戸田軍

Last-modified: 2026-10-10 (土) 10:46:56

2026年までの東京ヤクルトスワローズの二軍通称のこと。
埼玉県戸田市の「ヤクルト戸田球場」に本拠地を置いていたことに由来する。


概要

ヤクルトの二軍は一軍での故障者大量発生の影響を受けやすく戦力が一軍に引き抜かれることが多い*1のに加え、二軍そのものでも故障者が発生するため二軍のスタメンが極端に悲惨なことになりやすくネタにされやすい。

珍現象の例としては

  • 投手が足りないので捕手が投手デビュー
  • 野手が足りないので引退した投手を育成契約して野手として出場させる
  • またも野手が足りずDH解除*2
  • そこまでやっても選手が規定人数に届かず試合中止*3

などがあった。

こうして蔑称に近い形でヤクルトの二軍に戸田球場をもじった「戸田軍」という呼称が定着したものの、その後は他球団でも地名を使った二軍チームの呼称が多く使われ始めたことから本来の意味が別の形にすり替わる事態となった*4。


戸田軍から守谷軍へ

ヤクルトの二軍本拠地だったヤクルト戸田球場は荒川河川敷の国有地内にあり、親会社であるヤクルト本社の福利厚生施設としての機能も果たしていた。

しかし2010年代以降になるとソフトバンク*5、オリックス*6、阪神*7、巨人*8が二軍施設の移転および拡充を実施、一軍本拠地との近さの関係で移転はしなかった西武*9やDeNA*10もファーム施設や練習施設の改良に手をつけるなど、二軍設備の強化をする球団が相次いだ。

ヤクルトも同様に二軍施設の拡充を試みたものの、既存の戸田では立地の狭さや台風や豪雨の際の荒川の氾濫による水没リスクのために思うような拡充ができず、最終的に令和元年東日本台風(台風19号)で施設の水没被害を受けた*11ことが決定打となって二軍施設の移転を決定。

2022年4月からの協議の末、2023年11月に茨城県守谷市への二軍本拠地の移転が発表された。守谷サービスエリア近くに新設されるインターチェンジの活性化や、守谷市が新設する守谷総合運動公園にてスワローズのファーム主催試合を提供する環境を与えることなどで合意がまとまり、「Swallows Wings Square」という施設名称で2027年から運用を開始する予定である。
選手寮以外の広さはソフトバンクの筑後市のファーム施設並であり、それなりの広さのサブ球場も存在することなどから戸田の施設よりも大幅に環境が良くなる見込みとなっている。
また照明器具の設置も公言しており、これによりナイターの試合も実施可能になるため、ナイターが出来ず近年の猛烈な酷暑に苦しむ環境になっていた戸田よりも試合環境が改善できるメリットもある*12。

そして2026年9月23日、戸田球場でヤクルト二軍とハヤテベンチャーズとの最終戦が行われ、試合はヤクルトが大幅リードながら降雨のため3回表をもってノーゲームとなったものの、1977年からの50年の歴史に幕を降ろすこととなった。

守谷移転後の戸田球場に関しては、上述の通り河川敷であるため国が所有する土地であり*13、移転後は戸田市への寄付が予想されるものの選手寮など旧施設の今後に関しては取り壊しか譲渡かなどは決まっておらず、未定とされている。

またヤクルトに続いてロッテ*14、日本ハム*15も二軍施設の移転が決まっており*16、楽天*17と中日*18も本拠地の移転計画がある。
残る広島も施設の移転計画があるほか、由宇での改修工事の実施もしているため全球団が何かしらの形でファーム施設にテコ入れを行っている状態である。


各球団の二軍の呼称(2026年時点)

なんJにおいては各球団の二軍を「二軍球場の所在地名+軍」という名称で指すことが多い。
ただし西武のように一軍本拠地と二軍本拠地がほぼ同じ場所にあり地名で区別できないチームや、西武・ソフトバンクのような三軍より下のグループがあるチームでは「子○(○はチーム愛称)」「孫○(三軍)」といった呼称が使われることもある*19。

球団二軍呼称所在地二軍球場名
楽天泉
利府*20
宮城県仙台市泉区森林どりスタジアム泉
日本ハム鎌ケ谷
鎌ヶ谷
千葉県鎌ケ谷市ファイターズ鎌ケ谷スタジアム
ヤクルト戸田埼玉県戸田市ヤクルト戸田球場
ロッテ浦和埼玉県さいたま市南区ロッテ浦和球場
西武所沢埼玉県所沢市西武第二球場*21
巨人稲城*22
多摩*23
東京都稲城市ジャイアンツタウンスタジアム
DeNA横須賀神奈川県横須賀市横須賀スタジアム
中日尾頭橋*24愛知県名古屋市中川区ナゴヤ球場
オリックス舞洲*25大阪府大阪市此花区舞洲バファローズスタジアム*26
阪神尼崎
大物*27
兵庫県尼崎市日鉄鋼板SGLスタジアム尼崎
広島由宇山口県岩国市広島東洋カープ由宇練習場
ソフトバンク筑後
船小屋*28
福岡県筑後市ホークススタジアム筑後*29

また、これらの呼び方はレギュラー陣に離脱者が続出し二軍メンバーが多くなった一軍に対しても使われることがある(2022年8月下旬のソフトバンクなど)。


関連項目



Tag: ヤクルト 球場


*1 怪我人が続出したり不調の選手だらけになると、一軍スタメンの大半が一軍半~二軍の選手という悲惨なことになる。
*2 二軍戦におけるDH制の有無は2026年までの一軍とは異なり、リーグ問わず試合毎に各チームの判断に委ねられている。もっとも二軍は選手育成がメインの場である事から、通常はどのチームも(野手を1人多く出せる)DH有でスタメンを組むのが大半である。
*3 野球規約では9人のプレイヤーを試合場に置くことができなくなった場合は即座に没収試合(0-9で置けなくなった側の敗戦、その時点でリードしていても敗戦)になる。
*4 SNSの普及でファームの試合を観戦する投稿が気軽に出来るようになり、この過程で自然発生的に戸田軍の名前を模倣した呼称が他球団ファンにも定着していったとされる。
*5 2016年に福岡県福岡市の雁ノ巣球場から同県の筑後市へ移転。
*6 2017年に兵庫県神戸市の神戸総合運動公園サブ球場から大阪府大阪市へ移転。
*7 2025年に兵庫県西宮市の阪神鳴尾浜球場から同県の尼崎市へ移転。旧鳴尾浜球場はそのまま封鎖され、取り壊しが進められている。移転前の阪神二軍は一軍本拠地の阪神甲子園球場と同じ西宮市にあったため、区別するために「鳴尾浜軍」「鳴尾軍」と呼ばれていた。
*8 2025年に神奈川県川崎市の読売ジャイアンツ球場から東京都稲城市に移転。移転前の川崎の球場は阪神と違い取り壊しはしておらず、三軍や女子など関連チームの本拠地として引き続き使われているほか、二軍戦も年間数試合実施されている。
*9 選手寮と練習施設を移転し、後述の通りナイター設備も設置予定。
*10 選手寮と練習施設を本拠地の横須賀球場の側に移転。
*11 電光スコアボードとトラックマンが故障するなどの被害を受けた。
*12 実際の事例として、2026年7月22日にはロッテ対オリックス二軍戦(ロッテ浦和)において4回裏にロッテ側の複数選手に熱中症の症状が出たことから試合打ち切り(ノーゲーム)となる措置がNPB史上初めて取られたこともあり、近年の極端な猛暑により夏のデーゲーム実施が困難になりつつあることが問題視されていた。戸田、上記の浦和、鎌ケ谷などは移転で対処する予定だが、広島の由宇では現在試合時間の前倒し(午前開催)をすることで対処しており、また西武のカーミニークフィールドでは2027年からナイター設備を新設して解決する予定となっていることから球団ごとに対応が分かれている状態である。
*13 そのためヤクルト球団はこれらの施設を国から借りる形となっており、一軍の神宮球場(宗教法人の明治神宮が所有)共々自前での施設は保有していなかったということになる。
*14 2030年に埼玉県さいたま市から千葉県君津市に移転する予定。
*15 2030年~2031年に千葉県鎌ケ谷市から北海道恵庭市(一軍本拠地・北広島市の南隣)に施設を新設して移転する予定。
*16 移転が既に決定しているロッテと日本ハムに関しては現時点で他球団の「保護地域」の県に二軍拠点が置かれており(移転前のオリックス、巨人、ヤクルトも同様)、NPBでは野球協約第39条に基づき他球団保護地域の都道府県で試合を開催する際には当該都道府県にある全球団の許諾を要するというルールがあるため、例としてロッテ二軍は試合開催の際に埼玉県を保護地域とする西武の許諾が毎回必要となる(同様に日本ハム二軍も試合開催の際には千葉県を保護地域とするロッテの許諾が必要。ただし山口県に二軍拠点を置く広島や茨城県移転後のヤクルトなど保護地域の制約を受けない府県ではこのルールは適用されない)。この保護地域重複問題も影響して各球団が個々の保護地域または保護地域の影響を受けない他府県に二軍拠点を移す動きが進んでいるという側面もあり、実際に2030年前後のロッテ・日本ハムの二軍拠点移転で重複状態は全て解消される見込みである。
*17 観戦客の拡大を理由として2030年代前半までに本拠地を移転する予定。宮城県石巻市と山形県山形市が誘致を行っている。
*18 旧一軍本拠地であるナゴヤ球場をそのまま使っているが、老朽化のため移転が検討されている。現在と同じ名古屋市内での移転の計画もあるが、岐阜県(大垣市など)や三重県など近隣の自治体も候補地として誘致合戦を行っている。
*19 この言い回しが使われやすいのは主に西武とソフトバンクであり、それぞれ「子猫 / 孫猫」「子鷹 / 孫鷹」と呼ばれている。「子○」という言い回しはオリックス(子牛)など他球団で使われることもある。
*20 2010年代まではほとんどの試合が利府球場(宮城県宮城郡利府町)で行われていたため。現在でも二軍の試合が開催されている。
*21 命名権名称は「カーミニーク(CAR3219)フィールド」。
*22 読みは「いなぎ」。
*23 かつて練習していた多摩川グラウンドから。最寄り駅の京王よみうりランド駅および球場近くの遊園地から「(よみうり)ランド軍」とされることもあるが、こちらは蔑称寄りの呼称である。
*24 最寄り駅のJR尾頭橋(おとうばし)駅より。なお同駅が開業した1995年より前は付近に「ナゴヤ球場正門前駅」がナゴヤ球場での試合時のみ設置されていた。
*25 読みは「まいしま」。
*26 命名権名称は「杉本商事バファローズスタジアム舞洲(杉本商事BS)」。
*27 最寄り駅の阪神大物駅より。読みは「おおもの」ではなく「だいもつ」。
*28 最寄り駅のJR筑後船小屋駅より。
*29 命名権名称は「タマホームスタジアム筑後(タマスタ筑後)」。