戸田軍

Last-modified: 2025-12-02 (火) 12:12:37

東京ヤクルトスワローズの二軍のこと。
埼玉県戸田市の「ヤクルト戸田球場」に本拠地を置くことに由来する。

概要

ヤクルトの二軍は一軍での故障者大量発生の影響を受けやすく、戦力が一軍に引き抜かれることが多い*1。加えて二軍そのものでも故障者が発生するため、スタメンが悲惨なことになりやすくネタにされやすい。

珍現象の例として

  • 投手が足りないので捕手が投手デビュー
  • 野手が足りないので引退した投手を育成契約して野手出場
  • またも野手が足りずDH解除*2
  • そこまでやっても選手が規定人数に届かず試合中止*3

などが挙げられる。

戸田軍から守谷軍へ

本拠地のヤクルト戸田球場は荒川河川敷*4の国有地内にあり、ヤクルト本社(親会社)の福利厚生施設としての機能も果たしている。しかし、2010年代以降、他球団の二軍球場の設備が拡充*5されていく一方で、戸田球場では施設面での問題を対応出来ない*6為、移転に関しては時間の問題だった。
特に立地の問題が大きく、荒川第一調節池という大規模増水時に水をため込む場所に隣接しているが故に台風や豪雨で水没してしまうという欠陥を抱えていた。各地で甚大な被害をもたらした令和元年東日本台風(台風19号)ではこの球場も水没してしまい、電光スコアボードとトラックマンが故障*7
この被害を受けたことが決定打となり、ヤクルト球団はとうとう2022年4月に二軍本拠地移転の協議を茨城県守谷市と開始し、2023年11月に同市に移転することを決定
守谷SA近くに新設されるインターチェンジの活性化及び守谷市が新設する守谷総合運動公園の目玉としてスワローズのファーム主催試合を提供する環境を与えることで両者の合意が決定。
公園内の一部エリアにヤクルト球団側がメイン球場・サブ球場・屋内練習場・選手寮兼クラブハウスなどを建てる形で2027年シーズンから使用開始予定としている
選手寮以外での広さは筑後のホークスやの施設に近く、メイン球場及びサブ球場のフィールドは同じとなっていることでどちらでも試合が出来るとされていたが、2025年8月に公開されたイメージ画像では、2面制のグラウンドへと変更された。*8それでも2025年に新設した阪神と巨人もサブフィールドは狭いことや、サブ球場そのものが存在しない球団*9のことを考慮するとかなり優遇されている。
また、照明器具も設置することを公言していることから、ナイターでの試合*10も行われる可能性を示唆している。*11

なお、スワローズがいなくなった後の戸田球場は建てている場所が河川敷*12ということもあり、戸田市に寄付されることが予想されるものの、戸田寮に関しては取り壊しか何処かに譲渡するかは定まっていない。*13


各球団の二軍の呼称(2025年現在)

なんJでは、各球団の二軍のことはもっぱら「二軍球場の所在地(+軍)」という名称で呼ぶ傾向がある。

球団二軍呼称所在地二軍球場名
楽天
利府*14
宮城県仙台市泉区森林どりスタジアム泉
日本ハム鎌ケ谷
鎌ヶ谷
千葉県鎌ケ谷市ファイターズ鎌ケ谷スタジアム*15
ヤクルト戸田埼玉県戸田市ヤクルト戸田球場*16
ロッテ浦和埼玉県さいたま市南区ロッテ浦和球場*17
西武所沢*18埼玉県所沢市西武第二球場
巨人稲城
多摩*19
東京都稲城市ジャイアンツタウンスタジアム*20
DeNA横須賀神奈川県横須賀市横須賀スタジアム
中日尾頭橋*21愛知県名古屋市中川区ナゴヤ球場*22
オリックス舞洲*23大阪府大阪市此花区舞洲バファローズスタジアム
阪神尼崎
大物*24
兵庫県尼崎市日鉄鋼板SGLスタジアム尼崎*25
広島由宇山口県岩国市広島東洋カープ由宇練習場
ソフトバンク筑後
船小屋*26
福岡県筑後市ホークススタジアム筑後

また、これらの呼び方はレギュラー陣に離脱者が続出し二軍メンバーが多くなった一軍に対しても使われることがある(例:2022年8月下旬のソフトバンク)。


関連項目

Tag: ヤクルト 球場


*1 怪我人が続出したり不調の選手だらけになると、一軍スタメンの大半が一軍半~二軍の選手という悲惨なことになる。
*2 なお、二軍戦におけるDH制の有無は一軍戦と異なり、リーグ問わず試合毎に各チームの判断に委ねられている。もっとも、二軍は選手育成の場である事から、通常はどのチームも(野手を1人多く出せる)DH有でスタメンを組むのが大半である。
*3 そもそも野球規約では9人のプレイヤーを試合場に置くことができなくなった場合は没収試合(0-9で置けなくなった側の敗戦、その時点でリードしていても敗戦)になる。
*4 一応、荒川の本流からは離れている(荒川に繋がる彩湖の方が近い)。
*5 ソフトバンク、オリックスが二軍本拠地を移転、充実した練習場、選手寮を整備した。西武も選手寮を含めた施設拡充を実施。DeNAは練習施設とファームの一体化を実施。阪神と巨人も本拠地移転計画を発表しこれを実施した。
*6 戸田市が運営する彩湖・道満グリーンパークが隣にあることや、仮に隣接するソフトボール球場を借りて練習場と施設を移転させても後述の大氾濫による浸水を防げない。
*7 奇しくも、この後新しく導入したホークアイが2021年のリーグ優勝・日本一に貢献することとなる。
*8 これは、施設の隣に守谷総合運動公園の野球場が建設する予定となっており、同じ広さのフィールドが3つは必要がない為、ヤクルトのサブ球場のフィールドを変更したと推測されている。
*9 現在では日本ハム、楽天、ロッテ、中日が該当。
*10 元々二軍以下の試合がナイターで開催されること自体珍しく、それゆえ二軍以下の本拠地で証明設備を持たない例も多かった。しかし、近年の夏場での気温の上昇に伴い、熱中症対策のために屋外球場である一軍本拠地で選手サイドよりナイター開催を求める声があがっている。中には屋内型にしろという声もあるが、入場料が一軍に比べて低価格もしくは無料となっている二軍は運営コスト面を抑える必要があり、現行球場の改修にしろ移転による新築にしろ、屋根を載せる・屋根つき球場を作るより照明を設置する・照明つき屋外球場を作る方が安く済むという事情も考えられる。
*11 たとえば、日本ハムの場合は周辺の梨園に対する配慮(生育不良対策)として設置されていないというように、建てられない事情がある球場も存在する為、(実際にナイターでの二軍戦を開催するかは別として)二軍球場でナイター設備があるというのも恵まれている点といえる。
*12 河川敷の土地は原則として国のものである為、戸田球場及び隣接の陸上競技場の土地もヤクルト側が借りているという事になっている。
*13 戸田球場と同じ頃に完成している為、老朽化は少なくとも進んでいる。
*14 2010年代まではほとんどの試合が利府球場(宮城郡利府町)で行われていたため。現在でも使用されることが多い。
*15 施設の老朽化および一軍本拠地との距離の遠さを理由に、北海道内(候補地は一軍のある北広島のほか、札幌、千歳、恵庭、苫小牧、江別)に2030年を目処に移転を行う意向を示している。
*16 先述の通り、2027年を目処に茨城県守谷市へ移転する方針が示されている。
*17 2030年に千葉県君津市に移転する方針が示されている。
*18 ただし一軍本拠地と隣接しており本来は地名で区別できないため、チーム名からの連想で「子猫」という呼称も使われている。また「子猫」からさらに連想し、三軍は「孫猫」と呼ばれることもある。
*19 かつて練習していた多摩川グラウンドから。球場近くの遊園地や最寄り駅から「(よみうり)ランド」とされることもあるが、こちらは蔑称の意味合いが含まれることもある。
*20 2025年に読売ジャイアンツ球場から移転したが、近接しているため従前の呼称が流用されている。なお、ジャイアンツ球場は三軍や女子など関連チームの本拠地として引き続き使われているほか、移転後も二軍戦が年間数試合行われる。
*21 最寄り駅の尾頭橋駅より。なお同駅が開業した1995年より前は、付近に「ナゴヤ球場正門前駅」がナゴヤ球場での試合時のみ設置されていた。
*22 かつての一軍本拠地。施設老朽化のため、移転を検討していることが報道されている。
*23 読みは「まいしま」。
*24 最寄り駅の大物駅より。読みは「おおもの」ではなく「だいもつ」。
*25 2025年に阪神鳴尾浜球場から移転。移転前は「鳴尾浜軍」や「鳴尾軍」と呼ばれていた。
*26 最寄り駅の船小屋駅より。なお同駅は2011年に「筑後船小屋駅」へ改名している。