FF12
ナルビナから脱獄したあと、バッシュはヴァンにラミナス暗殺事件の真相を知らせる。
真相を知って戸惑うヴァンにバッシュが言ったセリフ。
そのやりとりは以下の通り。
ヴァン「信じられるかよ」
バッシュ「無理もない。私がレックスを巻き込んだのだ。──すまなかった」
ヴァン「あんたの仲間あつかいされて、兄さんは何もかもなくした。今さら──」
バッシュ「私はいい。彼を信じてやってくれ。
彼は立派な若者だった。最後まで祖国を守ろうとした。
──いや、弟を守りたかったのだろうな」
ヴァン「あんたが決めるな!」
バルフレア「ならお前が決めろ。楽になれる方を選べばいい。──どうせ戻らない」
レックスは薬と魔法で自白を強要され、「ラミナス暗殺事件の犯人の一味」として世間には知られている。
(回想シーンのヴァンのセリフ「兄さんは本当に王様殺しの一味だったのかい?」)
上の「あんたの仲間あつかいされて、兄さんは何もかもなくした」というセリフはここからきている。
バッシュはそれに対して、彼は最後まで祖国や弟を守ろうとしたとレックスの無実を伝える。
ヴァンはバッシュの話に半信半疑だが、共に行動するうちに紳士的で誠意ある人柄を見て、
最終的にはバッシュを信用し、彼に従った兄は正しかったと兄を信じた。
このセリフもさることながら、後に続くバルフレアのセリフもいい。
彼自身はバッシュの話を一応信じたようだが、ヴァンを諭すようなことはせず、選択を委ねている。
「楽になれる方」という言い方が、
レックスの運命を全てバッシュの責任にしてしまいたいヴァンの心理を見透かしているように思える。
- バルフレアの過去からすると自分に言い聞かせてるところもあるんだろうな。
バッシュの「最後まで祖国を守ろうとした。──いや、弟を守りたかったのだろうな」という台詞も、
母と弟を置いて、帝国に滅ぼされた祖国を出たバッシュの過去を考えると深い。
物語冒頭のレックスとの会話で弟がいる事を聞いた時も、彼の脳裏にガブラスの事が浮かんだのだろうか。
結局、バッシュの汚名が晴らされたのかは不明のままである。
それなりの地位に就きながら、自身の名声に全く執着がない。献身という言葉の具現。忠臣の鑑。
- しかし「名声に全く執着がない」のなら何故将軍の地位を得られたかという疑問が残る(すくなからず出世欲はあったのだろうか?)
- あまりに辞退し続けるとそれはそれで無礼になるだろう。
- 出世して権限持たないと、やりたいことも実現できませんし。兵卒が国を守りたいと思っても敵兵をより多く殺すことくらいで、「上」が降伏したらそれまで。戦略・政略の段階から関わることができ、「上」に直接物が言える地位に就くことは重要。
- 派生作でもバッシュがガブラスとして生きていることはそもそもトップシークレット扱いなので、裏切りの将であることはおそらく世間的には覆っていないと思われる。実行犯はガブラスだ、なんて話が出ようものなら、今バッシュがそのガブラスとして生きているわけでただただ状況がややこしくなってしまう。正直、彼の名声を回復する手段は、極めて絶望的である。