セリフ/【狙いは我らの分断であったか】

Last-modified: 2022-10-11 (火) 07:18:55

FF12

2年前、オンドールヴェインから「バッシュアーシェは死んだ」と聞かされ、
戦後の調停役としてその事を公表する。
そしてアーシェから2年前のダルマスカで起こった事態の顛末を聞いて、このセリフを漏らす。
 
2年前の調印式の夜、ラミナスの死を察知したウォースラはいち早く王都に戻り、アーシェを保護していた。
一方、アーシェに逃げられたヴェインは、ダルマスカ家と親交の深いオンドールとの結託を怖れ、
オンドールに圧力をかけて、上記のように虚偽の発表をさせた。
まさにオンドールを頼ろうとしていたウォースラは、その発表を聞いてオンドールを警戒。
ヴェインの思惑通り両者は分断される。


シナリオの都合だろうが、分断されなかったほうがむしろオンドール・アーシェ間の紐帯は危機を迎えただろう。
2年間、帝国と表向き友好を保ちつつの水面下での地力の強化。アーシェを保護していてはこれが疎かになった可能性が高い。戦力の集中は各個撃破策における障害だが、戦力であればこそ、である。

  • そのあたりはオンドール侯の政治力によって意味合いが変わってくる。
    重要資源の産出国でありながら、帝国に完全に追従することなくビュエルバの独立を保ち続けるどころか、協定によって帝国に輸出しなくてはならない筈の良質の魔石をこっそりちょろまかして大規模な反帝国組織を編成するとかいうとんでもない狸ぶりを発揮していたのだから、アーシェを帝国にバレないように匿う程度、オンドールにとっては朝飯前だったのでは。
    • アーシェが「唯々諾々と匿われてくれる従順なお姫様だったなら」な。
      度々来訪する帝国の使者にバレないようにするにはアーシェを監禁に近い軟禁状態に置く必要があるし、それによってアーシェに反感を持たれては元も子もない。野放しにしてはビュエルバ市街で反帝国活動を目論むのは当然であるし、本人にその気がないうちに穏健路線を訴えては不信を育むだけだし、候自身に穏健路線は主軸にない。
      アーシェにとってオンドール候は「親交のある有力な支援者」に過ぎなく、軍事力的に援助がなければ祖国奪還が不可能なだけで、候が認めなければダルマスカ王族として立てない訳では決してない。
      そしてアーシェ自身がテロ的な王宮襲撃も辞さない王国解放過激派なので、戦力充実までの雌伏を求めるオンドール候とは根本的に相容れない。
      シナリオ以前に、設定的に分断は必定。
      • とはいえ、そんなアーシェの個人的感情はヴェインにはわからないわけで、公人としての理屈だけで考えればオンドールとアーシェが組み、面従腹背で反帝国の力を蓄える可能性は非常に濃厚であり、帝国にとっては避けるべき展開であるためやっておくべき策である。それにアーシェの強硬路線は王国時代とは手のひらを返して帝国支配を受け入れている親しかった者達(オンドールもそのうちの一人)という事実からくる孤独感の裏返しでもあるため、王国滅亡直後なら説得の余地がないわけではない。
    • 作中では、実際にガブラスがオンドールの潤沢な資金を訝しんでおり、「オンドールを抑えるべきです」と提言している。アーシェのテロも実際にはヴェインによって見抜かれて手痛い反撃を食らっていることから、実際にはヴェインを相手にほぼ手の内は透かされていた可能性が高い。
      ただ、ヴェインほどでもあればオンドールとアーシェが組んでいても首根っこを掴むことくらいは出来たかもしれないが、かといって備蓄が豊富なオンドールと解放軍の旗印となるアーシェを合流させるのも変ではある。そもそも帝国側がアーシェの身柄を拘束してしまえば、オンドール侯爵もまともに動けなくなるので、分断してアーシェを捕らえようとするのはさほどおかしいことはない。実際、アーシェの生存をきっかけにオンドールも動き始めている。