アイテム/【ガレー】

Last-modified: 2023-04-01 (土) 05:31:25

原語は「Galley」。
ガレー船と訳される。
人力で櫂(かい)を漕いで進む木造船を指す。
外観上の特徴は両舷に数多く備えられた櫂。その船体は同時代の帆船と比べて細長く、喫水が浅く、舷側も低い。
その特性上、風力を利用する帆船と比べて、非力かつ持続力の面でも劣るため、長距離の航行は不可能に近い。また積載量が少ない上に漕ぎ手を含む乗員数が多いため、頻繁に寄港や補給を要求されてしまう。
しかし微風時や逆風に見舞われた場合もある程度自由に航行することが可能、さらに急加速や舷側、回頭を行えるという面では帆船より優れているため、海戦では有利に働く。このため、ガレーは香辛料貿易目的のような一部を除いて、軍船として用いられた。
特に風が大西洋に比べて弱くて不安定な地中海、バルト海などの内海ではガレー船が発達し、19世紀初頭まで使われていた。
また、帆船に比べて数は少ないながら帆も装備されており、これらは順風に恵まれている遠距離航海時に用いられた。初期は四角帆だったが、14世紀頃、主にイタリアでマストやラティンセイルと称される三角帆の改良が進むとガレー船にもより多くの帆が装備されるようになり、例えばポルトガルからイングランドまでを無寄港で航行するといった長距離の航海が実現している。戦闘時には帆は漕走の邪魔になるので畳まれるか、場合によっては帆柱ごと切断してしまう。*1
ファンタジー作品では帆船と並んで海洋を舞台とする場面でしばしば登場するが、漕ぎ手の待遇が過酷という設定が多い。これは中世やルネサンス期以降、あるいはイスラム圏でのこととされる。これに対して古代ギリシャやヴェネツィア共和国では自由民が漕ぎ手として雇われていた。特に後者は個人に割り当てられた荷物を交易活動に利用できたため人気があったらしい。

クラシック・ダンジョンズ&ドラゴンズ

クラシックD&D第4版ではエキスパート・ルール・セットで登場する乗物の1つ。
スモール、ラージ、ウォーの3種が存在する。

スモール

原語は「small galley」で小型ガレー船と訳されている。主に沿海や湖で用いられる。
基本価格10000gp。収容力40000cn、船員以外の収容力は20000cn。全長60~100フィート、船幅10~15フィート、喫水2~3フィート。
船員は船長1人、海兵20人、水兵10人、漕ぎ手60人。
ラム(衝角)を追加装備できる他、船首と船尾に軽カタパルト1基ずつ追加可能。

ラージ

原語は「large galley」で大型ガレー船と訳されている。沿海と大きな湖で用いられる。
基本価格30000gp。収容力60000cn、船員以外の収容力は40000cn。全長120~150フィート、船幅15~20フィート、喫水3フィート。
船員は船長1人、海兵50人、水兵20人、漕ぎ手180人。
角型の帆とマストが1本ある。ラム(衝角)を追加できる他、船首と船尾に軽カタパルト1基ずつ追加可能。

ウォー

原語は「war galley」で軍用ガレー船と訳されている。ルールサイクロペディア版での表記は「戦闘用ガレー船」。
基本価格60000gp。収容力80000cn、船員以外の収容力は60000cn。全長120~150フィート、船幅20~30フィート、喫水4~6フィート。
船員は船長1人、海兵75人、水兵30人、漕ぎ手300人。
マスト2本とラム(衝角)を最初から装備されている他、甲板には船首と船尾に2本の木製の塔が建っている。さらに軽カタパルト3基を装備可能。

関連用語

クラシック・ダンジョンズ&ドラゴンズの乗物一覧


*1 フリー百科事典「ウィキペディア」の記事より抜粋、編集。