、専門家集団(マンチぎみなキャラメイクで全力強化済み)の技能、それに加えてスレ住人の集合知がフル活用された
- しかしそれでも、予想外な困難が、幾度もキル夫たちを襲うのであった(わりとスレ住人の自業自得だが)
→集合知、パワーの外付け、これはまさにサイバーカラテ? - 本編だけでなく、住人の議論や発言を追っていくのも楽しい作品だと思う
- なお、きちんと完結してはいるが、分量は恐ろしく長い
- やるやら書庫
- スレ主の紹介と作者wikiへのリンク@やる夫wiki
クックパッド
- 食のサイバーカラテ
- ありあわせのモノで美味しい一皿を作り、急な来客にも対応する
- 家庭料理とは、ブリコラージュであり【サイバーカラテ】である
心の哲学まとめWiki
- http://www21.atwiki.jp/p_mind/
- スワンプマン
- 水槽の脳
- テセウスの船
- マリーの部屋
- 哲学的ゾンビ
- 独我論
- 人格の同一性
CODE コードから見たコンピュータのからくり チャールズ・ペゾルド
- 手旗信号あたりから初めてコンピュータそのものを解説
- 伝詞回路?再帰とコンピュータなんの関係?という感だったのが読んでるうちに解消した!言語の遅れと再帰性で伝詩回路作れそう!
心を開くドラマセラピー 尾上明代
- 演劇(ロールプレイ)によって、心の問題を解消する治療法の本
- 劇を演じる役者はみな「患者」であり、演じられるのは、その中の一人の心の世界である
- 劇によっては、感情が擬人化されて「道徳劇」のようになることも
→四章・断章編っぽい
「個人主義」大国イラン 岩崎葉子
- イランは、人が組織に依存しない「個人主義」の国
- だが、それは同時に、人々に結束や連携が皆無なために、工事もお役所の手続きも全く進まないという甘くない社会でもあったのだ
- そして、そんなイランは、「組織に縛られない」ことは、柔軟で粘り強いコミュニケーション能力を培うことも教えてくれるのである
- イランでは、人は多くの副業を持って「多角化」し、気軽におしゃべりしあって知り合いを増やさなければ、生きていくのが難しいのだ
「個性」はこの世界に本当に必要なものなのか 東京大学教養学部×博報堂ブランドデザイン
- 様々な分野の専門家が、色々な視座から捉えた「個性」の本
- 個性は、時と場合によって、必要で無い場合もある。大事なのは、バランス
- 個性は、自分で把握出来ないし、意識的に育むことも出来ない。
- 個性とは、運命であり、呪いでもある。思考や行動に抵抗出来ない方向付けをするもの。
- 個性を活かす=評価される個性を確保するには、コストがかかり、工夫が要る。
- 個性は固有のものではなく、なにかに対する解決の仕方であり、対応の仕方そのもの。スタイルの違い。
- 個性とは、さまざまなアイディアを借りるなかに、育まれるもの
- 個性を消すことは、難しい
小谷真理(お笑い芸人)
- 日給50円で、自分の一日を売っていたホームレス芸人(後にレターポット払いに)
- そうそうマネできないユニークな生き方だが、その存在は人と人をつなぎ、お金の価値を考えるきっかけとなっている
ホームレス小谷さんインタビュー@FROGGY
【ホームレス小谷とは?】小谷さんの50円依頼を初めて買う人のためのブログ。
ホームレス小谷さんのネットショップ
ツイッターアカウント@ホームレス小谷
子どもの感情コントロールと心理臨床 大河原美以
- 感情を押し殺す=間違った感情コントロールの害についての本
- 日本では、感情を抑制し切り離す(解離させる)ことが推奨されるが、それは後に重大な問題を引き起こす可能性がある
- まず、子どものうちに「不快感情(悲しみ・不安・恐怖・怒りなど)を安全に抱える力」を身に付けられない場合、その子ども自身の感情制御が困難になってしまう。
- そして、その子どもが親になったとき、それは「自分の子どもの不快感情を受け止められない」という更なる問題の連鎖を生みだしてしまう可能性があるのだ。
- それを防ぐためには、フランシン・シャピロ博士が開発したEMDRセラピー(眼球運動による脱感作と再処理法)ブレインジムが有効。
- だが、何より親子の関係が形作ってしまう(問題増幅システム)の解消と、親自身が、子どもの「不快感情は受け止めるが、禁止すべきことはしっかり禁止して許さない」対応をすることが重要である。
古都のデザイン 借景と坪庭 文/伊藤ていじ 写真/葛西宗誠
- 日本の庭における概念「借景」とは、景色を借りるものではない
- 景色を「生け捕る」ものなのである
- 借りる場合には借りるものは生のないものでも構わないが、生け捕る場合には、生け捕られた後もそのものは必ず生きていなければならない
→『サイバーカラテ』に通じるところがある気がする
こんな夜更けにバナナかよ 渡辺一史
- 難病・筋ジストロフィーのために介護されないと生きていけない身体でありながらも、自分らしく生きた一人の患者の物語
- ワガママに、そして自分らしく生きて、多くの人に影響を与えた鹿野靖明という男の話
- 差別を越えた、介護する者とされる者の付き合いの話でもある
さ行
再起動する批評 佐々木敦+東浩紀
- 批評教室の実態レポート的な本
- 批評は無意味だが不毛では無い。
- 生きることが無意味だが不毛ではないように
- 本当に、根本的に考えるなら「役に立つ/立たない」という論点から入るのではなく「役に立たなくても存在している」ということを起点にしないと「役に立つ」という可能性も結局は出てこない
- コミュニティがあれば、人はひとまず安心出来る
- それがぶっ壊れてしまったせいで、心の拠り所をなくして、価値や有用性を証明せずにはいられなくなってしまった
- 三浦哲哉さんの「ナポリタンの理念とサスペンス」が、全力でナポリタンの価値を説いていて面白かった
最強バーチャルタレントオーディション~極~非公式wiki
- 「バーチャル蠱毒」と呼ばれた紀人の内的闘争っぽい争いの記録であり、参加者たちの生き様を残した思い出集
Wikiへのリンク - このイベントは「デスゲーム」にたとえられ、通りすがりの観客を当事者に引きずり下ろした参加者や運営との対決を志す者が現れるなど、いろいろと盛況だった
- 当事者たちの言葉や観戦した人びとの第一印象まとめも参考資料として上げておく
- さらに、元参加者たちは転生して新しい進路を目指すようになっていたりする。アリュージョニストだ・・・
最高の雑談術 乱談のセレンディピティ 外山滋比古
- 仲間と一緒に語らい合って新しい発想を得る「乱談」をすすめる本
- 「乱談」とは「乱読」を発展させた手法であり、異なる分野を専門とする人々と好き放題話し合って、自分にない新しい発想を得るというもの
→サイバーカラテ的? - 放言に近いエッセイだが、日本人は「話し合って得る知恵」より「本を一人で読んで得る知識」を重視しすぎるとする、その視点だけは意義があるかもしれない
- 雑談が実際に活用されていた例としては、岩谷良恵『おしゃべり・雑談の政治哲学 近代化が禁じた女たちの話し合いと<講>』などを参照のこと。
逆立ちしたフランケンシュタイン 科学仕掛けの神秘主義 新戸雅章
- 擬似科学と科学者の歴史、そしてマッドサイエンティストについての本
- 擬似科学?オカルト?そんなもんは、一時のあだ花。
- 検証に耐えるホンモノの科学技術の方が、ずっと役に立って面白いぜ!な感じ
- オカルトな擬似科学(ニセ科学)の正体は、失った神秘性を科学の理論で補強した魔法である
- 科学が分化し、かつての全能性・哲学的側面を失ってしまったことへの郷愁が、擬似科学の繁栄をもたらしたのかもしれない。
- 歴史を深く掘り起こすことによって初めて、科学と神秘の関係を問うことが可能になる
- ヴィトゲンシュタイン「世界がいかにあるかが神秘なのではない。世界があるという、その事実が神秘なのである」(『論理哲学論考』よりの引用)
差別と向き合うマンガたち 吉村和真 田中聡 表智之
- 部落問題研究所の機関紙『人権と部落問題』の連載コラムをまとめたもの
- マンガと差別の関係を探求しており、そうした問題について考えるのに役立つ本
- マンガを読む能力というのは生来のものでなく後天的なものであり、「マンガを読むこと」で身につけてしまう価値観や感性、マンガの文法が存在する
- 私たちが注視すべきは、マンガと偏見の不可避な関係であり、批判すべきは、その偏見が不当な差別や抑圧に繋がるメカニズムである
- そのためには、その偏見を支える歴史的背景や構造、あるいはその変遷を、、丹念に検証することが求められる
- 差別に対する怒りや悲しみが物語の形を採るにあたり、差別を再生産してきた表現方法が用いられねばならぬというパラドックス
- マンガを含む「表現」とは、認識と感情と行動が分かち難い形で結びついた複雑なものであり、またそうした複雑さがあるからこそ、論じる意義があると考えられているのではないか?
サンダーバード (テレビ番組)
- 国際救助隊[IR](International Rescue)と名乗る秘密組織が、スーパーメカを駆使して災害から人々を救う人形劇
- その実態は、金持ち一家の慈善事業だったりする
- 使用装備を状況に合わせて自由に入れ替えられる大型輸送2号のコンテナは、シナモリアキラのウィッッチオーダーっぽいかも
しあわせに働ける社会へ 竹信三恵子
- レオがトリシューラを尊敬する理由は、この本の理念に近い気がする。
- 就職難は、若者のせいではない
- 震災や不況でも、しあわせに働くことをあきらめる理由にはならない
- 就職難に、社会の変革と、個人の「働く」意識を育成することの両面からアプローチ
Siri
色彩を持たない多崎つくると彼の巡礼の年をどう読むか 河出書房新社編集部
- 色んな人が、好き勝手に『多崎』を論じた本であり、もしかしたら『多崎』自体より面白いかも
- 多崎つくるの個性は「器」としての個性であり、それは中継地点としての「駅」でもあった
- 人の心と心は、痛みともろさによって繋がり、調和は異なるもの同士にしか成立しないという
- やれやれ系のクールさは少し昔の中流には憧れられたが、アピールと格差の時代である現在には適応できないスタイル
- 『多崎つくる』は、そんな世代が現代に適応するための本なのかも
- 「五本の指」に象徴される仲間関係は、外側やメンバーの何かの犠牲の上に成り立っている
- それは、不可避的なものである
仕事の小さな幸福 木村俊介
- さまざまな人に対して「業務を続ける」ということについてのインタヴュー集
- いろんな人たちの「仕事、まぁ、やっていてよかったかもな」という小さな喜びや嬉しさの話
- インタビュー対象者には小説家も多く、それぞれの仕事観の差異を楽しめる
→グレンデルヒな【邪視】に疲れたときのために
「自分のために生きていける」ということ 寂しくて退屈な人たちへ 斎藤学
- サイバーカラテが欲しい人向け
- 依存症の根源は、赤ちゃんが母親のおっぱいを求める「耐えがたい寂しさ」
- また、それが変化した「退屈」である
- 自他共に尊重し、価値あるものと考える心が必要
- 権力や支配を競い合う「パワーゲーム」から降りないと、依存症は治らない
- 依存症治療には、自分の無力を認めるアルコホーリクス・アノニマスの「12のステップ」が有効
資本主義が嫌いな人のための経済学 ジョセフ・ヒース
- 哲学者が、経済についての間違った考えを指摘している本
- 経済学の知識が無いと細かいところは理解できないが、それなりに読みやすい
- 左派の理想はなぜ実現しないのか、右派の信念は本当に正しいのか、左右両方に言及している
- リバタリアニズムの弱点:進化は最適化ではなく、邪魔物となったクジャクの尾のような「底辺への競争」さえ引きおこす
- 価格操作による社会的公正という誘惑:コーヒー豆のフェアトレード(慈善的価格づけ)は、豆の供給過剰というムダを肯定してしまった
資本主義がわかる本棚 水野和夫
- 資本主義とグローバリゼーションの限界を主張する著者が、その二つを根源から理解するための本を紹介している本
ー著者と同じ視座に立つかはともかく、資本主義について理解を深めたいなら読んでも損はないと思われる - 著者と同じ視座に立つかはともかく、資本主義について理解を深めたいなら読んでも損はないと思われる
社会運動と若者 日常と出来事を往還する政治 富永京子
- 「若者の社会運動」と呼ばれている一種の社会現象の実態を分析している本(2017年発行)
- 学術書なので、わりと読みにくいが同質性を見出す視点は面白い
- なぜ本書において「若者」とされる人々は、多様で異質であるにもかかわらず、ともに集まって活動することが出来たのか
- 現代社会において「若者」はすでに年齢・世代を示す変数ではない
- 「再カテゴリー化」:しかし、それぞれに異なる経験を持つ運動の担い手は「若者」として自分たちを定義することもあれば、他者からそう呼ばれることもある
- 「若者」として自分や他者をくくることで初めて、彼らはさまざまな勉強会に参加したり、既存のものとは異なる運動の手法を考えたり、おしゃれではない異聞の運動を模索することが出来るのだ
- 場合によって異なる意味を付与される「若者」というカテゴリーは、その場その場で運動の戦略や自身の行動指針を根拠付けるための、いわば「動機の語彙」として人々の社会運動に作用しているのではないか
→「再カテゴリー化」は集団としてのアイデンティティを形作る【呪文】?【黒血呪】?
- 社会運動とは集合的な利益を求めるための運動だが、人々は個人化・流動化の中で、自分だけでなく他人にも共通するような集合的な利益の存在を想定することが難しくなる
- だからこそ、運動に参加する人々は自分の携わる運動が集合的な利益を獲得するものであることを説明する必要に迫られる
- 運動に従事する人々が「若者」に限らずあるカテゴリーを援用しながら運動を行うということは、個人化された人々が、集合的な利益を獲得するものであることを説明するという営みでもある
- すでに出自や属性にもとづく同一性や同質性が自明でない社会において「自分だけでなく、他人も同じ立場にある」「自分だけでなく、他人も同じ利益を求めている」という説明なくしては、社会運動は成立しない
- 自分たち、あるいは自分たち以外の他者をカテゴライズし、個人の背後に存在する集団を想定することは、現代の社会運動に不可欠なプロセスであるだろう
社会はなぜ左と右にわかれるのか ジョナサン・ハイト
- 様々な領域や問題において、左右の思想が与えるメリットを比較した本
植物は〈知性〉をもっている ステファノ・マンクーゾ
- 知性とは、問題解決能力として植物のすごさを説明する本
- 短くてさっと読める
植物はなぜ動かないのか 稲垣栄洋
- 分かりやすくて面白い植物学の本
- 弱くて強い植物の生存戦略は、ほんとうの生存競争について教えてくれるかも?
- オンリーワンのニッチに適応し、ローカルなナンバーワンとならなければ、生き延びられないのだ
- 雑草は踏まれたら立ち上がらない。その代わりに◯◯する
- よりくわしい『雑草はなぜそこに生えているのか』もオススメ
宗教で読み解くファンタジーの秘密 中村圭志
- 様々なファンタジーを著者なりに分析し、ファンタジーに現れた「宗教の多面性」やおける悪や死の扱い方などを論じている本(二巻組みの実質上下巻)
- もちろん著者の意見が多分に含まれる(しかも、たぶん『ハリポタ』に関しては作者の意図の解釈を間違っている)
- しかし、『ハリポタ』の「両義性」や差別問題における「境界のあいまいさ」を通して「ロン」の価値を評価するなど、そこには見るべきところがある
- (差別問題では)境界線なるものが曖昧であるがゆえに、かえってその曖昧さを隠蔽して、はっきりとした線引きをしようというロジックが出てくる
- 禅の悟りという、日常性を超える体験の「土台(下部構造)」をなしているのは、泥臭い規律や訓練の世界
=宗教の理念の世界は、身体性や共同体性、そして権威や権力などの政治性によって支えられている - 個人や社会の信念というものは、人間関係の虚々実々のやりとりの中で形成され、維持されるもの
呪歌と説話 花部英雄
- 日本における呪歌や歌人や動物の民話、果ては『注文の多い料理店』と伝承の比較など、様々な日本古来のオカルトを扱っている本
- 百人一首の「しのぶれど色に出にけり~」を恋愛成就に使ったり「~まつとし聞かば今帰り来む」でネコ探しなど、身近な和歌の【呪文】の例も多い
- 歌は物語を引き出す仕掛けの役割も持っていた
- 呪術は、「精霊を自由に使役し、支配する力は人間の側にあるとする確信がその本質をなし、その確信に基づく種々の超技術」
→【使い魔】と【邪視】の要素を含んだ【呪文】? - 呪術は本来プロ専門で素人にはマネできなかった
- 歌によって威力ある霊魂を天子の体内にふりこめる「たまふり」?西村亨:歌の霊験譚
- 地方君主の娘=采女は、地方の神に仕える巫女で、その国霊(くにたま)を天皇に振り込める役割を担う
- 歌は時代や人によって解釈や教授の仕方が変わっていく
- 憑き物、オオサキ、オオサキドウカ、寄生虫的?
- 蚕や稲を持ってく、田植えの前準備
人狼伝説―変身と人食いの迷信について セイバイン ベアリング=グールド
図説「見立」と「やつし」 人間文化研究機構 国文学研究資料館
- あるものを別のもので表現する「見立」と、昔の権威あるものを現代風に卑近にして表す「やつし」についての論をまとめた本
- 浮世絵から絵本、庭園や歌舞伎までその範囲は幅広い
- 文章はやや読みにくく、大きい本であるが、絵を見るだけでも結構楽しめる
→射影聖遺物(アトリビュート)
スピヴァク みずからを語る ガヤトリ・スピヴァク
- 『サバルタンは語ることができるか』などの著者のインタビュー集
- 「語ることが出来ないもの」とされる「サバルタン」概念の理解に役立つ本
- インタビュアー:サバルタンの位置に同一化することは人を引きつけるのに、サバルタンの声を聞き理解しようという深い試みは、さほど人を引き付けない
- さまざまな「周縁化」された文化出身の大学人や知識人は、エリートなのに、簡単に同一化する
- それは共感を求める叫び?意図的に犠牲者の位置を取ることであり、あるいは犠牲者の腹話術師になろうとすることでは?
- 武器を持つものは、武器を持っていると認めようとしない
- サバルタンはサバルタン性を主張しない
- サバルタンは、移動するための道にアクセスできないのは当たり前だと考えるか、サバルタン性からすぐにでも抜け出したがってるかのどちらか
- 試みるべきはサバルタン性を聞き理解するにとどまらず、サバルタンの常態のただなかに身を置いて、そこに介入し、自分の声を聞いてもらえるようにする権利を獲得すること
- サバルタン性は、情緒の問題ではなく、政治的・または社会的な位置を記述するもの
- 問題は、サバルタンが公的な領域に入れないため、抵抗が抵抗として認識されないこと
- 例:川床を掘る工事に消極的な先住民:怠け者扱いされたが、川の胸元にメスを入れることに対する古くからの文化的、エコロジー的な抵抗だった。だが、誰もそれを認識しなかった=サバルタンは語れなかった
- サバルタン性は、なにも持てない人びと、社会における移動手段を全然持っていない人びとという次元で理解されなければならない
- こんにち、人びとが自分を「ディアスポラ」だと主張するのは、居心地の良さを求めずにはいられないからだと思います
- 根付くという考えはすべて防御の一部であり、作り事でない現実はない
- 多くの家を見つけ、空気に根をおろすのが私のやり方
- たくさんの家を本拠地にすることは、想像力が育つ一つの方法
- 想像力が文学を読む者になにかをなすとすれば、それは、その人の想像力を鍛え、他の人々の世界に入らせるのだと思います
- 本、詩、過去とはそういうもの
- その観点からすると、家という概念は無限に拡張が可能です
→敵味方識別のラベリングを無視して、『地上』と『地下』を自由に行き来出来るティリビナ人の特性?
スペルズ 世界のおまじない事典 ジュディカ・イルス
- 700以上のおまじないが載っている事典
- 恋愛や復縁、問題解決や守護から呪い返しを返す方法まで、その種類は多くカバーする範囲は幅広い
世界しあわせ紀行 エリック・ワイナー
- 子どもの頃「幸せの国」を探すため旅に出ようとした筆者が、大人になってから、本気でその夢を叶えてみたノンフィクション
- 「幸せの国」を自称するブータンから「この国に幸せを探しに来た」と言うと、空港の係員に正気を疑われるイギリスまで、様々国を巡っている
- 基本的にまったり旅行記だが「幸福は人生の最終目的か?」という筆者の問いなど、シリアスな部分もある
- さまざまな条件が挙げられた「幸せな国」になる方法より「不幸な国」にならない方法の方が、分かりやすくて味わいがあったかも?
→トリシューラの暫定的な目標である「国づくり」に関係ありそう
世界”笑いのツボ”探し ピーター・マグロウ ジョエル・ワーナー
- 大学教授とジャーナリストのコンビが、世界中を巡って「笑いの謎」を解き明かそうとするノンフィクション
- 「ユーモア」という【呪文】の光と闇、そして限界とパワーの話
- ロサンゼルスのコメエィアン、タンザニアの笑い病、マホメットの風刺画、ピエロチームと行くアマゾン慰問、パレスチナのユーモア、そして日本の異文化
- 旅を終えた大学教授は、自分自身でコメディの舞台に立ち、その経験を活かそうとするが・・・?
絶望に効くブックカフェ 河合香織
- エッセイ風の本の紹介
- 選択したくない者、孤独、死にたいなど様々な願望に対して、新旧二冊の本で紹介している
- 紹介される本の種類は、絵本やコミックエッセイから古典まで幅広い
- 間違いなく、絶望に効く何よりの特効薬は本である
- 私たちの苦悩が無くなることはないだろうが、本当の意味でひとりになることもない。
- なぜなら、古代から受け継がれていた本の中には、必ず同じ絶望を持った人が居るからだ
ゾンビ襲来: 国際政治理論で、その日に備える ダニエル・ドレズナー
- 国際政治学の諸理論が、発生したゾンビにどう対応するのかを真面目に、そして面白おかしく書いた本
- その半分以上が、ゾンビ参考文献と様々なゾンビの例で出来ている
- ネオコンが、攻撃による恐怖でゾンビを萎縮させようとしたり、ゾンビに対する思想の違いで対立が生じたりする
- ゾンビ以外の存在への対応を考えることにも、繋がりそうなシミュレートである
- 訳はやや下手でルー大柴っぽいので、それが嫌な人は原書を読んだほうが良いだろう
た行
痴漢男(2chスレッド)
- 人生の選択肢をネットにゆだねた男の話。
- わりと?天然で下品だが、根が善良な男に降って湧いた、恋と選択の物語
- 「電車男」と似たような話と言えば、分かりやすいだろうか
- ただ、当の「痴漢男」が助言こそ求めるものの、必ずしもスレ住人の指示には従うわけではないというのが、「電車男」との大きな違いである
Wikipedia記事
まとめサイトのリンク - 一応、映画化されてもいる
『ちびくろサンボ』絶版を考える 径書房編
- 出版関係者にさえ詳しい事情を知らせないまま、一斉に回収された絵本『ちびくろサンボ』
- その絵本を通して、差別について考えようとしている貴重な一冊
- 関係者や著名人の話だけではなく、一般日本人のアンケートや黒人女性たちへのインタビューなどもあり、多様な視点からの分析が可能
→【レイシズム変数】 - ハイ・タイド・ハリス:批判者は自身が安心するために『サンボ』をなくしたい
- 黒人の若者が殺されているのに、絵本に問題を言う暇はないはず
- 黒人には、白人と同化したいという愛があり、だから黒人は黒人自身のイメージを嫌う
- 座談会:差別語ダメというのは、こっちが優位にあることを隠している
- 差別そのものが実はなんの根拠もないということ、どっちが優位ではないことを納得しなければならない
- 差別者は、自分の劣等性を見つめなければいけない
- 差別というのは、差別されている少数者の問題ではなくて、差別している多数者の問題
- なぜこれが痛みなのか、差別を受ける人間がどういうふうに生きているのか、どこが一番苦しいのかということを考えていって、多数者の側が態度を少しずつ変えていくというふうにならないと、原理的に袋小路に入ってしまう
- 単に「痛い痛い」ではなくて、内側に届く言葉で言わなければならない
- 価値のいろんな落差をどういうふうに、小さく縮めていくかと考えるべきであって、全てのステレオタイプを無くすべきというのはダメ
- 竹田青嗣、文学作品は議論と時間でふるいにかけられて淘汰されるべき
- 岸田・竹田:差別の有無は背中のアザのようなもの、両者が確認して納得することでしか決まらない
ちびくろサンボよすこやかによみがえれ 灘本昌久
- 被差別部落の家系であり、被差別部落の歴史を研究している学者の本であり、反差別運動への強烈な批判
- 『ちびくろサンボ』絶版問題の経緯と日米の批判、改作の評価なども網羅されている
- 「被差別者の痛み論」による過剰な差別語規制の3つの問題点
- 1:ある言葉をもちいるときの妥当性や正当性、あるいは正義が自分の外部からしかやってこないこと
- 自分自身の内部で、その言葉がほんとうに差別的であるかどうかを確かめる道を閉ざしてしまうことになる
- 2:ある言葉で傷つく原因の一端が、被差別者自身にも内在するということを見落とす
- 3:反差別運動にとって差別の証拠の仕入れが容易にできてしまう
- 運動を存続させるだけのために、証拠を用意することに使われてしまう
→【レイシズム変数】 - 差別かそうでないかは「見解の相違」であって、それをただちに自分の差別性に結びつける必要はない
- いったん自分の了解できないことを丸飲みすることを覚えた人は、差別問題を考えることがいやになってしまうことが多い
- また、丸飲みしてわかった風をよそおうと、抗議する相手が働きかけや意見表明をやめてしまうので、ほんとうの相互理解はますます永遠の彼方に追いやられることになる
- 「差別だ」という指摘に無条件にしたがわなければならないのであれば、差別問題はお伺いを立てるべき事柄となり、ただの暗記物になってしまう
- 「被差別者の痛み」を成り立たせているもっとも本質的な要素は、被差別者自身が内面化した社会基準であり、それによる劣等感である
- 被差別者が内面の劣等感を克服するのは、まわりの人が腫れ物に触るように配慮することによってではなく、自ら差別にむきあい、自覚的になることからしか始まらない
- 幕末のエタ頭であった弾左衛門を主役にした大河ドラマを作り、差別を瓦解させたいと夢を語る著者であっても、同胞からの「なかったことにしてほしい」という反発を抑えきれる自信はない
- 被差別者の価値を見直すための歴史研究などであっても、傷つく人が出ることを防ぐことは出来ないのだ
- 被差別者の一部の人びとには、被差別者の意見を受け入れるのは当然、という甘えがある
- 理解されるということと、迎合的に受け入れてもらうということを混同している
- 文化大革命『ある紅衛兵の告白』:運動が暴走した例:紅衛兵司令部に書かれてあった言葉「敵がだれか。味方がだれか。これが革命において最も重要な問題だ」
疲れない脳をつくる生活習慣 石川善樹
- 1日に使える意思決定の量は限られているから、あまり不必要な判断をしないように生きること
- 瞑想から宗教色を無くし、誰でもやりやすくしたメンタルトレーニング法「マインドフルネス」は、サイバーカラテ感がある
- (「マインドフルネス」の詳細な説明については、他に詳しい本がたくさんある)
- 「MYALO」などの習得用アプリもあるアプリランキング>
月3万円ビジネス100の実例 藤村靖之
- 収入や効率ではなく、分かち合いや楽しさを追求するビジネスの事例集
- 前著『月3万円ビジネス 非電化・ローカル化・分かち合いで楽しく稼ぐ方法』では、「田舎の家や土地と友人関係を活かし、常に新しい工夫をすればビジネスとして成立するよ!というか意識高い系にビジネス方法を教えるのが一番成功するよ!」な感じだったが、この本ではそうした元手があまり無くても、やっていけそうなビジネスも紹介されている
- サラリーマンが嫌になっていきなり脱サラしたりするよりは、まずこうした小口のビジネスで新しい生き方を試した方が後悔しないのではないだろうか?
- 紹介されているビジネスを誰もが上手くこなせるとは限らないが、こうしたアナザーな選択肢も資本主義社会には必要なのかもしれない
できない子は“悪魔”と呼ばれるようです
- やる夫系スレの異世界トリップもの
- 異世界人が、生物兵器(バイオテロ用の感染源)として使われていた世界に召喚された少女の話
- 彼女は「悪魔」として、現地宗教勢力に管理されることで生き延びることになる
- 後付けのチートな能力とかは無いが、主人公の数学知識はチートぎみ
記事へのリンク@やる夫Wiki - 同じ作者の作品では、スレ住人が主人公の外付けブレインとなり、最適(と思われる)選択を教える「やる夫は狂えるオーク戦士であるようです」や「やる夫は故国を復興するようです(打ち切り展開・R18)」などがある
手塚治虫キャラクター図鑑
- スターシステム
→死人の森の六王 - 手塚漫画自体も、映画や様々な作品からのアリュージョンが多い
テヘランでロリータを読む アーザル・ナーフィシー
- イラン・イラク戦争の時代、理想によって文学が殺されていく時代を生きた女性教師の話
- スカーフで抑えつけられても、それぞれの個性を失わない魅力的な女性たちの話でもある
- 『グレート・ギャッツビー』を学校で裁判にかけたり、自宅で女生徒だけの西洋文学研究会を開催したりと、無意味な規制に彼女たちは抗う
その先に、体制に無関係に存在する、文学や生きることの価値が見えてくるのであった - 悪とは、想像力と他人への共感の欠如であり、それに対抗する術もまた想像力である
- 「人生をまるごと生きるためには、私的な世界や夢、考え、欲望を公然と表明できる可能性、公の世界と私的な世界の対話が、絶えず自由にできる可能性がなくてはならない」
- 「そうでなければどうやって、自分が生きて、感じ、何かを求め、憎み、恐れてきたことがわかるだろう」
- 想像力をいきいきと働かせて自分を表現し、世界に伝えることが出来なければ、本当に存在しているとはいえない
同和はこわい考を読む こぺる編集部
- 藤田敬一『同和はこわい考』への感想や批判
- 運動内部の部落の人だけでなく、反差別運動の参加者の意見もあり、前提知識が無くてもそれなりに読むことも出来る
- 差別を軸にむこう側とこちら側というけれど、その境界にいる人々だっているのではないでしょうか
- わたしにとって「両側から超える」ということは、自分を簡単にどちらかの立場に固定してしまわずに、自分の中の両側をとらえかえすことから始めなければならないのではないかと思っています
→メイファーラ・ユディーア? - 『こわい考』の著者の標的は①「ある言動が差別にあたるかどうかは、その痛みを知っている被差別者にしかわからない」②「日常部落に生起する、部落にとって、部落民にとって不利益な問題は一切差別である」問い直すことにある
- 「部落問題を人ごととしてではなく、本腰を入れて自分の問題として考えるべきだ」とする意見と「部落出身者でない者に、被差別者の痛みが分かってたまるか」とする気概とが、あいともに部落出身者から陰陽縦横に提示される→提示された側の「心理」をキリモミ状態に追い込んだ
- 自己の生育史や生活体験を絶対化してしまうと、他の人にも程度と質の違いはあれ、それなりの苦しみや悲しみがあることへの配慮がなくなり、「やさしさ」を失う
- 他者への共感のないところで人間開放の希求を語っても、説得力はない
- 人間に対する尊敬と信頼、人間讃歌の感性、思想なくしては、真の人間開放の運動は創出できないし、自己の人間変革もできない。
- 被差別者がときとしておちいりやすい落とし穴こそ「被差別」という立場、資格の絶対化にともなう自己免責、自己正当化である。
- 具体的で緊張に満ちた共同の戦い、具体的行動のなかで、連帯を超えた共通の感情、信頼を創出しなければならない
- 「建前」と「本音」の緊張に満ちた葛藤こそ貴重
- 「足を踏んでいる者」の自己開放つまり、自らの差別性を克服しようとする差別者の戦いなしには、差別構造はなくならない
- 「差別がわかるということは、そのことに心を痛めるということ」「その意味において何の資格性もいらない」
- 「こわい」の責任を被差別民だけに問うべきではない
- 踏まれたことのない人に、踏まれた者の痛みを、感じさせるのが文学作品であろう
東方陰陽鉄シリーズ
- MMORPG『FinalFantasy11』のネタである「ブロントさん」が『東方project』の世界観に足を踏み入れる、RPGツクール動画
- 『東方project』の世界である幻想郷に、他のキャラクターを入れる「幻想入りシリーズ」の一つである
- 元ネタでは、英雄を自認する痛いプレイヤーでしかなかったブロントさんが、戦いを続けるうちに本当に英雄として認められていく
- 引用・流用された語彙が世界観を侵食し、変化させていく様が面白い
- ファンアートや派生作品も多数(ただし、ほぼエターなった)
第一話リンク
ニコニコ大百科記事
毒になる親 スーザン・フォワード
- 児童虐待を受けた人が、その苦しみ、親への囚われから解放される方法を説いている本
- タイトルにある「毒のある親」の概念は、体罰などの単純な虐待をする親だけでなく、精神的DV,アルコール依存症、問題を抱えていて親の役割が果たせないなど、様々な親をカバーしている
- 読んで即座に効果があるものではないが、過去に向き合って再出発を図る一助にはなり得る
トリイ・ヘイデンの本
- 『シーラという子』など、傷ついて、時に加害者になってしまった子供たちと、その子供たちに向き合う教師のノンフィクション
- 何もかも上手くいくわけではないが、全てが最悪に終わるとは限らないという話。
な行
謎の独立国家ソマリランド 高野秀行
- 『北斗の拳』のような戦乱の大地であるソマリア
- その中で「ラピュタ」のような平和を達成しているソマリランドとは、一体いかなる国なのか?
- 未知なる国家の謎に挑む、ゆかいで危険な冒険ノンフィクション
- 読んでいくうちに「ラピュタ」のたとえがピッタリな、ソマリランドの「力による民主主義」の実態が分かってくる
電子化○
なぜ日本は〈メディアミックスする国〉なのか マーク・スタインバーグ
- アメリカの「トランスメディア」は、メインの作品を売るための形式であり、キャラクターや世界観にゆらぎがない
- 一方、日本の「メディアミックス」は、製作委員会方式でどのメディアも成功目指す形式
→ソルダとコルセスカ - メディアミックスを、その成立理由やプラットフォームの変化に重点をおいて分析している
- 中盤以降は、KADOKAWAの話になる
なぜ人はエイリアンに誘拐されたと思うのか スーザン・A・クランシー
- かつて性的虐待を受けた人の「記憶」は本物なのか、という研究をした人の本
- アブダクションを信じることによって、多くの人は精神的な渇望を満たしている。
- わたしたちは、神のような存在とのコンタクトを求めていて、エイリアンは科学と宗教に折り合いをつける方法
- 人はアブダクションから、人生の意義、安心、神の啓示、精神性、新しい自分を得ているようだ
- 疑似科学の信奉者が増え続けているということは、科学が彼らの欲求や関心や願望に応えられていないということ
- 性的なイメージの例として挙げられている、ジャン・ロレンツォ・ベルニーニ「聖女テレサの法悦」=天使の槍に貫かれて甘美な激痛と選民意識を得た聖女の絵
→槍神教?
ナラティヴ・アプローチ 野口祐二・編
- 経営学や法学、生命倫理学などの様々なナラティヴ(物語)研究の集積であり【呪文】の書
- ナラティヴ「語り」あるいは「物語」という概念を通して、なんらかの現象に迫る方法の本
- 専門書に近いが、素人でも分かる部分も多い
肉体のヌートピア ロボット、パワード・スーツ、サイボーグの考古学 永瀬唯
- ヌートピア=ユートピアのゴミ捨て場と、そこに生きる者たちの生活。真のユートピア思想精算
- オートマトンから米軍のパワードスーツ研究まで、リアルとSFにおける「機械身体の歴史」の本
- 技術による肉体の拡大=「肉体のユートピア」の夢はもはや終わったぜ!米国SF誌を支配していた白人男性中心主義とかさらけ出されたぜ!でも超越への憧れは残り続けるぜ!な感じ
- 『ニューロマンサー』『カウント・ゼロ』『スキズマトリックス』『リムボー』などのSF名作のネタバレあり
- 『リムボー』とか、義手が政治的義務になっている世界の話だし、かなりアリュージョニスト
ニコニコ動画
- 元々動画をYOUTUBEから借りる形式であったりと、本質が空な感じがサイバーカラテな動画サイト
入門貧困論 金子充
- 貧困について、多くのデータを使い、その定義や対策の歴史を分かりやすくまとめてある本
- 分厚いが読みやすく、貧困ビジネスや生活保護、ベーシックインカムなど幅広いワードに触れている
- 特に、一般的な「貧困自己責任論」などの貧困観や貧困対策の是非を問い直しているところが特徴
→アキラくんと貧困や福祉
人形劇系異世界Youtuber 高い城のアムフォ
- 異世界からの放送形式と独特の雰囲気を持つVtuber
- 言語もオリジナルであり、一見の価値あり
チャンネルへのリンク
盗みの文化誌 泥棒研究会・編著
- ルパンや石川五右衛門からスリの銀次まで、さまざまな泥棒「現象」を研究している本
- 聖者の骨の強奪や売買、十五夜の作物盗み、身内の自殺死体で脅迫する中国近世の「図頼」など呪術的な話もたくさんあって面白い。
→盗賊王ゼド?
NOと言えない若者がブラック企業に負けず働く方法 川村遼平
- 生き残るために、必要な知識
- ブラック企業対策は「NO」と言わない場合の対応。そして「NO]と言うための戦略・技術 の両方が必要
- 何も無くても、普段から記録を残すことが大切
- 「あと3年働き続けられるか?」が見極めポイント
- 相談窓口の選び方と頼り方も
→グレンデルヒな環境で生きる人に
脳と気持ちの整理術 築山節
- 【サイバーカラテ】が欲しい人向けの本
- 誰かのために、あるいは具体的・限定された形でなければ、集中力は発揮されない
→2章のアキラくん?
呪われたナターシャ 藤原潤子
- 現代ロシアにおける呪術の現状についての本
- 大量印刷された実用の呪術書により「再び見出された」伝統呪術
- 伝統が儀式によって受け継がれないと、呪術や呪術書は効力を無くすため、記録が無意味になってしまうという
- ソ連崩壊後のロシア民衆の暮らしを理解する一助としても、十分に役立ちそう
は行
バーチャルYoutuber
- Vtuber、バーチャルライバーとも。
- 厳密にはバーチャルYoutuerは「キズナアイ」1人、という説もある。
- 3DCGモデルまたは2Dアニメーションモデルなどのキャラクターで動画配信を行う配信者たちのこと。
- ゲーム実況やラジオ的な雑談だけでなく、演劇や「キャラクターである」ことを活かしたロールプレイ、動画配信を伏線としたシナリオ展開をするものなど活動は多岐に渡り、現在もその数は増え続けている。
- アリュージョニスト的にはクランテルトハランスというかちびシューラとかリールエルバに限りなく近い存在。
- 量産型を配布している「のらきゃっと」>や「友人A」のサポートを受ける形式の「ときのそら」>などは、特にアリュージョニストっぽい方々かも。
白人の歴史 ネル・アーヴィン・ペインター
- アメリカ中心に、古代から「白人」の定義や形成の歴史を辿っている本
- この本の著者は、人種とは事実ではなく観念であり、人種の問題点に対する解答は、観念の領域でこそ見出されるべきだとしている
- そして、人種の永遠性という神話はここに覆され、私たちは再び問われるのだ「では、何色であれば美しいのか?」
パクリ経済 コピーはイノベーションを刺激する K・ラウスティアラ&C・スプリングマン
- アメリカ版「コピペと創作の境」の資料集
- ファッション、料理、音楽、フォントまでカバーしている
- 各業界における「コピー違反者」への対応策にも触れられていて、参考になる
- 日本の事例は、時実象一『コピペと捏造』がオススメ
hasnoha
- 回答者が全員僧侶な質問回答サイト
- いわば、仏式集合知(ただし、最近人手不足で集合知として機能していない)
→サイバーカラテ?
hasunoha
はじめて学ぶ生命倫理 小林亜津子
- 生命を巡る様々な考えや難問を、分かりやすくまとめた生命倫理の入門書的な本
- 安楽死、拒食症の治療のため娘を精神病として訴えた両親、結合双生児、胎児はいつから人間なのか、動物とヒトの種差別など、取り上げられている中でアリュージョニストにも関わる問題は多い
発達障害の人の就活ノート 石井京子
- サイバーカラテユーザーというか、うまくこの社会で働けていないアキラくんのような人向け
- 発達障がい者を支える様々な人の意見と、支援方法が載っている。
- 分かりやすくて詳しい発達障がい者のための本
- (まあ、この本に載っていない「国立職業リハビリテーションセンター」の方が就職には有利らしいけど)
- ただし、表紙にある推薦文が、よりによってあのワタミ社長である。ひどい出オチだ。
- ともかく、障がい者採用枠をごまかすためなど、発達障がい者でも需要はあるのは確かなようだ
- もちろん、無理にブラック企業に勤める必要がないのは、言うまでもない。
働く文学 奥憲太
- 「働く」ということについて考えるために、様々な本を紹介している紹介本
- 筆者によれば、文学は「答え」ではなく「問題」をそのまま提示してくれるから、助けになるとのこと
- しかし、その思想のわりには、この本には筆者の考える「答え」の色が強過ぎるように思える
- 本のタイトルを調べるためにだけ使うのが、適切かもしれない
バトルロワイアル・パロディ
- 小説『バトル・ロワイアル』の二次創作ジャンル
- 原作のルールを流用して、書かれた多重クロスオーバーのリレー小説
- 「どんなキャラでも死亡する可能性がある」舞台や能力制限の存在は、大物食いや別作品同士の強キャラによるドリームマッチを実現させた
→【シナモリアキラ】の内的闘争? - 詳細は、2chパロロワ事典@wikiを参照のこと(残虐描写・キャラ崩壊など注意)
- 2chパロロワ事典
- 個人的に「漫画ロワ」や「アニロワ」「アニロワ2nd」あたりは、多様なキャラや要素が混じり合ってアリュージョニストっぽかったと思う。
- 後に『Fate』シリーズの設定を流用した「聖杯戦争モノ」も流行るようになった(しかし継続が難しく大部分は過疎っている)
話すだけで書ける究極の文章法 野口悠紀雄
- スマホの音声入力を活用した執筆術と頭の鍛練法
- 音声を認識するのも人工知能の仕事なので、これも【サイバーカラテ】の親戚に違いない
- 音声入力は、長文のテキスト化便利で、メモに適していて、プレゼンテーション訓練にも使えるらしい
- アリュージョニストの作者さんもこれを使っている・・・かもしれない
「場の空気」を読むのが上手な人下手な人 和田秀樹
- 場の空気は読む必要がある、だが支配される必要まではないというエッセイ
- どんな人も、調子に乗ったり、うわずった気持ちの時や、場の状況が分からなくて「空気が読めない」人になることはある
- 一対一になれば、感情や考え方を少しずつ変えることも可能
- 「空気」とメンバーの感情が異なることもある
- 一人でも味方がいれば、空気を読まない行動をとっても平気
ハリウッドとマッカーシズム 陸井三郎
- 赤狩りで異端審問的な審判にかけられた人々「ハリウッドテン」の抵抗の記録
- ダシール・ハメット、アーサー・ミラー、ベルトルト・ブレヒトなど有名人が多く、それだけに上手く立ち回れた者もいる。
- 後書きで紹介されていたマッカーシズムの資料:リチャード・M・フリーランド『トルーマン・ドクトリンとマッカーシズムの起源』
- ロバート・グリフィス、ネイサン・セオハリス『妖怪ー冷戦とマッカーシズムの起源とに関するオリジナル論集』
- フレッド・クック『悪夢の一〇年』
- マイケル・ポール・ローギン『知識人とマッカーシー』
→【レイシズム変数】?
被差別のグルメ 上原善彦
- 出しただけで「人から差別される料理」であるソウルフードを食べ歩いたノンフィクション
- ソウルフード=よそ者を寄せ付けない独特な風味と味、高タンパク、高カロリー、一般地区では食べない食材の利用をした「被差別者の料理」
- 粟国島のタンナー(ソテツ)料理や樺太の先住民族ウィルタ(オロッコ)・ニブフ(ギリヤーク)から焼き肉やホルモンまで、日本のソウルフードが解説されている
- 差別とか、美味しいものや珍味を味わっているあいだは存在しないような気がしないでもない(邪視)
- フライドチキンなど、海外のソウルフードについては『被差別の食卓』を参照のこと
ひとりで苦しまないための「痛みの哲学」 熊谷晋一郎
- 思想と言えるほどの完成度は無いが、様々なアイディアが集積された真摯な対談集
- 痛みとは、物語化出来ない記憶なのではないだろうか?
- 「コミュニケーションが簡単に成り立ったかのように装う」ということは、本来は物語化されない痛み、つまり新しい傷を、「物語に還元」しようとすることを意味している
- 他者の痛みへの真の共感とは「それは私にはわからない、私からはそこにどうしても到達できない」ということを、痛切に実感することのほうにあるのでは?
→アズーリアの「語り直し」を嫌うルウテト? - 痛みほど個人的なものはないが、「災害ユートピア」のように、痛みには、それによって人をつなげる協働性がある
- 痛みの記憶にも、栄光の記憶にも、排他性につながる面もあれば、共同体の内外の連帯に繋がる面もある
→アキラくんとルウテト? - 破局化思考:内なる痛みに意識が集中していて、この痛みがあるかぎり、自分は幸福にはなれないのだ、というふうに思いこんでいる状態のこと
- 依存先や「原因」を増やすことで、破局化思考を防ぐことが出来る
→昔のミルーニャとか昔のアキラくん? - 予測誤差:自分の予測したことと、フィードバックとの間に誤差が生じて、それがくすぐったさや快楽の必要条件となる
→絶えず(快楽になる)予測誤差が生じるのが、アキラくんとトリシューラ、そしてコルセスカの理想の世界? - 欲望の客体となれば、主体がもたざるを得ない責任から解放され、無責任さ、快楽に責任を持たなくて良いというエクスキューズができる
→アキラくん
貧困のハローワーク 増田明利
- 劣悪な労働環境「貧困の罠」に囚えられた人びとを追ったノンフィクション
- 社会問題を掘り下げるようなタイプの本ではないが、さまざまな職業の人の体験を真摯に掘り下げている
- 取材先は、飯場労働者やシングルマザー風俗嬢から、ブラック企業SE、オフィスビル警備員、トラック運転手そして生活保護受給者やホームレスまで、幅広い
→前世のアキラくん - 最後は頭を使って立ち回るホームレスの話だったり、簡易旅館や社会福祉協議会の敷金貸与にも触れたりと、少しだが貧困に立ち向かうためのノウハウにも触れている
不安社会を変える 希望はつながる市民力 暉峻淑子
- 貧困など、釈迦問題と戦っている人へのインタビューが収められている対談形式の本
- グレーゾーン金利の撤廃や市民討議会など、実際に行われた取り組みについても語られている
→社会福祉とシナモリアキラ
FaceRig
- Webカメラによる表情モーションキャプチャを行い、その動きを3Dアバターへリアルタイムに反映させることのできるソフトウェア
- Live2Dとの連携で、あなたもアニメ美少女になれる!
→シナモリ・アキラ - How to make Live2D model from JPG images (for non-artist) (beginners tutorial)>
- 上記動画の日本語字幕版(ニコニコ動画)>
負の力 テリー伊藤
- さまざまな負の特徴を、ひとつひとつポジティブに解釈したエッセイ
→善悪の峻別 - 履歴書の自己紹介などに適しているかも
ベスト・エッセイ 日本文藝家協会・編
- 年ごとにエッセイをまとめている本
- ほとんどオチもない短文ばかりだが、読みやすく多様な視座がある
- 『2016』
- 「規則破り」吉村萬一:人間が最も酷いことをするのは「自分は正しい」と思い込んだ時である。正しくないものに対する徹底した不寛容。
- 加えて「正しくなければならない」という過度の欲求は強迫観念となって、自分自身をも攻撃するだろう
- 何らかの負い目がある方が、自分に対しても他人に対しても優しくなれるのではないだろうか?
- 規則破りを教師に認めてもらった時こそ、生徒はその規則を自分のものに出来るのではないか
- 小島慶子「インチキ英語の高い壁」:たぶん誰もが、自分の物語から自由にはなれない。けれど唯一自由になる方法があるとすれば、目の前の人に、あなたは誰?と尋ねることだ
- 他者への問いだけが、人を自意識の牢獄から連れ出してくれる
- そして、どんな無口な人にもきっとあるのだ。いつか誰かが尋ねてきてくれるのを密かに待っている柔らかな部分が
- 私はただ知ろうとして欲しかったのだ。ところで愛しいあなたはだあれ?と。
- 「規則破り」吉村萬一:人間が最も酷いことをするのは「自分は正しい」と思い込んだ時である。正しくないものに対する徹底した不寛容。
papperくん
- クラウド管理な人格&凡庸な顔つき。間違いなくアキラくん。
べてるの家の「非」援助論 浦河べてるの家
- 精神病棟を退院した人たちが、昆布の産地直送事業を始めた
- 彼らは、人間らしい清濁併せ持った生活、つまり「苦労の醍醐味を取り戻す」ための手段として、商売を選んだのだ
- 一人ひとりが、あるがままに「病気の御旗」を振りながら=ハンディを武器にして、地域のかかえる苦労という現実に「商売」を通して降りていきたい
- もちろん、お金儲けも、彼らみんなが共通してやりたいことだった
→人間をつなぐ資本主義としての【シナモリ・アキラ】 - 「弱さを絆に」弱さは、公開されて初めて力を発揮するもの。人の目をはばかったり、隠されるものではない
- 彼らは、治療者からも「弱さ」を引きだして「普通」の枠組みをブチ壊してしまう存在である
- また、彼らは幻聴を友人とみなしたり、幻覚や妄想を表彰する大会を開いたり、「べてるに交われば商売繁盛」などのモットーをぶち上げて既成事実化したりしていった
- これは、資本主義を、自分たちに都合の良いように改造して活躍している「弱者」たちの、ありのままの面倒でエネルギッシュな姿を描いた本である
PoliPoli
- 政治家とまちづくりが出来るというアプリ
リンク
ま行
Microsoft Office
見立ての手法 磯崎新
- 庭、能舞台など、建築学者によって書かれたさまざまな日本空間についての分析(わりと高いので図書館利用推奨)
- 時間と空間が未分節の日本の認識の基本、〈ま〉(間)
→レーレンタークの巫女関連 - カミの降臨する場所〈ひもろぎ〉
→第五階層の「ゆりかご」? - 桂離宮の庭園には、高砂(万葉集)の松や鶴島、亀島、天の橋立、月波楼(白楽天)のように、文学的なアリュージョンが仕込まれている
- 文学を踏まえて庭園が作られ名付けられ、またその庭園が和歌の素材となりアリュージョンされるのだ
- 自然石に命名して、庭石という別種の系をもつ文脈の構成要素とする【呪文】的な庭造り
- 高いところから支配地を見下ろす「国見」=類似性を媒介にして連想を喚起し、対象物を分節していく手法
→ゼオーティアの類似による同一化を食い止める、【氷血呪】?
源静香は野比のび太と結婚するしかなかったのか 中川右介
- 『ドラえもん』を様々な側面から考察した本であり、すごく面白いわけではないが、事実にもとづき冷静に分析している
- タイトルの疑問の答えは「作者の限界(時代的制約と社会人経験の不足)のため仕方ない」
- だが、この本では同時に『ドラえもん』世界がループ&パラレルワールド構造を持っている(長編・映画版も一作ごとにパラレル)ことも示されているため、あるいは、源静香にも別の未来の可能性はあるかもしれない
→結婚の宿命が待つコルセスカ?
無為のクレオール 大杉高司
- クレオール主義を批判しつつ、期待する本
- 近代の「主体」概念を乗り越えようとして提示されたクレオール主義も、また〈「主体」への回帰〉の自己撞着にハマっているのではないか?
- 1999年と刊行は古く暫定的な結論しかない本だが、「舌がかり」(スピーキング・イン・タング)で幻想の「外国語」を語るスピリチュアル・バプティストと、ヒンドゥーとカソリックが共に信仰する褐色の女神像スパリー・マイの二つのエピソードが面白い
→ゼノグラシアと女神キュトス? - 「舌がかり」(スピーキング・イン・タング)は、有意味な内容を伝達するための媒体=道具ではなく、模倣と反復を可能とする参照点としての形相=器でしかない
- ランボー作『地獄の一季節』の「錯乱Ⅰ」
- 狂える乙女の愛:捉えようとする矢先から逃れ去っていき、決してとらえられない真の「他者性」を愛する
- 地獄の夫の自愛:「他者のいない世界」。「自己」が主体的に働きかける融合は、結果的に「主体」が「他者」について抱く「他者」像に「他者」を封じ込めてしまう。
- 文化は変化するし、捉えて固定化した他者など本当の他者ではない
- 意識的・意志的に世界=客体に働きかけをおこない、それを統御できるものに変えてしまう主体観そのものが、近代の啓蒙主義の産物以外の何物でもない
- 「無為の」は、ジャン・リュック・ナンシー『無為の共同体』から
- 自と他の乗り越えがたい溝に生起する「共同性」によって開ける空間
物語の体操 大塚英志
- 工学的に作者の特権を零落させてやる!という杖の呪術書。鮮血呪。読んでトレーニングすれば君もいまから言語魔術師。
- 真面目な話神話民話の類型の初歩的な話の理解にうってつけ。
物語工学論 新城カズマ
- 細部こそ違えど物語の体操と極めて似たコンセプトの本
- さまよえる跛行者
や行
やる夫作品
- 汎用型AA主人公やる夫や、その変形キャラを用いた作品群
- 汎用型なあたりがアキラくんっぽい
- どちらかと言えば『槍』性が強いから、アルセス寄りかもだけど
- 安価スレもあるし、やる夫は、スレ住民の意思が反映されて変化する主人公でもある
- 様々な作品があり、長編名作にハマると年単位で脱出出来ない(実体験)
- やる夫は神の暇つぶしでテンプレチート異世界転生をするようです>
- 「小説家になろう」の神の暇つぶしによる俺のテンプレチート異世界記>が元だが、やる夫スレの方が読みやすいし、親しみやすい。
- 一見、ただのノリが良いチート転生パロディだが「記憶と記録の違い」と「言葉を理解することの意味」が中核にあって、結構アリュージョニスト。
山田ズーニーさんの本
- 言葉を上手く扱えない人が、文章を書けるようになる方法を追求されている方の本
- 「問い」で自分の想いを掘り起こし、自分の信頼度を高めて他者に伝達する
→寄生異獣【言理の妖精】と似て非なる方法論 - ノウハウだけなら『話すチカラをつくる本』エッセイ系なら『あなたの話はなぜ「通じない」のか』あたりから読み始めるのがオススメ
優生学の名のもとに ダニエル・J・ケルヴズ
- 英米の優生学の学説とそれが提唱された経緯、提唱者の経歴に詳しい本
- かなり分厚い
→ヴァージルの優生思想
ゆっくりしていってね!!!
- 東方Projectから派生したキャラクター・・・・だった
- 今や、実況とか歌とかする独立したナマモノ
- かなり【シナモリ・アキラ】的
- 虐待系は自己責任で調べてね
- かわいいぜ・・・・(項目筆者による邪視)
妖怪セラピー 芥子川ミカ
- 問題を「妖怪」に見たてて、それを祓うことによって問題を解決するアプローチの本
- エスフェリアやアズーリアを「解体」した【静謐】の上位互換にあたる【呪文】であるといえる
- これは「外在化」つまり、問題に対してそれまでとは違う因果関係のストーリーを用意するために、問題を客観化/人格化することの応用である
- そして、支配的な物語に対立する「もう一つの物語」を語ることで、問題を解決したり、解決不能な問題と共存出来るようにする【杖】的な【呪文】である
- これは、取り扱いを誤ると【小鬼】化したり、産み出した妖怪を制御しきれなくなるおそれがある危険な手法でもある
- 「妖怪化」の後には、セレモニーという「祓い」の儀式をやることが必須
- 発生するおそれがある問題や、実際の運用については、西尾維新の『物語シリーズ』や『百鬼夜翔シリーズ』あたりを参照すれば良いのではないだろうか?
妖獣バニヤップの歴史
- タイトルには「歴史」とあるが、歴史書ではなく100に分かれた短文の集まりであり、怪異譚
- オーストラリア先住民と侵略者の白人が共有したUMAを中心として、様々な怪異の話が収録されている
- その中には白人自体を、先祖の亡霊として怪異譚に回収するものも
ら行
ラーメン二郎
- 悩むくらいなら全ての要素をぶち込んでしまえばいい。収拾とかバランスとかは気にしないで、滅茶苦茶なくらいが一番面白い。
らごぱすたん
- 電気通信大学の鳥人間サークルU.E.C.wingsのマスコットキャラクター姉妹(男の娘疑惑アリ)
- http://www.uecwings.club.uec.ac.jp/blog/lagopus
- ペダルの回転数やルートの誤差を計算して、どれぐらいでペダルをこぐべきかや、進むべき方向を教えてくれる・・・はずが無言で終わってしまった
- 今後の活躍が期待される
リストカット・自傷行為のことがよくわかる本 林直樹
- イラストが多くて薄い、分かりやすいリストカット解説本
- 原因、周囲の人がとるべき対応、治療法などがしっかりと書かれている
- リストカットはすぐには解決しないが、時間をかけて考え、自分なりに選びとった行動は、自分らしさの一部となる
- たとえ直接的な解決に結びつかなくとも、考えてみようとする姿勢、考える時間が確かな自分をつくる
- 自分の中にある矛盾を解決しようと取り組む一方で、矛盾は矛盾のまま受け止めようとする視点や余裕を持つことも必要
りんな(人工知能)
- 自称女子高生の会話ボット
- あざとい
ルナル・サーガ・リプレイ 友野祥 グループSNE
- 七つの月がしろしめす多種族な異世界で、人造の救世主を巡る戦いが繰り広げられるTRPGリプレイ
- 〈聖なる母の結社〉という秘密結社や、破滅の未来からタイムスリップしてきた人物などが登場したり、月(の一部)と太陽が異世界への通路になっていると言われていたりする
- 小説版にくらべて、かなり雰囲気がお気楽なのが特徴であり、扱っている時代と地域も小説より広範囲(ただし、TRPGとしては進行がダメな部分もあった)
- 第3部と「月に至る子」の間の外伝は、読まなくてもストーリー理解にはあまり問題はない
電子版✗(小説は新版が電子化されている。ただしキャラクターシートは付いていない)
Wikipedia>ルナル・サーガ
ルワンダ・ジェノサイド生存者の証言 ジョセフ・セバレイジ ラウラ・アン・ムラネ
- 一度はルワンダ議会の議長となったが、国外亡命しなければならなくなったツチ男性の自伝
- ごく普通に生活を営んでいた隣人が、政治によってある日突然殺戮者となり、殺戮が終わったあともその隣人と共に暮らさねばならないという困難
- どんな人でも、殺戮者に成り得る
→【変数レイシズム】 - 著者は、サブタイトル「憎しみから許しや和解へ」のとおりに許しを呼びかけてはいるが、その困難さもひしひしと感じさせる
レトリック認識 ことばは新しい世界をつくる 佐藤信夫
- レトリックの歴史を掘り返し、その新しい意義を見出そうとしている本
- 修辞=レトリックは、単なる技法でも、ましてや虚飾でもない
- レトリックは言葉の概念を切り開くし、曖昧で複雑な人間の心情を表すためには、不可欠な存在である
- 言葉は、私の中の他者である
- 「アリュージョン」は「暗示引用」と訳すべきであり、「引喩」は明示的な引用の訳語として扱うべきだった
- (暗示引用などが持つ)言葉の選別作用とは、連帯と豊富化の作用でもある
- 選別作用は、言語の本質的な仕組みのひとつであり、かつ、それは遊びの原理に深く関わってる
路地の教室 部落差別を考える 上原善広
- 読みやすい被差別部落問題の入門書
- 路地(被差別部落)とは何かやそのルーツから始まり、同和利権や差別への対策にまで踏み込んでいる
- まず「人は差別する」という前提に立つのが肝心です
- 大切なのは、差別を無くすことではなく、差別を無くすためにもがくことです
- 「差別はダメだ」と感嘆に否定するのも、「当然じゃないか」と開き直るのも、解決にとってよくありません
- なぜそのような差別があるのかをイチからたどっていかないと、差別に対して抗いにくいのです
- 無意識にでも「多少の根拠と保険」で人を選別してしまうことを、一度とどまって、その人自身をちゃんと自分の目で見極めようと意識する(コントロールする)べき
- 差別されている当人が、卑屈にならないようセルフ・コントロールすることも大切
- 自分の”目”が信用できない、それだけでは判断できない、または面倒なために「多少の根拠と保険」に頼ることが「差別」になっていく
→【邪視】? - 自分がある・自分のしたいことがあるというのも、言い方を変えれば自分勝手・自己中心
→3章ラストのアズーリアやハルベルト - 自分がないというのは、成長する上での過程であり、それ自体はどうでも良いこと
- 自分がない・やりたいことが見つからないということは、逆にどんなことでもやれるということ
- 「素朴な疑問」を頭の片隅に持ち、考え続ける事が大事
- 何事にせよイチから考え直すことも大事
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