原語は「Polymorph Self」。
polymorphは多形という意味。
術者が他の生物に変身するという魔法効果。
ファンタジーの魔法使いらしい魔法の呪文としてはありがちだが、ゲーム作品としてはややマイナーな部類で、ファイナルファンタジーシリーズでは『トード』の魔法で蛙に変身して人間では通れない水路を抜けるといった使い方がある程度。
クラシック・ダンジョンズ&ドラゴンズ
マジックユーザー及びエルフ・ウィザード第4レベル呪文。
新和版の表記と訳語はそれぞれ「ポリモーフセルフ」と「自分の姿を変える」。ルールサイクロペディア版では「ポリモーフ・セルフ」と表記され「術者変身」と訳されている。
術者自身を指定した種族の生物に変身させる。効果時間は2時間以上と長いし「ポリモーフアザーズ」と違って術者の意思は維持される。その代わり、術者自身のアーマークラスやヒットポイント、ST判定値は変化しない。
変身できる生物は、術者レベルと同じかそれ以下のヒットダイスでなくてはならない。また、変身している間は術者は自分の呪文を一切使用できない。
変身した生物の能力は、呼吸などの生存や移動に関する肉体的な能力は問題なく使用できる。ただし、魔法的な能力と見なされるものは使用できない。このため、ブレスウエポンや呪文行使、魔法的な防御能力などは一切使えない。
術者が死亡したり、「ディスペルマジック」の成功により、この呪文の効果は解除される。
上位呪文として「シェイプチェンジ」がある。
上記の通り、攻撃用ではなく移動や威嚇といった目的で使われることが多いだろう。
アドバンスド・ダンジョンズ&ドラゴンズ
ウィザード4レベル呪文。訳語は「自己変化」。
オルタレーションに属する。
コンポーネントはV。
術者の姿を変化させる呪文。
小鳥以上、カバ以下の大きさで実体のあるクリーチャーであれば大抵のものに変身できる。変身した種族が本来持つ肉体的な「呼吸能力と移動能力」は問題なく使える。ただし、攻撃手段や魔法能力、特殊能力などは得られない。AD&D2ndの「変身によるシステム・ショック判定によるショック死」も起こらない。
変身する前に所持、装備していた物品は変身後の姿に取り込まれて一時的に見えなくなる。呪文の使用条件を満たせるなら、変身後も呪文を使用可能。
術者の精神状態やヒットポイントや命中判定、ST判定などは、変身前と変わらない。
なお、ディスペル・マジックが成功されたり、術者が死亡した場合は強制的に変身が解除される。
持続時間はターン単位で、術者レベルに比例して延長されていく。持続時間中は何度でも変身可能だが、変身には1ラウンドを費やす。術者はいつでも呪文の効果を解除する事ができ、この場合に限り術者のヒットポイントが1d12だけ回復する。
変身後でも条件を満たせば呪文の行使が可能であることと、自発的な解除でのヒットポイント回復という2点がクラシックD&D版と異なる。戦闘用ではなく、移動や逃走、威嚇といった目的で使われるのは相変わらず。