アルファベット表記:Heavknights Series
分類:理造神・理属獣
発案者:tocoma110
【Tag: 超常存在 理造神 理属獣 超古代文明 へヴナイツシリーズ 発案:tocoma110 】
概要
第四世代理造神最高種の一角を担う、汎用人型理造神・理属獣のシリーズ。
肌人とほとんど変わらぬ姿を持ちながら、圧倒的な力を持つ存在。
従来の理造神と理属獣と異なり、理造展界を使用しない・契約者を保有しないというありえない特性を備えたほか、理造神の方は自らの意思と自由を持って行動するという性質まで持つ、異例尽くしの存在である。
- その性質から、「契約者は精神的適性が強く関係する」アビスタイプ?と比較し語られる。
ヘヴナイツシリーズの内、理造神のものを『ヘヴナイツ・オーダー』、理属獣型のものを『へヴナイツタイプ』と呼んでおり、それらには明確な上下関係と能力特性が備わっている。
外見・形状
ヘヴナイツシリーズは共通して肌人と変わらぬ姿を持つ。
その他、額から一文字にぐるりと一周する紋様を備えている。こちらは個体・種類ごとにデザインに系統が存在し、その形態からある程度能力傾向を測ることが出来る。
だが、オーダーとタイプでは明確に外見的特徴が異なる。
ヘヴナイツ・オーダーは明確な個体差がある。
それぞれが異なる顔立ち・体格を備えており、同様に性格や人格も全く異なる。故に、彼らは明確にすぐそれとわかる。
一方、へヴナイツタイプは規格ごとに統一された外見を持つ。
まるで双子、あるいは工業製品のように、彼らは系統ごとに画一化された姿を持っている。故に、一目でヘヴナイツのどれに該当するのかが判別可能。
人格面も同様で、規格毎に画一化されている。
- ただし、個我を発現させた者たちは別。
徐々に個性が現れ始め、時に顔つきすら変わることもある。
能力・特性
極めて多彩にして特殊。
通常の理造神は理造展界を最大の特徴とするが、彼らはそれを持たない。
代わりに、超人的な頑強性や運動・身体能力や極めて高度な精素干渉能力を備え、それらを行使することで他の理造神・理属獣と伍する活躍を行なえた。基礎水準の高さは第四世代でも上位に入り、実際複数小隊を組んだ彼らの相手は、同世代型でもよほど上位シリーズでない限りは厳しかったという。
- 飛行、物理干渉、物質の分解・再形成、エネルギー形成・放出・具現化、精術起動、特殊ネットワークによる情報共有……彼らの能力は非常に幅広い。
彼らは支給された武装を用いることもあるが、大抵は自ら放出した光輝粒子体による具現武装を形成する。
平時は肌人型であるが、必要に応じて異形化・増加を行なった。
- 最も知られるものは、背面に形成される光の翼あるいは羽状の器官である。
これらは本格的な能力発現に伴い形成されるもので、示威的な意味合いもあったものとされる。光の色は個体あるいは規格で異なっており、最も親和性の高い精素を反映したものと考えられる。
また、その際には髪や目の色などにも変異が起こり、周囲に翼・羽と同色のオーラを纏うことも確認されている。 - それ以外にも肉体部位を再編成することも出来た。
全体変身による他人への変装は勿論、音声や網膜の完全模倣など部分的なものも可能。部分的な変形では疑似的なツール・武装形成なども行えるため、戦闘行為から原始的な仕組みへの対応にも幅広く転用出来た。
汎用人型理造神・ヘヴナイツ・オーダー
ヘヴナイツシリーズの本流である、超高性能人型理造神。
前述の特性すべてを余すことなく備え、なおかつへヴナイツタイプを統括する上位個体群の総称。
外見的には当時水準の人類種とまるで変わりなかったとされ、また理属獣へヴナイツタイプと異なり、自立思考を備えた非常に稀有な存在だった。
彼らには帝国内での人権や社会的地位も与えられ、一般市民は愚か下手な将校よりも高い地位があったとされる。
- 実際、彼らは有能かつ善良な存在だった。
帝国への高い忠心を持ち、かつ民衆を守り、社会を安定させることを第一義とされた守護理造神である。その性質上、彼らの多くは一般に称賛される高い倫理観と善性、を持っていた。
故にこそ、後に二度もの離反を招くことにもなった、と言えなくもない。
その一方で、彼らは兵器でもあった。
故に、軍規に背くことは許されず、また行動などにおいても制限を課される部分は少なくなかったという。
彼らは自律し、思考する兵器であり、軍人である。
そのため、個々で異なる役割を与えられつつ、自らも前線での戦いを期待される、非常に稀有な存在であった。
また、理造神ら本来の目的であった社会的利益のための役割も担っていたため、彼らを単なる兵器としての視点のみで語ることはナンセンスである。彼らは警備・医療・情報伝達・環境整備など、様々な分野での活動を期待されまたそれに応えていた。
兵器であり人であり、社会の守護神でもある彼らは、当時の帝国でも格別の人気を誇ったという。
非常に優秀な理造神であったが、その自立思考性が後に仇となる。
大戦後半で“輝光子”の離反で反帝国勢力に寝返った者たちが現れたほか、終盤には残存ヘヴナイツ・オーダーの大半が反戦・停戦派閥に付き、主勢力であったはずの皇帝派閥から離脱する。
彼らはみな「帝国の繁栄と安寧、平和」を願った末に、自らを生み出した帝国軍部と袂を分かったのである。
ヘヴナイツ・オーダーの性能とロールアウト時期にはあまり関係性がない。
実際の活躍を鑑みると、最初期ロールアウト組であるリュー・シファルとその部下『四大ヘヴナイツ』が最優秀となる。それ以後も個体別に能力のばらつきがあり、個々の経験と秘める素質の方が重要とされる。
光体
ヘヴナイツ・オーダーが発動する全力形態。
輝くあるいは金属質な光沢の人型に変貌するもので、彼らが有する全能力を最大限で発揮させる。
ただし、その形態維持はほんの数分が限界。更にその後は大きく消耗することとなるため、連続しての使用は不可能。
形態としては極めてシンプルなもの。
シルエットラインこそ肌人のそれだが、体毛や生殖器は見当たらず、また頭部も目を除いた部位はほとんど見受けられない。*1 輝く姿であることも相まって、非常に神秘的なものとなっている。
加えて、胸部からは内部の精核機関の光が漏れ出し、円形の光が透けて見えるようになる。
その他、肉体には1色ないし2色の光のラインが走る。これは個体で模様が異なっている。
その他、背面の翼状器官も形成可能で、全力を出す際には個体別あるいは規格の異なる形状を発現させた。
特性は、あらゆる能力が何十倍、百倍以上に膨れ上がる。
主だった能力自体に変化はないのだが、その出力・有効範囲・応用性などが爆発的に上昇、半ば万能に近いまでの能力行使を可能とする。そのため、単純な肉体性能だけでも戴冠種クラスに跳ね上がり、発揮する能力もまた規格外なレベルにある。
それは肉体の大きさも同様であり、平均して40~50m大の巨躯となるのが常。
また、簡易光体と呼ばれる状態も存在する。
これはヘヴナイツ・オーダーとヘヴナイツタイプ共に起動可能で、通常の数倍以上の能力を一定時間発揮出来るものである。
出力・能力規模こそ光体に見劣りし身体サイズもほぼ変化を起こさないが、多少のインターバルを挟めば再度使用可能。完全顕現に比べ、利便性で勝っている。
- この状態の際は、毛髪などが残存する。
能力発揮状態同様に発光するようになることから、光体への変異途中段階とされる。
著名な個体
“輝光子”ヘヴナイツ=リュー・シファル
初代ヘヴナイツ・オーダー統括者にして、裏切りのヘヴナイツの頭。
最も完成度の高いヘヴナイツだったのだが、故に純真で清廉、優しい人格の持ち主だった。そのため、長く続く戦争の中で帝国の信義・主張に疑問を抱いていたという。
最終的に現政権下では戦争の終結は勿論、恒常的帝国の安定を築くことは不可能と判断。ヘヴナイツシリーズの1/3を伴い反帝国勢力を形成し、反旗を翻す。
以降は自己の信じる理念を追求すべく、独自勢力として活動を始める。
- 離反後は他者を利用するのも厭わぬ姿勢を見せるようになる。
それこそが本性だったのか覚悟のあまりなのかは、定かではない。
最も優しく情の深いヘヴナイツであったとされ、彼を慕うオーダーは多かったという。
それだけに、彼の離反は後にヘヴナイツひいては帝国軍部に大きな衝撃を与え、派閥間の争いに拍車をかけたとも言われている。
- 善良かつ祖国愛の強い個体だったとされるが、厳密な離反理由は不明。
一説には同時期に完成した最悪の理造神が関与しているとも伝わるが、真偽は不明である。
元から統括個体として作られており、高い指揮能力を持つ。
また、同胞に対しても強い支配権限を持ってもいるが、それを自ら行使することはほとんどなかったという。
- 個性的な能力として、光輪の愛用が挙げられる。
彼が能力を行使する際は多数の光輪を伴い、それを通じて空間や物理的顕現量の増減などを行なったという。また、具現光輪を武器として使用することも多く、光輪使いとしても名を馳せた。
“裁定者”ヘヴナイツ=ミ・ケアル
二代目統括者にして、最強のヘヴナイツ・オーダー。
最初期個体群『四大ヘヴナイツ』の一角にして、筆頭、そして最強の個体。
元々は統括者副官に過ぎなかったが、リュー・シファル離反後にその地位を引き継ぐ。
副官の時点から高い指揮能力・状況把握・判断能力を備え、実質的に二大巨頭による統制だったとする向きもある。また、能力の関係から警備部門・軍事部門の当事者として、現場に赴くことも多かった。
光体形成に最も優れた個体で、理想に最も近い個体だったという。
有する能力は図抜けており、ヘヴナイツ・オーダー最強と名高い。実際、平常戦闘態ですら並みの戦闘型理造神と渡り合い、光体になれば限定的とはいえ“鋼の極竜”と撃ち合いを演じられたという。
- 中でもエネルギー放出と具現形勢に特に優れ、どちらも「剣」と呼ばれる形で能力を行使し、圧倒的な鋭さで数多の敵を葬ってきた。
- また、固有の特徴として他者の能力を弾く能力を有したという。
こと理造神相手にその能力は強く作用したことから、対離反者粛清の役割も担っていた。暴走した理造神の粛清・捕縛の実績もあるなど、彼の活躍は枚挙に暇がない。
とにかく優秀で無私の真面目な人格が有名だったが、彼は善良であり周到でもあった。
帝国内部の分裂と腐敗には早くから目をつけており、反戦派閥と初期から裏で結託、大義名分がそろったところでヘヴナイツを率い、堂々と皇帝派からの離脱を宣言した。
“告達者”ヘヴナイツ=ギャ・ブラル
情報処理・管理部門の統括とされる、女性型ヘヴナイツ・オーダー。
最初期個体群『四大ヘヴナイツ』の一角。
ヘヴナイツ・ネットワークの総指揮者とされ、情報管理部門における頂点であったとされる。
その能力が示すように冷静沈着で、あまり動じない性格をしていたという。
その性質が示す通り、諜報や情報統制を主な業務としていた。
そのため実戦的な活躍機会は少ないが、数多くの場面で彼女の采配が輝いていたとされ、裏方においては帝国有数の実力者であった。特に彼女はネットワーク支配能力に長けており、それらを駆使することで情報戦は勿論、各地の戦局を把握し、より上層が的確な判断を下せるよう常に支援していたという。
- 無論、実戦能力も高い。
彼女は広範囲型精術に長けており、その中で明確に個別に狙いを定め術を放つことを可能とした。そのため狙撃的な能力もだが、広域多数目標の討滅に特に優れていたという。
その他、ラ・ファアルほどではないが医療・生体干渉能力も備える。非常にオールマイティなタイプ。
ミ・ケアルとは長い付き合いであり、表裏でヘヴナイツを支え合ったとされる。
そのためリュー・シファルの造反ではなく、ミ・ケアルの反戦派転向に従って、皇帝派から離脱したという。
“庇護者”ヘヴナイツ=ラ・ファアル
民間人の保護・救護を任務とした、緊急救助用のヘヴナイツ・オーダー。
最初期個体群『四大ヘヴナイツ』の一角。
中性的な柔らかい外見通りの優しい物腰と、一切の無駄がない現場での即決即断が特徴的と、極めて「善良」な個体。救助活動に強い使命感を持っており、その前に立ち塞がる障害は決して許さない、救命の鑑のような人格を持つ。
優れた探査能力と物質修復能力を駆使し、いくつもの命を救ってきた。
それこそ、切断された程度であれば部位があれば完全治癒が可能で、完全欠損部の再生医療も(時間を掛けることが出来れば)不可能ではない。
加えて、単独でも多数の生命を救助出来るように戦闘力も高め。
救護や防御用に力場形成能力を特に高めており、防壁や仮設の柱を作るなど、様々な場面で応用が利く能力特性を備える。
元より戦争には反対の立場であったため、ミ・ケアルの離脱には率先して賛同した。
とはいえやることに変わりはなく、敵味方関係なく治療を施し続けたという。
“懲罰者”ヘヴナイツ=ウ・ルアル
主に軍事系・警邏系ヘヴナイツを統括していたという、ヘヴナイツ・オーダー。
最初期個体群『四大ヘヴナイツ』の一角。
ヘヴナイツ・オーダーの中でも特に高い戦闘力を誇る個体の一つで、エネルギー放出系能力に長けていた。驚異的な火力による殲滅・撃滅作戦が得意で、また容赦ない攻撃を行なうことで知られる。
近接戦も当然得意であり、その手でいくつもの巨人機や真竜類を討ち取ってきた。その戦闘能力はミ・ケアルに準じたほど。
それと同時に、彼は精緻な作戦も可能とする知性と理性があった。
警邏部門として活躍する彼は、各地に配した秘密捜査ヘヴナイツを用い、数えきれない間諜・反逆者・犯罪者たちを捕まえていた。
国内外問わず怖れられたヘヴナイツだが、別段狂暴でも冷酷でもない。
ただ職務に忠実で、祖国を愛するごくごくありふれた軍人。だが決して盲目的でもないため、帝国の欺瞞にも気づいており、そのことで長く葛藤したという。
最終的に、ミ・ケアルの皇帝派離脱に伴い、彼もまた長く忠を捧げた皇帝を見限ったという。
専属理属獣・ヘヴナイツタイプ
量産型ヘヴナイツ。
用途や型番に応じて外見などが画一化されている点が特徴。
ヘヴナイツ・オーダーと比べると反応はどこかマニュアル的で、時々無機質さを感じさせなくもない。一般的人間の情緒を持つというよりは、人格的対応を見せる機械じみた存在。そのため、実感を持つ精神がない。
製造はヘヴナイツ・オーダーよりも後期。
彼らの活動を記録・研究し得られたデータを元に製造された、非常に優秀な理属獣。
ある程度の自己判断能力で活動出来ることから、他の理属獣にはない社会的な役割を担うことが出来、それにより様々な任務を任されていた。
一方でヘヴナイツ・オーダーと異なり、人権は有さない。
彼らはあくまでツールでしかなく、その自己判断もあくまで「機械の行なう自動的な最適解」と同程度に見なされていた。そのため、意見を尊重されるなどという事態とは無縁である。そして、彼らのほとんどもそれを望む心は持たなかった。
タイプ:ラピム
極めて稀少な最終戦力。
ヘヴナイツ・オーダーに匹敵する強度の光体形成能力のみに特化している。
通常型で唯一巨人光体を形成可能な存在だが、それ以外の理属獣としての能力は皆無に等しく、平時はただ「極めて死ににくい」だけの有機生命体である。故に、その存在は常に秘匿されてきた。
- そして、その外見は10を超えたかどうかという少年少女である。
変身後はオーダークラスの能力を発揮し、第三世代までの理造神を完全に圧倒する。
しかし、その代償として変身後の消耗が激しく、使用後は速やかに回収されるか処分される。回収後も急いでの補充・回復が不可欠であり、決して万能無敵の兵器とは言い難い。しかし、単騎で理造神並みの成果を出せる理属獣の価値は計り知れない。
稀少な存在故に無暗に使い潰されることはなかったが、大戦終盤ともなると帝国も余裕がなくなり、無茶な運用も増えていったという。
タイプ:イヨット
要所・要人警護用ヘヴナイツ。
イロヒ級に匹敵する戦闘力に加え、細やかな対応を可能とするインターフェースを搭載しているなど、非常に高コストな個体群で構成される。
男女問わず外見も美麗かつ威圧的。思考能力も柔軟で判断力にも優れ、ある程度の自律思考が可能と非常にハイクオリティ。
規格統一された能力特化形態を持つ。
波音行使重点形態を「人」、運動性能特化を「獅子」、肉体運用特化を「牡牛」、飛翔特化を「鷲」と呼び、それらを切り分けることで様々な状況に対応する。この特性は高速での全体変身が可能なことにあり、それにより変身による隙を少しでも減少させる。
また、これらを複合した切り札形態もあったという。
タイプ:エレル
環境整備・管理用ヘヴナイツ。
本来その役にあった第二・第三世代初期型理造神の減少に伴い、急遽導入された規格。辺境や戦場となった土地の環境整備を主な目的に製造されており、各地の復興に大いに貢献したという。
多大な精素を消費するという難点こそあるが、その能力は極めて優秀で、仮に大陸秘境開拓時代に現れれば、精素汚染型秘境の修繕が可能であったと思わる。
元戦場・辺境での活躍を見込まれる通り、当然戦闘力も高い。
連合軍・同盟軍の侵攻はなくとも、戴冠種のような巨大生物の干渉は避けられず、また精素災害自体はこの頃もあったものと考えられる。故に、それらに対処する能力を備えることは必然であった。
だが、それらも直接的な能力というよりは環境整備能力の応用であるため、本格的な軍事用と比べると攻撃能力はやや迂遠だったり、大雑把になる。
タイプ:ガルガ
外周警邏・防衛用ヘヴナイツ。
軍事特化の中でも特に広域監視・調査に向いたタイプ。
近距離戦よりは遠距離戦・狙撃戦を得意とし、異常なほどの情報収集力・処理能力により、確実に獲物を捕らえる。その精度は非常に高く、多くの部隊の『眼』として活躍したという。
タイプ:イヨットと異なり、軍事拠点から都市部まで幅広く配置された。
純戦闘よりも各地の警備や監視、また調査など幅広く用いられ、帝国全土の治安に貢献したという。また、当然ながら戦闘特化型ほどではなくともヘヴナイツとしては平均以上の戦闘力を持つため、必要があれば相応の戦闘力を発揮する。
タイプ:アイシム
分野特化用民間奉仕型のヘヴナイツ。
タイプ:アジェラに近しいが、より専門的な分野で活動することを目的に作られている。そのため、研究所や治療院などでメインとなる人間の補佐、また人手が不足している場合は自らが主体となって活動していた。
人々の間でも身近な存在であり、よく親しまれたという。
戦場ではタイプ:アジェラに並び、整備班や現地医療班として活躍した。
精素周りに特化するとタイプ:タルシスに準ずる。汎用性であちらに見劣りする分、能力をより専門的に特化させることで優秀な働きをしたとされる。
また、教師役などとして戦術での行動指南も行ない、こと大戦後期は不足する教員役として多くの帝国軍人の教育を担った。
タイプ:シュマル
指揮・指導型ヘヴナイツ。
主に都市部などのヘヴナイツタイプの統括を担う管理用規格で、ヘヴナイツの中間管理職的な立ち位置にある。すべてのヘヴナイツの活動を認識し、そのうえでどこにどのような指揮を振るべきか検討する、半自立的思考を可能とした上位個体群。
タイプ:シュマルはヘヴナイツネットワークの監視者でもある。
活動する同族の状況を常に把握し、それにより不具合を起こした個体を速やかに排除するなど、業務のクオリティライン管理なども担った。また、上層部へ報告する情報の整理なども行っており、量産型ヘヴナイツの中でもかなり重要な立ち位置にあった。
戦場でもヘヴナイツ部隊の指揮官として広く活用された。
タイプ:タルシス
精素対応型ヘヴナイツ。
調律はもちろん、それ以外のあらゆる精素関連の干渉能力を最大限強調して作られている。精素の絡む局面でこそ真価を発揮し、緻密な操作・制御はもちろんのこと、強大で大雑把なものまで幅広く活用出来る。
より特化した能力になれるタイプ:アイシムと比べ、汎用的な性能を重視されているため、特化機能では彼らに見劣りする。
だが、精術型としては生産コストにおいてはあちらよりも優れていたようで、多数の個体が配置されていた。
タイプ:イロヒ
戦闘用ヘヴナイツ。
その目的通り、大戦中に最も戦場で活躍した軍事特化規格。他のヘヴナイツが各種専門分野に割いている分の、あらゆる要素を戦闘力に凝縮、純粋な戦闘任務において最高品質のパフォーマンスを見せる。
そのため、世間一般にはあまり馴染みがなく、冷徹な印象を持たれやすい。
肉体機能から精素関連の能力に至るまで、高水準。
ともすれば小型巨人機や危険度等級C級程度の飛竜類ならば、単独で撃滅可能なほどで、人間サイズの理属獣としても破格の戦闘力を備える。それがヘヴナイツ特有のネットワークで連携をとるため、彼らの小隊はそれ一つで戦闘型第三世代級理造神を軽く凌駕する。
インターフェースも「理想的軍人」として作られているため、無感情かつ簡潔。
- 反面、何らかの形でエラーを起こすと非常に厄介。
暴走した場合、オーダーかタイプ:ラピム・イヨット級でない限り、応戦は難しかった。そのためリュー・シファルは離反時、戦力として全体の1/3のタイプ:イロヒを真っ先に支配下に置き、連れ去ったという。
タイプ:グルゴ
監視と捜査、そして暗殺を担う秘密警察型ヘヴナイツ。
直接的な戦闘よりは特定対象を追跡・監視することに優れており、国内の間諜や不穏分子発見に大いに役立ったとされる。内部潜入も当然仕事の内であり、それ故に帝国領域外で活動することが最も多いヘヴナイツでもあった。
変幻自在の変身能力と高い学習型模倣性により、連合・同盟の双方に大きなダメージを与えたという。
だが、その一方で学習と模倣が極まりすぎ、半ば自己暗示的に「演技との同一化」を起こしてしまう例も多く、裏切りにも近い暴走を起こすこともあった。そのことが帝国内で周知されて以降は、いくつかの改良が加えられたとされる。
そのため、前期型と後期型では差異がある。
タイプ:エルケン
汎用学習成長型ヘヴナイツ。
特定の目的に特化せず、経験・学習したことを自在に生かせるように設計された、ある種のエリートシリーズ。
あらゆる場面で活躍出来るよう、様々な状況・任務への適性が高く設定され、更に高度な学習機能が経験や知識をスムーズに反映させる形となっている。そのため個体差が最も生じやすいヘヴナイツで、自己拡張機能による最適化・進化が著しかった。
そのため、ヘヴナイツ・オーダー以外でも「本来の目的」に多大な貢献をした。
ある意味タイプ:アジェラと共にヘヴナイツの要。
彼女らが収集し蓄積した情報が、彼らにインストールされることでその性能はより高まっていく。
そのため比較的数の多い低級個体ながら、最終的にオーダーに匹敵する能力を得たり、個我に覚醒する個体も多かった。
タイプ:アジェラ
市民対応型のヘヴナイツ。
非戦闘用のインターフェースシステムであり、帝国の都市部各地に配備されていた。
その性質上、柔和な対応を求められることから女性型の外見を持っており、場所に合わせたヴィジュアルのチューニングがなされていたという。
能力も任務・役割に合わせてある程度変えられていることから、最もバリエーション豊かな規格であったとも言われる。
非戦闘用とはいえ、身体能力等は一般人を軽く凌駕する。
また、高度な情報伝達ネットワークを備え、戦場でも主にオペレーター・補佐役として活躍した。加えて、都市部では市民を監視する見張りでもあり、彼女らを通して集められた情報が軍部に共有されていた。
来歴
超古代大戦中期、最初期個体群であるリュー・シファルと直下『四大ヘヴナイツ』がロールアウト、前線で大きな活躍を見せる。
その後、順番に数体~10体刻みで新たなヘヴナイツ・オーダーがロールアウトされ、様々な局面で活躍する。彼らは戦場以外の場所でも帝国に貢献し、その知名度を上げ、また国民から支持を得るようになる。
- この時、最新型の第四世代巨人機にも多大な犠牲を出した。
それより数ヶ月後、幾度目かの休戦期間中に量産型であるヘヴナイツタイプがロールアウト。
性能こそオーダーに見劣りするが、数に物を言わせられる高水準量産機として準備を整え、再開戦に合わせて戦場デビュー。他の新型と合わせて大きな戦果をもたらす。
混迷を迎える大戦後期、真竜類改造理造神の暴走を契機とするようにリュー・シファルが突如帝国を離反。
ヘヴナイツ・オーダーとヘヴナイツタイプの1/3を率い、帝国軍西方最大の基地を襲撃。急遽駆け付けたミ・ケアル率いる討伐軍と激突、壮大な痛み分けが発生する。
以降、リュー・シファル率いる離反ヘヴナイツ軍は連合軍・同盟軍と並ぶ、新たな敵対勢力として帝国の前に立ち塞がることとなる。
- さらに帝国に残ったヘヴナイツタイプの思考的機能不全*2が頻出するようになる。
戦争が混迷を極める大戦終盤、遂に残るすべてのヘヴナイツ・オーダーとヘヴナイツタイプが、主流派であった皇帝派から反戦派に転向し、帝国軍部と袂を分かつこととなる。
その後、ヘヴナイツは帝国臣民の守護を中心としながら、一部の部隊が戦争終結を阻む勢力との戦いに明け暮れることとなる。
その後についてはわかっていないが、ほとんどの個体が死に絶えたとされる。
大陸歴以後も記録以外のものはほとんどが見つかっておらず、存在は確実視されながらも実物の名残は皆無に等しい。
ヘヴナイツプロジェクトの裏側
このように高性能なヘヴナイツだが、この内ヘヴナイツ・オーダーは単なる理造神ではない。
より正確に言えば、彼らはある目的のための一工程に過ぎなかったのだ。
一見すると高性能かつコンパクトな兵器に見えるが、実のところ、その性能・役割はおまけに過ぎない。その在り方自体が重要だったのである。
実際、ヘヴナイツ・オーダーは厳密な意味での理造神ではない。
彼らの正体は、生体進化型精核機関を埋め込まれ、変質した人間種族なのだから。
彼らは帝国内における『神化計画』に参加した国民であり、理造神と人間の中間に位置する例外的な存在なのだ。
- より細かい言い方をすれば、肉体を理造展界共鳴粒子に変換した生命体。
自身の肉体情報と精神を超微細粒子に分割転移し、それらが集積・形態形成を行なうことでネットワークを構築、その中に自己を再現している。言うなれば、彼ら自身が「生きた理造展界」なのである。
そのため、理造神を起動するうえで不可欠な“存在の波”の源流──契約主人を持たず活動出来るのも、当然と言えば当然のこと。
すべてが一体となっているからこその様態なのである。 - 極論を言えば、彼らはコアさえ引き継がれれば、同様の能力・特性を備えた個体が新たに生まれることも可能。
しかし、それには相応の精神力と人格が不可欠であり、強い意志を持たないものでは適合出来ず、肉体が崩壊すると考えられている。
本来の目的は「精核機関による人体進化の実験」。
各種様々な役割は副次的なものにすぎず、能力テストなども兼ねている。
人体を魂と肉体が合一した光量子生命体と同質のものへ仕上げるまでに、どのような変化や特性を得るかを知ることが目的とされる。そのために彼らは軍事的・社会的な役割を与えられ、その中で起こる変化を逐一記録されていたのである。
- 光体などはまさにその象徴。
あの姿がデフォルトであることこそが、この計画の最終段階といっても過言ではない。
彼らを研究し得られた情報は次なる段階へとフィードバックされる。
結局のところ、精素に頼る形では限界があることが判明し、精素に頼らぬ真なる意味での光量子化が課題となる。
しかし、ヘヴナイツ・オーダーを通して得られた肉体と精神の量子変換記録は、魂の実体化という最終目標への大きな一歩となった。
その結果、研究機関は『神化計画』を第二段階へ以降し、“聖なる白き炎”?の実験に移行する。それがどのような悲劇を生むか、考えることもなく……
規格統一型のへヴナイツタイプは、単なる技術転用品である。
ヘヴナイツ・オーダーで得られたデータをもとに、使いやすい戦闘兵器を生み出したに過ぎない。そのため、こちらには人間を使っていない。
初期試験型こそともかく、量産型はみな人造生命体に埋め込む形で製造されており、元となる個人のいない工業品。目的に合わせたボディ・表層人格をインストールされており、そのプログラム通りに稼働する。
この研究の末には、皇帝を皮切りに一部権力者を絶対存在に変え、文字通り「不老不死の神々」として君臨させる予定であったという。
その目論見は頓挫することになるのだが、それはまた別のお話である。
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