大本営

Last-modified: 2024-05-13 (月) 22:22:44

特定の球団の提灯記事に定評がある新聞のこと。機関紙ともいう。

概要

プロ野球とメディアの関係は切っても切り離せないほど密接で、かつては鉄道会社と並ぶ球団親会社の代表格だった*1
また21世紀に入ってからは各球団が地域密着を推し進めるようになり、それに呼応する形で地元メディアが地元球団との関係を深めていくのが盛んになっていく。インターネットによる情報発信が重視されるようになった2010年代後半頃からは、公式リリースと並んで関連スポーツ紙の記事を球団公式サイトに掲載している球団まで出ている。

このような事情ゆえ、特定球団の報道を過度に優先するスポーツ紙が一部に存在し、他球団の優勝といったビッグニュースを差し置いて贔屓球団の些細なニュースを一面に持ってくるなどの過剰な贔屓報道がなされることも多い(特にデイリーやブロック紙)*2

なお、日刊スポーツ(朝日新聞系)やスポーツニッポン(スポニチ、毎日新聞系)のように特定の球団に肩入れしないスタイルの新聞も存在する。

新聞別の贔屓球団

紙名力を入れている球団備考
スポーツ報知読売ジャイアンツ読売新聞社系列の報知新聞社発行。地方版では稀に他球団の情報が一面を飾ることもあるが、基本的にそれ以外はほぼ巨人関連である。
デイリースポーツ阪神タイガース
広島東洋カープ(広島版)
横浜DeNAベイスターズ(関東版)
神戸新聞社発行。自らブレないデイリーを称するほどの、言わずと知れた「虎党のバイブル」にして阪神の機関紙。そのインパクトからか「大本営の象徴的存在」として他の大本営的な報道機関が○○のデイリーに例えられることがある。ただし飛ばし記事も多数あり。広島版は広島東洋カープの、関東版は横浜DeNAベイスターズの大本営ともされている。ただし関西のスポーツ紙は(読売系の報知と東京スポーツを除き)基本的にどこも年中阪神一色であり*3、他の在阪スポーツ紙に比べて阪神贔屓が突出しているというわけではない。なお神戸に本拠を置く独立局「サンテレビ」は神戸新聞の連結子会社である。
サンケイスポーツ東京ヤクルトスワローズ
阪神タイガース(大阪版)
横浜DeNAベイスターズ(関東版)
産経新聞社発行。かつてサンケイの名を冠し、現在もフジサンケイグループの一員であるヤクルトとは切っても切れない関係を持っており、球団サイトでは公式発表となる「球団ニュース」とは別に「サンスポニュース」が同格で配置されている
ヤクルトの他、かつて同系列のニッポン放送が出資していたことがある横浜DeNAベイスターズについても特集紙「BAY☆スタ」の発行などを行っており実質大本営扱いをされているほか、大阪版では阪神タイガースの報道に力を入れており、「虎将」「虎総帥」のワードを初めて使いデイリーが追随する展開となるなどデイリーをも脅かす存在になっている。なお、各球団ごとに専用Twitterアカウントがある*4が、上述の事情からヤクルトとDeNAのそれには特に力が入っている。
中日新聞・中日スポーツ・東京中日スポーツ中日ドラゴンズ中日新聞社発行。上記のヤクルト同様、球団公式サイトでも球団リリースと同格で「中スポ」が配置されている。中日新聞は中日で何かしらの大きな動きがあるとスポーツ面のみならず一面や社会面等も使って大々的に報じる場合がある*5。なお、中日新聞・東京新聞とも日刊ゲンダイや朝日・毎日両新聞すら凌ぐ極左っぷりで知られ、こと政治ネタに関しては非常に好き嫌いが分かれる。
西日本スポーツ福岡ソフトバンクホークス
埼玉西武ライオンズ
西日本新聞社発行。長らくソフトバンクファンのバイブルとしても知られていたが、その歴史的経緯*6から、現在でも埼玉西武ライオンズ関連の報道がソフトバンクと並行して行われており、こちらも飛ばし記事の少なさでその信頼性の高さからニッカンに次いで西武の準本営(ないし大本営)扱いとされている場合も多い。2023年3月末をもって紙媒体発行を終了し、Web版「西スポ Web OTTO!」に移行した。ソフトバンクフロントと懇意であり、Web版移行以前の紙媒体では西日本新聞本社からの取材班も加わったことによる情報精度の高さ・飛ばし記事の少なさに定評があったが、2022~23年の藤本博史監督体制時には藤本監督への不満を明らかに表出する記事の頻度の増加や、これまで皆無だった他球団への煽り記事、なんJを含むネットの反応のみで構成された記事の乱発などで品位を損なっており*7、更にはFull-Countが運営する「鷹フル」の登場もあって大本営としての地位は怪しくなりつつある。
道新スポーツ北海道日本ハムファイターズ北海道新聞子会社の北海道新聞Hotmedia発行。前述のサンケイスポーツと提携しているが紙面の殆どがサンスポと同一であり、道スポオリジナル記事は基本的に2-3ページで実質的にはサンケイスポーツ北海道版*8といった趣。基本的に一面は日本ハム関連が大半を占めるが、関東版サンスポと同一であることもしばしば。2022年11月をもって紙媒体発行を終了、Webに完全移行。
中国新聞広島東洋カープ中国新聞社発行の一般紙。かつて「中国スポーツ」というスポーツ紙があったが僅か1年余りで廃刊。そのためデイリースポーツ社との関係も深い。カープが本拠地で勝利すると号外が発行される。
河北新報東北楽天ゴールデンイーグルス河北新報社発行の一般紙。楽天のみ「東北楽天」と地域名を必ず入れる。逆に他球団は地域名を入れない。Web版には特集コーナーを設けており、本拠地楽天モバイルパーク宮城のイニング間では「河北新報ニュース」のコーナーが原則毎試合流れる。
千葉日報千葉ロッテマリーンズ千葉日報発行の一般紙。上の河北新報同様、Web版には県内スポーツとしてロッテコーナーがあり、ロッテのみ「千葉ロッテ」と地域名を必ず入れる。


「大本営」から転落した新聞

かつて神奈川新聞*9は「ベイスターズの大本営」としての地位を築いていたが、球団のTBSへの身売り*10以降関係が悪化。
取材力の低下から飛ばし記事が増えるようになり、一例としては三浦大輔FA宣言の際に「三浦阪神移籍」の誤報を飛ばしたうちの一社が神奈川新聞だったことが挙げられる。
DeNAになってからはその傾向がさらに顕著に。特にオフシーズンはほぼ毎年監督の無根拠な批判記事*11を掲載したり、ドラフト1位予想を尽く外し続ける*12、多くの野球ファン(特にDeNAと巨人)に忌み嫌われているはた山ハッチを載せ続けるなどの醜態を晒しているため、特に若いファンからの信頼度は地に落ちている。とはいえ、かつて大本営だった頃の名残でオールドファンの間では最後の砦のような扱いをされることもままある。

関連項目



Tag: 報道機関


*1 現在は読売ジャイアンツ、中日ドラゴンズの2球団。かつてはサンケイアトムズ(現ヤクルト)、横浜ベイスターズ(現DeNA)、西日本パイレーツ(現西武傍系)、毎日オリオンズ(現ロッテ)もメディア関連企業が親会社であった。
*2 なお、行き過ぎた贔屓報道によって大本営対象球団なのにスクープを外すという事例もよく見られる(特にポジ情報)。逆に他球団のネガ情報に関しては本来の大本営以上に精度が高いと言われることもある(例えばスポーツ報知の阪神ネガ情報)。
*3 東京版で関西パ球団関連の記事が一面の時でさえ同日の関西版では阪神一面だったこともある。一方で2005年のパ開幕翌日の紙面は報知が巨人、他が軒並み阪神オープン戦の結果の中、唯一公式戦初試合の楽天の勝利を一面にしたのがデイリーだった、ということもある。
*4 日ハムのみ提携先の道新スポーツがアカウントを持っている。
*5 開幕戦・優勝時・ノーヒットノーランや2000本安打等の大記録達成・主力選手の引退・大物OBの訃報等。ちなみに星野仙一の訃報や大島洋平の2000本安打達成時には一面や社会面だけに留まらず写真でこれまでの足跡を振り返る特集面まであったほど。
*6 元々西日本新聞はセリーグ球団として西日本パイレーツを保有したが、パリーグへ移籍合併して西鉄ライオンズが誕生した。また、長らく野球不毛の地である九州へ向けてライオンズを支えるために(本当の意味での大本営として)西日本スポーツが創刊された経緯がある(結果的に九州に西鉄ライオンズを根付かせる事に成功しており、年配を中心に九州に西武ファンがある程度多い理由の1つでもある)。
*7 2023年のCS1stステージ敗退後には、ロベルト・オスナが1stステージ第3戦での10回続投を断ったと報道し、オスナと斉藤和巳投手コーチがこれを否定するという騒ぎまであった。
*8 一・二面が道スポ独自のページで三面にサンスポの一面が掲載(ロゴ部分のみ道スポに差し替え)されていた。
*9 神奈川新聞社が発行する一般紙。スポーツ新聞は発行していないが、スポーツ欄に「かながわスポーツ」と名付けている。
*10 元から株主(第三位株主)であったため「筆頭株主の交代」であった。当初は当時の筆頭株主のニチロ(現:マルハニチロ)は同じくベイスターズの株主であったフジサンケイグループのニッポン放送(第二位株主)に譲渡するつもりであったが、同じくフジサンケイグループのフジテレビジョンがヤクルトにも出資していることで野球協約に抵触すると渡邉恒雄が指摘して頓挫し東京放送(当時)に落ち着いたという経緯がある。後年のDeNAへの売却以後もTBSからの出資は継続されている。なおTBSは新聞資本上は毎日新聞と関係が深い。いずれにせよ筆頭株主が競合他社になった時点で関係の悪化は必然であった。
*11 記事はソース不明の推論、以前に自分で出した記事と矛盾する言い分(例:「育成のために若手使え」⇔「勝つためにベテラン使え」が同じ年に出る)なども含まれることも多く不評を買うことが多い。
*12 DeNAは情報統制が強く各スポーツ紙に情報が漏れにくいため、他紙も含めてドラフト1位の的中率は低いのだが、神奈川新聞は珍しく1位指名を公言した際にも予想を外すという有様である。