【生物】/ヴェアルグ

Last-modified: 2024-05-19 (日) 04:04:22

アルファベット表記:Wealg
漢字表記:鬼狼(きろう)
分類:四肢乳生類牙獣目鬼牙獣亜目ヴェアルグ科
危険度等級:C~B
生息地方・国家:応州畏州爬州北部
生息域:大型樹林森林部
発案者:tocoma110
Tag: 生物 乳生類 危険度等級C 危険度等級B 発案:tocoma110


概要

鬼獣類にも近い、「手として機能する」前足を持つ大狼。
明確にものを掴め、拳まで作ることから極めて鬼獣類的だが、歩行は四足が基本となることで、長らく分類が定まらなかった生物の一つ。
その特異な体形と獰猛さから、生息地方ではいずれも著名な害獣として知られる。高い知能、柔軟かつ頑丈で強力な肉体、そして積極的な攻撃性が相まって、非戴冠種牙獣目の中では大型熊類・クァッル類の上位2種と並び、危険視されている。

  • その一方で飼育可能という、信じがたい面も備えている。

 

分布

巨大樹類が生い茂る森林。
いくつかの地方に生息が確認されるが、いずれもそうした箇所を好む。
生息州としては応州畏州爬州北部が挙げられる。いずれにしても、寒冷な地域であることが多い。

 

形態

最も著名な狼であるファング類とは似て非なる姿を持つ。
大まかな特徴はある程度共通するが、やはりその前肢が異質。
比較的長く伸びた指があり、月吼えの民のそれにやや似た形質を持つ。歩行時と掴む時である程度形が変わって見えるように、調整機能も付いている。
肩は鬼獣類的な切り分けが可能な構造をしており、それ故に肩甲骨近辺が非常に大型化している。他の犬系統生物と比べても筋肉質かつ肥大化しており、遠目から見ても一目で判別が可能。

  • 腰に向かって大きく下がる、かなり独特のシルエットをしている。
    また、尻尾は長い。

顔つきは狼よりも猟犬的であり、鋭角。
耳も含め非常に鋭く長い。当然、牙も同様である。
表情はそれほど動かないこともあり感情が見えづらいが、そもそも本種は威嚇を行なうことも少ない(後述)ため、そこの発展性は極めて低いようである。


体毛は長く癖が強い。
寒冷地に住む通り保温性に優れている。
鋼毛狼ほどではないものも体毛も頑丈で、対人兵装程度では傷つかないとされる。実際、ある程度の刃物などは阻まれてしまう。

  • 色は生息地によって変わるが、暗色か白色系が中心。

平均的な全長は7m強、四足体高は5m弱、体重は700t程度。

 

生態

基本的には群れを形成し、集団で狩猟・子育てを行なう。
ただし、その群の在り様は動物的なそれよりも軍隊的と形容される。特に長からの命令には絶対服従であり、ある程度の裁量は個体感覚で許されるものも、基本的な命令を破ることはない。
個々で役割が明確に振られ、それを専門的にこなす性質が強い。状況によって入れ替わることもあるが、それらもかなり厳密に定められている様子。
そのチームワークは極めて厳密で、狩りというよりは殲滅作戦を彷彿とさせる。

  • 縄張りを単独で徘徊することもある。

極めて攻撃的かつ獰猛。
しかも、ほとんど威嚇なしのノータイムハントが特徴。
その巨体に反する繊細さを備える極まった身体制御で、音をかなり殺して移動することが出来る。故に、彼らの狩りは傍に来るまで気づけないことが多く、気づいた時には間合いである。

  • その一方で、後述のように感情は稀薄。

コミュニケーションは音声・匂いが中心。
多彩な声音と臭腺を活用することで、かなり細かなやり取りを行なえるという。
だが視覚的な感情表現の類は皆無。それは表情や尻尾・耳の動きと言ったものはもちろん、一説には音声にすらないとされる。そのため、一種の冷血漢の代名詞として用いられることも。

  • 実際、脅威を感じても「恐れる」といった風ではなく、どこか無機的に危険性を判断するように見える。
    獰猛でありながら感情は希薄、酷薄で冷徹と、一見相反するような特性を併せ持つ。
    自身の存続よりも群れの存続を優先する節があり、さらに作戦目標のためなら我が身を顧みない行動も目立つ。こうした性質は乳生類よりは蟻などの群体型有殻生物の方が近い。

食性は肉食。内臓や脳などまで分け隔てなく食べる。
その食べっぷりは語り草で、骨に肉片が残らぬほど、丹念にしゃぶりつくす。その強欲さは獰猛な牙獣類でも類を見ないほど。
食せるならば何でも食べるが、ことさら乳生類を好む。
また、彼らからすると小型に当たる文明種も狙う率が高い。特に、生息域が人里に近い場合は被害が非常に多い。その場合、老若男女問わず貪りつくす。


そうした特性から恐れられるが、実は飼育が可能。
幼少期から厳しい躾けが不可欠だが、徹底した教育を施すことで命令を守る凶獣となる。
その獰猛性と冷酷さ、また長への絶対服従性を生かし、番犬・猟犬として起用されることが多い。徹底した躾と訓練を施されたヴェアルグは、半ば機械じみた性質を発揮し、獲物と定めたものを決して見逃さない。
決してメジャーな飼育動物ではないが、一部専門のティムリアが存在する程度には需要がある。

  • 意外にも、そうした教育にも極めて従順。
    そのため、一部では超古代に製造された軍用生物などが、野生化したという説も唱えらているほど。

 

能力

擬竜類に負けず劣らず、強大な生物。
肉体的な強度、運動能力の高さ、学習能力と冷静な判断力など、いずれも危険度等級C以上に相応しいものとなっている。


肉体的な能力はクァッル類上位2種に見劣りしない。
平均的な成体であれば、チャックルと同等の走行速度を発揮し、膂力は大型熊のそれと互角と言っていい。頑強性も高く、対人銃弾程度は筋肉・体毛で弾けるため、どちらかと言えば精術の方が効果はあるとされる。
また、毒物も通用するが抵抗力は体格通りで、必要となる量はかなりのものとなる。


手は道具の利用も不可能ではない程度に動く。
とはいえ、彼ら自身が何かを作ることはあまりなく、基本的には獲物を捕らえる・崖際の移動などのための、保持能力として使われる。獲物を解体する際には口と手を駆使することもある。


知能面も極めて高い。
前述のような役割分担を徹底し、かつ臨機応変に対応出来るなど、秘境暮らしの生物らしい特徴を持つ。
情報分析能力も高く、突発的な事態への即応性も高い。それらの能力を駆使し、高度な連携狩猟を行なうのは本種の特徴と言えるだろう。


こうした高い能力を持つ一方、精素への融和性は高くない。
口腔摂取した精素はある程度分解・排出が可能だが、それ以上の特性はなく、精華術への適性やブレス能力などは備えない。そのため、一般的な精素利用能力はないとされる。
しかし、高濃度精素物に弱いということもなく、生態的には日常的に精素を活用していると考えられている。

 

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