ver10.0.0にアップデートする。

Last-modified: 2022-06-29 (水) 21:41:46

ver8.4.2 から ver10.0.0 へのバージョンアップです。
Light.vnサンプルのスクリプトなどを比較して、変更になったコマンドや記述をみていきます。


以前のバージョン内の記述などを変更しないと、機能しなかったりエラーがでてしまうポイント。

  • Ver10.0.0 アップデート内容(2020/07/28) から
    • オプション「カメラ無視」が廃止。「カメラ付着」に変更になりました。
    • コマンド「バックログスクロール」が追加されました。設定しないとバックログが動かなくなります。
    • 動画ファイルが「.mpg」ファイルのみの対応になりました。
    • 64bitに対応しました。32bitは今回の更新から廃止になりました。
    • vcruntime(ランタイム)が必要で起動しないことが起こる場合があります。
    • システムのスクリプト記述が一部大幅な変更となっています。
      (テキストボックス・バックログ・システム・テキスト・サウンド・ボイス・インフォ・セーブ・ロード・メニュー・ダイアログ・イベント)
    • 設定ファイル「settings_dev.xml」に1項目が追加されました。


  • V2エディター公開にともない追加・削除されたフォルダ・ファイル多数があります。
    削除:「Dlls」フォルダ 「ICSharpCode.AvalonEdit.dll」「Ionic.Zip.dll」「Newtonsoft.Json.dll」
    追加:「platforms」フォルダ「styles」フォルダ 「libEGL.dll」「libGLESv2.dll」「Qt5Core.dll」「Qt5Gui.dll」「Qt5Widgets.dll」「SDL2.dll」

    制作した作品のバージョンアップの際は「BGM」「Fonts」「Image」「Movie」「Patch」「SaveData」「Screenshots」「Scripts」「SFX」「Voices」の素材フォルダを ver10.0.0フォルダの方に移動しましょう

    ver10.0.0フォルダ


  • SaveDataフォルダ内のファイルは全て削除しておきましょう。
    ※旧セーブデータをそのまま使用するとLight.vnが正しく動作しないことがあります。

    SaveDataフォルダ


  • 「Scripts」>「system」内の「sys_config.txt」が削除され、「sys_config-system.txt」と「sys_config-text.txt」の2つに分かれました。

    systemフォルダ


テキストボックス(textbox.txt)

テキストボックス

  • カメラ無視」が廃止され、「カメラ付着」に変更されました。
    該当する箇所を全て変更しましょう。「検索・代替」機能で一括変換がおすすめです。

    textbox.txt

  • メニュー部分にリプレイモード用の変数「もし (g_scene_replay == true) ジャンプ default_fin」と「栞 default_fin」が追加されています。
    これはエクストラのリプレイ時に「クイックセーブ」「クイックロード」「メニュー」を表示させないようにしたものです。
    サンプルエクストラ用なのでこの記述はなくても大丈夫です。

    textbox.txt リプレイモード用の変数


バックログ画面(sys_backlog.txt)

バックログ画面

  • カメラ無視」が廃止され、「カメラ付着」に変更されました。
    該当する箇所を全て変更しましょう。「検索・代替」機能で一括変換がおすすめです。

    sys_backlog.txt

  • 新たにコマンド「バックログスクロール」が追加されました。
    この記述をしないとバックログが機能しません。
    キートリガーr.click ジャンプ log_out」の下に「キートリガー」として追加で記述しておきましょう。


システム設定(sys_config-system.txt)

システム設定画面

  • カメラ無視」が廃止され、「カメラ付着」に変更されました。
    該当する箇所を全て変更しましょう。「検索・代替」機能で一括変換がおすすめです。

    sys_config-system.txt

  • 栞 config_in」の下に「ボタン活性スタック overwrite “(?!)”」の記述が追加されました。
    全てのボタン反応をさせなくするための記述です。
    スクリプト内の全てのボタンを読み込むまで、ボタン反応をなくすためにスクリプト冒頭に記述しています。

    sys_config-system.txt

  • キートリガー r.click ジャンプ config_out」の下に「ボタン活性スタック overwrite sysc.*」の記述が追加されました。
    ボタン名が「sysc」で始まるの全てのボタンを反応させるための記述です。
    「ボタン活性スタック overwrite “(?!)”」で無効にしていたボタン反応を再開させるために、全てのボタンを読み込んだ後に記述しています。


サウンド設定(sys_config-sound.txt)

サウンド設定画面

  • カメラ無視」が廃止され、「カメラ付着」に変更されました。
    該当する箇所を全て変更しましょう。「検索・代替」機能で一括変換がおすすめです。

    sys_config-sound.txt

  • 栞 config_in」の下に「ボタン活性スタック overwrite “(?!)”」の記述が追加されました。
    全てのボタン反応をさせなくするための記述です。
    スクリプト内の全てのボタンを読み込むまで、ボタン反応をなくすためにスクリプト冒頭に記述しています。

    sys_config-system.txt

  • キートリガー r.click ジャンプ config_out」の下に「ボタン活性スタック overwrite sysc.*」の記述が追加されました。
    ボタン名が「sysc」で始まるの全てのボタンを反応させるための記述です。
    「ボタン活性スタック overwrite “(?!)”」で無効にしていたボタン反応を再開させるために、全てのボタンを読み込んだ後に記述しています。


ボイス設定(sys_config-voice.txt)

ボイス設定画面

  • カメラ無視」が廃止され、「カメラ付着」に変更されました。
    該当する箇所を全て変更しましょう。「検索・代替」機能で一括変換がおすすめです。

    sys_config-voice.txt

  • 栞 config_in」の下に「ボタン活性スタック overwrite “(?!)”」の記述が追加されました。
    全てのボタン反応をさせなくするための記述です。
    スクリプト内の全てのボタンを読み込むまで、ボタン反応をなくすためにスクリプト冒頭に記述しています。

    sys_config-voice.txt

  • 「トラックバー」周りのデザインが一新されました。
    旧デザインのままが良いという人は、旧デザイン部分のスクリプトをコピー&ペーストして使用することもできます。

  • キートリガー r.click ジャンプ config_out」の下に「ボタン活性スタック overwrite sysc.*」の記述が追加されました。
    ボタン名が「sysc」で始まるの全てのボタンを反応させるための記述です。
    「ボタン活性スタック overwrite “(?!)”」で無効にしていたボタン反応を再開させるために、全てのボタンを読み込んだ後に記述しています。


インフォ設定(sys_config-info.txt)

インフォ設定画面

  • カメラ無視」が廃止され、「カメラ付着」に変更されました。
    該当する箇所を全て変更しましょう。「検索・代替」機能で一括変換がおすすめです。

    sys_config-info.txt

  • 栞 config_in」の下に「ボタン活性スタック overwrite “(?!)”」の記述が追加されました。
    全てのボタン反応をさせなくするための記述です。
    スクリプト内の全てのボタンを読み込むまで、ボタン反応をなくすためにスクリプト冒頭に記述しています。

    sys_config-info.txt

  • キートリガー r.click ジャンプ config_out」の下に「ボタン活性スタック overwrite sysc.*」の記述が追加されました。
    ボタン名が「sysc」で始まるの全てのボタンを反応させるための記述です。
    「ボタン活性スタック overwrite “(?!)”」で無効にしていたボタン反応を再開させるために、全てのボタンを読み込んだ後に記述しています。


セーブ画面(sys_save.txt)

セーブ画面

  • カメラ無視」が廃止され、「カメラ付着」に変更されました。
    該当する箇所を全て変更しましょう。「検索・代替」機能で一括変換がおすすめです。

    sys_save.txt


ロード画面(sys_load.txt)

ロード画面

  • カメラ無視」が廃止され、「カメラ付着」に変更されました。
    該当する箇所を全て変更しましょう。「検索・代替」機能で一括変換がおすすめです。

    sys_load.txt


メニュー画面(sys_menu.txt)

メニュー画面

  • カメラ無視」が廃止され、「カメラ付着」に変更されました。
    該当する箇所を全て変更しましょう。「検索・代替」機能で一括変換がおすすめです。

    sys_menu.txt

  • ボタン単独活性化 sysmenu_button.*」の下に「一時停止 “(?!vn_sysBGM).*”」の記述が追加されました。
    本編演出中にメニュー画面を開いたとき、背景音以外の演出をいったん止めておくための記述です。
    ※あえて演出を止めたくない場合は記述の必要はありません。

    sys_menu.txt

  • スクリプト終了」の直前に「再生続行 “(?!vn_sysBGM).*”」の記述が追加されました。
    メニュー画面を閉じたとき、一時停止させていた本編の演出を開始させるための記述です。
    ※「一時停止 “(?!vn_sysBGM).*”」を記述していない場合は、こちらも記述の必要はありません。


ダイアログ画面(sys_msg.txt)

ダイアログ画面

  • カメラ無視」が廃止され、「カメラ付着」に変更されました。
    該当する箇所を全て変更しましょう。「検索・代替」機能で一括変換がおすすめです。

    sys_msg.txt


イベント(sys_events.txt)

  • スクリプト終了原点回帰」の下に「再生続行 “(?!vn_sysBGM).*”」の記述が追加されました。
    「sys_events.txt」はロード後の動きに関してのスクリプトが記述されています。
    演出停止中にセーブしたセーブファイルなどをロードしたときに、演出を再開させるための記述です。

    sys_events.txt


settings.xml


settings_dev.xml

  • 「settings_dev.xml」はLight.vnエディター設定が記録されているファイルの1つです。
    ver10.0.0 では「DisplayAxes=”false”」が追加されました。
    エディター内に「座標系表示」設定機能が実装されました。

    もともと「settings_dev.xml」内をいじっている人は「DisplayAxes=”false”」を追加するか、ver10.0.0 の「settings_dev.xml」を開いて再設定しましょう。

    settings_dev.xml





実例「【Lvスタイル演】8.2.0-t61_200316」をアップデートしてみる。

「Lvスタイル演」の素材フォルダを移動しておく。

  • 「Lvスタイル演」フォルダ内の素材フォルダを任意の場所に移動させておきます。
    「BGM」「Fonts」「Images」「Movies」「Patch」「SaveData」「Screenshots」「Scripts」「SFX」「Voices」を移動させます。
    「img_html」「README【Lvスタイル演出】.html」は「readme」ファイルなので、いっしょに移しています。

    Lvスタイル演フォルダ


「ver10.0.0」の素材フォルダを削除する。

  • そして ver10.0.0 フォルダ内の素材フォルダを任意の場所に取り除いておきます。
    上記「Lvスタイル演」で移動させたフォルダと同じ「BGM」「Fonts」「Images」「Movies」「Patch」「SaveData」「Screenshots」「Scripts」「SFX」「Voices」を削除してます。
    「README.txt」も削除してます。

    ver10.0.0フォルダ


「ver10.0.0」に「Lvスタイル演」の素材フォルダを移動する

  • 「Lvスタイル演」の素材フォルダを ver10.0.0 フォルダ内に移動させてフォルダ・ファイルの移動は完了です。
    「Lvスタイル演」の「BGM」「Fonts」「Images」「Movies」「Patch」「SaveData」「Screenshots」「Scripts」「SFX」「Voices」を移動させてます。
    「img_html」「README【Lvスタイル演出】.html」は「readme」ファイルなので、いっしょに移しています。

    ver10.0.0フォルダに素材フォルダを移動

  • Light.vnに必要なフォルダがしっかりと存在するように注意しましょう。


初期設定を変更させる

  • 素材フォルダを移動だけだと「LightEditor.exe」は起動しません。
    「Lvスタイル演」の作品設定で指定しているファイルなどが ver10.0.0 のデフォルト設定と異なっているためです。
    settings.xml」と「settings_dev.xml」内の該当する項目を変更します。

    作品設定



  • 今回のアップデートでは「settings.xml」の項目に変更はありませんので、「Lvスタイル演」の「settings.xml」ファイルを置き換えるだけでも大丈夫です。

    settings.xml


  • settings_dev_xml」の項目には「エディターで開いていたスクリプト(タブ)」「作品配布経路」などが記録されています。
    今回のアップデートでは「DisplayAxes=”false”」が追加されました。
    「エディターで開いていたスクリプト(タブ)」が一致しないとエディターの起動に不具合が起きます。
    「Lvスタイル演」と「ver10.0.0」の共通項目部分をコピー&ペーストして「ver10.0.0」のほうを変更し保存します。

    settings_dev.xml


デフォルト・フォントを移動させる

  • settings.xml」と「settings_dev.xml」を変更後に「LightEditor.exe」を起動してもエラーがでます。

    デフォルトフォントエラー


    エディターのデフォルトフォントである「rounded-mplus-1c-regular.ttf」を「Fonts」に移動させます。
    もともと「Fonts」内に存在する場合はエラーはでませんので大丈夫です。

    フォント移動

  • これでバージョンアップでのエディター起動完了となります。


ゲーム内スクリプトの変更点を修正する

  • ゲームをテスト起動させると、ところどころでエラーが起きます。
    バージョンアップにともない変更されたコマンドなどが旧バージョンのままだからです。

    ゲーム内エラー

  • 動画ファイルを「.mpg」に変換したものを指定しなおします。
    全てのファイル内の「カメラ無視」を「カメラ付着」に修正し、バックログスクリプトに「バックログスクロール」を追加します。

    ゲーム内修正

  • システムファイルなどの中身も変更点を整えれば、ver10.0.0アップデートの完了です。