【武術】/精武術

Last-modified: 2024-02-12 (月) 16:49:35

アルファベット表記:Battle Arts
読み:しょう・ぶじゅつ
分類:武術
発案:tocoma110
Tag: 武術 精素 精素技術 精武術 発案:tocoma110


概要

精素現象を利用した戦闘技術の総称。
多くは精華術のような身体強化、特殊な武器を用いて特定の手法で利用することで起こる簡易精術を合わせた、非常に高度な戦闘技術。
純粋物理効能から、精素性質を用いての攻防技術まで幅広く存在し、習得には天賦の才のみならず弛まぬ努力や優れた武具の利用が求められる。

  • 基本的には詠唱のような真似はせず、武器の振るい方や当て方、また踏み込みや掛け声を組み合わせて簡易的に精術を起こす形となる。そのため、その型がある程度固定化しやすいという難点を持つ。

また、ほぼすべての流派が一般的な武具のみで用いるということが困難なため、大抵の精武術の使い手は波音剣に該当する装備を利用することとなる。そのため、ある程度の先行投資が必要となる傾向にあり、結果として秘境開拓組合などの組織にローンを組んでもらい、武具購入金の返済のために労働に従事する……という世知辛いパターンに向かうことが少なくない。

  • 一介の軍部で利用するには不安定さの方が目立つため、組織立っての運用は少ない。全くないわけではないが、その場合は個々人が独自に習得した技である。
    もちろん、他の武術同様に特定の流派が騎士や武民階級の基本武術としての地位を得る場合や、民族的に成人の嗜みとなるケースもあるが、決して多くはない。
    故に、後述の聖剣技はかなり特殊な例。
    • と同時に、古い時代では戦士の必須技術でもあった。
      霊祭期でも使用しやすい精素活用法であり、また危険生物などに対して有効な数少ない手段として、優れた戦士の証とされることも多かった。実際、精術に比べればまだ人々の理解は得やすかったという。
      もっとも、武芸者がアウトロー寄りの存在であったことを考えれば、その程度は知れたものではあるが。

 

各技法の大まかな区分

汚染系(Jammer)

精素汚染を引き起こす技法。
重篤なものを起こすには操作が極めて難しく、また使用者にも危害が及ぶ可能性が高いため、基本的には軽度~中程度の汚染にとどまることが多い。大半は一撃で決めるよりも、幾度も命中させて効果を発揮させることを目的とする。
主だったものとしては対象の体調や肉体機能を奪うような効能が多く、中毒死・汚染ショック死などを引き起こすほどの技は高難易度に指定される。
そのためか、直接の殺傷より戦闘機能を奪うことを目的とするものが多い。

強化系(Over Act)

自己の肉体を強化する技法。
単純明快な技法で、広義での精華術と同質のもの。軽度精素汚染による肉体変異を起こすことで、頑丈性・出力・感覚を向上させる。
多くの場合、瞬間的強化か短時間の強化技になる。非戦闘用であれば回復効果向上や新陳代謝活性、対毒性強化などの技も存在する。
ただし、精華術以外の精武術では瞬間的な機能強化にとどまることがほとんどで、長時間の強化は奥義か禁じ手とされることが多い。

纏彩系(Attribute) *1

精素属性を付与する技法。
純粋物理攻撃に上乗せする形で、相手の精素属性をついて致命傷を与える、ある種汚染系の発展型。
相手の性質に合わせて使用を分ける必要があるが、時として銃弾を脳天にぶち込む以上の威力を容易く発揮出来る。
言うなれば「相手の体質に合わせた毒素を使い分ける」が如き技法と言える。手軽に致命的な毒素を送り込める技といえるが、一方で使用者自身も精素についての知識を求められ、さらに「相手の性質を知る」手法なしには生きてこない技でもあり、やや玄人向けとなる。

  • ただし、汚染系が示すとおりに精素汚染はそれだけで有力な毒素と言える。
    加えて単体精素を連続して蓄積すると起こる変化の性質もある程度把握しやすい。そのため、大雑把ではあるが方向の明確な変化を起こすだけでよいのなら、汚染系の亜種としても活用可能な技術とも言える。

倍撃系(Power Hit)

瞬間的な打撃力、速度などを強化する。
強化系とは似て非なるタイプの系統であり、使用者自身というよりはその挙動・結果を強化するといった方が近しい。発揮される純粋攻撃力は屈指の代物で、これを扱うことでようやく人類は大型危険生物と渡り合うことが出来るようになった。
手持ち武装の方がその特性を十二分に生かせるのだが、使用者の技術と威力がある程度比例する弓のような道具であれば効果を発揮する。半面、銃火器の類は火薬による振動の問題か相性が悪く、活用することが難しい。
その一方で、使用には純粋な肉体機能も大きく求められるため、大抵の倍撃系は強化系との合わせ技になる。

反発系(Anti Shock)

特定の属性に反発を起こす技法。
纏彩系の亜種。こちらは相手の攻撃を無力化するような形質であり、対精術使い用の技。
精術士魔北類や危険生物相手に用いる戦法であり、どちらかと言えば防御系の技に属する。応用次第では精術現象自体をかき消すことも可能となるため、実戦で精武術を使うためには習得必須の技法である。
また、腕があるのなら「特定の属性を弾く」形で纏彩系同様のダメージも見込める。

妨害系(Anti Arts)

他の精術・精武術に対する妨害を目的とした技法。
反発系に近い補助的な技だが、より精術寄りの技と言える。直接的攻撃は目的ではないため、相手の耐性や戦略をつぶすための補助的な用法が中心。
また、技によっては事前に相手の精武術・精術の発生を無効化することも可能であり、後の先ではなく先の先を取って選択肢を潰すなどの芸当も出来る。防御用から攻撃補助まで幅広く用いることが出来る、有用な技。

放出系(Blast Knock)

精素による物理現象を起こす。
打撃や斬撃を飛ばしたり、炎熱や雷電を放つなどが該当する。倍撃系と並んで攻撃力が高く、直感的に使いやすい技が多い。斬波のような直接攻撃術以外にも、風を生み出して慣性を制御するような技も該当する。
明快で強力な一方、その特徴から制御には他の技とは異なる技術・感性が求められるほか、発動動作が複雑ないし大振りになりやすいことが難点。

変化系(Model Change)

肉体変質を起こす難度の高い技法。
強化系の発展形であるが、難易度の高さでは段違い。高度な精素汚染を行ない、自身の肉体そのものを変えてしまう非常に危険な技術。これを正確に用いることが出来るものは非常に少なく、リスキーな技として知られ、大抵の流派には存在しない。
一歩間違えれば元の姿に戻れなくなる危険性もあるため、好んで使用するものはあまりいない。
一方で、本来の肉体では行なえない戦法をとれるため、非常に奇策向き。

  • 厳密には完全な肉体変質ではなく、特殊な肉体組成に変じると言った方が正確。
    とはいえ、これを技として定める流派は極めて少なく、一般的には「話としては聞くが使い手は見たことがない」幻の技になる。

複合系(Setting Arts)

いくつかの技法を組み合わせた上級技法。
複数系統の技を織り込んで用いられるが、それは複数の技を同時に放つのではなく、一つの技に複数の技系が丁寧に編み込まれて形成されていることが特徴。複数の技術を一度に用いるため難易度は高いが、一度使えるようになれば単独での必殺技たりうる威力を発揮する。
そのため、多くの精武術の習得者にとっては到達点の一つとして共通の認識が出来上がっている。

  • 複数の系統の技術を織り込んで用いるため、当然上級者向け。
    また使用時の動作が複雑になりがちで、安易に使用することが出来ないものが多い。その意味で、纏剣術は画期的な流派であった。

融合系(Union Drive)

複数名が異なる技法を組み合わせて起こす、連携奥義。
複合系を単独ではなく、多人数で行なうような技法と言えばわかりやすいが、厳密にはより複雑。一種の儀式にも似た行為であり、高度な連携の中で精武術を重ね合わせ、疑似的に大規模な精術を起こすが如き効能を発揮する。
個人で扱う複合系と比べると連携の修練などが必要な点が扱いづらくはあるが、代わりに個々人が特定の分野に100%の力を注ぎ込めるため、単純に見て威力・精度は爆発的に跳ね上がる。

  • 高度波音術式を武術的連携で行なう、というとイメージがしやすいか。

 

主だって知られる流派

  • 魔剣術
    燦州に起源を持つ精武術。
    汚染系に重きを置いており、「毒」に喩えられるような「着実に力を削ぎ殺す」技が多い。その堅実さと殺意の高さから、様々な使い手が育つこととなった。
  • 聖剣技
    世にも珍しい、特定の職業のものだけが使うとされる精武術の一つ。
    畏州が守り、聖騎士の戦技であり盾を機軸に置く変わり種。守りと攻めを両立した質実剛健なスタイルが持ち味で、妨害系で優れた技が多い。
  • 飛竜脚
    蒼竜騎士と呼ばれる武術士たちが使う、空中戦を対応した対飛竜用精武術。
    武器そのものではなく、脚力強化と空中跳躍を根幹とする特殊なスタイルで、使い手の腕を如実に現す難しい代物。しかし、飛竜種に立ち向かえる数少ない技として研究された歴史があり、多数の流派がある。
  • 纏剣術
    赤套魔装士の間で愛用される、比較的習得の容易な複合系精武術。
    纏彩系・反発系に重きを置いた構成が特徴で、対人・対獣のどちらでも効果を発揮しやすい点が特徴。また、放出系と組み合わせ物理的効能も高めている。

 

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*1 読みは「てんさい」