モジュール/【死を呼ぶ神殿】

Last-modified: 2020-06-07 (日) 06:34:44

君達は遙かなる彼方へと、絶望的な任務に出発した。
「マスター」と呼ばれる存在と「死を呼ぶ神殿」を探し求めて・・・君達の故郷へ、敵軍が進攻するまで、わずかな時間しか残されていないのだ。
しかも、目的を達成し「マスター」に関わる秘密を手に入れる為には、行く手を阻むモンスターを倒し、敵軍領土の中を突破しなければならないのだ。果して、君達は無事生還する事ができるのであろうか?

X5モジュール「死を呼ぶ神殿」日本語版裏表紙より
 

コードX5、原題は「Temple of Death」。
原語版は、前作に続いてDavid Cook(デビッド・クック)により執筆され、1983年に出版された。
日本語版は新和から、前作販売から1ヵ月後の1987年5月に翻訳販売された。当時の販売価格は2,200円。メタルフィギュア用フロアタイル付き。日本語版のタイトルは「死を呼ぶ神殿」となった。当時の雑誌では、「砂漠の彼方からの死者」シリーズと称する前後編の大作モジュールという部分を売り文句にしていた。
表紙絵はTimothy Truman(ティモシー・トルーマン)。表紙絵は荒野にそびえ立つ神殿らしき建造物を背景に、遊牧民の戦士と象のような鼻をもつ怪物がおり、さらに右下には仏像に似た彫像の頭が描かれている。
表紙内側は本編で使われる地図となっている。小冊子の本文は32ページ。

概要

前後編モジュール「砂漠の彼方からの死者」の後編で、未知なる恐怖への挑戦の続編となる。
対象は6~8人用、6~10レベルでキャラクターレベルの合計は57が最適とされる。
シンド砂漠の遊牧民部族や邪悪な人間型種族たちが、「マスター」と呼ばれる謎の人物の麾下に集結してダロキン共和国に対して侵略戦争を開始した。プレイヤーキャラクター達の任務は、共和国に対するこの脅威を無力化することである。
プレイヤーキャラクターたち一行はブラック山脈に侵入してグレートパスを通過して神聖王国ヒュールに潜入しなければならない。非常に圧政的な全体主義国家の国内は常に危険を伴う。そのような中で「マスター」の居場所を探ってゆかねばならない。この冒険では砂漠、荒野、街、ダンジョンでの遭遇が含まれている。

評判

フリー百科事典ウィキペディアによると、ホワイトドワーフ誌55号でTemple of Deathが論評されている。論評したデイヴ・モリスは10段階評価で10を与えた。モリスはデイヴィッド・クックが「論理的で、絶えずやりがいがあり、想像力に富み、生き生きと描写された冒険を構築した」と感じ、また「率直に言って、これを上回るD&Dのシナリオを見たことがない」と断言した。モリスはティモシー・トルーマンのアートワークもまた絶賛した。モリスはこのモジュールが「あらゆるロールプレイングゲーム・システムのサプリメントの中で、おそらく上から3から4位に入るだろう」と感じ、最高の評価点を与えてから「私が唯一残念に思っているのは、これがAD&D用ではなく、エキスパート用であるということだ」と付け加えた。
Space Gamer誌71号ではリック・スワンがこの冒険を論評した。スワンは、このモジュールが「至る所でびっくりさせられる」と感じた。また地図とイラストが「魅力的かつ機能的」であることに気付き、神殿の外観が、プレイヤーが珍しい建築物を思い浮かべるのを助けるだろうと述べた。しかし、この冒険が主に野外で進行するため、ダンジョンマスターはプレイヤーが正しい方向へ向かうように保つのに苦労するだろう、と警告している。彼はマスターは「今までの出来事からもっと強いと思っていたのにかなり弱い奴」ということで「やや期待はずれ」と感じた。スワンは「2つの砂漠の遊牧民シリーズの冒険は、それぞれ単体では遊んでも面白くない」と述べ、しかし「Master of the Desert NomadsとTemple of Deathを合わせると非常に面白い」と結んだ
長い冒険であり、1つのキャンペーンにもなる。また前作とは異なる、一筋縄ではいかない新モンスターが何種類も登場してくる。
さらに未訳で終わったものの、X10 Red Arrow, Black Shieldがこのモジュールと関係している。


オフィシャルD&Dマガジン12号のモジュールガイドによると、前編のX4と続編のX10ともども、GAZシリーズの正規の歴史としては「200年後の出来事」にされてしまったという最早いろいろな意味で異色のモジュールとなった。このモジュール関連の事件や戦争の影響が、ノウンワールド全土へ波及することを考えれば妥当とも言える措置ではあるだろう。

関連用語

未知なる恐怖への挑戦