各話メモ/第5章(5-30 本選開幕①~)

Last-modified: 2024-04-16 (火) 22:55:33

5-30 本選開幕①

  • おはセスカー
    配信者によくある固有のあいさつ
    これをもって、配信中の時空を配信者独自のムードへと塗り替える
  • 「暗殺された後で二号機が出てくるんでしょ。知ってる」
    「死んだと思われたが、実はクローン(別人・替え玉)だった」
    「主人公の登場機体が破壊されるが、新機体に乗り換えた」
    といった展開は、フィクションの定番

ピクシブ百科事典>蒼崎橙子
ピクシブ百科事典>グレートマジンガー

  • 「槍と翼ガン無視でワンちゃんかわいいね」
    もっと大物の暴君がいるのに、そちらには手つかずなことへの皮肉
    翼はクロウサーのこと?
  • 機甲箒はご存じシェイドランと工神工房のコラボレーションモデル!
    シェイドランデリバリーはラズリさんが働いている宅配会社
  • ゾラ分家クァヒート一族に連なる名門の血
    クァヒートは「5-11 空使いは知らんぷり」でリーナに瞬殺されたランカーシュ?の一族
  • 二人は示し合わせたように、全く同じ意味の言葉を発した。
    • 「大いなる槍神の導きにより参った! この祝祭に紀神の加護があらんことを!」
    • 「偉大なる影神の託宣により参上した。この祝祭に紀神の加護があらんことを」
      マロゾロンドの正体は、名を奪われた『邪神』ハグレスなので真の意味で全く同じだったりする皮肉

5-31 本選開幕②

  • 「あの中には私が最も信頼する右腕もいる。失敗はない」
    • 「最古参の部下だ。私に三本目の足があるとすれば、あれこそがそうであろうな」
  • 新しく追加された五つの人形は血のような青で染め上げられている。
    タコやイカなどの血は青いし、『融血呪』も青い
  • 「リーナがあと一度でも到達すれば、全て終わりだ」
  • 黒衣の麗人ミシャルヒと魁偉なる戦士カーズガンが、世界槍の中心で握手を交わしていた
    冷戦時代の転機となった握手、ニクソン大統領の中国訪問のイメージ?
    Wikipedia>ニクソン大統領の中国訪問
  • 氾濫したシナモリアキラ自演画像が検索性を高めるための投稿タグである『#コアート』を荒らしまわるに至りコルセスカが遺憾の意を表明。
    もしかすると、「5-25 舞台裏の死角③」においてセスカがシナモリアキラを名乗った副作用でもあるのかもしれない
  • コルセスカと『王殺し』が相対する緊迫感溢れるイラストや、いい笑顔で祝祭を満喫するツーショット、暗殺そっちのけで箒レース観戦に熱中する二人、一緒にゲーム配信するイラストなどを公式アカウントで紹介して荒らしと全面対決する姿勢を示す。
    つまり、荒らしの正体は『王殺し』?
  • 「ええ。オトルベイトの坊やに花を持たせてあげないとね」
    オトルベイト?は、「5-11 空使いは知らんぷり」で初登場した『天嵐の主』オグリーズの家系
  • 「今度こそクァヒートの血をゾラの本流に! リーナ・ゾラ・クロウサーは俺たちが娶る。邪魔する全てを排除して! 偉大なる空と槍にかけて、俺たちは勝利を誓おう!」
    ナックスと[[エンハ]はゾラの傍流であり、「5-11 空使いは知らんぷり」でリーナ(ダウザール)にあっさり始末されたランカーシュ・クァヒート・クロウサー?と同じクァヒート?の家系
  • しかし激昂の直前、彼の周囲で微かに風が吹き、淡い光がその頬を撫でる。間近にいたリーナは目を見張った。
    • わずかな一瞬、パーンに触れて消えた無色透明の何かを第六感が知覚したのだ。
    • 影のように不確かなそれは、どことなく細い触手のような質感だった。
    • その謎めいた現象が少年を冷静にさせたのだろう。
      触手のようなものを使う何者かの干渉
  • 「勝者だけが生還の鍵を獲得する。それ以外は破滅だ。当然、俺も例外ではない」
  • 「死へと向かう道。その空虚さを誰もが知る。『空の空、すべては空』だ。あらゆる信仰はその前提から始まる。空使いであればそれを理解していなければならない」
    コトバンク>『空の空、すべては空』
  • 「生命とは死に向かう疾走であり飛翔だ。選定レースだと? これは呪術だぞ。ならば何のアナロジーであるかを理解しなければ意味が無い。まして『空を使う』など」
  • 「救う手段はひとつ。俺よりも先に冥府を突破し、天地を満たす藍域に到達して青い血を掌握することのみ。ペレケテンヌルが保管していたロディニオの始原泥(イネクシュネ)とは本質的に超起源獣(パンゲオン)と同じものだ。容易に魂は親和するだろう。無論、俺が先に到達して独占するがな」
    イネクシュネは、マラードリールエルバに使われているらしい万能細胞?
  • 「ひとつ、この場の全員がパーンに命を握られている。ふたつ、儀式の本質は冥界の踏破でありレースという形式に意味がある。
    • 結論として、今はレースを全力で行うべきだ
  • その価値はこの瞬間に零落し、形ある鮮血へと堕した。
    『鮮血呪』
  • 選定レースと連動した『転活体験アプリ・ウィズメモリーbeta』の大規模イベントの実行と、無料転生体験の権利を第五階層に存在する全ての者に一斉に付与するという宣言
  • リスタートポイントは第五階層の隣接異界『虫王の庭』に存在する隠し病院。機械女王が隣界で密かに建設を進めていた拠点のひとつだ。
    • 選定レースの通過地点であり、同時に重要人物である『名無しの王』を匿うための防衛拠点。
    • ある密告のお陰で事前に襲撃を予測できたため、伏兵として敵の予想していない『転生兵』を起動させた、というのが現在の状況である。
  • つまり、この隠し病院で一斉に目覚めた転生者は全員が機械女王と契約した傭兵や探索者たちである。
    • 基本的には全員が味方だと思っていいが、何事にも絶対はない。
  • トリシューラの全面的な協力があるとはいえ、パーンが全ての作戦を成功させられるという保証もない。
  • あらゆる予想外の事態を乗り切って目的を達成しなければ、リーナ・ゾラ・クロウサーが呪いから解放される未来は永遠に訪れない。
  • 端的に言って、イライラした。背後から槍で一突きしてやりたいくらいには。
    「3-6 魔女と英雄」で既にメートリアンは、仲間を背後から襲っている
    ただし、メイファーラ昏倒の件については、【自殺の黒槍(スーサイダルブラック)】(模造品)の副作用によるもので、しかも彼女のサイコメトリーによって、実はその狙いも看破されていたことが後で判明している

5-32 本選開幕③

  • それを見たパーンが小さく『フェロニア』と呟くと、画面が一瞬だけ切り替わり笑顔で振り返る少女の一枚絵スチルが表示されてすぐに消えた。
    フェロニアはパーンにとってのルウテトの名前、彼の「自由」
    ピクシブ百科事典>スチル
  • 虚無の内輪ネタを見せられている。
    この場合の「虚無」はつまらないと同義
  • 竜神信教の巫女マルガリータは、退廃と堕落の全てに対して怒りと嫌悪を向けていた。
    百億の怒りの一つ?
  • パーンによる高らかな宣言は、この呪文的競技が有する特性をこれ以上ないほど明快に人々に提示した。レースを目撃し、読み進める全ての者もまた当事者であり参加者でもある。だからこそ命を賭けろと彼は吼えたのだ。
  • この場の主役は既にパーンだ。
    • リーナは哀れな被害者であり、英雄に助けられるお姫様(トロフィー)でしかない。
      トロフィーワイフ
  • 今の彼は北方辺境の浮遊戦車にも匹敵する航空戦力である
    不優先者は、北方を舞台とする品森晶先生の『アリス・イン・カレイドスピア』にもちょっと出てくる
  • 地上では虎が槍状に尖らせた尾を振動させて腐朽呪詛による砲撃を繰り返す。
    Wikipedia>ティーガーI
  • それは、二丁の拳銃だった。
    • ルネトモランの誰もが知る、とある英雄の象徴。
      ゼド
  • 『強引な介入だけど許してくれよ、ダウザール。少しは友達っぽいことがしてみたくてね』
    ハグレスの干渉
  • 急造とはいえ、いつまでもアダスに三役をやらせるのも無理がある。
    アダスはゼドの内部人格の一人
  • 『それとも君にはこう名乗った方がわかりやすい? 『槍の民』ゼド=ハグレスってさ』
    ゼドの現在の所属判明

5-33 本選開幕④

  • 迷宮内において半ば設備や機能のように振る舞うセロナ
    不思議のダンジョン系やバイオハザードシリーズなど、ゲームで危険なダンジョン内に都合よく出てくる商人は多い
  • 第八階層で紛争を続ける鈴国軍と巨人連合、ティリビナ人の武装集団だ。
    ジャッフハリムでなく、鈴国名義で現在の紛争が語られたのはここが初?
  • 穢れたこの世界を祓い清め、浄化された世界を創造する。
    『浄界』
  • 『ここではないどこか』を求める楽園願望こそが邪視の根幹。
  • たとえ姉妹が皆殺しにされても、この怒りを絶やすことだけはできない。
    百億の怒りポイント
  • 呪術世界において、『睥睨』とは高次の邪視として位置付けられる神の御業。 
    「3-23 睥睨するエクリーオベレッカ」
  • 巨人の肩を借りて作った義眼などで挑むなどおこがましいにも程がある。
    巨人の肩を借りるとは、先人の知識や功績の積み重ねの上で成果を出すということ
    Wikipedia>巨人の肩の上
  • 「死神の腕、弱者の盗人、刈り取る者、猫の死、こぼれない鎌、外れない矢」
  • 義人ナプラサフラス
    終節:急『Escape from The Family』にて既出
  • かつて槍神だったものはそうした怪物たちを打ち破り、その力を奪い取り込んでいった。
  • 「シェロン、クラララリア、ティーアードゥ、ダーカンシェル、ラウス、そしてレメス。いずれの神話も賞味期限切れ。
  • ハグレス、仮にもかつては紀神であったお前が小鬼となれば、この世界に致命的な影響をもたらす。
  • 大怪盗クラララリアは価値あるものなら何でも盗める。そしてあらゆる姿に変幻自在だ。『盗賊の信仰対象』というゼドの英雄像の根幹たる力を手放せるはずがないだろう!
  • 七つの風と双銃
  • 僕と下界の世界観は一致している。これは合意に基づく神の支配だ!
  • 「パーンも、ライラも、ノゴルオゴルオでさえ! 僕は全てを手にして心臓(トロフィー)を掴むぞ! 
  • 正しい道からはみ出した世界の敗北者。ハグレスはそうした者たちを肯定する、言ってしまえば『小物の神』なのだ。
  • 残念だけど、亜竜王の遠い娘は私の妹候補よ。
    ユディーアのこと?
  • 当然そこには都市の中心が現れるわよね? 都市の法はあらゆる無法を許さない。今のお前が虜囚の身に等しいように
  • その器が藍天主の片割れと同じ商売の悪魔である以上、
  • 確かに、階層の外側を見ればなかなかの情勢になっていますからね。
  • 「空の民、それに『上』の勢力に呪文的な干渉が行われた。極めて広域に」
  • クロウサー家の雲持ち(セイン)たちだ。
  • 少し前までは食用奉仕種族として知られていたが、現在は『下』と同じように羊人(クラウディ)と呼ばれているれっきとした空の民である。
  • 燐血の民や四腕(メナル)
    メナル人は燐血の民の少数種族とされ、共に炎天使の末裔として神話に語られる太陽の眷属たちだと大神院は説明している。燃える血が太陽のかけらであるように、四つの腕は翼を地上生活に適応させるための神からの贈り物なのだという。
  • 右上の火手と左上の風手という精霊信仰に基づく呼び名は、『正しい信仰』にそぐわない迷信の現れだとして廃れつつある。
  • 「七つの風を掌握し、七日目を乗り越えられるのか。だとしても、八日目に訪れる破滅の炎と九日目に再臨する絶対者の瞳だけは逃れることがかなわない」
  • 「間に合わなければ、第五階層は世界を喰らう風と火の波濤に沈むことになる。アララトの頂きさえ乗り越えられる、巨大な方舟と次元を超えて吹く風が必要よ」
    • 「空使い。明藍の天主。冥道の踏破者。またの名を、七つの風の主」
    • 「キュトスの姉妹を統べる守護の九姉、その最初の死者にして転生者」
    • ばらばらだった要素を結び付けるのは、誰にとっても身近なありふれた価値。
    • 広がる青。大いなる空と、自由に吹き抜ける風だ。
    • 「大界賊シャーネス・クラララリア・クロウサー。蹄鉄の四血族よりも古い風渡り」
    • 「シナモリアキラ、わかっているわね? お前に課せられた七番目の魔女の指令(ウィッチオーダー)は、この空と風の掌握ではない。お前なりの認識と理解よ」
      次に解放させるべき左腕の機能の明示
      アララト山はノアの方舟が着いた山
      ネットアーカイブ>WEB参加型RPGパッフェルベルの鐘>シャーネス・クラララリア
  • 「紀人都市として、第四イストリンの権能を理解した時に感じたはず。末妹選定の本質とは、お前が繰り返してきたような凄惨な殺し合いなどではないのだと」
  • 神を憎み、世界に怒りを抱くというその在り方は、本質的には破壊的なものではない。
    • 苛烈さとは、必ずしも燃え盛るような炎と結びつくわけではなかった。
      百億の怒りの解釈の一つ?

5-34 義憤について

  • プーハニアの調べた情報によれば、ジュティアとミナの二人組は『ガリヨンテの鎌』という商会と不自然な取引を行っていたという。
    • 購入した大量の破壊的呪具は会場に持ち込まれてこそいないものの、密かに第五階層の外部、レースで通過する予定となっている隣接異界に運搬されているらしい。
  • 黒衣の肩にちょこんと載せられている鹿と鳥に似た奇妙な獣。
    敗北して記憶喪失に追いこまれたラズリさんの成れの果て
  • 「プーハニア? おかしいですね。あの子がその場所にいるはずが」
  • 端末個体からの情報を受け取ったセリアック=ニアの総体が『やはり』とライラへの疑念を確信に変化させた直後、小さな二頭身の胴体が衝撃によって床に叩きつけられる。
  • 全ては手遅れだ。先入観と同期の時間差を完全に利用された。
  • ロードデンドロンは自分に迫る脅威を使い魔に対処させ、その間に後方グループの老女ビルメーヤと魔弾の間に強引に機甲箒を割り込ませる。
    • 土の障壁によって守られた機体には傷ひとつないが、身体を張った善行に観客席から賞賛の声

「クソ狩人(ワーミー)女! 俺らは関係ねぇだろうが!」
WordReference英和辞書>whammy

  • 対照的に感情を露わにしているのはロードデンドロンだった。
    • 召喚獣による防御に炎天使は反応していないにもかかわらず、血相を変えて背後のジュティアとミナに非難の視線を向けている。
    • 「すぐにこの呪いを解除しろ! いたずらに被害を拡大させるんじゃない!」
  • 「何か踏み倒しましたね。ミクニーとピュクティエトの戒律と加護にはシナジーが幾つかありますが、『不幸な生贄』からの『名誉の殉死』誘発コンボで炎天使シフト狙いが定番の強ムーブとされています。あっ、いまミナが炎に包まれて蘇生しましたね」
    カードゲームでは、特殊効果をコンボ(組み合わせ)て、手持ち戦力の復活などの強力な現象を起こすことがよくある
  • 「アルマのような先祖返りの燐血の民であれば命数(ライフ)上限が限界を突破している可能性もありますが、無制限の蘇生ではないでしょうね。おそらく命数を補充する仕組みがあるはず。沙羅双樹型の一時的な不死呪術を併用しているものと思われます」
    沙羅双樹は四章でセリアック=ニアが使った代償が大きい決戦呪術
  • 「おそらく命数(ライフ)松明神の息子たちピュクティリオスと呼ばれる二桁台の上位炎天使。『蝋燭の冠』のアトリビュートから御使いの八八番、『天寿の告知者』の神話再現型化身でしょう。時間や寿命を蝋燭に見立てて管理する死神です」
    Wikipedia>死神 (落語)
  • 清楚なブラウスと背中空きニットワンピースという妙な出で立ちをした燐血の民は
    童貞を殺すセーター
  • 掃き清める。聖なる領域を浄化する祭具としての箒の役割。
    日本でも、箒を逆さにして嫌な客を追い出したり、お産を軽くするなどの民間信仰がある
    Wikipedia>箒

5-35 呪文の座として

  • まずは素性・属性・スキル・パラメータ配分・初期ボーナスアイテム・ポイントの使用先を決めてね! お約束!
    ソーシャルゲームなどでよく求められる初期設定
  • 属性の説明をするね! 六芒星の頂点を司る呪術的な属性は『信仰()』『知性(ひかり)』『本能(みず)』『葛藤(かぜ)』『血統(いのち)』『奉仕(だいち)』だよ!
  • Tier上位スキルの効果を一覧にしたよ!
    オンライン対戦ゲームなどで実際にあるチート
    見つかればBANされたり炎上するので、良い子はマネしないでね!
    ゲーム用語集>Tier
  • 「眼鏡を発明したのは亜大陸境界域の錬金術師って説、ご存じですか? 第五世界槍(トゥルサ)の錬金術は亜大陸の精霊術と相互に影響を与え合いながら発展してきました。
    第五世界槍
  • アロイがワリバーヤを征服するまで、マーディキの小世界槍はまだ異邦の呪術観を維持していたはずですから。
  • 「並行矛盾史って言うらしいよ。『塔』に関係する黒百合宮とかの学び舎は外界とは異なる時空の異世界になってるから、選択によっては『行かなかった自分』も存在し得るとか」
  • 「なるほど、境遇の相似ですか。似たものが引かれ合うのは呪術の基本ですからね」
    コトバンク>類感呪術
  • 「なるほど。『君主』と『王国』と『信仰』を揃えてティリビナ人の祭祀的自決を達成するわけですね。そのために、地上との融和の旗印であるエストはさぞ邪魔でしょう」
    この場合の自決は「民族自決権」の自決
    Wikipedia>民族自決
    コトバンク>国民国家

5-36 名無しの王争奪戦①

  • 「『クイーンサイド』の連中が動いたぞ」
  • 「で? 仕掛けの時はこの粉キメりゃいいんだな?」
  • 「アプリでもいいってよ。豚好きハデスの精神加工。一時的に死を偽装できるって話」
  • 「ふうん。ヒーローごっこも大変だ。パパに隠れてやんねえと怒られちまう」
    スーリウムは死者を観測出来ないため、死んだふりをすることでその視界から逃れることが出来る
  • そこに載せられていたのは、細く長い鎖。
    • だが修道騎士の金鎖とは少し趣が違っていた。
    • 二本の鎖が一対となった二重螺旋の形をしていたのだ。
    • 片方は煌めくような金。もう片方は融けるような青。
    • 意味を持たない奇妙な記号は、ゆっくりと少女が目を見開くと手のひらから忽然と消えていた。彼女が振り返る記憶の中に、それはまだ顕れていない。
  • 力強い歌唱と疾走感に満ち溢れた民謡的フレーズの背後からクワイアとバグパイプが追いかけ、
    コトバンク>クワイア
  • 「重要な護衛対象は『名無しの王』だけってこと?」
    アルト王のこと
  • 雇われた探索者たちはエレクトラの知る限りでも黒曜騎士のハイマン、『牛飼い』のオーテス、『啄(ついばみ』のクロウといった手練れが揃っている。
    「5-13 テキストベース・サーキット」の予選レースで登場した連中
  • メートリアンはダリオ・タイオンという古株探索者の名を思い出した。
    「4-63 女王の器」で創世竜と戦っていた探索者の一人
  • 後衛は陽根や槍の魔除けで身を守りながら
    陽根(ペニス/ファロス)は邪視避けになる
  • 「そ、それってかなり昔に壊滅した過激派組織のはず! ティリビナ人も助けてる病院を襲撃しようとして、『塔』の魔女エクリエッテに滅ぼされたとかって」
  • 彼の剣術はクレイと同質の肉体言語魔術。
    • コミュケーションを行うという思想がその根底に流れている。
    • つまり、彼は異文化と対話しているのだ。
    • 『聖絶』によって異獣であるティリビナ人を絶滅させるという意思に対しての返答。
    • 彼なりのやり方で、対等な言葉を返そうとしているのだ。
    • そこには悪意などない。
  • 「ヒュレー。この世界は、『自分たちとそれ以外』ではない」
  • 「エストが願う平和への歴史(あゆみ)を、否定させはしない」
  • 「なら、私たちの縋った抵抗の歴史(あゆみ)は、否定されちゃうの?」

5-37 名無しの王争奪戦②

  • いずれにせよ、機械女王は軽々しく過激な手段を選ばないだろうというある種の『甘え』に乗っかる形でこの襲撃は行われていたはずだ。
  • だが実際のトリシューラは隠し病院ごと爆破して全てを無かったことにするという手を打ってきた。ティリビナ人たちの計算を無に帰す暴虐は、致命的な隙でもある。
    • 機械女王は道を踏み外した。暴君に待ち受ける運命は、悪因ゆえの悪果でしかない。
  • 「いいえ。ハルたちは、相反する理想と現実を繋ぐためにここに来た」
  • 真紅(レッド)真蒼(ブルー)鮮朱(ヴァーミリオン)輝黄(オーレオリン)押韻(ライム)本紫(パープル)。この局面なら必ず動くと思ってた。ハルはさいしょから、あなたたち全員と戦う準備を済ませてる」
  • フォービットデーモン
  • 「昔々、正樹歴がはじまる少し前のこと。ヴァルンドの辺境に寂れた庭園がありました」
  • 『百矢』ローナン率いる『ローナン傭兵社』が五パーティ単位での契約で四十五人。
  • 『煙斬り』ドミーロ・ボーツ率いる『炎上戦士団』が三パーティ相当の約三十人。
  • 『飾り爪』アエオニウム率いる『流武隊』が主力パーティ九人。
  • 『刃舐め』ハンティト率いる『ハンティト探索者事務所』がミドルパーティ六人が四隊で総勢二十四人。
    改稿前の『創ア』に出てきたトロル?
  • 『フリル士』ポーレッテ率いる『リボン戦線』がフルパーティ九人。
  • 『愛の鞭』バーサーミン率いる『獣友会』が調教師九人と使い魔十七体。
  • 『病老奇手』チャスコーン率いる『不殺隊』がフルパーティ九人。
  • つまり、あの転生者たちの身体には三つの意思が同居しているのだ。
    • 知らぬ間に『前世側』の魂たちに寄生していたティリビナの種。
    • それが転生後になって芽吹くという遅効性の呪毒。
  • もっと言えば、これだけのティリビナ人武装勢力をどう取り締まり、どのように今後発生し得るテロを防止すればいいのか?
    • そういう観点で言えば、機械女王は既に完全敗北している。
  • ティリビナ人テロリストがこれほどの脅威を示した以上、最悪の場合は全てのティリビナ人を潜在的脅威であるという前提で殲滅する、という結論になりかねなかった。
    • それを前提に、モーリュは『全く関係のない無辜のティリビナ人』を拉致、『矛盾する経歴』を挿入してティリビナ人テロリストに仕立て上げ、『被害者』と『敵対者』という状態を並存させて使役している。
  • カシュラムの流れをくむ混沌派のアヴロノ・ノーグの血脈
    最近/品森晶先生のカクヨム近況ノートにおけるサポーター限定記事「はいはい設定設定②」を参照のこと
    近況ノート>はいはい設定設定②
  • 「ライラ、スーリウム、ノゴルオゴルオ。三人が『未来の視線』『過去の視線』『現在の視線』をそれぞれ分割して掌握。視座の源であるクナータをアルティウスが守り、他の三人は共闘の成果として得たそれぞれの『時の瞳』で別々の救世主を作り出そうとしている」
    • 「仲間割れは偽装?」
    • 「あるいは茶番。終盤までに対立勢力を削っておきたいという思惑もあるかも。奴らは自分以外の陣営が勝つことを恐れる一方で、自分の失敗も恐れている。あと、これはトリシューラというよりコルセスカと共有すべき情報だと思うけど」
  • 「紀竜の巫女と、三人の将、そして仮面の槍士。この配置はおそらく見立てのまじない。あるいは再演儀式だと考えられる。かつて世界を焼き尽くした火竜メルトバーズ。その召喚に関わった炎帝の五将が、これとほぼ同じ配置だから」
    ゆらぎの神話百科事典>炎帝五天将
  • 「潰し合いではなく競い合い。場合によっては共闘も視野に入る。そっか、これって」
  • 「一枚岩ではないとはいえ、奴らの背後にいるのはみな来訪者。同じ神話世界の神群であるため、仕える神でなくても勝利を歓迎できるということですね。あるいは、いずれかの神が完全に復活することで他の神々も力を増すのかもしれません」
    • 「これは末妹選定の続き。いいえ、あるいは本選。使い魔の座の中心で私たちと競い合う、主と使い魔。その候補者が三組。クナータをそのまま使うか、資格である瞳を移植するかの違いはあるけど、目的は救世主トリアイナの降臨で一致している」
  • 『星見の塔の魔女』という立場で、同胞たちと共闘してもいい。
    • ハルベルトが与えてくれたのは、そんな誤魔化しだった。
  • クナータは上位者によって支配される操り人形だ。
    • ノーグの血統。リーヴァリオンの意思。時十字の瞳を掌握する神の子たち。
    • しかし、それぞれが協調とはほど遠い状態であるため、『心話』のチャンネルは全て個別通信であり情報の共有がなされてはいなかった。それは情報漏洩を防ぐための備えであり、最大の敵が同じ使い魔の座であると理解しているからこその態度でもある。
    • 皮肉なことに、最も強大な勢力である使い魔の座こそが関係性という力の脆弱さを露呈しているのだった。クナータにとって、それは救いである。
  • 「我々は共に未来を統べる力を持つ。私に近い視点で物事を俯瞰する君だからこそ、真っ先に私に接触し、あの連中を利用するという必勝の策を用意できた。品の無い獣も醜い岩も、私が『死角』を見通せないと侮っている。まさにそこが隙となるとも知らずに。私を補完する君と言う視点が存在している限り、我々に負けはない。頼りにしているよ、クナータ」
  • 己を呪縛する全員に同じ言葉を送ると、クナータ・ノーグは曖昧に微笑んだ。
    • 回想によって幻視した未来の記憶。
    • それとはまるで一致しない大嘘を、いつものように臆面もなく口にしながら。
    • 知らないはずの血の呪縛は、いつだって彼女に確信をもたらしてくれた。
    • クナータにはわかる。これはきっと、血筋に違いない。
      彼女の母を愛人にしていた父に由来し、そして姉(キニス/ユディーア)と共有する嘘つきの血筋

5-38 アルト・イヴニルと五人の騎士①

  • 五人の騎士と騎士団の対応と現状まとめ
    • クオア・リア・クロウサー:空使いダウザール様の忠実なる騎士 蒼空騎士団 空の亜竜
    • ハタラドゥール:離反
    • シダリス:黒蟲騎士団 ハタラドゥールと交戦して撤退 虫騎士
    • アルバダオバ・ハツワシュ:白翼海の扉竜 老紳士
    • クヘーバ 黄獣騎士団 黄色い髪を逆立たせた上半身裸の巨漢

アルト・イヴニル:人形遣いの切り札である魔戦人形師団

  • しかし、仮に五人の騎士たちが当時から亜竜王に対しての忠義を持ち合わせていなかったとしたら? 伝説に語られる多種族を束ね上げた手腕、それが張りぼてでしかないとしたら? 徳による王道、理想的な統治が、虚像でしかないとしたら?
  • これより救世に挑む我らが竜母は、冥府への道行きに多くの贄を必要としておいでだ
  • 私はマラードにしてアレッテ・イヴニル。ラフディ王として、魔眼竜バーガンディアの転生者として、
  • 「『歓喜するスフィストラ』『唾吐きのエキドナ』『袋担ぎのゴガベズ』『充電鬼ボルボン』『巡るジアルフィアルア』『鳥籠人形のメナトメナス』『溶岩獣の乳母フォリアルゾラム』『毛むくじゃらの胎児ワユイーン』『茸爆弾のユーウィーシュ』まだまだいるが、これ以上の紹介は必要か?」

5-39 アルト・イヴニルと五人の騎士②

  • ハツワシュ湖
  • 防衛側の人形
    • 自鳴琴(オルゴール)のキーキゼリス
    • 濡れ髪のハヴィシンタ
    • ラフディの処刑者スメーキフ
  • 戦奴虫人の軍勢が全てを引き裂く。豆腐の皇女を従えた聖騎士
  • そして、神が重い石を持ち上げる
    Wikipedia>全能の逆説
  • ノノくん、パルくん、ココくん、ザラくんは牽制しあってないで、皆で仲良くキニスちゃんを迎えに行く準備をするように
  • クドラカーン
  • ドルスタームの神殿
    ドルスタームはラフディが存在した土地
    サポーター限定記事「東方諸国について②」に記述あり
    近況ノート>東方諸国について②
  • 「ドルネスタンルフの陪神ごときが、負け惜しみも大概にしろい。大地の神権を失ったばかりか院政による王権の維持さえままならなかった。人形の王を操るのに失敗した時点で、おめたつの神に未来はねえのよ」
    ゆらぎの神話百科事典>ラフディ
  • 第六階層は世界槍を満たす次元の泡を通過し、その境界面を侵食して第五階層とひとつになろうとしていた。
    • 通常ならば大規模な儀式を準備しなければ不可能な芸当だが、ディスケイム家が誇る最高傑作にはそれができた。

5-40 アルト・イヴニルと五人の騎士③

  • 『守ってやらねばならない』と感じたからだ。
    • それは哀れみや同情であり、彼女が求めていた真の愛情ではなかった。
    • だが、情は情だ。経緯はどうあれ、既に彼女は他人ではない。
  • 『アダム・カドモン』『最終始祖イネクシュネ』『原初の沼ヒュールサス』『クロウサーの土』『記録代替者』『ハース型レゴン細胞』『人工疑似細菌』『影子(スキウルム共振器』『擬心暗鬼』『心的群体ホムンクルス』
  • 「なるほど。やはりクオール神殿の遺児か」
    アレッテラプンシエルの廃都の魔神人形ガルラそしてその元になったガルラ・クオール?の姓がクオール
  • 「マラード。君は私の兄弟にあたる」
    • 「いや、これは言い過ぎか。

5-41 名無しの王の行方

  • 名無しの王を祝祭で行われるオークションに出品することが決定しました
    • 『上』からはクロウサー家や槍神教の高位神官、北辺帝国の大貴族といった数々の富豪が参加を希望しており、『下』からも名門であるディスケイム家や虹国(ヴァルニア)の大賢者、洞窟国(ジャンザビオン)の王家と錚々たる面々が名乗りをあげております
      リーナローザ?ライラ・ラプスノゴルオゴルオなど
  • マラコーダのような他のマレブランケメンバーを別の勢力に売ることだってできるのだと説明しつつ、スーリウムが簡単に無視できない勢力の関与を匂わせる。
  • ローザ・パルサが実際にリーヴァリオンであるかどうかはこのさい問題にはならない。
    • いや、実際にそうだった場合は色々な問題が生じてくるが、今はティリビナ人たちにその可能性が高いと思わせるだけで十分だ。
  • 「えーっとね、なんか『ジャッフハリムの魔将ユディーア』って宣名してるみたいだね」
  • 「影と夜に潜む鬼の眷属だと?! 殺した時には片鱗も見せていなかったはずだ! なぜ今になって?! 根絶やしにしたはずだ。母上が完璧に切除して上書きした! あれはもはや棄てられた矛盾史だ、我らの正史にあってはならない。あの種族が存在するこの時間枝は剪定されるべきだ。だというのに、なぜ奴は根から引き剥がせない形で存在している?!」

5-42 ユディーア対チリアット①

  • 猪人(ブルータ)
    後述の先祖の名前に加え、裏切者の代名詞であるカエサル殺しのブルータスを意識?
    Wikipedia>ブルータス
  • アテンプルの猪を討伐し、その血を取り込んだ紀神シャルマキヒュの眷属
    アテンプルの猪
  • ウィッチオーダー十六番・ディシルキュトス!
    ディシルキュトス
  • 『ババロアの魔女』という異名で知られるガロアンディアンの庇護者。紀竜信仰と一体化した地母神の顔を持つ、強大な巨竜騎士だ。
    彼女はアルトの義姉でもあったりする
    ディシルキュトスのキュトスの姉妹としての名が竜騎士「バイエルン」であり、「バイエルンの」という意味の名を持つお菓子のババロアをこれにこじつけたものだと思われる
    Wikipedia>ババロア
  • 女装男(ココルデリコ)ほどの巧みさはなく、蛇女(ミディルネネコ)ほどの支配強度もなく、梟翁(ワディルゼリコ)水妖精(ホセルラン)のような特異な才は持ち合わせていない。
    だがかつての指導教官であった猪人(アテンプレク)はこう言ってくれた。
    アテンプレクはアテンプルの猪のこと
  • アテンプレク・ディスケイム。
    • マレブランケ構成員のひとりチリアットは、キニス・ペラティアと同じ博物城の出身であり、ディスケイム家の血統作品(アート)である。

5-43 ユディーア対チリアット②

  • その日に行われた『ペラティア展』
    • テーマは暗黙の怒り

偉大なるアルト王の血を引く者よ。
誉れ高きダーカンシェルの言葉を受け継ぐ子よ。
恐るべきカズキスの呪いを刻まれた器よ。
美しくも麗しいハース・アル・ガニヤに象られたテテリビナの(こずえ)よ。
旧世界(ロディニオ)記憶(イネクシュネ)を超えていく産声よ。
来るべき救済の日、大いなる世界獣(パンゲオン)の背に我らを導きたまえ。

ハース・アル・ガニヤ?については前話の召喚呪文を参照のこと
コズエ?」は四章学園編でのトリシューラの名前と同じ
つまるところキニスには、まつわる文脈がたくさんあるという話らしい

  • 「ついにディスケイムから動物想(ファウナ)に届く血統が現れたか」
    地下アイドルのファウナと関係あり?
  • 「クドラカーンが俗世の(まつりごと)に無関心なのはわかっていたことだ。過ぎたことを悔やんでも仕方があるまい。今後、我らは中央での立ち回りに注力すべきだろう」
  • 金毛巨猿の長い腕は太く、重々しく、荘厳な柱のように大地に屹立している。彼の名はマーネロア。
    • ティシリアやクドラカーンと並ぶ博物城の至宝
      マーネロア
  • テテリビナ穏健派の『緑の御者』殿との同盟を今以上に強固にしておくこと。となれば当面の問題は封じられた世界樹、その第八階層と第五階層になる
  • 彼に未来を視る力はない。
  • 「我ら『境界動物解放戦線』は、為すべきことを為そう。ダーカンシェルの鎖を砕き、血と肉体から解き放たれた真なる自由を創り出すために」
  • 「アテンプレク。あの娘の未来に意思を届ける。お前の命を私に捧げよ」
    • 「喜んで」
    • 瞬間が引き伸ばされ、世界が静止する。
      内緒話のために、わざわざ寿命を削らせて時間を止めさせた
  • 戦火のあとに降り積もった灰は全ての終点だ。ゆえにこそ、お前は悲しみと怒りのための薪としてくべられている。見よ、お前を賛美する愛国者たちの闘争心を」
  • 「お前は死だ。ティシリアとお前の母は、お前に恐るべき滅びを願ってしまった。いつか正しき怒りがお前と言う灰を呪い、言祝ぐだろう。それは闘争の渦、始まりも終わりもない怒りの循環、流血の継承に他ならぬ」
  • 不格好な優しさが誰かを救うことはない。それだけの意思が彼には欠如している。
    • だが、それができる者は確かに存在する。
    • 英雄はいるのだ。
  • 「だが血のさだめに臆してはならぬ。死は恐ろしいが、もっと恐ろしいのは死の価値が損なわれることだ。いまは理解せずともよい。だがいずれお前はこの記憶を想起するだろう。誰もが命の価値を求めて抗い、意味のある死を望む。だが黙して語らぬ死者の価値を決めるのは残された者の特権なのだから」
    • 「キニス様。あなたがそう願う限り、お父上の死は無価値にはならないのです」
  • 「死者の言葉を探すといい。色褪せぬものは、必ずそこにある」
  • 黄金に輝くまなざしは確信に満ちていた。
    • そんな虚構が実際にはないのだとしても、彼はそれを信じて行動する。
    • 邪視の本質がそこにあり、呪文と言う欺瞞の根拠の要はそれだった。
  • 境界動物解放戦線。金毛種と猿人。ヴァナラとエイプキン=ントゥガ族における交雑のライン。ダーカンシェル実験。第六世界槍の言語境界域。神授王権を更新するための英雄血統。人間と動物の狭間にある血族。与えられた言語の剥奪。存在しない言語の翻訳創造。巨人戦域で言語支配者に抗う者。ントゥガの言語解放者。
  • 言語支配者ダーカンシェルとその子アルトは動物に言葉を与え人としての知性を与え、また逆にその特権を剥奪する権能を有していた。
  • ユディーアはその傲慢なまでの権能を血の中に受け継ぐ者であり。
  • マーネロアはその支配に抗う者たちの旗印だ。
  • アンドロイドの魔女は、半年前の時点で第八階層の攻略に向けて布石を打っていたということになる。

5-44 ユディーア対チリアット③

  • ディスケイム家の守旧派勢力が作り上げたユディーアと、急進的な改革派勢力が作り上げたアテンプレク。
  • この邂逅が機械女王が意図した『理想的調和』なら、アンドロイドの魔女はディスケイム家という勢力を甘く見ているか、本気で制御できるという確信があるかのどちらかだ。
    • だがそれを判断できるほどユディーアは機械女王を知らない。
  • 記憶封鎖状態の『レオ』から情報が漏洩する心配はないが、血統作品である『ルーシメア』の造反がディスケイム家に露見するようなことがあってはならない。
  • 来訪者をはじめとした諸勢力を出し抜いて救世主を守り抜く。
  • 「かつて私とマーネロア様は友と約束しました。この世から異獣という呪いを取り払おう。そのために古き言語支配者たちが作り上げた『断絶の壁』を共に壊そうと。
    Wikipedia>ユリ熊嵐
  • 「ウー、ジン? お父さんのこと? それは何かの封じ名?」
    Wikipedia>沙悟浄
  • 「貴方のお父上によれば、異境の『見立て』を利用した符号術だそうです。マーネロア様はウーコン。私はウーナン。この名をもって我らは『境界動物解放戦線』として立ち、『人ではない』と虐げられたものたちに真理と信仰を示そうとしたのです。根源獣の教えを世に広めるという偉業は、救世主の降臨によって成し遂げられるのだと」
    ピクシブ百科事典>黄金の大猿
  • 『境界動物解放戦線』というのはその名の通り『人と動物』の境界を定めている枠組みを解放するための団体だ。猿人(エイプキン)
    として知られているントゥガ族のような言語と知性、文明と魂のボーダーについての議論が盛んな種族を保護し、その権利を拡張するための運動を展開する世界で最も過激な動物愛護団体というのが世間的な評価である。
    Wikipedia>人間>人間の線引き
  • 「にあ、さいゆーき! えらい僧侶の使い魔! 三蔵法師は訳経僧。『信仰』を翻訳する祭司だから、紀竜と起源獣のことばを民衆に広め、真理をもたらす救世主の守護者を自認してる? ユディーアパパ、なんか異界に詳しい! 次元移動者(プレーンシフター)?」
    Wikipedia>西遊記
    アニヲタWiki>プレインズウォーカー
  • 身体が幼くなったことで、心まで過去に近づいてしまったのかもしれない。
  • この心理傾向は危険だ。表層的に協力関係だけ取り付けて、さっさとこの場を立ち去るべきだ。そうしなければ、ユディーアは今の自分を見失ってしまう。
  • あるいは逆なのかもしれない、とも思う。
  • 足場も定められずに迷い続けているユディーアが、自分の真の願いを見つけてしまう。
  • 今はその瀬戸際だ。このままでは破滅的な思考に身を委ねてしまいかねない。
  • ディスケイム家を変革する』などという無謀な考えになんて、近寄りたくはないのに。
  • そんな決意、ユディーアには向いてないのだから。

5-45 ユディーア対チリアット④

  • 六つに連なる宣名のコイン。
    • 『死神の腕』シェロン、『弱者の盗人』クラララリア、『刈り取る者』ティーアードゥ、『猫の死』ダーカンシェル、『こぼれない鎌』ラウス、そして『外れない矢』レメス。
    • そのほとんどは『新しき神』として知られている紀人の名であり、かつて槍神によって殺され、奪われ、勝利によって包摂された神の威光そのものだ。
  • 鋭く伸びていく鉤爪の長さと反比例するかのように視線が少しずつ下降していく。
    ユディーアにかけられた若返り(幼児化)の呪いが、効力を増している
  • 一面の黒。
    • どこまでも広がる闇。
    • 目蓋の裏も表も同じだ。全ては無であり、同時に始まり以前の有である。
    • 死とは生の裏側。世界の真下。
    • 生命が終わりに辿り着く地の底とはすなわち始まりの空虚である。
      とある魔術の禁書目録IndeX>オティヌス

5-46 レジェンド対モーレツターボババア①

  • 「大いなる槍と我が祖たるペレケテンヌル、そして偶然を司るミクニーに誓って! 俺の魂を勝利にベットしてやるぜ!」
  • 「ええと、クリーナー選手は先ほどから非常に不安定な飛翔を行っていますが、これは恐らくランダム性の高い呪術を指標に針路を定めているからでしょう。私の使うゲーム系呪術にも近いのですが、彼は卜占(ぼくせん)タイプの競技者です」
  • 占術はおおまかに命占、相占、卜占の三種に大別できる。
    Wikipedia>占い
  • 怒りや焦りといった激情が、意思と選択に結び付いて初めて意味を持つように。戦略なき無謀は無意味です
  • 軽蔑を通り越した憤り。
    • ビルメーヤは、目の前の全てを嘆いている。
  • 「まったく、最近の若者ときたら! みっともないったらありゃしない。よおく考えてごらんなさい。あの血なまぐさい呪いのやり取りが貴方の求める自由な道ですか? あなたの空はそのようなものだったのでしょうか?」
  • 「あれもまた彼らの道ではあるのでしょう。しかし貴方や私の道ではない。リーナさん、己が進むべき道を見定めなさい。結局のところ、箒乗りにできることはそれだけです」
  • 「今から、それを教えて差し上げましょう。私の魂をかけて、最後の授業を始めます」

5-47 レジェンド対モーレツターボババア②

  • 少女は生ける伝説たちのようになりたかった。
    • 箒乗りたちが集う遥かなグレイスボーアの空に己の全てを叩きつけたかった。
  • あらゆる機甲箒は原則として『浄化』によって飛翔している。
    • 送風機により負圧を作り出して『穢れ』を吸引、エアフィルターで『聖俗』を分離する簡易聖別を実行、作り出された簡易浄界の呪力を展開して飛翔。
    • この一連の流れにおいて『大気中に含まれる穢れあるいは呪力』が速度に影響を与える。
    • 箒の飛行システムには、デフォルトで浄/不浄あるいは善悪二元論が組み込まれている
  • 『空/金式』のハイブリッド祭壇
  • あらゆる機械は杖的な法則と呪術的な法則に適応する。
    空のエクリーオベレッカと金錐神ペレケテンヌルの両者を祀っている?
  • イニシエーションとしての自由落下が重力のみならず勇気によって価値を与えられるように。
    Wikipedia>ナゴール
  • 決意と気迫、燃え続けて身軽になったかすかな心がわずかに触れて、灰になる。
  • 己の命を完全に燃焼させることを厭わぬ暴走でもぎ取った一位。
  • 「伝説が形に? レコードゴーストの具現化、とでも呼ぶべきか」
  • 「お前は、まさかあの時ミブリナの周りをうろちょろしていた小娘(ガキ)か!」
  • 最後方のロードデンドロンからはもはや先頭は見えていない。
    • 誰よりも遅れてワープゲートに突入しながら、男は遥かな先を見据えていた。
  • 「言理の妖精、語りて曰く」
    • 残されなかった言葉が形になることはない。
    • ただ。前後の文脈に連なる空白がそこには残る。
    • 語られずとも、それは確かに存在していた。

5-48 暴走無人機・夜路四駆デッドヒート

タイトル:ヤンキー文化における当て字
通例は「夜露死苦」と表記されるが、今回はレースなので「夜路」「四駆」と表記されている
ニコニコ大百科>夜露死苦

  • フェイクニュースの予防接種
    フェイクニュースを(コンピュータ)ワクチンにたとえる比喩
  • 『黒檀の民に栄光あれ。リビュエー01、出撃する』
    「5-29 余白と名前」の一文
  • 『槍を鋤に打ちかえる』
    『イザヤ書』2章4節「主は国々の争いを裁き、多くの民を戒められる。 彼らは剣を打ち直して鋤とし、槍を打ち直して鎌とする。 国は国に向かって剣を上げず、もはや戦うことを学ばない。」
    Wikipedia>イザヤ書
    明治学院大学>聖書のことば
    この場合は、逆に兵器を平和利用して「殺せ・奪え・勝ち取れ」の槍神教の教義に違反しようとしているのではないか、という疑惑をかけられている
  • クロウサー・アサルト・ブルーム社最高経営責任者のセイグリン氏
  • 第十世界槍・流言大百科
    世界槍は九までしかないため、十は非公認の自称であると思われる
    以下、(要出典)や(誰によって?)など、Wikipediaのパロディ
    また、こちらにはフェイクニュース警告はないが、それでもゼオーティアが、呪文で事実をいくらでも改変出来る世界であることは変わらない
    「流言」とあるように、その信頼性はつねに不確かなのであろう
    コトバンク>流言
  • その後、カーズガンが守護の九槍入りすると共にファーガストを含めた愚連隊の構成員たちは『聖印による赦免』を受けて釈放
    Wikipedia>恩赦
    コトバンク>恩赦
    カーズガンが九槍入りすることを対価とした司法取引?
  • 二代目総長にして騎士団長であるアスティン・バートランが九英雄として認められると共にファーガストはエルネトモランの探索者として頭角を現し、全ての探索者集団の中で最も勇猛な切り込み隊長として知られるようになる
  • その後、大魔将ズタークスターク戦で閃空騎士団は壊滅。
    • ファーガストは唯一の生還者
  • 少なくともシルキー、ストラカーム、イフェー、バーキュストは別の文明圏に向かったみたい。
  • カシューティスはスーリウムを追うみたいだけれど、あの怪物に関わって無事に済むとも思えないし、ノーグの再興は恐らく失敗するでしょうね。
  • 南方辺境にいるテッシトゥーラも含めれば、もう半数近くが『次』に切り替えている。
  • この好機を異形の諸部族たち、氷海のアエルゴニアや森のシュガ、凍土のエティンは見逃さないでしょう。
    シュガはフィド・シュガことマラコーダの出身部族
  • 強い視座が必要よ。あなたがかつて目指したような、絶対なる救世主が。
  • あの日、私たちが遂に届かなかった世界を変革する力。
    Wikipedia>少女革命ウテナ
  • それがとうとう見つかった。喜ばしいことに候補は二つ。
  • 古きテテリビナの十八始祖から分かたれた私たちの宿願を、ただ座して諦めることはできない。
  • あなただってきっと、まだ空使いを諦めていない。
    • 私の知る小さなセイグリンは、サイリウスに負けたままで朽ちていくほど良い子じゃなかったもの。
  • 『死せる夢』から零れ落ちた二つの血族を束ねる最後のチャンス
  • あなたのアルポリエより
  • アリス・イン・カレイドスピア/ペンデュラム4
    以下、作中作となった第三世界槍についての記述
    第三世界槍は書架となったため、フィクションと現実の境が存在しないような、かなり『呪文』的な世界なのだと思われる

――言理の妖精語りて曰く、
よって、この項目の真偽を問うべきではない
なぜなら物語(フィクション)の真実性は、その内部において機能し保証されるからだ
物語が事実となる世界において、『杖』(かがく)的な意味での客観性などは、あまり意味が無い
平たく言うと、これらの物語群は作中、つまり『幻想再帰のアリュージョニスト』内においてまぎれもなく「事実」であると同時に、不確定な「噂」や「妄想」でも有り得る
つまり、これから作外で『アリス・イン・カレイドスピア/ペンデュラム4』が書かれることになったとして、その内容に、これらの記述が無関係であっても問題ないのである
あなたは、これがすでに書かれた『アリス・イン・カレイドスピア/ペンデュラム4』の記述だとして扱っても良いし、そうせずに「真の」『アリス・イン・カレイドスピア/ペンデュラム4』が書かれるのを待っても良い
連載再開の可能性は、破壊することが出来ないのだ
今は、まだ

  • カシューティスより、全ての『指先』へ
  • 仮に我々を看破できるほどに周辺情報を収集してしまえば、勝負を投げているに等しいレベルの減速を受け入れる必要が』
    • 『ああ、それであんなに遅かったのか』
  •  『空使い選定レース実況考察スレッド』
     1:名無しの妖精 yyyy/mm/dd(幽)04:38:44
    電子掲示板パロディ
    yyyy~は、年月日を出力する関数
    (幽)は、アストラルネットであることの表現であると思われる
    コテハンだけでなく、本来ユーザーが改変出来ないはずの部位まで改変されている
    ユーザーが『呪文』使いだらけなので、やりたい放題なのであろう
  • アスティン様とイラートのペガサス化が有名
  • プロバビリティの呪殺

5-49 槍と翼

  • クオア、ちょっとこの隣接異界を閉鎖するから、掌握者権限借りるよぉ?
  • 「エントラグイシュはこれで確保だねぇ。『夜空の獣が生む卵』の神話素、ラフディに漂着してたのは盲点だったよぉ。あとはマラードも確保しときたいところだけどぉ」
  • 空使いダウザールは直属の特務親衛隊、『七つ風』を従えていたという。
    • 彼らはかつてパーン・ガレニス・クロウサーの反逆を阻んだ壁であり、現代の基準で言えば全員が第七階梯、すなわち巨人位階に到達している高位呪術師集団であった。
    • チッセはその序列四位。空使いより『威風』の号を与えられた天空神の一角である。
      「七つ風」は、キュトスの姉妹のシャーネスの異名の一つ
  • 「いまのところチッセちゃんはそんなに忙しくないからぁ、馬鹿でザコでダサダサなクオアを治療してあげるぅ。感謝してぇ」
    ピクシブ百科事典>メスガキ
  • 終端血族
    • 主流ではなくなった分家。四大血族が力を増すよりも前に権勢を誇っていた旧家。
  • 「チッセ。ディパーシュ家からは貴様だけか」
    • 「クラウビューラ兄さまも久々に起きるって~。あとはステランプとネオレイン、バルヘリオンとフェジェンも来てるよ~。なんかぁディスケイムに先手を打たれたらしくてぇ、冥府を押さえられちゃったからいま偵察中~」
  • 「貴様、緊張感がなさ過ぎるぞ。そんなだからあの女にグロソラリアの座を奪われるのだ」
  • 「いーじゃん、あのコめっちゃ強いしぃ」
  • 「藍の天主セレクティが戦死したって~」
    • 下方勢力、鈴国、ジャッフハリム、あるいは藍神彩域。
    • 盤上で天主セレクティを模した女王の駒が砕け、魔軍の大駒が幾つも敗走していた。
  • 同盟者である二人以外の打ち手の姿はないが、その存在は確かに局面に影響を与えている
  • 天地の世界槍争奪戦は形式的な小競り合いに終始しているのみ。
    • 両勢力とも内部の派閥争いを治めるのに手一杯な状況というのが実態だった。
  • その膠着状況が一気に動いた。
    • 魔軍総司令官の地位を魔将筆頭であるマーネロアが引き継ぎ、彼が率いる境界動物解放戦線の主要メンバーを中心とした魔軍残党が立て直しを図っているが、劣勢は明らかだ。
  • 巨人連合軍とは主流になれなかった神々や天主に届かなかったものたち、堕ちた魔神族の末裔によって構成された敗者の勢力である。
  • クロウサーの駒は下へは運べぬ。
    鈴国圏に潜伏している終端血族の存在を、隠すための嘘?
  • 松明の騎士ソルダ・アーニスタは内乱予備罪の容疑で逮捕・拘束されていた。
  • 「これより第九世界槍における掌握作戦は大神院が中心となって執り行う。全ては僕の『楽園』を地上に顕現させるために。愚かな人形どもを踊らせてやろう」
  • リーナは順調に覚醒へと向かっているが、このままのぺースではやや不安が残る。
    • 夢界でアストラル体に少しばかり手を加えたい。
    • ハグレスよ、いつもの手であの娘に『神の幻視』をもたらしてやってはくれまいか
  • 過日の『禁呪テロ』
    四章「アポテオーズ『シナモリアキラはここにいる』」にて語られた事件
    『水晶の司書』を名乗る言語魔術師が起こした『禁呪テロ』
    人類を融合させ完全で幸福な上位存在にシフトさせる『統合進化計画』を目論んでいたらしい
    閉鎖次元に閉じ込められたこの完全な生命群は、何故か一箇所から自己崩壊を起こし連鎖的に死滅していったとか
  • 男の名はテセト・アルゾラ・クロウサー。
    • ダウザール親衛隊・『七つ風』の序列七位。テセト転生三十七世。
  • 「いいですね。『藍神』の活性化は十分。喪失は救い手を求め、贄と痛みも足りている。『司書』たちの仕事ぶりには感心です」
    • 過日の大規模なテロでさえ、必要な犠牲でしかない。
  • 四方に散った血族よ。融血混沌の儀、今度こそ成就させてみせましょう。全ては地獄の愚者どもの『藍域』を蹴散らし、正統なる『明藍』を奪還するため
  • 槍と翼の決別。それが意味するところは、上方勢力という従来の在り方の決定的な変化に他ならない。
  • ダウザールという総体の対話はクロウサーという血族全体の意思決定に等しい。
    • その膨大な意思の流れは、巨大血族の中枢が共有しているアストラル雲の会議室だ。
    • 頭脳ダウザールと『七つ風』という手足が織りなす思考の融合過程である。
  • 「然り。急いて目先の結果ばかりを求め、やれ席を奪うだの暗殺だのと剣呑な話に持っていくから関係がこじれる。それではまるで、物語の悪役ではないか」
    ハグレスを引き潰すという結論を出した直後の発言が、コレである
  • 「仕込みはやり過ぎぬ程度に。リーナの自由意志を大事にしてやらねば」
  • 「このあたりで好感度を稼ぎ、親しみのあるおじいちゃんになっておかなければ後が恐い。流れを変えていくことは必要だ。どうせここに呼ぶわけだし、仲良くなれなきゃ損だ」

5-50 空に架かる虹

  • 技巧派で売り出し中の若手役者が、大物女優に一瞬で呑まれた。
    技巧派さんは「5-22 『転活体験アプリ・ウィズメモリーbeta』②」に出てきたダルヤル?
  • アズーリアという存在はチョコレートリリーの語り直しによって蘇った。
    • けれどその呪文にメイファーラは含まれていない。手伝ってはくれたけど、彼女は自分が新参者だからと遠い黒百合宮での思い出を紡いではくれなかった。
    • 「3-18 激光(レイジ)」において、メイファーラは接触感応で読み取ったアズーリアの過去を本人代理で語っているだけだった。
  • 私の中に溶けたコイン。
    • どのような理由かわからないけど、白骨死体の貴婦人が渡してくれた『メイファーラの銀貨』はとても恐ろしいものである気がした。
  • 「お前たちキュトスの絞り粕どもの『我々こそが正統な大地の管理者である』とでも言わんばかりの態度、前々から不愉快だと思っていました。セルアデスを手懐けた程度で、泡沫のごとき『塔』が我ら天空と対等に渡り合えると本気で思い上がっているのですか?」
    ゆらぎの神話百科事典>永劫線セルアデス
  • 「渡り合う必要性を私は感じていない。選定レースをご覧なさい。競い合いの本質は未来への前進と過去の更新。現在ばかりに気を取られ、妨害に注力するのは本末転倒でなくて?」
  • お前の手管に惑わされ、争いのただ中でよそ見をした瞬間に私の背を刺すのはどの陣営なのかしら。
    • 近年の『塔』の動きで最も警戒すべきは太陰への接近だと誰もが知っていてよ。
  • どんな餌でシプトツェルムを誘ったの? それとも外縁隣界に潜んでいるフィーリィとの接触に成功したとか? いずれにせよこれ以上の問答は不要。競い合いの本質? 本質などない。戦争。殺戮。暴力。実在するのはそれだけです」
    ゆらぎの神話百科事典>広告伝子シプトツェルム
    ゆらぎの神話百科事典>夜次関数のフィーリィ
  • 「プリエステラは待機。さっきの偽物が何を目的としていたのかについて、よく考えてみなさい。もっとも、今の状態では警戒そのものができないでしょうけどね。いずれにせよ現実と矛盾に直面するまでお前にできることなど皆無よ」
  • 「アストラル知覚を広げる術は習得しているわね? アズーリアの目でも借りて見学してなさい、プリエステラ。お前はこれから、家と血の呪いを目の当たりにする。リーナの選ぶ道がいかなる形をしているのかを見届け、よく考えることね。自分にとっての家族の意味を」
  • 北辺の残党たる古き妖精王の浄界は、その軍勢ごと大輪の薔薇に呑み込まれた。
    • カシュート・ノーグの終端邪視は、テテリビナの時間樹の前に敗れ去ったのである。
  • 今この時より、私こそがミェス・リヴァ。華麗なる紀人スーリウム・ミェス・リーヴァリオンだ
    ミエス・リヴァ
  • 空の支配者は、虹を掴んで弓にしている
    「レイン=雨」「ボウ=弓」など、虹は弓だとみなされることも多い
    Wikipedia>虹
  • 「ダウザール特務親衛隊『七つ風』筆頭、ライラ・プラパーシュ・クロウサー」
  • 「覚悟なさいハグレス。我らクロウサーの竜母リーナはじきに目覚める。彼女を空使いに導く末妹候補の使い魔として、ここでお前を殺します」
  • 未だその全容を明らかにしていない最後の座、使い魔の座。
    • 魔女の名はトライデント。あるいは、その心臓トリアイナ。
    • それは未だ存在しておらず、祝祭の日に竜母なる存在によって産み落とされる救世主であるという。その伝承は古く、神話の源流には無数の文脈が重なり合っている。
      各陣営の推し竜母候補一覧
      ルーシメアクナータ
      スーリウム:クナータとプリエステラのダブル候補
      クロウサーリーナ
  • 「キュトスの姉妹、結界維持者クレアノーズの名において、異界転生者(ゼノグラシア)クロウサーを末妹の使い魔として認めましょう」
  • 「これよりクロウサー、ディスケイム、リーヴァリオンによる使い魔の座トライデントの最終選定を始めます。役者は揃った。槍を砕き、己が道を拓き、未知なる地平を見出すがいいでしょう。競い合いの果てに、救済の未来があると信じるのならば!」

5-51 新時代の風

  • 「当座のティリビナ人問題はこれで解決に向かう、という演出ができる。『上』を変革したリーナはガロアンディアンでの発言力を増すだろう。実際にティリビナ人問題に対処するガロアンディアンの舵取りに口を出す権利をな」
    • 「美名はリーナに。汚れ役はガロアンディアンに、というわけか」
  • 「操り人形が真の意味で物語の主役になることはない。ダウザール、お前はリーナから流れを取り上げて、誰に空を委ねるつもりだ?」
  • 「知れたこと。我が正統なる後継に」
  • 「青い血があれば資格は不要になる。ダウザール、貴様。リーナを正統な竜母と融け合わせるつもりか。あの時のように」
  • 鎖と錠を引きずりながら、何かが姿を現そうとしている。
    • 途轍もなく巨大な弓。天空の虹をその手で掴んだ、驚異の存在が。
  • ユディーアの立場や出自以上に、同居人であるメートリアンの安全のために。
  • なんとしても、クロウサー家の追撃から逃げ切らねばならない。

5-52 ピットイン

  • 私はそうして歴史と幻想が織りなす事実と虚飾の物語に誘われていった。
    • 第九階層の鈴国ジャッフハリムの旅。私とクナータは共に世界槍を歩んだ。
    • 果てなき矛盾史回想の果てに目にしたのはアイスナインの最深層。
      三章「3-1 未来回想、あるいはこれからのあらすじ」にて語られた過去の第九階層の旅の話。
  • 「あの景色は、何だったの?」
  • 「来訪者たちの過去。そして、この祝祭はその再演」
  • 「これはね、私の未来回想に存在しない記憶なの。本来なら起こり得ない、私の意思によって捏造する矛盾した記憶。正史と重なり合う矛盾史。わたしはそれを作り出す」
  • 「そのために魔将役の『神の子』を集める。そのためにお芝居をする。そのために、わたしは未来を回想する聖女になる。その全てがなければ、私は本当の竜母になれなかった」
  • 「嘘を本当に。死せる意思を理想に。わたしの並行矛盾史を完成させる最後のピースはあなたなの、アズーリア。どうかトライデントの最終選定で私を勝たせてちょうだい」
  • ダウザールが語っているのは古典的な呪詛破局のリスク。
    • 『大断絶』の時代以前を知る者たちは誰もが相互確証破壊の不安定性を意識していた。
    • 一歩踏み外した先の大量絶滅、世紀末の空気感を肌で知っていたのだ。
  • 破局を遠ざけるという意味では、『大断絶』という文明圏を隔てる遠大な空隙には価値があった。
    • 延々と続く争いと積み重なる大量の屍に目を瞑れば、それ以上の大災厄、すなわち全てを終わらせかねない共倒れの可能性を完璧に予防できるのだ。
  • 「救世主トリアイナには、何ができるの?」
  • 「知っていよう。救済の名は真なる融血呪。二つの世界を正しく融け合わせる力。世界に作用する血の融合が成し遂げられた時、救世は果たされ新時代が到来する」
    • 全人類が真の意味で家族になれば、呪う者と呪われる者は同一と見なされ、呪詛は個別の対象を見失い霧散する。
    • 全人類は個でありながら群という新たな相を獲得し、巨大な家族のまま多様性を広げていくことになるだろう
  • 血の繋がった親族を皆殺しにするような恐ろしいことは、彼女にはできない。
  • ダウザールにはできる。小さな孫娘を手玉に取るよりも容易く。
  • 賢者の手は、無知な魔女にはとても大きく見えた。
  • 迷いはなかった。
    • リーナはダウザールの手をとる。
  • このラドン温泉にじっくり浸かれば、癌だって完治しちゃうのよ
    Wikipedia>ラドン
  • 僕はバルへリオン
  • 幾つもの風船を手にした男の声は、見た目からすると意外なほどに高かった
    Wikipedia>ヘリウム

5-53 同病相憎む

タイトル
goo辞書>同病相憐れむ

泡子爆弾(ソープベイビーボム)
ニコニコ大百科>ソープランド
アニヲタWiki>ソープランド

  • 偉いね、素敵だよリアミン、えーとハミーだっけ?
    ポリアミン?
    Wikipedia>ポリアミン
    英辞郎ontheWEB>hammyとは
    • 皆を『姫ちゃん』と呼べば、個別の名前を覚える必要がない。個の価値を貶める為の呪文でもある。
  • こんな一方的な支配と同化を融血呪と見なして実行するのは、言震(ワードクェイク)で大切な価値を毀損するために黒血呪を使うようなものだ。
    • ありえないほどの本末転倒であり、本質からの逸脱でもある。
  • 胸に灯る怒りと憎しみは、己の心まで焼いている。ひどい自己嫌悪。
    • 最低な自分と同類であるのなら、こいつらはきっとろくでもない。
    • そんな価値判断しかできない自分が惨めでしょうがなかった。
    • それでも、この不快感は紛れもない真実だ
  • 呼び出したのは迷宮刑罰者集団『ゴーリーズ』のメンバーが二人、レナリアの配下が二人、探索者のジュティアとミナ、クロウとオーテスの八人。
  • ティリビナ人のダルヤルだけは支配しないという誓約呪文があるため不在。
  • 戦乙女は勇猛な魂であれば屍だろうと抱きしめて戦場に誘い、共に戦うことを強いる猛々しき花嫁たちである。
    Wikipedia>ワルキューレ

5-54 虹弓のレメス

  • 純度の高い妖精(アールヴ)や夜の民、空の民のように、アストラル比率の高い生命体に近づいている可能性がある。
    • あるいは『そういう種族になった』と言い換えることもできるかもしれない。
  • だが、そうだとするとメートリアンは純粋なアストラル体から物質化したことになってしまう。普通ならあり得ない現象、それこそ紀神や紀人のなせる奇跡だ。
    ピクシブ百科事典>受肉
    ピクシブ百科事典>天の杯
  • 「ほんとうの、融血呪」
    • ドロドロのミックスでも、継ぎ接ぎのキメラでもない。
    • おそらく、最終段階の一歩手前。
    • 二つの存在を掛け合わせることで別の物質に組み替えるという完成に限りなく近い領域。メートリアンが得意とする錬金術的な考え方をするなら、『調合(コンパウンド)』された状態であると言えるだろう。
      『俺だけ勇者』で挑戦されている計画と同じ現象
  • 真意まではわからないけれど、ガルズはメートリアンに何かをさせたがってる? それはなに?
  • ユディーアの軍勢呪術・『勇士(サムソン)の髪秤』は毛髪という呪的な象徴を基点にして『裏切り』という現象を引き起こす。
  • 呪力の宿る髪房を切り落とすという行為そのものが『裏切り』であり『無力化』に繋がるという『約束(ルール)』を共有するということさえユディーアには可能だった。
  • 「そうかそうか。だから亜竜王の魂を宿す者を守っているのだな? ダーカンシェルの権能が目当てなのだろう? 『動物に魂を与える力』を!」
  • 「違わぬよ。その業、その性癖では焦がれるのも無理はない! どうだ、いっそお前、こちらに来ないか? クロウサーは理解があるぞ! とりわけ我らディパーシュとプラパーシュはその道を突き詰めることを選んだ血統なのだから」
  • 「魔将マーネロアであろう? お前の叶わぬ願い。歪んだ欲動の向かう先は」
  • 種族が異なる人類と動物は子を為すことができない。
    • 血統の実験場たる博物城においても、例外的な成功例が奇跡としてわずかに存在している程度。存命しているのは、魔将として名高いマーネロアただひとり。
  • 「アテンプレク先生。マーネロアのことを、動物として見ていたの?」
    • 振り返ったかつての師の目を見て、ユディーアは思った。
    • 問うべきではない言葉というものが、世の中には確かに存在している。
  • だが相手は紀人だ。現象、法則、概念に近い呪術そのもの。
    • 距離など関係なく、世界そのものに対して影響を与えてしまう。
    • いま、この世界に満ちているのはこれまでにないほどの生殖圧だ。
    • 「混沌派の血脈。クロウサーの時代が始まろうとしている」
  • レメスはクロウサーだ。
    • 血統がどうこうではなく、存在そのものが『血脈』という概念を体現している。
  • 「そう、つまりはみんなが幸福になれる、神ぼくたちの素敵なケモハーレム!」
    • グレンデルヒの工学天使の内、第五の天使オルクパレルが獣姦担当としてケモハーレムを目指していた。流石にレメスと関係はない…と思う。
  • ユディーアはこれが世界の危機であることに気付きつつあった。
    • レメスが好き勝手に振る舞えば、クロウサーが世界を支配するとかそれどころではない事態が始まってしまう可能性があった。
  • 世界の命運は、なんかユディーアたちに託された、らしい。