システム/原種

Last-modified: 2024-03-17 (日) 14:09:07

モンハンや多くの狩りゲーにおいて、
通常のモンスターを特殊な設定を有する同一モンスターと区別する際に使われる言葉。
現在のメインシリーズ公式では「通常種」と呼ばれるモンスターがこれに該当し、
「原種」という呼称は現在の公式には表立っては用いられていない。

目次

正式な用法における「原種」

  • 原種という言葉は本来農業用語であり、農業用野菜や家畜などの元となる種(原種子)や野生種を指している。
    そのため、モンハンを含む狩りゲーにおける「原種」という言葉の使い方は間違っている。
    何故間違った用語が流行ったのかは後述するため割愛するが、
    生物学的な意味で「亜種」に対応する用語は「原亜種」や「基亜種」であり、
    そもそも原点となっている「亜種」自体、生物学的な用法とは必ずしも一致していない。

MHプレイヤーの言う「原種」

  • 基本的には「亜種」「希少種」「特殊個体」が存在するモンスターに対し、
    そのいずれでもない、通常のモンスターを指す表現である。
    例えばリオレウスで言うと、蒼色の亜種、銀色の希少種、
    「黒炎王」の二つ名で呼ばれる個体など多種多様な種類が存在するが、
    そのいずれにも属さない、お馴染みの赤色のレウスが「原種」「通常種」と呼ばれる。
    逆に、亜種などが一切存在しないモンスターについては
    「原種」「通常種」と呼ばれることはまずない。
    • また、シリーズ全般では亜種などが存在していても、
      当該作品には存在しない場合、その作品における話題では呼び分ける必要性が無いため
      「原種」「通常種」と表現されないケースが多い。
      例えばMHWでは、ボルボロス通常種は登場するが亜種は存在しないため、
      同作の話題において「ボルボロス原種」と呼ばれることはまずない。
  • プレイヤー間の会話における使用例を挙げると、
    「フルフル行きます。」→「?」→「原種です^^」
    といった具合である。
    この場合の「原種」は白い方のフルフルを指す。
  • 生物学的に言えばこういう区分にて「原種」という言葉を使うのは誤りであり、
    「通常種」という表現自体も学問では用いられない。
    しかし、「原種」呼称が広く浸透したのは
    公式が正式な呼称と定めている「通常種」の登場よりも前であること、
    そして「亜種」と対比させた場合に語感が良いことなどから、
    2023年現在でも「原種」「通常種」両方の表現が用いられ、
    特にプレイヤー間のやり取りにおいては「原種」という表現がまだまだ多く使われている。
  • 派生作品の1つであるMHFにおいては公式側の表現として「原種」が用いられており、
    オンラインマニュアルなどでも「原種」と明記された記述が存在するため、
    MHFに限っては「原種」は現在でも公式の用語・表現であるとプレイヤー側からは見做されている
    ただしこれについてはMHF独自の事情なども絡んでおり、
    通常種という表現が公式サイドにて用いられるケースもある。詳しくは後述。
  • また同じく派生作品の1つであるMHSTではほとんどのテキストが「通常種」の表記で統一されているが、
    野生のラギアクルス亜種と遭遇した場合、ナビルーが「原種を超える。」と口走る。
    また、勲章の「亜種報告書」の説明文には「原種とは一味違う生態を持つ~」と書かれている。
    後述するがスタッフ間でも用いられている可能性の高い用語であることから、
    推敲せずに入れてしまった誤植なのか、それとも表記揺れなのかは定かではない。
    • MHST2でも全体的には「通常種」の表記が多いが、
      本作ではキャラクター同士の会話テキストの中でも「原種」の表記が用いられる場面が幾つか見られる。
      こちらも誤植なのか、あるいはストーリーの分かりやすさやテンポを重視するための意図的なものなのかは不明。

経緯

  • そもそも「亜種」「希少種」という、既存モンスターの色違いに関しては、
    MH2まで「亜種」「希少種」といった表現が表に出ることはなく(設定自体は存在していたと思われる)、
    ゲーム雑誌などでは「桜リオレイア」「蒼リオレウス」のように呼称されており、
    プレイヤーの間でもそのような呼称(主に、色+モンスター)であった。
  • MH2にて、システム上初めて「亜種」「希少種」という表現が出てくるようになり、
    それに対する「通常のモンスター」を指す表現として「原種」の語が登場した。
    ただ、その用いられている箇所はオンライン限定クエストである
    「毒の嵐」の説明文*1においてのみという、
    大人数の目につきやすいとは言えない部分であることから、
    この時点で一気に「原種」呼称が広まるほどではなかったようだが、
    それでも他ならぬ公式による呼称ということで、発祥としてはまず間違いないだろう。
    ただし現在ではオンラインサービスが終了しているため確認はできない。
    • なお、「毒の嵐」はMH2のデータを引き継ぐMHFにも存在していたのだが、
      G10アップデートに際してのHR帯クエストの大幅刷新によって廃止となったため、
      こちらも現在では確認できない。
    • また、アニメ「勇者王ガオガイガー」に登場する敵役の名前に、
      ズバリ「原種」こと「機界31原種」がいる。
      この「原種」はMH2より少し前に発売された「第3次スーパーロボット大戦α」にて敵として登場しており、
      MH2作中における呼称を知らずとも、
      PS2プレイヤーの間では「亜種」に対する連想としてこの「原種」がヒットした可能性もありうるか。
  • 「毒の嵐」の件以降は、メインシリーズ公式サイドでは「原種」という表現や、
    それに代わる「通常のモンスターを指す生態区分」も長らく特には示さなかったため、
    「原種」呼称は多くのプレイヤーに浸透するようになった。
    一応、MHP2Gから戦法や生態、弱点などが従来とは大きく異なる亜種モンスターが目立つようになり、
    原種と変種だけでなく、原種と亜種も明確に区別する必要性が出てくるようになったのだが、
    直後のMH3では亜種希少種が全削除されたため、
    少なくとも2009年頃までは明確な公式区分が発表されなかった。
  • 2010年のMHP3より再び亜種モンスターが多数登場するようになり、
    これもあってかこの前後から徐々に公式ガイドブックや一部のゲーム雑誌などで
    「通常種」という表現が使われ始めるようになり、
    MHP3ではいよいよゲーム内に「通常種」という表現が登場し、
    メインシリーズ及びこれ以降新たに登場した派生作品については「通常種」表記で統一されるようになった。
    だが上記の表現が流行ってから4年近くの歳月が経っており、
    「通常種」表現自体、そもそもゲーム内ではあまり見かけない*2ものである事から、
    結果としてプレイヤーの間で「通常種」よりも「原種」の方がよく用いられ、
    相手に伝われば問題無いので、チャットなどでも頻繁に使われているのは「原種」のほうである。
    • また前述したMHSTの件や、
      生放送などではスタッフがうっかり(?)原種という言葉を口に出すことがたまにあるので、
      プライベートでは原種という表現を使っている可能性はある。
      動画などではスタッフが「原種」と一旦述べたのち「通常種」と言い直す場面も見受けられ、
      公式においては通常種という表現が徹底されているようであるが。
  • MHFにおいて、MH2から引き継がれた「毒の嵐」以外で
    新規に「原種」という表現が公式で使われたのは、
    「通常種」という表現が出る以前の2008年1月に実施されたシーズン2.0アップデートである
    (ただし、それより更に前のサービス開始直後時点から使われていた可能性はある)。
    このアップデートでは「通常種」と同じ姿でありながら強さや耐属性が大きく異なり、
    しかも「G級モンスター」ではない、「変種」というクエスト区分兼生態区分が新たに登場し、
    通常の(従来の)モンスター達を変種と区別する必要が出るようになったのが大きな理由と考えられている。
    ただし、MHFでは元々ユーザー間で用いられている俗称を分かりやすさ重視で公式用語にする事があり、
    前述の通りメインシリーズ公式で「通常種」呼称が登場する前に定着してしまった用語であるため、
    どちらかと言えば準公式に近い表現に落ち着いている。
    故に現在でも「原種」以外の表現が使われていないというわけではなく、
    生放送などでは分かりやすさを優先してか「原種」と呼ばれることが多いが、
    書籍などでは「通常種」表現も見受けられる。
    • 「変種」は生態区分としての定義でもあり非常にややこしい事になってしまっており、
      以後の「◯種」は全てクエストランクを純粋に指しつつ、
      (2015年の「始種」以降は)フレーバーとして生態要素を盛り込んだ区分となっている。
      これらと区別するために、通常のモンスターを「原種」と称する事があるため、
      亜種や希少種のいないモンスターでも、MHFでは「原種」と称するケースは割と多い。
    • MHFでは独自の(システム上で明記された)特殊個体が多数存在するが、
      それらについてはあくまでも「種」ではなく「個体」のため、
      通常のものは通常個体と呼ばれることが多かったが、
      近年ではこれも一緒くたに「原種」とされることが多い。
      (例:PS Store Magagine4gamerインタビュー)。
    • このシーズン2.0アップデート以降、
      MHFは他のメインシリーズにはない独自の展開・発展が行われるようになっており、
      上述した表現の徹底(言い換えて、設定の綿密なすり合わせ)についても、
      MHFにおいては特に実施されていない事がうかがえる。
      この辺りはモンハン用語/派生作品モンハン用語/本家などの記事に詳しい。

余談

  • 「通常種」という表現も前述したように学問的には用いられない表現である。
    これについては完全な造語となっている。
    ただ、ゲームや娯楽作品などでは近似種(亜種)や突然変異の対義語として
    「通常種」という表現が用いられていることが多く、
    原亜種や基亜種といった堅苦しい表現が使われることはほぼ皆無である。
    おそらくモンスターハンターシリーズもその口であろう。
    亜種でも希少種でもないから「通常種」という位の話なのだろう。
    • 通常のモンスターを「原種」というのはモンハンが事実上の発祥と思われるが、
      知名度などの点から、他の狩りゲーでも類似カテゴリーのモンスターを
      「原種」と呼ぶプレイヤーはそれなりに見受けられる。
  • グラビモスやディアブロスの亜種など、
    生物学的には原種と同一である亜種モンスターも存在する。
    この手のモンスターは特殊な条件によって体色が変化しているだけなのだ。
    だがモンハン世界(というよりハンターズギルドでの扱いと言った方がよいか)においては、
    色違いの個体を基本的に亜種又は希少種としているため、
    この表現自体に誤りがある訳ではない。
  • 基本的に原種の武器から亜種・希少種の武器へと派生できるケースが多く、逆は殆ど見られない。
    また同等のランクに原種と亜種の素材を使用した武器が並列して存在する場合、
    原種の素材を使った武器は攻撃力が高い場合が多い。逆に亜種の物は属性値が高い傾向にある。
    ただしあくまでも傾向で、原種武器の方が完全に負けていることもある。
    また、原種の武器は途中で強化が止まったり、原種武器→亜種武器と強化されてゆく場合もある。
    またベリオロスやドドブランゴの武器など、亜種が属性を持たないが故に亜種武器の攻撃力が高くなっていることもある。
  • MHX(X)に登場している獰猛化したモンスターから手に入る獰猛化素材の内、
    固有の獰猛化素材のテキストは何れも「通常種のモノより、全体的に黒ずんでみえる。」と記されている。
    しかし獰猛化モンスターはその種の中で「何かしらの理由で特殊な状態にある個体*3であり、
    亜種や希少種の様な色違いめいた別種ではない。
    その結果、リオレウス希少種/リオレイア希少種の獰猛化素材のテキストは
    「獰猛な銀火竜/金火竜から採れる鱗。 通常種のモノより、全体的に黒ずんでみえる。」*4
    となっており、「希少種の中に更に通常種」が存在するというぱっと見不自然な内容になってしまっている*5
    ここで言う「通常種」とは「通常個体」の事を示していると思われる。
    扱いとしてはMHFにおける「変種」などに近いかも知れない。

関連項目

システム/亜種
システム/希少種

通常個体と異なるモンスター

  • 主に原種(通常種)と対比になるのは亜種と希少種だが、MHには「通常」と呼べるモンスター以外に
    何かしら手が加えられたモンスターが多数登場するため、こちらでまとめて紹介する。
    この内、色は以下のように対応する。
    • 見た目が通常個体と異なるものは黒色。
    • 見た目が通常個体と異なるが、副次的要素によるものは赤色
    • サイズ、ステータス、行動等を除いて通常個体と全く同じものは青色
    • 見た目の変化するモンスターと変化しないモンスターが含まれるものは緑色

特殊な個体(モンスターリストで区別される)

特殊個体
二つ名持ちモンスター
ヌシ
傀異克服古龍

特殊な状態の個体(通常個体と同一モンスターとして扱われる)

狂竜化
極限状態
獰猛化
歴戦の個体 *6
歴戦王
傀異化

MHF

変種
奇種
剛種
覇種
遷悠種
烈種
始種
辿異種
特異個体
若個体
激個体
MHFの特殊個体
極限・至天征伐戦の個体
極み個体

派生作品

MHSTシリーズ

MHXR
特殊種
十六人討伐戦の個体
凶暴個体
鋼膜個体
炸裂個体

MHO
独行種
MHOの特異個体(特殊個体)
奇烈態
幼体

MHSP
幼体、未成体、準成体
歴戦個体

MH-R
属性変異個体

モンハン探検記 まぼろしの島
特種

その他

この他、上記の枠組みに分類されない(多くは公式名称不明の)少し手の加えられたモンスターも存在する。

  • MHFでは、色違い個体として二頭同時クエストのアビオルグ
    長く天廊に住みついているという明確な設定があり、ステータスも変化した天廊の個体なども挙げられるであろう。
  • MHSTでは、大ヤオザミなる謎が多いヤオザミの強化個体や
    タルアイルー、大タルアイルー、大タルGアイルーといった特殊なボーナスアイルーも登場している。
  • MHXRでは、特殊種には分類されていない特別なアイルー、メラルーが複数種存在している。
    また、発見物のレベルでも「寒がりバギィ」や「ドン・デルクス」などトンチが効いたモンスターも登場している。
  • モンスターの生態設定からではなく、メタ的なシステム面由来で変更を受けたモンスターもいる。
    MHW以降の翼の骨格が変更されたクシャルダオラ、MHXの尾の短いドボルベルク
    MHXRの麻痺ガスを放出するウラガンキン亜種などが挙げられる。

*1 ゲリョスその亜種の2頭クエストで、「黒い体をした原種と紫色の体をした亜種」との一文がある。
*2 あくまで「亜種や希少種に対する通常のモンスター」であるため、ストーリー上の重要な会話に出てくる事が殆どない
*3 筆頭ランサーの推測によれば「一定水準を超える緊張状態に晒され続けられたモンスター」。
*4 G級では「通常種のモノより、全体的に 黒ずんで極めて頑強にみえる。」
*5 当然ながら通常種にも独立した「獰猛化リオレウス通常種」がおり、獰猛化希少種が獰猛化通常種を兼る訳では無い。なおXシリーズに亜種は登場していない。
*6 例外として傷ついたイャンガルルガはモンスターリストにて通常個体と区別される。