艦娘対談/外伝/うーちゃんの史実対談

Last-modified: 2016-08-21 (日) 02:37:54




uduki_genki_icon.jpg

このページはうーちゃん達がなんとかコレクションの元ネタである史実関係について色々お話する素晴らしいページです! えへんっ!



戦艦編その1 戦艦ってな~に?

ゲスト:榛名
uduki_komari_icon.jpg

卯月
「史実って言うけど何について話せばいいかわからないぴょん…」

haruna_icon.jpg

榛名
「あら?卯月ちゃん何かお困りですか?」

uduki_komari_icon.jpg

卯月
「司令官に史実について適当に話をしておいてくれって言われて困ってるんだぴょん」

haruna_icon.jpg

榛名
「あはは…提督らしいと言いますか…そうだ!もしよろしければ榛名がお手伝いしましょうか?」

uduki_genki_icon.jpg

卯月
「助かるぴょん!」

haruna_icon.jpg

榛名
「最初はそうですね…なんとかコレクションをゲームセンターで初めて遊ぶ方も少なくないようですから…」
「この榛名も所属する軍艦の中の軍艦、戦艦についてお話しましょう!」

uduki_genki_icon.jpg

卯月
「はーい!」

haruna_icon.jpg

榛名
「卯月さんそもそも戦艦って何か知っていますか?」

uduki_hatena_icon.jpg

卯月
「海軍の大砲積んだお舟は全部戦艦じゃないのかぴょん?」

haruna_icon.jpg

榛名
「どちらかと言えばそれは軍艦でしょうか…」
「色々時期的な問題や定義もあり一概には言えないのですが、戦艦とは基本的に口径30cm以上の主砲を備え自身の主砲の直撃にも耐えうる装甲を備えた主力艦と覚えておいてください」
…細かい話をすると戦列艦や装甲艦がどうのから始まって榛名が大丈夫じゃないので省略しますね

uduki_hatena_icon.jpg

卯月
「? あっ、そういえば横須賀の三笠さんも戦艦だけど、金剛{おばちゃん}おねーちゃんや長門さん大和さんとは全然違うけどどういうことぴょん?」

haruna_icon.jpg

榛名
「いい質問ですね! 元々先程言った戦艦の定義自体がある船を基準にしたものなんです」
「後、お姉さまをおばちゃん呼ばわりすると本気で凹みかねないのでやめてあげてくださいね…?…年齢で言えば榛名も他人事じゃありませんし

uduki_komari_icon.jpg

卯月
…結構凹んでるから年齢のことは言わないことにするぴょん
「その船ってなんて名前の船なんだぴょん?」

haruna_icon.jpg

榛名
「ところで卯月さん、超弩級戦艦とか超ド級って言葉を聞いたことありますか?」

uduki_genki_icon.jpg

卯月
「あるぴょん! 大和さんが超々弩級戦艦って呼ばれてるのを聞いたことありまーす!」

haruna_icon.jpg

榛名
「その超ド級とは実は先程の戦艦の基準を作ったとも言われる船の名前から取ったものなのです!」
「その船の名前はドレッドノート! 金剛お姉さまと同じイギリスでの建造された私達の大先輩に当たる艦です」

uduki_genki_icon.jpg

卯月
「ドレッドノート! なんか凄く強そうぴょん!」

haruna_icon.jpg

榛名
「ドレッドノートとは「勇敢な」「恐れを知らない」という意味であるんですが、戦艦ドレッドノートの登場で「(それまでよりも)格段に大きい」「(圧倒的に)大型である」の意味で用いられる代名詞ともなったそうです」
「そのドレッドノートですが、三笠さんも参戦した日露戦争での黄海海戦と日本海海戦の戦訓から、主砲力を大幅に強化し、かつ「全主砲の砲撃力を平準化する」という画期的な建艦思想に基づいて設計された戦艦です」

uduki_hatena_icon.jpg

卯月
「主砲力を大幅に強化はわかるんけど、「全主砲の砲撃力を平準化」?っていうのはどういうことぴょん?」

haruna_icon.jpg

榛名
「簡単に説明しますと、それまでの戦艦…所謂前弩級戦艦が主砲や副砲の他に中間砲と言う色んな大きさの砲を積んでいたのですがこれを止めました」
「砲の大きさが違うと装填速度や射程が違うので発射のタイミングがズレてしまい、それぞれ撃つことになって命中率が下がってしまいます。」
「そのズレを解消し、測量や補給の手間を省く為にドレッドノートは対戦艦、巡洋艦用の主砲と魚雷艇を始めとした対小艦艇用の副砲に大砲を統一したんですね」

uduki_icon.jpg

卯月
「普通に主砲撃つのも大変なのに他にもいっぱいあったら手が回り切らないぴょん…ぷっぷくぷー」

haruna_icon.jpg

榛名
「そうですね。 榛名も主砲や副砲の他に対空砲まで積んだ時は大変でした…」
「そういえばドレッドノートの画期的なことがもう一つあります。 これは主砲とは関係ないのですが、ドレッドノートは主機に蒸気タービンを採用した初めての戦艦ということです」

uduki_hatena_icon.jpg

卯月
「今までは違ってたのかぴょん?」

haruna_icon.jpg

榛名
「はい。それまでの前弩級戦艦は主機がレシプロ機関で18ノット程度であったのに対し、ドレッドノートは蒸気タービン機関の採用により一躍21ノットの高速を手にいれたんです」

uduki_genki_icon.jpg

卯月
「足が速いのはいい事ぴょん! うーちゃんも島風ちゃんみたいに早くなりたいぴょん!」

haruna_icon.jpg

榛名
「そうですね、足が速ければその分早く目的地に着けますし、いざという時敵から逃げることも出来ます! 謂わば相手の先手を取れるということですね」
「私達金剛姉妹がアメリカから脅威とされていたのも速力が23ノット前後だったアメリカの旧式戦艦よりも圧倒的に足が早かったのが理由の一つです。私達に対抗したのかアイオワさんたち建造したり新造戦艦の殆どが27ノット以上なんで極端すぎです…

uduki_icon.jpg

卯月
「ぷっぷくぷぅ~! 自慢かぴょん!」

haruna_icon.jpg

榛名
「そういうわけじゃないんですが…ってあら?もうこんな時間!…ちょっと話が長くなってしまいましたね」
「一旦休憩を入れましょうか…次はそうですね、私をはじめとした日本の戦艦について話しましょう」

uduki_yarare_icon.jpg

卯月
「難しい話して疲れたからうーちゃん一旦休むぴょん…」



戦艦編その2 日本の戦艦について 

ゲスト:榛名
haruna_icon.jpg

榛名
「さて一休みもしましたし、お話を再開しましょうか」

uduki_genki_icon.jpg

卯月
「前回は最後に日本の戦艦について話すって言ってたぴょん!」

haruna_icon.jpg

榛名
「はい、前回はドレッドノートの誕生まででしたね」
「ドレッドノートの誕生で世界各国は衝撃を受け、慌てて超ド級戦艦の建造や購入を急ぎました」
「当時は戦艦こそが海戦の主力艦であり、他国に睨みを利かすことの出来る戦略兵器だったのです」

uduki_icon.jpg

卯月
「持ってないとバカにされちゃうのかぴょん」

haruna_icon.jpg

榛名
「そうですね、当時日本は日清日露戦争に勝利し、列強の仲間入りをしたとはいえ、まだまだ新興国で面子という物を重視したのかもしれません」
「ですが、面子のために超ド級戦艦を建造しようにもノウハウも技術もありませんでした。 そこで日本は超ド級戦艦の建造と技術的指導をイギリスに頼むことにしたのです」

「幸運な事に当時日本は日英同盟でイギリスと同盟関係で、艦船の建造や購入を積極的に行っていたこともあり、イギリスはヴィッカース社にて超ド級『巡洋戦艦』の建造と技術指導を受けられることになりました」

uduki_yarare_icon.jpg

卯月
『巡洋戦艦』? また新しい言葉が出てきたぴょん…」

haruna_icon.jpg

榛名
「戦艦と巡洋戦艦は話始めると長くなる上、ややこしい話になるので、ここでは脚が速い代わりに装甲を薄くした戦艦の亜種と思ってください」
「本当は戦列艦、装甲艦から発展した戦艦と装甲巡洋艦から発展した巡洋戦艦で大分違うんですが…巡洋戦艦については又別の機会に説明したいと思います」

uduki_genki_icon.jpg

卯月
「分かったぴょん!」

haruna_icon.jpg

榛名
「さて、色々あった末にイギリス、ヴィッカース社にて日本初の超ド級戦艦が建造されました、それが私の姉、金剛お姉さまなのです!」
「そして金剛お姉さまに引き続き、国内での超弩級艦建造の技術伝授のために横須賀工廠で比叡お姉さまが建造」
「民間の造船所での技術向上のため、神戸川崎で私榛名が、長崎三菱で霧島が建造されたことで日本は超ド級戦艦に建造ノウハウを手に入れたのです」

uduki_genki_icon.jpg

卯月
「めでたしめでたしぴょん!」

haruna_icon.jpg

榛名
「…私と霧島の建造速度を巡って担当者が自刃したり、シーメンス事件で収賄が発覚して当時総理だった権兵衛さんが辞任したりめでたい話ばかりでもないんですが」
特に権兵衛さんはこの後の虎ノ門事件と言い運が無いというか致命的にツキに見放されてるといいますか……

uduki_hatena_icon.jpg

卯月
「どうかしたのかぴょん?」

haruna_icon.jpg

榛名
「ああ、いえ、榛名は大丈夫です!」
「そして国内の戦艦についてですが、私達の設計を元に装甲と主砲の数を増した扶桑さん山城さんのお二人に、二人をさらに改良した伊勢さん日向さんと続いていくことになります」
「その後、国産戦艦の血統は日本独自の要素を盛り込みジュットランド沖海戦の戦訓を反映したポストジュットランド型戦艦として長門さん陸奥さんが建造され、軍縮条約による休眠期間を経てを経て大和型へと受け継がれていったのです」

uduki_yarare_icon.jpg

卯月
「うーん大体は分かったけどポストジュットランド型戦艦とか軍縮条約とかかうーちゃん頭痛くなってきたぴょん…」

haruna_icon.jpg

榛名
「後半は少し駆け足気味になってしまいましたからね…」
「そろそろお茶の時間ですし、今回は戦艦とは何か、日本の戦艦についてと言うお話なので、今日はここまでにしましょうか」

uduki_yarare_icon.jpg

卯月
「そうしてもらえると助かるぴょん…」

haruna_icon.jpg

榛名
「今日はお姉さまがスコーンを焼いて下さっているそうですから行きましょうか」

uduki_genki_icon.jpg

卯月
「うーちゃんスコーン大好きぴょん!」

uduki_komari_icon.jpg

卯月
「あ…榛名さん、弥生たちも呼んで大丈夫ぴょん? うーちゃんだけお茶を御馳走になるのはなんかズルいぴょん」

haruna_icon.jpg

榛名
「ええ、勿論大歓迎です。 お茶はみんなでの飲む方がおいしいですから!」

uduki_genki_icon.jpg

卯月
「ありがとぴょん! 弥生たちを呼んだらすぐに行くぴょん」

haruna_icon.jpg

榛名
「はい、お姉さまたちとお待ちしていますね」



戦艦(&巡洋艦)編その3 巡洋戦艦と各種巡洋艦について 

ゲスト:榛名、金剛
uduki_genki_icon.jpg

卯月
「ごちそうさまでっす!お茶とスコーン美味しかったぴょん!」


haruna_icon.jpg

榛名
「お粗末さまでした。 さて一服もしたところで前回後回しにした巡洋戦艦の話をしましょうか」


kongou_icon.jpg

金剛
ハァイ!
巡洋戦艦と言えばこの私金剛デース!


uduki_icon.jpg

卯月
「今回は金剛さんも教えてくれるぴょん?」

uduki_komari_icon.jpg

卯月
(前に榛名さんに注意されたからおばあちゃん扱いはやめとくぴょん…)


kongou_icon.jpg

金剛
「……………金剛さん?金剛おばあちゃんとかおばちゃんではなく…?


haruna_icon.jpg

榛名
「お姉さま?どうかしましたか?」


kongou_icon.jpg

金剛
「あー、別になんでもないデース…」
「さーて、巡洋戦艦の話についてですネー、ところで卯月は戦艦についてどこまで勉強していますカー?」


uduki_icon.jpg

卯月
「ドレッドノートの登場で戦艦が劇的に変わったことは教わったぴょん」
「超ド級戦艦って言うのはドレッドノートよりすごい船って意味で金剛さんもそうなんだぴょん」


kongou_icon.jpg

金剛
「イエース!ちゃんと覚えていますネー。ではクイズデース!ドレッドノートの後に生まれた戦艦を超ド級戦艦、ドレッドノートの前に生まれた艦を前ド級戦艦と呼びますが…」
「その前の前弩級戦艦の前の船はなんという名前の船だったでショー?」


uduki_yarare_icon.jpg

卯月
「うーん……前ド級の前だから前々ド級戦艦になるぴょん?」


kongou_icon.jpg

金剛
「残念、不正解デース!」


uduki_komari_icon.jpg

卯月
「むー…金剛さんは意地悪ぴょん…」


haruna_icon.jpg

榛名
「もう、お姉さまったら…卯月さん、今のはちょっといじわるなクイズですから気にしないでください」
「実は前弩級戦艦の前は戦艦ではないんです」


kongou_icon.jpg

金剛
「イエース!戦艦になる以前の戦艦、それは装甲艦、日本では鉄甲艦とも呼ばれていマーシタ!」
「装甲艦はその名の通り、鉄または鋼で覆われた船のことデース!」


uduki_hatena_icon.jpg

卯月
「当たり前に聞こえるけどその前はどうしてたんだぴょん?」


kongou_icon.jpg

金剛
「良い質問デース!装甲艦が開発される以前は厚い木材を使っていたのデース!」
「装甲艦が開発されたのは19世紀デース。それ以前は製鉄技術は未熟で、船の動力も風を受ける帆に依存した帆船でーす、蒸気機関を用いたスクリューによる自力航行が可能になるのは19世紀中頃になってからデース!」
          「船に積む大砲もあまり遠くまでは飛ばなかったので船の側面に沢山積んで船が並んで敵味方向かい合って撃ち合いをしていたネー!」
          「この時期の主力艦を戦列艦と言いマース!」


uduki_icon.jpg

卯月
「それじゃお互い痛そうだぴょん」


haruna_icon.jpg

榛名
「ええ、そうですね。ですから当時の人達も出来るだけ木材を固く分厚い物にしたり試行錯誤していたようです」
「そうした試行錯誤と技術の発展の結果生まれたのが鉄甲艦、そして前弩級戦艦へと繋がっていくのです」


uduki_hatena_icon.jpg

卯月
「なるほどぴょん!……ってあれ? 戦艦は戦列艦、装甲艦から発展した事は分かったけど巡洋戦艦はどこから生まれたんだぴょん?」


kongou_icon.jpg

金剛
「巡洋戦艦の誕生は戦列艦や装甲艦の時代に起源があるネー!装甲艦と戦列艦について話したのもその為なのデース!」
戦列艦が主力艦の時代、艦隊戦に使われる主力艦とは別に通信伝達や索敵に通商保護、通商破壊に使われる謂わば補助艦艇が必要といたのデース! 帆船時代にはこれらの補助艦艇をスループ・コルベット・フリゲートと呼んでいたのデース!」
          「これらの艦種は時代が木造帆船と戦列艦から蒸気船と装甲艦の時代になると整理され、
           比較的大型で鈍足の艦が戦艦、小型で高速の艦が巡洋艦として区分されるようになったのデース!」


haruna_icon.jpg

榛名
「余談ですが、お姉さまが名前を受け継いだ初代金剛も装甲コルベットという艦種だったんですよ」


kongou_icon.jpg

金剛
「さて、話を続けマース!。 戦列艦が鋼製の装甲艦、戦艦になったようにその補助艦艇の巡洋艦も木造から鋼製になったのデース!」
「とは言え、足の速さや航続距離が重要な巡洋艦は利点を殺す大きい大砲や重い艦測面の舷側装甲を装備出来まセーン! ですから水線付近の甲板、具体的に言えば艦内部のボイラー室と主機室の上デース!」
          「それらの鉄板を厚くして防御の役割を持たせた防御甲板としたり、舷側装甲の代わりに区画分けされた石炭庫を舷側に設置、防御として用いる工夫を凝らしていたのデース!」
          「石炭庫を防御区画にしたのはこの時代ならではデスネー、私達のように重油タンクなら直撃した途端に引火して吹っ飛びマース」


uduki_icon.jpg

卯月
「そういえば天龍ちゃんは石炭重油混焼が嫌だから改二で重油専焼にならねーかな…って愚痴ってたぴょん」


kongou_icon.jpg

金剛
「Oh……


haruna_icon.jpg

榛名
「私達も1930年代の第二次改修までは石炭重油混焼でしたからね……早く改二で重油専焼に成れるように祈っておきます」


uduki_komari_icon.jpg

卯月
(もしかして余計なこと言ったぴょん?)


kongou_icon.jpg

金剛
「……なんかしんみりしちゃいましたが、話を続けまショー。 ああ、卯月は気にしなくて大丈夫デース」
「防護巡洋艦は本来の任務に当たるには十分な性能を持っていましたが、大砲や砲弾の発展に伴い砲撃戦になった際の防御力の低さが危惧されていたのデース!」
          「そこで防護巡洋艦を砲撃戦にも耐えうるように新たに作ったのが装甲巡洋艦デース!」


uduki_hatena_icon.jpg

卯月
「装甲巡洋艦っていうのは古鷹さんや加古みたいな重巡洋艦みたいなもんかぴょん?」


haruna_icon.jpg

榛名
「(なんで加古さんは呼び捨てなんだろう?)主力艦の補助を担うという意味では似た役割を持っていますね」
「ですが、装甲巡洋艦はドレッドノート誕生の時期、主機関がレシプロから蒸気タービンに変わった頃に同じようにタービン機関を導入し、巡洋艦を上回る高速力と戦艦に匹敵する主砲を手に入れ巡洋戦艦へと進化を遂げたのです」
          「一方、装甲巡洋艦にならず哨戒や通商保護、通商破壊に従事していた防護巡洋艦にも転機が訪れます」
          「ドレッドノートに採用されたタービン機関は装甲巡洋艦と同じく当然のように防護巡洋艦にも導入されました」
          「その結果、燃料を重油へと変更したことで防御区画にしていた石炭庫が無くなるか少なくなり、炭庫を防護に使う防御方法は困難ないし
           不可能になりました」

          「ですが機関出力の増大により速度や航続距離を落とさない程度の軽度の装甲を施すことも可能になったのです」

          「もはや防護巡洋艦とは呼べないこの新しい巡洋艦は装甲巡洋艦との区別のため、『軽装甲巡洋艦』と呼ぶようになりました」


uduki_icon.jpg

卯月
「軽装甲巡洋艦ってもしかして天龍ちゃんたちみたいな軽巡洋艦の事ぴょん?」


kongou_icon.jpg

金剛
「イエース!卯月は察しがいいデスネー! 装甲巡洋艦が主力艦の一種である巡洋戦艦になり、軽装甲巡洋艦については第一次世界大戦後のワシントン軍縮条約で巡洋艦とは基準排水量1万トン以下で砲口径8インチ(203mm)以下のものと定義が明確にされたのデース!」
「更にその後のロンドン軍縮条約で、巡洋艦について砲口径6.1インチ(155mm)以上8インチ(203mm)以下の巡洋艦をカテゴリーA」
          「砲口径6.1インチ(155mm)以下の巡洋艦をカテゴリーBとすると決まったのデース」
          「以後、前者を重巡洋艦…日本で言えば古鷹や加古に妙高高雄たちデスねー、後者を軽巡洋艦…天龍達や神通たちデース!」
          「巡洋艦は重巡洋艦と軽巡洋艦と呼び分ける呼称が一般的となったのデース!」


uduki_genki_icon.jpg

卯月
「巡洋戦艦と巡洋艦について良く分かったぴょん!」

uduki_hatena_icon.jpg

卯月
「……でも戦艦くらい強くて巡洋艦より早い巡洋戦艦はなんでなんとかコレクションにいないんだぴょん? 金剛山たちも巡洋戦艦って言ってたけど今は戦艦だぴょん?」


haruna_icon.jpg

榛名
「はい。 それについては私達もほんの少しだけ関わっている世界史上最大の海戦にして、その戦いの結果、戦艦の戦略的価値を揺るがす事になったある海戦について語らねばなりません」
「……ですが、おそらく今回と同じくらい長くなると思いますので続きはまた次回としましょう」


uduki_genki_icon.jpg

卯月
「わかったぴょん!金剛さんもありがとうございましたぴょんびしっ!」


kongou_icon.jpg

金剛
「私は次回も継続すると思いますけどネー……しますよネー?」



戦艦編その4 ジュットランド沖海戦と軍縮条約。 大艦巨砲主義の終焉

ゲスト:榛名、霧島、その他多数




時は1916年…
セルビアを訪れたオーストリア皇子の暗殺とそれに起因する戦争抑止のためだった同盟の引き起こした連鎖的参戦に端を発する未曾有の戦争は2年の時を経ても終わる気配を見せませんでした
イギリスを始めとした連合国とドイツを中心とした通称国の戦いは激化の一途にありました
それは大西洋でも同様で跳梁跋扈するドイツUボート艦隊相手に連合国護衛部隊は決死の防戦に努めていたのです
イギリスは王立海軍の主戦力である大艦隊グランドフリートで大陸に睨みを効かせ
ドイツは大西洋の制海権を確保しようと主力である大洋艦隊でグランドフリートを撃破する事を目論んでいました。
両者の目的が相反する以上激突は避けられず、ここに歴史に残り、今後も破られることのない史上最大の海戦の舞台は整えられたのです。



haruna_icon.jpg

榛名
「さぁお待たせしました! この海戦についてどれだけページを割いても足りないとも言われた」
「今後もおそらく破られることのない世界最大の海戦、ジュットランド沖海戦についてお話しましょう!」


uduki_genki_icon.jpg

卯月
「よろしくお願いしますぴょん!」


kirishima_icon.jpg

霧島
「今回は艦隊の頭脳こと、この私! 霧島が榛名の手伝いをするからよろしくね」


uduki_icon.jpg

卯月
「あれ?金剛さんはクビ欠席ぴょん?」


haruna_icon.jpg

榛名
「金剛お姉さまはエミュしにくい解説とは別の役割をお願いしてありますから」
「さて、卯月さん。 ジュットランド沖海戦はなぜ世界最大の海戦と呼ばれていると思いますか?」


uduki_hatena_icon.jpg

卯月
「言われてみれば後で起きた戦闘のほうが規模が大きそうだぴょん」
「うーん…?参加した人達が多いからとか?」


kirishima_icon.jpg

霧島
「じゃあジュットランド沖海戦の参加艦艇と日米空母決戦と呼ばれたマリアナ沖」
「フィリピンを奪還しようとする米海軍と帝国海軍が持てる手札をすべて切って最後の賭けに出たレイテ沖海戦を比べてみましょうか?」


ジュットランド沖海戦 戦艦巡洋戦艦航空母艦装甲巡洋艦軽巡洋艦など駆逐艦など
イギリス289-82680
ドイツ22(内前ド級6)5--1161
総計5014-837141


マリアナ沖海戦戦艦巡洋戦艦航空母艦重巡洋艦軽巡洋艦駆逐艦など
日本5-911220
アメリカ7-1581267
総計12-24191487


レイテ沖海戦戦艦巡洋戦艦航空母艦重巡洋艦軽巡洋艦駆逐艦など
日本9-413634
アメリカ12-25(内護衛空母18)1115141
総計21-292421175


uduki_icon.jpg

卯月
「え?ジュットランド沖海戦ってこんなに戦艦参加したのかぴょん!?」


haruna_icon.jpg

榛名
「はい、その通りです」
「ジュットランド沖海戦時の軽巡洋艦は以前説明しましたが、軍縮条約で言う巡洋艦のカテゴリーBではなく軽装甲巡洋艦と偵察巡洋艦となっています」


uduki_komari_icon.jpg

卯月
「それにしても凄い数ぴょん…」


haruna_icon.jpg

榛名
「当時のドイツ…所謂ドイツ第二帝国は対外拡張主義をとっていましてイギリスを仮想敵としていました」
「その関係もあってイギリスとドイツは建艦競争の最中だったんです」


kirishima_icon.jpg

霧島
「この時期のドイツの海軍力はアメリカや日本を抑えて世界二位」
「ジュットランド沖海戦は言い換えれば世界一位と二位争いだったの」


haruna_icon.jpg

榛名
「そしてこの戦艦の参加数が史上最大の海戦と呼ばれる所以です」


uduki_hatena_icon.jpg

卯月
「そもそもなんでなんでこんな海戦が起きたんだぴょん?」


haruna_icon.jpg

榛名
「冒頭で簡単に状況を説明しましたが、ドイツ側は制海権を実質イギリス側に抑えられ自由な行動ができませんでした」
「とはいえ、イギリスの圧力の届かないバルト海や地中海ではドイツ海軍も活発に活動しており」
「特にロシアの庭とも言えるバルト海ではドイツによる機雷封鎖などの被害が相次ぎ、ロシアはイギリスにドイツ海軍の脅威を取り払ってくれるように頼んでいたんです」

uduki_icon.jpg

卯月
「ロシアは人に頼らないで自分でやれば良いぴょん」


kirishima_icon.jpg

霧島
「当時のロシア海軍は数年前の日露戦争で極東艦隊とバルチック艦隊を撃破されたダメージから立ち直りきれてなかったの」
「そんなロシア海軍で一番強かった時期のドイツ海軍を相手にする事は到底不可能だったわ」


uduki_icon.jpg

卯月
「ぷっぷくぷー世の中上手くいかないもんだぴょん」


haruna_icon.jpg

榛名
「それでも両軍はお互い戦力の喪失を恐れて睨み合い小競り合いに終始し、積極的に動こうとはしませんでした」
「状況が変わったのはドイツ海軍大洋艦隊指揮官に人事異動があってからのことです」
「大洋艦隊ををそれまで指揮していたフーゴー・フォン・ポール大将が病のために職を辞したことで後任の提督が着任します。 ラインハルト・シュア中将です」


kirishima_icon.jpg

霧島
「ドイツ海軍はそれまで皇帝ウィルヘルムII世の軍令部を通しての口出しにより自由な作戦指揮ができなかったの」
「ところがその時期にフランスで起きたヴェルダンの戦いで海軍による積極的な支援が求められ、シェア中将は自由裁量権を与えられたわ」
「これ幸いとシェア中将は前々から企んでいたイギリス大艦隊撃滅のための作戦を実現に向けて進めることにしたのよ」


SOUNDONLY.jpg

ラインハルト・シェア中将役:ビスマルク
「戦艦ビスマルク…もといラインハルト・シェアよ!」
「私の作戦はまずUボートを出撃させてイギリス艦隊を警戒させ、根拠地から引きずりだしたの」
「その後出撃した大洋艦隊を快速の巡洋戦艦5隻を含む偵察隊と私の指揮する本隊に分けたわ」


SOUNDONLY.jpg

フランツ・フォン・ヒッパー中将役:プリンツ・オイゲン
「偵察隊は私、フランツ・フォン・ヒッパーが率います!」
「因みに私の姉である重巡アドミラル・ヒッパーはヒッパー中将から名付けられたんですよ!」
「姉の名前の由来になった人を演じるなんて変な感じですけど頑張ります!」


SOUNDONLY.jpg

シェア中将役:ビスマルク
「そうそうシェア中将もドイッチュラント級装甲艦アドミラル・シェアとして名を残しているわ」


uduki_yarare_icon.jpg

卯月
「なんか小芝居が始まったぴょん!」


haruna_icon.jpg

榛名
「史実に合ったことを私たちが説明するだけだとミル貝見ろで終わっちゃうつまらないので今回はゲストを多数呼んで寸劇形式としました!」


SOUNDONLY.jpg

シェア中将役:ビスマルク
「というわけで暫くお付き合い願うわ…さてシェア中将の作戦だったわね」
「私達の艦隊はUボートの先行偵察のために展開する海域に向けてヒッパーの偵察部隊が先行、私の主力がそのあとに続く形よ」
「このまま進めば大洋艦隊が出撃したことを察知したイギリスの先遣隊…おそらくは巡戦部隊は先行しているヒッパーの偵察部隊と交戦するわ」
「ヒッパーの偵察隊は交戦しながら引くように見せかけて徐々に下がり、私の本隊のいる海域へとイギリス艦隊を誘引」
「偵察隊と本隊でイギリス巡戦部隊を一気に叩く、その後戦力の減った大艦隊本隊を艦隊決戦で撃滅するって手順よ」
「囮となる先攻部隊を敵と戦わせ、機を見て徐々に退却、そしてその退路の伏兵で先攻部隊に誘い込まれた敵を一気に撃滅するって戦法は日本のサツマが使ったツリノブセに似ているわね」


SOUNDONLY.jpg

ヒッパー中将役:プリンツ・オイゲン
「ビスマルク姉様は物知りですね!流石です!」


SOUNDONLY.jpg

シェア中将役:ビスマルク
「ふふーん、もっと褒めても良いのよ?」


uduki_icon.jpg

卯月
「小芝居はともかくようやく状況が動くぴょん」


haruna_icon.jpg

榛名
「ええその通りです。 一方のイギリスでも大艦隊司令長官サー・ジョン・ジェリコー大将が重い腰を上げようとしていました」
「先程も言いましたが当時のロシアはバルト海や東部戦線でドイツ相手に苦戦を強いられておりイギリス政府にドイツ海軍をバルト海から駆逐し、補給物資を輸送してくれるように矢のような催促があったからです」
「この頃のイギリス海軍はスカパ・フローを根拠地とする主力でありジェリコー大将が率いる大艦隊と要塞基地ロサイスを根拠地とし大艦隊とは別の命令系統にあるデヴィット・ビーティ中将の巡洋戦艦部隊に分かれていました」


kongou_icon.jpg

サー・ジョン・ジェリコー大将役:金剛
ハァイ! ジェリコー大将役の金剛デース!
私達の出番ネー! フォローミー!


uduki_komari_icon.jpg

卯月
(待たされた分金剛おばーちゃんさんの声が尋常じゃなくデカいぴょん…)


hiei_icon.jpg

デヴィット・ビーティ中将役:比叡
ビューティ中将は私が気合! 入れて! 演じます!


kirishima_icon.jpg

霧島
(ジェリコー大将は静かなる男(サイレント・ジャック)とさえ呼ばれた人なのに…正直お姉さまは配役ミスなんじゃないかしら…)


hiei_icon.jpg

ビーティ中将役:比叡
「お姉さま!…いえジェリコー大将! 大将は何故ドイツ艦隊に攻撃を仕掛けられないのですか!?」


kongou_icon.jpg

ジェリコー大将役:金剛
「(比叡…そんなの台本になかったヨー!)へっ…?えーと…あー、イギリスはドイツに比べて数に勝っているデース…言ってしまえば全く戦わなくても勝っているのと同じデース」
「…つまりここは相手の出方を窺いながら慎重に戦うのデース」


hiei_icon.jpg

ビーティ中将役:比叡
「しかしジェリコー大将! 我がイギリス海軍のモットーはネルソン提督の時代より見敵必戦を旨としています!」
「お言葉ですが些か敢闘精神にかけるのではないでしょうか!?」


kongou_icon.jpg

ジェリコー大将役:金剛
「(Oh…比叡ノリノリデース…)口を慎むネー中将…」
「かつてのトリントン伯アーサー・ハーバート提督も言っているように我が方が健在な艦隊を保有している限り、敵側がイギリス本土侵攻を試みるはずが無いのデース」
「もちろん中将の言う通り見敵必戦のモットーと敢闘精神は戦闘において欠かせないデース! バッド…わざわざ相手の術中にハマるのは愚か者のすることデース」
「私たちは世界に名だたる大英帝国の王立海軍としてその名に相応しい戦いを見せる必要があるのデース!」


haruna_icon.jpg

榛名
(お姉さま!見事なアドリブです!)


hiei_icon.jpg

ビーティ中将役:比叡
「……ジェリコー大将。 分かりました! 上官に対してのの無礼な振る舞いをお許し下さい!」
「この場の無礼はマトモな海軍を持ったと勘違いしているジャガイモ野郎との戦いで返上してみせます! そして王立海軍の名に恥じぬ戦いをご覧に入れます!」


kongou_icon.jpg

ジェリコー大将役:金剛
「Ah…過ぎたるは及ばざるが如しって言葉もありますし…程々で良いですからネー…程々で…」


uduki_genki_icon.jpg

卯月
「すごいぴょん! 金剛さんも比叡さんも迫真の演技ぴょん!」


haruna_icon.jpg

榛名
(どう見ても演技に入り込みすぎて台本になかったアドリブで半分くらい素ですが榛名は大丈夫です!)
「ここに舞台は整い、役者が揃いました。いよいよ史上最大の海戦の幕が上がります!」


以下継続予定







対潜装備編 

ゲスト:??
uduki_komari_icon.jpg

卯月
「アーカードで対潜戦闘が実装されたけど、爆雷とかソナーとかよく分からないぴょん…」


??
「待たせたわね!対潜についてなら私に任せなさい!」

uduki_genki_icon.jpg

卯月
「対潜といえば、もしかして…」


hatsukaze_icon.jpg

初風
「初風よ!」


uduki_komari_icon.jpg

卯月
「初風ちゃんかぴょん…対潜番長五十鈴さんかと思ったぴょん…」
「なんで初風ちゃん何だぴょん?」


hatsukaze_icon.jpg

初風
対潜番長五十鈴さんが1-5とかに駆りだされて忙しいから代わりを頼まれただけなんだけどね」
「提督にお前が必要なんだ!って言われて本人物凄く満更でもない顔で対潜なら五十鈴にお任せ!って張り切ってたわ」


uduki_komari_icon.jpg

卯月
ちょろいぴょんじゃあ代わりに教えてほしいぴょん。 爆雷とかソナーとか何なんだぴょん?」


hatsukaze_icon.jpg

初風
「爆雷は簡単に言ってしまえば機雷の一種で対潜爆弾よ」
「中に水圧を感知する信管や時限信管が仕込まれてて水深○○メートルとか投下されてから何秒後とかに爆発するようになっているの」


uduki_icon.jpg

卯月
「後ろからレールみたいので運んで落とすやつぴょん」


hatsukaze_icon.jpg

初風
「爆雷投下軌条ね、まぁ実は九四式も三式も爆雷投下軌条で落とさなくていいんだけど」


uduki_yarare_icon.jpg

卯月
「どういう事ぴょん!?」


hatsukaze_icon.jpg

初風
「九四式と三式の命式名称は九四式爆雷投射機と三式爆雷投射機って言うの」
「九四式はその形からY砲って呼ばれてて艦の中央に設置してそれぞれ左右両舷に火薬式で爆雷を飛ばすことが出来たわ」



weapon044-b_0.png


│   ←  ←   →  →         
│  ↓  ┃  Y  ┃  ↓   


hatsukaze_icon.jpg

初風
「分かりやすく言うと↑こんな感じね」
「もう一つの三式はK砲って呼ばれてたの。 三式は片方にしか飛ばせないので左舷右舷の両方に積む必要があったわ」



weapon045-b.png

│  ← ←       →  →          
│ ↓  ┃>|    K┃   ↓  


hatsukaze_icon.jpg

初風
「三式はこんな感じね、実際にはより広範囲に爆雷をばら撒くために投下軌条と投射機を併用して使っていたわ」
「ゲームだと駆逐艦や軽巡に積めるけど本当は海防艦って艦に積んでいたみたいね」


uduki_icon.jpg

卯月
「知らなかったそんなのぴょん…」
「そう言えばソナーも二種類あるけど違いがあるのぴょん?」


hatsukaze_icon.jpg

初風
「正式名称を見ると分かるけど本当は種類自体が違うわ」
「93式は正式名称が九三式水中聴音機でパッシブソナー、三式水中音波探信儀、それにアーカード未実装の四式と零式はアクティブソナーよ」
「パッシブソナーっていうのは水中聴音機の名の通り水中の音を聞くための機械ね。 推進器、スクリューの音は自然にはないものだからそれを頼りに敵艦を探すの」


uduki_komari_icon.jpg

卯月
「アクティブソナーっていうのはどういうものぴょん?」


hatsukaze_icon.jpg

初風
「アクティブソナーは逆にこちらから音を鳴らす機械よ」
「潜水艦映画とかでコーンコーンとかピーンピーンって音を聞いたこと無い?」


uduki_genki_icon.jpg

卯月
「ブラウザ版の対潜戦闘の前に聞いたことあるぴょん!」


hatsukaze_icon.jpg

初風
「あれがアクティブソナーの音よ」
「水中になにか大きなものがあれば音が跳ね返って反響音がするわ、その音が何秒で跳ね返ったかで位置や大きさを割り出すってわけ」
「九三式水中聴音機はブラウン管式のアクティブソナーで、TV画面にソナーによって探知された結果が波として表示されるの」
「その波の形からさっき言ったように敵の位置や大きさを予測するのね 」


uduki_komari_icon.jpg

卯月
「ソナーや爆雷が無い頃はどうしてたんだぴょん」


hatsukaze_icon.jpg

初風
「信じられないけど目視や勘ねソナーのある時代に目視や視力で敵潜探せとか寝言ぶっこいてたのが史実の帝国海軍よ


uduki_icon.jpg

卯月
「ぷっぷくぷー…」


hatsukaze_icon.jpg

初風
「ソナーや爆雷が開発されたのはは第一次世界大戦の欧州よ」
「ドイツのUボートが跳梁跋扈し始め、潜水艦にやられる被害が増えたイギリスは被害を抑えたり潜水艦を倒すための道具を開発していたの」
「敵潜を見つけ出すためにソナーを、倒すために爆雷をってことね。 爆雷がなかった最初は主砲で砲撃したり体当りしたりしてたわ」


uduki_icon.jpg

卯月
「随分原始的だぴょん」


hatsukaze_icon.jpg

初風
「そうね、効率が悪いことをしていたんだけどその内あまりの被害の多さに対潜専門装備を開発することにしたってわけね」


uduki_icon.jpg

卯月
「それが爆雷なのかぴょん?」


hatsukaze_icon.jpg

初風
「最終的にそこに行き着くんだけどその前には色々な試行錯誤があったみたい」
「銛の先に爆弾を括りつけたボムランス…乗組員が手で潜水艦がいそうな辺りに投げ込むスローイングボムとかそんなの使ってたわ」


uduki_komari_icon.jpg

卯月
「それ…役に立ったのかぴょん?」


hatsukaze_icon.jpg

初風
「正直気休めね。 無いよりはマシって程度の対空戦闘の単装機銃みたいなもんかしら」
「でもそれらを運用やテストしたことで広範囲にばら撒けて爆圧で潜水艦の外殻を破壊する武器が誕生したの、爆雷の誕生ね」
「ところで卯月はその爆雷やソナーの黎明期にそれらを運用した日本の艦隊がいたのは知ってる?」


uduki_icon.jpg

卯月
「初耳だぴょん!」


hatsukaze_icon.jpg

初風
「正直マイナーだものね、私も妙高姐さんに聞くまで知らなかったし…その艦隊の名前は第二特務艦隊」
「第一次世界大戦の最中、連合国軍の一員として地中海で船団護衛に従事し、連合国軍の反撃を支えた艦隊よ」
「防護巡洋艦明石を旗艦として樺型駆逐艦で構成された二個駆逐隊8隻の計9隻の編成で日本から派遣された第二特務艦隊は対潜戦闘の試行錯誤の真っ只中で潜水艦相手に戦いを繰り広げた私達の先輩ね」
「防護巡洋艦に対する疑問に関しては榛名さんの戦艦(&巡洋艦)編その3 巡洋戦艦と各種巡洋艦についてを読んでね」


uduki_icon.jpg

卯月
「防護巡洋艦は知ってるぴょん!」
「ところでそれってジュットランド沖海戦とかの時期ぴょん?」


hatsukaze_icon.jpg

初風
「あら、知ってたの?」


uduki_komari_icon.jpg

卯月
「知らないぴょん…榛名さん今度説明するって言ったきり音沙汰が無いぴょん…」


hatsukaze_icon.jpg

初風
「き、きっとタイダンリニンサン榛名さんも忙しいのよ」
「そうそう、今でもマルタ島には第二特務艦の慰霊碑が残っているのよ…機会があれば一度行ってみたいわね」


uduki_icon.jpg

卯月
「そう言えば砲撃とか体当たりで潜水艦をやっつけようとしてたって言ってたけどそれでやっつけられたのかぴょん?」


hatsukaze_icon.jpg

初風
「まぁ当時や私達の第二次世界大戦頃の潜水艦はずっと潜っていられるわけでもなかったから」
「だから潜水艦が水上を移動中に敵艦に遭遇して偶発的に砲撃戦になったってケースはたまにあるのよ」
「私の妙高姐さんなんて夜間雷撃されて艦尾吹き飛ばされたお返しに主砲と高角砲撃ち返して敵の潜水艦を大破させたりしたのよ!」


uduki_komari_icon.jpg

卯月
「なんで初風ちゃんがドヤ顔なんだぴょん…」


hatsukaze_icon.jpg

初風
「それとその手の話で外せないのは早埼ね!」


uduki_hatena_icon.jpg

卯月
「早埼?」


hatsukaze_icon.jpg

初風
「間宮さんや伊良湖さんと同じ給糧艦…って言うと語弊があるわね」
「早埼は杵埼型給糧艦で冷凍糧食や生鮮品を運ぶのに特化した艦よ、1万トン超の二人と比べる1000トンもない正直遠洋漁船みたいな艦ね」
「武装は8cm高角砲に25mm連装機銃と13mm単装機銃でほとんど自衛用よ」
「そんな艦なんだけど、第18駆逐隊を半壊させ、他の艦を撃沈してきた潜水艦グロウラー相手に単独で襲いかかり戦闘を挑み逃走させたような狂犬艦なの」


uduki_komari_icon.jpg

卯月
「……本当に給糧艦かぴょん? 話盛ってるぴょん?」


hatsukaze_icon.jpg

初風
「盛ってないわよ! 早埼とグロウラーの交戦前、早埼は航行中でグロウラーは水中動くためのモーター用の蓄電池充電のため、浮上中だったの」
「レーダーで相手を先に見つけたのはグロウラーだったけど先に動いたのは早埼の方だったわ。 早埼はグロウラーを確認した途端に全速力でグロウラーに向けて突進をしたの」
「因みに早埼は950トン15ノットでグロウラーは1500トン20ノットよ」


uduki_komari_icon.jpg

卯月
「……なんで?」


hatsukaze_icon.jpg

初風
「逃げても追いかけられてやられると思ったんじゃないかしら?」
「一方のグロウラーは発見が遅れたこともあり慌てふためいて回避命令を出すも間に合わず、早埼の体当たりをモロに喰らって文字通り艦首を曲げたわ」
「更に早埼の攻撃は体当たりだけでは終わらなかったの」


uduki_icon.jpg

卯月
「まだ続けるのかぴょん!?」


hatsukaze_icon.jpg

初風
「はい、続けます。 体当たりに成功してグロウラーに打撃を与えた早埼は搭載されていた全火器を使ってグロウラーに追い打ちを掛けたわ」
「当然グロウラーも反撃したのだけれど最初の体当たりと先手を取られたこと、それに指揮をとる艦長が負傷したことが尾を引いて、このままでは沈められかねない」
「そう判断したグロウラーの艦長は自身を甲板に残して潜行を命じたわ」
「その結果グロウラーは無事離脱に成功。 敵だったけれど冷静過ぎる状況判断ね、見事としか言えないわ」


USS_Growler_SS_215_Bent_Bow.jpg

hatsukaze_icon.jpg

初風
「因みに交戦後のグロウラーの写真が残っているわ…狂犬扱いも納得ね」


uduki_komari_icon.jpg

卯月
「…艦首が完全にひん曲がってるぴょん」


hatsukaze_icon.jpg

初風
「私も妙高姐さんに衝突して艦首の甲板抉られた時、妙高姐さんの前部左舷に甲板がぶらさがって、羽黒さんに初風の額の皮みたいって言われたのよ」


uduki_komari_icon.jpg

卯月
「誇らしげに言うことじゃないぴょん! なんか…気分悪くなってきたぴょん」


hatsukaze_icon.jpg

初風
「ああ、忘れてた。 早埼だけれどグロウラーと交戦した後は一ヶ月のドッグ入りして現場に復帰してるわ」
「その後は妙高姐さんと同じくシンガポールで終戦まで生き残って、響の様にソ連への賠償艦として引き渡されたみたいね」


uduki_icon.jpg

卯月
「なにそれこわい…」



第回 



  • 面白かったびょん! -- 2016-05-17 (火) 14:02:10
  • 赤城さん加賀さん初霜のアイコンも使ってあげてぴょん! -- 2016-05-17 (火) 17:45:33