- NPB12球団が保有する「専用球場」の通称。一般的な用法。
- 専用球場以外で、勝率が極端に高い球場を指す呼称。
本項では2.を解説する。
概要
専用球場での試合は「移動の負担が少ない」「球場の特性を熟知している」「地元ファンの多さに起因する有利な判定の出やすさ(ホームタウンディシジョン)」などの理由から、勝率が高くなる傾向が見られる。
しかし一部では専用球場で連敗を重ねたり、ビジターの特定球場だけ勝率が極端に高いケースが見られることから、専用球場を本拠地として扱わない、あるいは他球場を本拠地として扱うネタが生まれた。
「虎の本拠地」ハマスタ
DeNAはアレックス・ラミレス監督時代の5年間(2016~2020年)でAクラス3回、日本シリーズ進出1回と好調であったが、ホームゲームにおける阪神戦の対戦成績が極端に悪かった。阪神以外の10球団に対して勝率6割超えと勝ち越す一方で阪神戦のみ3割台にとどまり*1、後述の2019年クライマックスシリーズも相まって横浜スタジアムを阪神の本拠地として扱うネタが定着した。
DeNAの横浜スタジアム成績
2016~2020年の5年間の累計。
対戦相手 | 勝 | 負 | 勝率 |
---|---|---|---|
合計 | 188 | 149 | .557 |
阪神以外 | 170 | 110 | .607 |
阪神 | 18 | 39 | .315 |
対阪神戦の勝率(DeNA体制以降)
年 | ハマスタ | ハマスタ以外 | 合算 | 監督 |
---|---|---|---|---|
累計 | 0.398 | 0.427 | 0.414 | |
2012 | 0.600 | 0.364 | 0.476 | 中畑清 |
2013 | 0.583 | 0.583 | 0.583 | |
2014 | 0.364 | 0.308 | 0.333 | |
2015 | 0.538 | 0.333 | 0.440 | |
2016 | 0.273 | 0.462 | 0.375 | A.ラミレス |
2017 | 0.273 | 0.538 | 0.417 | |
2018 | 0.231 | 0.417 | 0.320 | |
2019 | 0.333 | 0.333 | 0.333 | |
2020 | 0.500 | 0.364 | 0.429 | |
2021 | 0.300 | 0.533 | 0.440 | 三浦大輔 |
青字:勝ち越し
赤字:勝率.350以下
DeNAの相性の悪さの例
- 2022年以前の直近の阪神戦勝ち越しが9年前の2013年。阪神キラーとして知られる藤井秀悟が活躍*2した年。
- 横浜スタジアムにおける阪神戦のカード勝ち越しが2015年9月~2019年7月と4年近く遠ざかっていた。
- ホームゲーム3連勝が2011年5月~2022年4月の10年間にわたって無かった(2011年は1試合の新潟開催を含む)。横浜スタジアムに限れば2007年9月まで遡り、15年間無かった。
- 2019年はレギュラーシーズン2位でCSへ進出。1stステージは本拠地開催のため有利かと思われたが、阪神が最終戦で3位に浮上。「両チーム本拠地」「DeNA初の本拠地開催が一転して地獄へ変貌」などと言われ、阪神ファンの歓声およびDeNAファンの悲鳴が上がり、1勝2敗でシーズンを終えた。
DeNAの認識
ラミレス監督時代
- ハマスタでの阪神3連戦は1勝2敗を目標とし、2勝1敗ならばありがたい旨の言葉を残した。
- ランディ・メッセンジャーの登板日はルーティンの試合前ミーティングを行わないなど、オカルトのような対策まで持ち出していた。
- 2019年オフのトークショーでは、CSの相手は広島だと思っていたこと*3及び、阪神の快進撃による3位浮上を「マズい」と感じており、懸念が的中したことを明かしている。
三浦大輔監督時代
- 2022年は一転して、ハマスタで阪神相手に11勝2敗(内、スイープ3回)と高勝率を叩き出し、甲子園球場では負け越しているのも関わらず、トータルでも阪神に対して大幅に勝ち越している*4。
阪神がCS進出を決めた時は2019年とは真逆にDeNAファンの歓声と阪神ファンの悲鳴が上がった。しかし2019年同様1勝2敗で*5CS1stを突破出来ずシーズンが終了。 - 翌2023年も開幕から好相性は続き、6月までに行われた5試合で全勝*6。昨年度からのレギュラーシーズンにおけるハマスタ阪神戦連勝が13まで伸び、ハマスタにおける同一カード連勝の球団記録を更新した*7*8。
- ところが、2024年はここ数年の好調がウソだったかのようにホームで全く勝てなくなり、6月8日時点で借金11、勝率.323と暗黒時代に匹敵する壊滅的成績を叩き出してしまう。一方ビジターでは貯金10と大きく勝ち越しており、対阪神のみだった本拠地ネタが全球団対象となっている。
阪神の認識
上述の相性の良さから福留孝介が「横浜スタジアム大好き」と公言する*9など、選手はハマスタを気に入っている模様。甲子園のチーム成績が振るわないことからハマスタを本拠地扱いし、甲子園から移転しろと言われることもある。
2020年東京五輪の野球競技会場に横浜スタジアムが指定されていたため、五輪に阪神をそのまま派遣しろと言われたことも(実際に代表に選出されたのは梅野隆太郎、青柳晃洋、岩崎優)。
しかし、2022年以降は上述のように相性が逆転しており、各種メディアで「鬼門」と表現されることが多くなっている。