【超常存在】/理造神

Last-modified: 2024-02-11 (日) 14:58:59

アルファベット表記:E'l Urer
読み:りぞうしん/えるーらー
分類:超常級精核兵器
現存・発見地方・国家:個体による
発案者:tocoma110
Tag: 超常存在 超古代文明 精素 精核兵器 理造神 秘境資源 発案:tocoma110


概要

いにしえの時代に生み出され、最強の大帝国が誇った最強の精核兵器
独自の生態を持つ精術生命体の一種とも言え、類を見ない特殊な存在とされる。
宿敵たる『巨人機』と合わせ、古竜級以上の真竜類を討ちうる数少ない存在として知られる。


また、各理造神には支援ユニットとなる量産型の廉価版理造神とも言うべき、理属獣が存在する。
これら理属獣は理造神をベースに造られた量産製品であり、理造展界を持たず出力・規模で劣る一方、数による制圧力や運用面での強みを持つ。


多くの理造神は、太古の時代に存在した信仰・神話・伝承に基づく名前を与えているとされる。

 

特徴

通常の精核兵器の類とは一線を画しており、同じルーツを持つとはいえその存在は別格。
使用されている精核機関は独自の技術によるものであり、効率が非常に良い。加えて、後期になるとその精核機関自体が様々な機能を備えるようになる。中には、対象に付与ないし定着することで、強制的に理造神へと変化させたことさえあるという。
そのような性質を持つため、一口に理造神と言っても多種多様な在り方が存在する。独自に製造されたもの、打倒した敵対者を利用したもの、偶発的に生まれたものなど出自にもばらつきが大きい。


種別は多岐にわたる。
戦闘用から環境整備・改変、日常生活の安定など、様々な割を担わされた者たちが存在する。
そのため、個体数も古代兵器としては極めて多く、役割を終えた個体が各地で眠りについているとされる。
最大の特性は自らを起点として周辺に固有の支配領域を展開し、その内部での現象を支配すること。それによる領域支配での制圧・環境干渉を得意としている。そうした特性上、侵略のみならず支配した領地の改造・変質に特化したものも存在し、それ故に同時代の宿敵である巨人機よりも多様かつ多目的に適応した能力を持つ。

  • 有機的な構造をしたものが多く、ほとんど工業兵装である巨人機とはその点で大幅に異なる。
    機械型もいくつか存在するが、その比率は低い。ただし、鎧騎士型のようなもハイブリッドタイプもあり、その限りではない。
    • 一方、有機型であってもその身に何らかの装飾をなされていることが大半。
      それらの装飾は装甲や制御機構をそれとなく、あるいは華麗に施したものである。

宿敵たる巨人機と比べ、能力の応用性と精度、強度に優れている。
一方、量産性や代用性、後述の使役者適性の幅で見劣りする。
兵器・道具ではなく、あくまで「神性=超越的個体性」に特化した存在である。故に、一つ一つが特別な存在として扱われる。

  • 量産性や代用性は理属獣の方が持ちわせている。

理造神が保有する「固有の特性に基づく支配領域の展開」能力は、『理造展界(エルール)』と総称されている。

理造展界

りぞうてんかい/エルール。El Ur。
理造神が理造神足りうる証とされる、共通した固有の機能。
この能力は一定範囲内に自らが持つ特性に応じた“疑似世界法則”を制定することにより、内部における“常世界法則”*1以上に自らの特性を優先的に発動出来る。

  • これはつまり領域内においては「世界そのものよりも強大な命令を下すことが出来る」ということを意味している。
    極めて強大な能力であり、この力によって大帝国は隆盛を誇ったとされる。
    自らの望む環境を自在に作り出せるという強みを持っている一方で、その運用には多量の精素を必要とするほか、それ以外の技術も不可欠とされた。それゆえ、現代では理造神を製造・運用することは極めて困難とされる。
  • ただし、未解明な点は多い。また、旧時代の遺物そのものを利用することはまだ可能である。

使役者

また、それ以外にも伝承では「理造神には特定の使役者がいた」とする情報が多数寄せられている。
そのためか、理造神がもととなると思われる伝承には大抵、「人類種の姿をとった神の化身」か「神を祭る司祭・巫女」、あるいは「魔物を使役する・信奉する妖術師」の存在がセットとなっている。このような伝承のすべてが理造神の実態を示すわけではないだろうが、管理責任者に相当する存在が個体ごとで割り振られていたという見解が、理造神研究界隈では一般的となっている。

(その真偽について)

理造神が持つ特性とは、“存在実証の波動”そのものである。*2
それを広域に定着させるということは「自身の在り方を拡大させる」ということに他ならない。そのため、理造神は個々で「異なる特性を備えたワンオフ兵器」として存在している。


しかし、その一方で(あるいは兵器故か)単独ではその力を行使出来ない、という設計になっている。
これは大半の巨人機がパイロットを必要としたように、理造神は単独では“存在実証の波動”を拡大出来ないのである。より厳密に言えば、「その起点となる波動」を生み出すことの出来ない機構の者がほとんどであり、それ故に彼らは「波動の起点」となる存在を設定する必要がある。
 
それこそ、伝承に残る数多くの存在、『契約者』である。*3
彼らは存在としての在り様を理造神に接続することで、彼らに自らの波動を放ち変換、その機構を動かすための発火点となるのである。
それ故に彼らの存在は理造神運用には不可欠であり、古代では慎重に吟味の上で選出・運用されていたと目される。

  • 基本的には軍属ないし専門部署に属する機関の者があてがわれていたようだが、単純にそれだけではなかった模様。
    一説には特殊な素養がなければ契約者は負担が大きく、長期の就任は難しかったともされる。それ故、初期は素養者を訓練していたものと思われるが、戦争の長期化に伴い「素養の有無」のみに注目した運用が増えていったとされる。
    実際、後期の世代ほど契約者の代替わりや運用面で非人道的な運用の記録が増えており、帝国の迷走が見て取れる。*4

自律型理造神はそうした問題に対する一つの答えであったことも、近年の研究から見えてきている。
「洗脳を施した生命体自体に理造神としての機能を備えさせる」という形は第四世代ほど多いが、それもまた「安価かつ契約者不要の理造神」という、苦肉の策であったというのが定説。
しかし、これについては“存在実証の波動”の性質上、「波動が強大化するほど個我が肥大化・極端化する」という問題が表出することとなる。
結果として強い個我を持つ個体が増え、暴走が増えてしまったのではないか、という皮肉な歴史が見え隠れする。

 

世代

理造神はその製造時期及びその核に利用される実体精素現象の規模により、大まかに四段階に区分される。

各個体についてはこちらを参照。

第一世代

1st Age。最初期に造られた理造神たち。
大帝国が版図を広げ始める中で製造された世代。
使用されている実体精素現象の規模は「精霊級まで」。


『理造展界』による支配領域が比較的狭くまだ小型の個体がほとんど。
後期においては理属獣の原型となっている個体も多いとされる。
実験的な側面が強く、非戦闘的な機能を目的に作られていると思われるモノも、珍しくない。核となる実体精素現象の規模も小さく、諸々の活動範囲はそれほど大きくなかったものと考えられている。

  • この時代のもにとされる理造神の発見例は非常に少なく、それ故に実のところ未解明な点が最も多い世代とも語られる。

個体意識に目覚める例は少なかったようで、使役される道具に近い扱いだった様子。

第二世代

2nd Age。所謂「理造神」と認識されるものが現れる時期の理造神。
使用されている実体精素現象の規模は「精霊級~大精霊級単体まで」。


『理造展界』の範囲が広大になり、単体でも一つの都市~一エリアを制圧・管理・整備可能となった。
出力拡大及び大規模戦闘に備えるためか、大型のものが徐々に見受けられる傾向にあるほか、戦闘目的の個体数も増えている。
とはいえ、帝国の安定期からのものであるため、環境整備を中心に、警備や防衛、また社会的貢献に優れた個体が目立つ傾向にある。

  • この頃から対話機能を備える個体が造られるようになる。
    そこから経験を積んだこと学習・変化を迎え、個体意識に目覚める例も多数存在する。
    特に、『三大知神』と呼ばれる個体群は後の大戦争すらも生き延びており、エルネセトア再興に貢献したと目されている。

【著名な個体】

  • “嵐神對神”?
  • “緑の女王”?
  • 三大知神
    • “黒雲の裁公”・“鎮火の角王”・“凍花の霊妃”

第三世代

3rd Age。大戦前半~中盤期にかけて製造された世代。
使用されている実体精素現象の規模は「大精霊級を2体以上の複合型」。


戦闘能力の面では制圧に優れた機能を備える傾向が強い、「制圧戦」用。
破壊力もさることながら領域展開能力を重視している傾向にあり、決戦兵器というよりは環境改変・状況転換の方に振られている。
そのため、能力の志向性も第四世代に比べるとアバウトで、それゆえの応用性の高さも持っている。特に、戦闘終了後の領土調整などにも適した能力が多く、環境整備にもつながるような自然掌握能力の持ち主が目立つことも特徴と言える。
これ以前の世代と比べて圧倒的な性能を秘めており、一般的な伝承に残る個体はこの世代以降のものが多い。

  • また、この世代から徐々に捕縛した存在(大型生物竜類)を改造した例も増え始め、その多様性が爆発的に広がっている。加えて、実験的な個体も増えている。
  • 同時に個我や意識を獲得している個体数も増えている。
    自立的な自我と思考能力を持ち合わせるのみならず、対話や意思疎通機能を強く備える例も多い。第二世代で得た知見を基により進歩したものを作ろうとした、帝国の思想が垣間見える。

【著名な個体】

  • “蝕みの森”?
  • “灼火の覇王”?
  • “渇きの救済者”?
  • “瀑布の蛇”?
  • “巖山泰君”?
  • “護りの友”?

第四世代

4th Age。大戦後期から末期にかけて動員された者たち。
所謂「理造神」の象徴であり、最も決戦兵器の色が濃い世代。
使用されている実体精素現象の規模は、驚異の「精霊級~神威級」。ものによっては内部に複数の神威級を運営しているケースすらあり、規格外の出力規模・強度はこの動力源に由来する。


全世代中、最も戦闘力に重きを置いた構成が特徴。
全体的な能力が高水準であるだけでなく、固有の特性に関しても戦闘性を重視した調整がなされている。
実際、破壊力や戦闘力だけで見ればこれ以前の世代とは一線を画している。単独で一国を滅ぼしうるような存在=上古竜以上の危険性を持つ兵器が三桁以上存在すると言えば、その恐ろしさがわかるだろう。
その反面、問題のある個体もかなりの数おり、暴走・離反・変質の記録が多数残っている。実験作的な代物としか思えない記録もあることから、未だ発展途上にあったともささやかれているが、真実は不明。

  • 時期的に不十分な期間・設備で製造されたものも珍しくなく、それ故に不安定なものが多いと考えられている。
    また、独自の進化を行なうなど帝国の管理下を逸脱しはじめ、様々な問題が表出化し始めもした世代である。

【著名な個体】

  • “斬轍の釼”?
  • “十三の剣”?
  • “滅びの火”?
  • “角剛帝”?
  • “三季の翼”?

量産シリーズ型

特殊型

Special。世代に関係なく特殊な役割を担わされている者たち。
世代に関係ないものであり、一般的には「第○世代特殊型理造神」といった形でカテゴライズされている。
特性が強力すぎるために投入される場面が限られており、その存在はかなり危ういものとして認識されていた。
大帝国でも扱いを持てあましていたもの、完成させることが出来なかったものなど、様々なものが属する。特に第四世代のそれが著名で、それらはいずれも大帝国崩壊の一端を担ったような、危険存在である。


【著名な個体】※いずれも第四世代

 

現代における扱い

一言で言えば、「問題の種」である。


大戦の中で多くは死滅したとされるが、今もなお各地の秘境にてその残骸や休眠個体が発見されることがある。
そうした個体の大半は大陸同盟より厳密には秘境開拓組合の管理下に置かれるが、中には特定の国家や団体、あるいは個人が秘密裏に確保・研究していることがある。そうしたケースの理造神はトラブルの原因となることも多く、発見され次第、大陸同盟ないし秘境開拓組合の介入が入ることとなる。

  • 残骸であっても機能が活きていれば環境に影響を及ぼし続け、秘境を作り出してしまう。
    機能が停止していれば、その機構自体が現代精術研究において重大な資料であり、資産となる。しかるべき組織・機関へ持ち込めば莫大な金銭が動き、研究が進めば新たな技術が確立される。しかし、それ故に付け狙うものは数多湧いて出るわけであり、正しく管理・運用出来る機関でなければ世を乱すことにつながりかねない。
    故に、大陸同盟ひいては秘境開拓組合が管理することが定められている。

 
だが、一部には秘境開拓組合が大陸同盟に対し秘密裏に持っていた例もあり、その取扱いは大陸同盟内でも一枚岩ではない。

 

秘密

その実、彼らはただの兵器ではなかった。

理造神は元来軍事目的ではなく、「真精を人類種が扱うための実験品」であったのだ。
大帝国は版図を広げる過程で観測した真精の力、すなわち真域に目をつけ、その力を自らの手中に収めることで帝国の繁栄と安寧を目論んだのである。文字通り、「人が造った理を敷くための神の創造」。それが目的だったのだ。
そのための研究の中で精核機関を取り扱うセクションと接触があり、実体精素現象が持つ精力場の応用で近しい現象が起こることを知り、そこを起点に開発されたというのが真実である。


もっとも、最終的にはその再現からは遠のいた別物となってしまった。
技術としてはあくまで「『使役者』を起点として、『器』に搭載された指向性のある高度な精術領域を展開する」といったもの止まりで、真の意味で世界法則に匹敵する力とは言い難い。規模だけでもその域に辛うじて辿り着いた個体も、ほとんどが第四世代末期かつ何らかの問題を抱えるなど、理想とは道を違えている。
加えて戦争に伴い兵器として発展したため、方向性の偏りから戦闘に特化した理造展界ばかりが製造されてしまった。
『器』『使役者』の存在も(完全制御のみならず枷としてだけでも)絶対不可欠であり、彼らが理想とする「独立稼働し帝国を守護・繁栄させる都合のいい神」足り得はしなかった。
その過ちは最終的に巨人機技術との融合兵器という、最悪の形で世界に牙を剥くこととなった。


さらに、理造神研究の過程で発見された事実から、全く別の計画に使われることとなる。

 

関連するもの

 

イメージについて

存在感的にも、ヴィジュアル的にも「カードゲームの派手派手なモンスター」が近いです。
装飾過多なドラゴンやモンスターで、場に出ているとフィールドに徳性を付与し続け、またそれに由来する能力を行使する。そんなイメージです。
キャラクター的な設定としては、某蒼空のファンタジーの星○獣辺りが近いです。改造怪獣というよりは、人造の神的なニュアンスが強いかもしれません。

 


相談コメント欄

  • 理造展界・使役者を項目として分離、秘密を項目として追加 -- tocoma110? 2023-08-20 (日) 01:11:49

*1 世界が世界足りうるための基幹的あるいは基盤的な性質・法則のこと
*2 神羅万象万物には「存在を実証する」固有の波動が存在する。それは物理のみならずあるものであり、詳細は省くにせよ、これがあるからこそ存在は一つに交わり切らず個を保つことが出来る。基本的にはこの波動は「存在の輪郭(個体)」を超えて発揮されることはない。だが、極稀にそれが「存在の輪郭」を超えてしまうことがある。そうなった場合、その個体が持つ特性が波動の当たる限りに影響を与えていく。個体の性質が世界を歪めるのである。この力を干渉振動波と呼ぶ。
*3 他の呼称として、「適合者」「融核者」なども存在する。
*4 適性のある個人を改造し埋め込む、あるいはその培養クローンを使い捨てのパーツとして使うなど。
*5 ただしこれは例外中の例外でもある。