モンスター/【ヴァンパイア】

Last-modified: 2022-06-25 (土) 08:52:50

原語は「Vampire」。
バンパイヤ、ヴァンピールとも読むことがあり、吸血鬼と訳される。
世界各地の伝承や民話で生命の根源である血を吸う怪物が伝わっているが、現代的な吸血鬼の概念は東欧の伝承が元になっているという説がある。さらに19世紀のポリドリ作の『The Vampire』を経てブラム・ストーカー作の『吸血鬼ドラキュラ』で現代的な吸血鬼のイメージが固まった。ここから様々な媒体やジャンルで吸血鬼という存在が広がっていった。
上述のように『吸血鬼ドラキュラ』でイメージが確立してからも、様々な吸血鬼が創造されたが「一度死んだ人間が何らかの理由で生き返り、人間に害を加えたり敵対する」という部分が基本となっている模様。
吸血鬼を題材とする作品は数多く、挙げていけばキリがない。

クラシック・ダンジョンズ&ドラゴンズ

クラシックD&D第4版ではエキスパート・ルール・セットで解説されるモンスターの1種。エキスパート・ルール・セットまでは最強のアンデッドだった。
アライメントはカオティック。廃墟や墓場、納骨堂など、打ち捨てられた場所に出没するとされる。
ヒットダイスは高いわけではないが、様々な特殊能力を有しており、非常に倒しにくい。
移動速度は程々だが、人間体でも空を飛ぶことができる上、狼や蝙蝠、ガス体に変身することができる。非魔法の武器ではダメージを与えられない上、再生能力がある。その視線には魅了の効果がある。さらに戦闘ではダメージに加えてダブルエネルギードレイン(2レベルダウン)の追加効果を被ることになる。
上述の通り、攻防共に侮れない能力を持つが、ヒットポイントを0にしただけでは本当に倒すことができず、直射日光を浴びたり心臓に木の杭を打ち込まれたり自身の寝床である棺を失わない限り、生存できる可能性がある。

ルールサイクロペディア

ルールサイクロペディア版でも表記は「ヴァンパイア」で、「吸血鬼」と訳語が付いている。
種別はアンデッドで魔力タイプ。サイズM。知力は10。
小項目として「ヴァンパイアの能力」「ヴァンパイアの弱点」が設けられており、説明の大半はこの2つの小項目で解説されている。

アドバンスド・ダンジョンズ&ドラゴンズ

AD&D第2版のモンスターコンペンディウムでは表裏の2ページに渡って紹介されている。
イラストは犠牲者である若い女性の首に噛みつこうとする様子。
基本データは1つのみだが、通常のヴァンパイアの他に東洋のヴァンパイア(原語はEastern Vampire)が亜種として解説されている。
外見は普通の人間と大差がなく、人間の集団に混じっても気づかれにくい。ただし幾つかの特徴があり、注意深く観察すれば見破る事は可能。
ヴァンパイアは死と破壊、邪悪と混沌をもたらす存在である。しかし、手下を作る必要がある場合を除き、他者を殺そうとすることはほとんどない。これは生物の生命エネルギーを吸うことで自身の肉体を維持していることを理解しているためである。もちろん他の生物を抹殺する場合は、生物としてもアンデッドとしても甦らないように徹底的に破壊する。
基本データとしては、気候/地形は陸地、出現頻度は希、社会構成は独居性、活動時間は夜間、食性は特殊、知能は秀才的、アライメントはCE(カオティック・イービル)、サイズM。
ヴァンパイアは死や破壊に彩られた場所に住む傾向があるが、特に悲劇的な殺戮や凄惨な戦場跡を好む。
独居性の通り孤独で過ごすが、同一の場所に複数のヴァンパイアが存在する場合はその内の1体は「ヴァンパイア・ロード」として他のヴァンパイアを支配している。ロードは支配下のアンデッドを手足や道具のように使い、危険すぎる任務や雑用に酷使する。
戦闘では獰猛さと高い身体能力により殴るだけで1d6+4のダメージを与えられるが、さらに2レベルのエネルギードレインがもたらされる。
さらにヴァンパイアは「チャーム・パーソン」と同じ効果を持つ、凝視攻撃を持つ。この凝視による魅了は抵抗が難しくST判定にペナルティが課せられる。
またヴァンパイアはネズミやオオカミ、コウモリといったクリーチャーを召喚することができ、敵を襲わせることができる。
ヴァンパイアには通常の武器では全くダメージを与えらず、+1以上の魔法の武器が必要になる。さらにスリープ・チャーム・ホールドの呪文が効かない。さらに冷気や電撃の効果も減少させられてしまう。
ヴァンパイアは自分の肉体をガス状に変化したり、大コウモリに変化することができる。ガス状の状態ではほとんどの攻撃が無効化されるため逃走しやすい。大コウモリの形態では飛行可能になり移動速度が上がる。さらに「スパイダー・クライム」の呪文と同じ効果を好きなだけ使うことができる。
ヴァンパイアは被ったダメージを毎ラウンド回復していくが、0以下に低下すると肉体が崩れてガス化を余儀なくされる。この後、棺に戻ることで少しずつ肉体を再生していくことができるが、棺に戻れなかったり棺を失っているとやがて死滅する。
上記の通り、強力な能力を持つヴァンパイアだが弱点も存在する。
ニンニクの臭いや、LG(ローフル・グッド)のホーリー・シンボルを嫌い、避けようとする。
また日光にさらされたり、流れる水に浸かると短時間で死亡する。心臓に木の杭を打ち込んでも倒すことができるが、木の杭を抜かれると復活するため追加の処置は必須となる。

東方のヴァンパイア

原語は「Eastern Vampire」。
イラストは、日本の落ち武者の様な姿で口角を上げてこちらを睨んでいる。
能力や弱点は同じ。チャーム能力とガス化能力を持たないが、代わりに透明化能力を持っているという点が異なっている。

関連用語

アンデッド】【ベルヤー?