モジュール/【陰謀の街・スペキュラルム】

Last-modified: 2019-09-03 (火) 22:02:28

彼女は、自分の家に悪魔が住みついていると言う。
彼女には、夜になると家の地下深くから、彼女に呼びかける声が聞こえるのだ。
 
二人の男が、頭からすっぽりと黒く大きなフードをかぶって、足早に地下の暗闇の中へと消えていった。そこには深い穴が掘り広げられていた。
「おせっかい者がこの場所を嗅ぎ付けたらしい」太った人影が、あざけ笑うように言う。「事体は最悪だ・・・」
やせた人影がたどたどしく答えた。「有利であると思っていないのか?」「彼らは今、我々を恐れている。自分達の生活が心配なんだ」
二言三言、話を続けながら、男達は布につつまれた包みを取り出した。その隙間から、女性の手が、力なくたれさがっていた。
 
この女性は誰なのか?なぜ、彼女の死がスペキュラルム市に於ける暴動と不安の日々の始まりになったのか?
そして暗殺者の正体は?・・・ラデュかトレネスクかあるいはボーロイか?陰謀の街に暗雲が立ち込める。

B6モジュール「陰謀の街・スペキュラルム」日本語版裏表紙より

コードはB6。原題は「The Veiled Society」。製作者はデイヴィッド・クック。表紙絵はスティーブ・チャペル、本文イラストはジム・ロスロフ。原語版の1984年に出版された。
日本語版は新和から1987年3月に出版されている。フロアタイル付きで、定価は2200円。カバーである表紙の内側はスペキュラルム市の地図となっており、裏表紙に折り込まれた部分はキャラクターのペーパーフィギュア12体が印刷されている。12体の内訳はD&Dのクラス・種族から男性1人ずつと、フードの男2人、商人・兵士・市民が1人ずつ。本編である中綴じの冊子は全32ページだが、モジュールの本文は16ページのみである。残りの16ページは市街地での戦闘で使用するペーパークラフトになっている。ペーパークラフトの内訳は小さな家屋9つと門のある城壁1つである。このモジュールでは、ペーパークラフトとペーパーフィギュアなどのミニチュアを使用した戦闘が推奨されている。
このモジュールは後に、1987年の再編集モジュールB1-9 In Search of Adventureに採用された。


ちなみに、このモジュールとGAZ1カラメイコス大公国でスペキュラルム市の全く異なる地図が紹介されている。

概要

このモジュールでの冒険は、カラメイコス大公国の首都スペキュラルムを舞台に展開されるシティアドベンチャーである。プレイヤーはそこで3つの対抗している派閥の内どれが殺人事件を引き起こしたのかを割り出さねばならない。街中では、闇社会の手先が様々な場所に密偵を放っており、パーティはこの街の三大ファミリーの争いに巻き込まれることになる。

評価

クラシックD&Dのモジュールでは非常に珍しいシティアドベンチャーで、海外の評価は比較的高い。ただし、探偵・推理ものとしては先が読めすぎるという評価もある。