【精術】/精術

Last-modified: 2024-02-12 (月) 16:36:29

アルファベット表記:Ether Arts
読み:しょうじゅつ
分類:精素技術
発案者:tocoma110
Tag: 精素 精素技術 精術 精素現象 発案:tocoma110


概要

精素を利用する技術の総称。
一般的には波音を用いた現象制御術『波音術』、精素化合による物質変化術『精合術』に大別可能だが、実際に利用される技術のほとんどはどちらか一方だけで成り立つことは少ない。
地方ごとに使う波音や精素特性が異なっており、文化性に強く依存する傾向もある。
いずれにしても、人々の生活に密接にかかわる技術として、この世界では欠かせぬ代物である。


精術を行使する存在は、総称して『精術士』と呼称される。

 

特徴

基本的には精素によって起こされる特殊現象=精素現象を取り扱うものである。
特定の物理的現象を起こすことも物質編成を起こすことも、根本的な原理は同質とされる。が、その根本原理から先の個別現象は様々な枝分かれを起こしているようで、そこが精術研究の複雑さの要因となっている。各種波音術・精合術で起こっている現象も同じに見えて厳密には異なっているとする説があるほどである。

  • 論者の間では、いわゆる波音言語に地方差が存在することがその証左である、とされる。
    実際、同色系統の傾倒性合成色精素の中でも厳密には反応している精素が異なるようで、わずかながら波音が異なるという研究結果が報告されている。
    • だが、それが何故起こるのか、何故ほぼ同質の効果が発揮されるのか、など細かな事象については大陸秘境開拓時代の中でも明かされておらず、1800年代にようやく新たな仮説が立てられている程度である。

大陸秘境開拓時代でこそ民間でも広く活用・流布しているが、第二次魔北大戦期まではその知識・技術はかなり限定された範囲でのみ利用されていた。
これには様々な理由があり、極めて複合的な形で「精術利用への忌避」があったためである。

  • 第一に、大陸歴制定前後から長らく、エルネセトアは「エルネセトア霊祭期」にあった。
    精素災害が起こりやすく、かつ実体精素現象が猛威を振るった時代が続いたことによって、精素への恐れが非常に強かった。そのため、人類が精術を汎用的に行使出来るようになるまで、長い時間がかかってしまった。
    精武術で体内精素や少ない精素を活用して使える技が多いのも、この時期が長く続いたことに由来している。
    • その中でも、環境における精素の状態の安定=調律の技術は各地で研究されてきた。
      しかし、それも体系だった知識をまとめ上げる土壌は少なく、多くは宗教的儀礼と結びついていた。
      神聖視されていることから一般人には不可侵であり、また政治的な都合も絡み、純粋な技術としての研究が進む例は稀少だった。当然、波音精素汚染への調査もまばらであり、各地で得られた研究や知識には分野ごとに差があった。
      • それでもなお研究を試みる者たちは存在した。
        だが、綴州以外ではいずれも長続きせず、アンダーグラウンドでの細々としたつながりを除き、大きな交流・研究が進むことなかった。その結果、精素への対応は伝統的な手法と見解のみで行なわれ、迷信がはびこる土壌を形成してしまう。
  • 続いて挙げられるのが、第一次魔北大戦に伴う精術への印象。
    魔北種族が極めて高度な精術を用い猛威を振るったことから、『精術=魔北種族の技能』と見なす風潮が生まれ、結果として精術に対しての偏見が多く生じた。
    辛うじて調律医療精術は研鑽が進んだ分野であったが、それすらも厳しい制約が課されることとなってしまう。
  • こうした都合から、長らく精術を扱うのは特定の知識層・宗教階層でのみであった。
    限られた術式のみが伝統として受け継がれ、それのみが行使されてきた結果、技術的研鑽が詰まれることはなかった。
    加えて、研鑽を行なおうにも政治的な理由などから難しい状況が続き、結果として極一部の地域を除き研究は極めて個人的・閉鎖的なものであった。かつ、そうした人間は「魔北に加担する者あるいは反社会的思想の持ち主」という認識をされ、迫害・虐殺の憂き目にあうことも珍しくなかった。
    結果、在野の術士は肩身の狭い生き方が続くこととなる。
  • もちろん、上流階級などの間では古くから研究は行われていた。
    しかし、研究材料の不足や社会的な情勢からうまく進まないことが多く、大半は現代ほど技術的な確率を起こすことは出来ていなかった。それでも、綴州以外で光の国信仰華州などでは比較的早くから技術としての研究が行われていたようで、その挫折と挑戦の積み重ねが今も残っている。

転換点となるのは『霊祭期の終焉』と『第二次魔北大戦』。

  • 前者は大陸歴500年頃から徐々に進行し、900年代に入る頃にようやく落ち着きを迎える。
    これによって精素への干渉が比較的容易・安全になり、在野・国家機関問わず研究が行なわれるようになる。流石に一朝一夕で進むものではなかったが、それまでの数百年とは比較にならぬほどの進歩を見せることとなる。
    • とはいえ、やはり表立って広く行われたわけではない。
      多くは秘密機関・秘密結社という形で始まり、裏での細々とした交流を用いながら、上流階級や宗教団体が工作する形で進められた。それがさらなる飛躍を遂げるのが続く第二次魔北大戦となる。
  • 後者は、霊祭期を過ぎたからこその事態だった。
    魔北種族が持ち出した無数の脅威に対抗すべく、大陸同盟がついに時代の禁忌を打ち破り精術研究を宣言。各地に存在した精術を比較・解析し、現代精術の基礎となる波音理論・精合理論を整えることに成功する。
    その理論・知識を九大州全域へ普及させたことで表立っての研究・利用が増加、一般的な技術として地位を確立し以降の人々の生活に欠かせぬものとなっていった。
  • 大陸歴1300年代後半~1400年代中盤を、新設された組織=『大陸精術士協会?』が牽引することによって急速に各地に浸透。1400年代後半には民間での精術利用者が増え、一部の伝統的役職だったものが門戸を広げ、一般的な職業へと変化していく例も増えていった。(例えば虎鞭獣師は元来華州僻地の特定民族の技術であったものが、有用な職能として確立し大陸全土に普及していったものである)

大陸秘境開拓時代には専門性の求められる技術として、ある程度以上の理解を得ている。
現在でも辺境地などでは偏見が残っていることもあるが、それらも薄れつつある。

 

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