モンスター/【ミミック】

Last-modified: 2021-11-20 (土) 22:19:25

原語はMimic。
mimicは本来は真似する、似せる、擬態するといった意味の動詞。あるいは偽の、擬態のという意味の形容詞。
これといった有名な伝承などはなく、オリジナル・ダンジョンズ・アンド・ドラゴンズの最初のMonster manualに登場している。
以後D&D第5版に至るまで各版で登場し続けている。またクラシックD&Dでは「ポリマー」がミミックに該当するとされている。
D&D以降のファンタジー作品では時々登場する。日本では『ドラゴンクエストIII』で宝箱を調べると襲い掛かってくるモンスターとして一躍有名になり、媒体を問わず他の作品でも登場するようになった。ただし生態は、「擬態する捕食生物」や「呪いで怪物化した宝箱」、「魔法により生み出された人工生命体」などバラつきがある。
昔はメタルフィギュアなどの立体化がほとんどなかったが、AD&D公式でラルパーサ社からメタルフィギュアが製造販売されている。国内外を問わず人気があるのか、ネットで画像検索すれば様々なイラストやフィギュアがワラワラ出てくる。もちろん定番は宝箱だが、扉や壺、剣やテーブルなども見られる。

クラシック・ダンジョンズアンドドラゴンズ

ポリマーを参照。

アドバンスド・ダンジョンズ・アンド・ドラゴンズ

日本語では未訳。Monstrous Compendium IIに登場する。
ウィザードが泥棒から持ち物を守るために創り出す魔法生命体。
外見は、色を含めて自在に変化できるが、体積は常に一定という制約がある。
強力な魔法使いによって創られる魔法生物であり、時間と費用を費やしてようやく完成する。
一般的な「コモン・ミミック」と狂暴な「キラー・ミミック」の2種類が存在する。
コモン・ミミックはある程度の知性があり、会話や交渉が不可能ではない。アライメントはTN(トゥルー・ニュートラル)。キラー・ミミックは殺戮と捕食に特化しており、知性は極めて低い。アライメントはNE(ニュートラル・イービル)。
気候/地形は地底。出現頻度は希。社会構成は独居性。活動時間は常時。食性は肉食性。サイズL。
どちらもヒットダイスは巨人並みに高い。しかし移動速度は遅い。感知能力は高く、僅かな光や熱を感知可能。
攻撃は自身の体を変化させて捕食するが、ミミックは自身の表面に糊のような粘着性の物質を分泌することができる。この粘着物によりエサとなる生物を確実に捕らえることができる。解説文では体が変化したさやのような部分で殴るとの事だが、立体化したミミックはどれも凶悪そうな牙がずらりと並んでおり、どう見て食い殺されるイメージしか持てないのだが。
動きは鈍い為アーマークラスは劣悪だが、酸などには耐性がある。
ミミックは肉食性の生物であるため、ある程度の肉を摂取する必要がある。成人した人間1~2人を食べれば1週間程度は生きられるが、普段はネズミなどの小動物を捕食している。
ホムンクルスと違い、製作者との間に魔法的な繋がりはない。反面、ミミックは命令に忠実とは言えないため創造主とはいえミミックの扱いには注意を要する。


ちなみに、第1版ではミミックをメインにしたシナリオが掲載されたり、第2版のSpelljammerシリーズでは「Space Mimic」という宇宙空間で生存可能なミミックの亜種が登場したりと人気がある。また第1版の記事だが、プレイングガイドIIIには「ミミックの生態」の記事が日本語訳されて掲載された。

関連用語

ゴーレム】【ホムンクルス