帰れコール

Last-modified: 2026-05-24 (日) 23:29:21

親会社の鉄道を使ってファンが球場から帰路に着くことをネタにした野次。「電車野次」などとも呼ばれる。

概要

日本のプロ野球球団の親会社は古くから鉄道会社が多かった。経営地盤が安定しており比較的予算が捻出しやすかったほか、専用球場が建築できる広い土地を自社沿線に所有していることが多く、球団を保有し球場を建設すればファンが応援に行くために自社の鉄道を使ってくれるというメリットがあったからである。
こうした理由で、これまでに多くの鉄道会社が球団経営に乗り出していた*1

このうち、近鉄バファローズ・南海ホークス・阪急ブレーブスの3球団は、同じパ・リーグ、同じ関西私鉄という競合関係にあり、この3球団のファンを中心として相手チームや相手ファンに対する野次、または自虐として球場からの帰宅時に乗る電車に絡めて野次るパターン(電車野次)が生まれ定着した*2

(相手チームピッチャー交代時)
「さよなら、さよなら○○(相手のピッチャー名)○○電車で早よ帰れ!」
(相手チームの選手がエラーをした時)
「やった、やった、またやった! ○○やった、またやった! ○○電車で早よ帰れ!」
(チームが勝った時)
「勝った、勝った、また勝った! 弱い○○に、また勝った! ○○電車で早よ帰れ!」
(チームが負けた時)
「負けた、負けた、また負けた! 強い○○に、また負けた! ○○電車で早よ帰ろ!」

この他、阪急ファンによる「悔しかったら阪急沿線に住んでみい!」*3など球団固有のネタもあった。

早く帰れコール

鉄道系球団同士の間のある意味内輪ネタとして互いに交換する電車野次とは異なり、単純にムカついた相手に帰れとの中傷を浴びせるファンがいる。電車野次は賛否両論あるが、感情に任せた帰れコールは言うまでもなくマナー違反である。例として以下のようなものがある。

甲子園

1992年の高校野球選手権大会・星稜高校対明徳義塾高校の試合で発生した、星稜高・松井秀喜5打席連続敬遠の際には、第3打席から「弱虫コール」、「卑怯者コール」、「勝負コール」が、試合終了後に観客から勝利校の明徳義塾に対して校歌をかき消さんばかりの「帰れコール」が沸き起こり、敬遠の是非とともに観客のマナー問題として大変な物議を醸した事が有名である*4

2021年7月9日の阪神-巨人戦(甲子園)で阪神ファンによる帰れコールが起きた。これは阪神側の応援席であるライトスタンドにいた巨人ファンが、2-0で阪神リードの5回表の場面でゼラス・ウィーラーがホームランを打った際に共に観戦に来ていた阪神ファンの友人を挑発したことに周囲が反応したことによるものである*5

ヤフードーム

2012年9月9日、福岡ソフトバンクホークスと対戦した千葉ロッテマリーンズが敗れて8連敗を記録。
同カードの最終戦ということもありエール交換のために待機をしていたロッテファンに対し、ソフトバンクの応援団から
早く帰れ、マリーンズファン!
走れ走れ、マリーンズファン!

と、まさかのエール交換拒否コールが起こった。
ホークス応援団は前年にも9連敗コール騒動を起こしていた事から、なんJ内外でも「まるで成長していない」*6という意見が多く見られ物議を醸した。

現在の電車野次

  • 京セラドーム大阪、ほっともっとフィールド神戸におけるオリックス対ソフトバンク戦
    • 阪急・近鉄という関西私鉄2社の流れを汲むオリックスは一年を通して電車野次を見る事のできる唯一の球団であり、南海の流れを汲むソフトバンク応援団がそれに応酬する形で電車野次を発動するというやりとりが伝統として存続している。なお、この両球団は公式イベントとして復刻試合を行うことがある*7
  • 阪神甲子園球場における阪神対ソフトバンク戦、阪神対オリックス戦
    • パ・リーグの伝統文化*8であるため、ソフトバンク側やオリックス側だけが行っている。

で聞くことができる。イニング途中での投手交代時や選手がエラーした際*9の発動が主体。
稀にリプレイ検証に失敗した際にも発動される。

余談

  • 鉄道会社系のチームの韋駄天選手に対して「○○特急*10」と呼ぶネタもある。
    例)
  • 珍しい例として、横田真之(元ロッテ→中日→西武)はロッテ時代、神奈川県・川崎を本拠地とする球団の選手にもかかわらず「近鉄電車ではよ帰れー!」と、それも味方から帰れコールをされることがあった*13*14

関連項目

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*1 現行では阪神、西武が鉄道会社系の球団。過去には東急、近鉄、阪急、南海、西鉄も球団を保有していたほか、直接的な保有ではなかったが京成と名鉄がそれぞれ現在の巨人・中日の経営に参画していた時期がある。なお国鉄スワローズもこの枠に加えられることがあるが、日本国有鉄道(国鉄)が直接球団を持っていたわけではなく、鉄道弘済会など関連する団体によって運営されていた。
*2 なお阪急は近鉄や南海以外の球団にも(沿線、特に明石以西は田舎扱いされることが多い)「山陽電車ではよ帰れ!」とコールしている。ホークスに関しては、福岡に移転してからは「西鉄電車ではよ帰れ」とも言われている。
*3 阪急電鉄沿線(特に神戸線・宝塚線沿線など)は高級住宅地があることで有名。
*4 この他に明徳への抗議として大量の応援用メガホンがグラウンドに投げられたことも有名である。そしてそのメガホンを片付けたのは星稜高というオチまでついている。
*5 このような事例を受けてか、阪神球団は2022年から甲子園及び京セラドーム主催試合において右翼外野席を「阪神タイガース専用応援席」にすると発表した。当該席では他球団を応援することはもちろん、他球団の帽子や服装の着用・応援グッズの使用も禁止され、従わない場合は払い戻しなしの退場もありうるという厳しい規則が設けられる。
*6 元ネタは漫画「SLAM DUNK」の台詞。
*7 ソフトバンクは大阪神戸問わず南海で扱われるが、オリックスは大阪の場合は近鉄、神戸の場合は阪急で扱われる。ただし阪急の復刻試合やリクエストに失敗した監督が阪急・オリックス系列出身の場合(例:福良淳一)は大阪でも阪急として扱われる。なおオリックス側はこの伝統の一環として攻撃中に相手がタイムを取った際、近鉄時代に使用していた「はよやれ」コールも復刻している。このコールはソフトバンク戦のみならず西鉄の流れを汲む西武戦でも復刻している(なお西鉄は九州、西武は関東の私鉄)。
*8 電車野次全盛期の時代には現在と異なり交流戦はなかった。なお交流戦が開始された翌年の2006年に阪神と阪急が経営統合し、阪神はかつて阪急そのものであった持株会社の傘下に入っている。そのため統合以降はタイガースの優勝セールが阪急百貨店などでも行われるようになったほか、2023年の日本シリーズ(阪急ブレーブスの後継であるオリックスと阪神が対戦)で阪神が勝利した際にも阪急公式Xアカウントがタイガースを祝福する投稿をしており、現在の阪急電鉄がタイガースを公式に応援していることがうかがえる。
*9 例:オリックス3失策「阪急電車ではよ帰れ」厳しいヤジ
*10 快速急行、特別快速とも。
*11 ファミスタにおける近本特有の特技名。ちなみに直通特急は親会社の阪神電鉄(及び直通運転している山陽電鉄)に実在する列車種別である
*12 ベンチ後ろの応援ボードにその文字が掲載されていた。なお快速急行も親会社の阪神電鉄(及び直通運転している近鉄)に実在する列車種別である。
*13 その際、漫才師・坂田利夫のギャグを捩った「アホの横田」コールを同時にされることも多かった。
*14 なお近鉄は関西私鉄でありながら路線網自体は中京圏の名古屋まで伸びているが、神奈川まで帰るとしても名古屋までしか戻れないうえ、走り通す列車も限定的なので理不尽なまでに何度も乗り換えを強いられることになる。