親会社の鉄道を使ってファンが球場から帰路に着くことをネタにした野次。「電車野次」などとも呼ばれる。
概要
日本のプロ野球球団の親会社は古くから鉄道会社が多かった。経営地盤が安定しており比較的予算が捻出しやすかったほか、専用球場が建築できる広い土地を自社沿線に所有していることが多く、球団を保有し球場を建設すればファンが応援に行くために自社の鉄道を使ってくれるというメリットがあったからである。
こうした理由で、これまでに多くの鉄道会社が球団経営に乗り出していた*1。
このうち、近鉄バファローズ・南海ホークス・阪急ブレーブスの3球団は、同じパ・リーグ、同じ関西私鉄という競合関係にあり、この3球団のファンを中心として相手チームや相手ファンに対する野次、または自虐として球場からの帰宅時に乗る電車に絡めて野次るパターン(電車野次)が生まれ定着した*2。
例
(相手チームピッチャー交代時)
「さよなら、さよなら○○(相手のピッチャー名)○○電車で早よ帰れ!」
(相手チームの選手がエラーをした時)
「やった、やった、またやった! ○○やった、またやった! ○○電車で早よ帰れ!」
(チームが勝った時)
「勝った、勝った、また勝った! 弱い○○に、また勝った! ○○電車で早よ帰れ!」
(チームが負けた時)
「負けた、負けた、また負けた! 強い○○に、また負けた! ○○電車で早よ帰ろ!」
この他、阪急ファンによる「悔しかったら阪急沿線に住んでみい!」*3など球団固有のネタもあった。
早く帰れコール
鉄道系球団同士の間のある意味内輪ネタとして互いに交換する電車野次とは異なり、単純にムカついた相手に帰れとの中傷を浴びせるファンがいる。電車野次は賛否両論あるが、感情に任せた帰れコールは言うまでもなくマナー違反である。例として以下のようなものがある。
甲子園
1992年の高校野球選手権大会・星稜高校対明徳義塾高校の試合で発生した、星稜高・松井秀喜の5打席連続敬遠の際には、第3打席から「弱虫コール」、「卑怯者コール」、「勝負コール」が、試合終了後に観客から勝利校の明徳義塾に対して校歌をかき消さんばかりの「帰れコール」が沸き起こり、敬遠の是非とともに観客のマナー問題として大変な物議を醸した事が有名である*4。
2021年7月9日の阪神-巨人戦(甲子園)で阪神ファンによる帰れコールが起きた。これは阪神側の応援席であるライトスタンドにいた巨人ファンが、2-0で阪神リードの5回表の場面でゼラス・ウィーラーがホームランを打った際に共に観戦に来ていた阪神ファンの友人を挑発したことに周囲が反応したことによるものである*5。
ヤフードーム
2012年9月9日、福岡ソフトバンクホークスと対戦した千葉ロッテマリーンズが敗れて8連敗を記録。
同カードの最終戦ということもありエール交換のために待機をしていたロッテファンに対し、ソフトバンクの応援団から
「早く帰れ、マリーンズファン!」
「走れ走れ、マリーンズファン!」
と、まさかのエール交換拒否コールが起こった。
ホークス応援団は前年にも9連敗コール騒動を起こしていた事から、なんJ内外でも「まるで成長していない」*6という意見が多く見られ物議を醸した。
現在の電車野次
- 京セラドーム大阪、ほっともっとフィールド神戸におけるオリックス対ソフトバンク戦
- 阪急・近鉄という関西私鉄2社の流れを汲むオリックスは一年を通して電車野次を見る事のできる唯一の球団であり、南海の流れを汲むソフトバンク応援団がそれに応酬する形で電車野次を発動するというやりとりが伝統として存続している。なお、この両球団は公式イベントとして復刻試合を行うことがある*7。
- 阪神甲子園球場における阪神対ソフトバンク戦、阪神対オリックス戦
- パ・リーグの伝統文化*8であるため、ソフトバンク側やオリックス側だけが行っている。
で聞くことができる。イニング途中での投手交代時や選手がエラーした際*9の発動が主体。
稀にリプレイ検証に失敗した際にも発動される。
余談
- 鉄道会社系のチームの韋駄天選手に対して「○○特急*10」と呼ぶネタもある。
例) - 珍しい例として、横田真之(元ロッテ→中日→西武)はロッテ時代、神奈川県・川崎を本拠地とする球団の選手にもかかわらず「近鉄電車ではよ帰れー!」と、それも味方から帰れコールをされることがあった*13*14。