【物品・機械】/栄州刀

Last-modified: 2023-02-06 (月) 06:11:56

アルファベット表記:Katana/Sakae Blade
読み:さかえかたな/えいしゅうとう
分類:武具・刀剣
該当地方:栄州
発案者:tocoma110
Tag: 物品機械 装備 武具 装備 栄州刀 刀剣 発案:tocoma110


概要

栄州で武民階級にのみ所持が許されている、特殊な製法の刀剣の総称。
緩やかな弧を描く片刃刀身の長剣が特徴で、独特の拵えもあってわかりやすい。その美しさ、大陸刀剣を凌駕する切れ味の鋭さ、社会的な特別性も相まって、国内外を問わず高い人気を誇る。
優秀な武器ではあるが、手工業に強く依存した製法で作られるため、工房により善し悪しが大きく出る。

 

特徴

前述の鋭い切れ味を生み出す、弧を描く刀身が特徴。
元々は大陸の刀剣同様に真っ直ぐな刀身を持っていたが、長い歴史の中で徐々に湾曲しきていき、最終的に三日月に形容される美しい形状に整っていったとされる。
刀身はその切っ先の形状や湾曲の仕方、波紋などで細かな分類がなされており、こと大陸の商人の間で細かなカテゴライズがされているという。美術的な価値も極めて高く、刀身単品でそうした価値を見出される武器種は、やはり稀有。

  • この刀身は「折れず曲がらずよく斬れる」を信条として作られており、それ故に薄さに反した高い強度を誇っている。
    弧を描く刀身も鞘より抜きやすく、また斬りつける際に引き斬りを起こしやすいこともあり、優れた切れ味を発揮する。実際、優れた技量を持つ者ならば、鎧ごと人体を両断することも可能。
    さらに、真に優秀な栄州刀は振るだけで波音を生み出すことさえある。こうした刀は音叉刀と呼ばれ、例外なく名刀であると伝わっている。
  • 用法はバスタードソードのそれに近く、両手・片手を自在に使い分けられる武器とされる。実態としては戦場の武器以上に護身用の武器としての色合いも濃く、長短さまざまな派生武器が製造された。
    • 平均的な長さは刃渡りが60cm以上。全体で1m以上のものも数多い。

使用する鋼が特別な製法で作られており、大陸の他の刀剣とは別種と言える。
更に鍛造のための技法も、根気と共に精素結晶を用いた一種の精合術も用いる必要があるため、極めて複雑。その習得には長い年月を要するとされ、一人前と呼ばれるまでには何十年と掛かることもざら。

  • それらはひとえに「折れず曲がらずよく斬れる」を実現するためのもので、そのために長い年月を掛けて研究と実践が繰り返されてきた。その結果、栄州刀独自の強さを実現するに至っている。
    とはいえ、太刀筋を違えれば当然刃こぼれはするし、薄い刀身の通り側面からの攻撃に強いとは言い難い。

また本武器固有の文化的特徴として、正式な栄州刀は武民階級や貴族階級、帝家のみが所持を許されていることが挙げられる。
その特異性は身分を切り分ける上で強い効果を発揮し、戦乱の世を経た後もわざわざ法令を定め、市政から刀を奪ったほどに厳格な法が敷かれている。
少なくとも大陸歴1300年代以降はその在り様が徹底されており、それ以外の階級の人間は持つことは大きな罪とされた。故に、刀を持つことは武民階級などの上流層の証とされ、庶民の間では羨望の的となっている。*1


武器としての存在感は武民階級などの象徴・護身用としてのイメージが強いが、秘境開拓でも実は活躍している。
武民階級の内、家を継がない子供はこれを腰に差して秘境開拓者になることも多い。そのため、栄州の開拓者には栄州刀を引っ提げた者がちらほらと見られる。

  • そうした流れもあり、武民階級の武芸者たちにはことさら愛用され、武術の発展にも寄与してきた。
    栄州刀を使った武術は様々な流派を生み出し、非精素活用のものから精武術に至るまで、幅広い道場が開設されている。大陸歴1500年代には300近い流派が国内に存在するという声さえあるほど。

特別な武器であるが故、基本的に大陸歴1500年代以降は国外への輸出は禁止、厳罰対象。
しかし、その美しさと実用性の高さから大陸部にも愛好家が数多く存在し、かつて輸出された古刀の類は高値で取引されている。時に非公式ながら、譲渡という形で外交手段に用いられることもあるという。
密輸も決して存在しないわけではなく、粗悪品の類が流れ出ることはままある。そのほか、大陸部でも製造法を解析・模倣して類似品が作られた事例もなくはない。

 

著名な名工

  • 征志
    まさむね。稀代の名工にして、幻の刀工。
    栄州刀の基礎を作ると共に、現代まで続くあらゆる型を網羅したという、伝説的な刀鍛冶。
    その名は栄州刀の代名詞でありながら、実際に征志の刀を持っていると断言出来るものがあまりに少ない。それ故に実在を疑問視されることも多い。
    御神刀の数はそれほど多くないが、邪気を払えそうだと思わせるほど洗練された作りが特徴。
  • 叢態
    むらさま。征志と並ぶ二大刀工。
    御神刀の類を作ることが多く、それ故に栄州刀の波音剣製造の第一人者ともされる。
    皇祖三神?に奉納された晃道(てるみち)境裏通(さかいうらどおり)嵐丸(あらしまる)の三振りはあまりに有名。
    他方、素性不祥なことや刀剣として異質な波音剣の第一人者であったためか、妖刀の大家としても語られている。大半の伝説では魔術師・呪術師めいた存在となっているという。
  • 邪劫
    じゃごう。おどろおどろしい名前で知られる刀工。
    『邪劫奇形刀』と呼ばれる異能の刀を数多く作り出したことで知られる、ある種のマッドクリエイター。
  • 鱗断
    りんだん、あるいはうろこだち。名前の通り、竜の鱗を断つことに生涯を捧げた、狂気の刀工。
    素性不確かなことから、尾鰭のついた噂話が多い。
  • 鬼膳/鬼膳實本
    きぜん/きぜんさねもと。御神刀を数多く輩出した、皇家お抱えの刀工一門。
    幾人もの名工を輩出しており、星烏、大生噛丸(おおがみまる)、大蛇、兼六園など数多の御神刀が作られてきた。中には波音剣としても優れた機能を発揮するものもある。

 

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*1 一応、一定の成果を挙げ家を取り立てられ身分が変化することや、功績により特例的に帯刀を許されることもある。