北海道新聞に掲載された元札幌ドーム社長・長沼修氏のコラムのタイトル。
掲載当初は「何か変だな」と漢字表記だったが、後に出した同氏のエッセイ集のタイトルは「なんか変だな」と平仮名表記になっている為、どちらでも正解と言える。
現在では「札幌ドーム≒なんか変だな」と皮肉る意味でのインターネットミームと化している。
経緯
札幌ドームは札幌市が建設・所有する、野球サッカー兼用のドームであり、第三セクターの株式会社札幌ドームが管理を行っている。
本拠地にしていた日本ハムは2016年より、札幌ドームの賃借料について争い*1、札幌市と協議を重ねるも、紆余曲折の事情*2から交渉決裂。すると今度は札幌市と隣接する北広島市との間で新球場建設の誘致合戦が繰り広げられるに至った。
なんか変だな
その最中、2017年6月23日付の北海道新聞朝刊に掲載されているエッセイ「朝の食卓」に、以下の記事が掲載された。
見ての通り、当事者中の当事者である元札幌ドーム社長の言い分のみを掲載という、極めて一方的な内容となっている。
しかも、
- 全ての準備を日本ハムが行っている事実を(単に知らなかった可能性もあるが)当然の如く記載していない。
- コンクリートに薄い人工芝を敷いただけのグラウンド*3やファウルゾーンの広さ*4、防球ネットの不備*5等構造上の問題点が再三指摘されていたにもかかわらず「野球を楽しめないほどの欠陥があるようには思えない」と断言。
- 「傾斜が急な階段*6も、北広島や真駒内公園*7へ行くよりはマシ」という、利用客感情を度外視した斜め上すぎる擁護*8。
- 最後の最後に、実態のない市民の声に転嫁する姑息さ
- 何故か新ドームを必要としているのは札幌市民ということになっているが、必要としているのはあくまで日本ハム側である。
- そもそものきっかけとなった使用料問題への言及は一切なし。
以上の点から(北海道新聞が行政寄りの情報機関であることを考慮しても)論ずるに値しない内容と言え、なんJでも拡散されるやいなや憤りや疑問の声が噴出。なんJ内の日本ハムアンチですら記事の内容に同調する向きは全くと言ってよいほど見られなかった。
エスコンフィールドへの移転
札幌市との交渉を重ねるも関係は改善されず、結局球団は2018年に札幌ドームからの撤退を決定。札幌市も引き止め交渉に乗り出すが案の定失敗し、隣の北広島市と契約を結んだ日ハムは約600億円を投じて北広島市のきたひろしま総合運動公園内に「北海道ボールパーク Fビレッジ」と、その中核となる新球場「エスコンフィールド北海道」の移転建設を行う運びとなった。
この新球場はファイターズと日本ハムの合弁会社「株式会社ファイターズ スポーツ&エンターテイメント」が所有・運営を行うことで重い使用料負担から解放される他、「内外野天然芝*9」「グラウンドに近い客席」「親会社経営の飲食店」など先述した構造上の問題点を見事にクリアしている。
一方、ホーム裏のファウルゾーンを日本の公認野球規則に定められた18.288m(60フィート)より狭い15m(約49フィート)で設計していたことが完成直前になって一時問題視されていた。これは日ハム側が球場の設計を依頼したアメリカの企業がアメリカのファウルゾーンの規則(60ft以上が推奨(recommended)*10)と日本のそれ(60ft以上が必要)が異なっていたことに気づかず、アメリカの規則に則って設計を行ったために発生した問題であるが、協議を経て開業前までに解決された*11。
このように移転までにはさまざまな紆余曲折があったものの、2023年3月14日のオープン戦(対西武)、および3月30日の開幕戦(対楽天)で無事にこけら落としが行われた。
その後の札幌ドーム
これにより札幌市は、札幌ドームの一番の収入源となっていた日本ハムの観客動員を失うこととなり*12、以降なんJ・なんGでは札幌ドーム側に不都合な出来事や記事が出るたびにこの「なんか変だな」発言が蒸し返されている。
その後は
- 甘すぎる黒字予想。その後、唯一赤字見込みとしていた2023年度の実績が見込みの2倍以上となる約6億5000万円の赤字となることが判明*13。
- 稼働日の減少*14。
- ドーム内広告の減少と飲食店の相次ぐ撤退。
- 2030年・2034年・2038年における札幌での冬季五輪開催招致の頓挫。
- 元から少ないコンサート需要*15の起爆剤として総事業費約10億円を掛けた2万人規模用の新モードが不発*16。更にエスコンフィールドの内野天然芝が2025年より人工芝に変更される事が発表された。「イベントの利用拡大」も変更の理由に含まれており、これによりイベントを誘致している札幌ドームの競合相手が増えることになる。
- 最寄り駅である地下鉄東豊線福住駅に直結するイトーヨーカドーの閉店*17。
- 上記を踏まえてネーミングライツ(命名権)が年2億5000万という強気価格*18。しかし期日までの応募は0件。2024年7月になるまで結局契約に至ったものはなく(後述)、それも条件の緩和によってようやく実現したものだった。
- 悪天候の影響で例年通りの天然芝管理ができずにサッカー側からも不満が出る*19。
- 鞭打ちを伴う児童虐待や輸血拒否に定評のある何か変な宗教団体『エホバの証人』のイベントのために三日間*20貸し出された。
- 2024年6月23日の北海道コンサドーレ札幌vs横浜F・マリノス戦にて、ドーム内にハエが大量発生して両軍サポーターからSNSで悲鳴が上がる。
- 日本ハム移転に伴いホームタウン連携協定を締結し興業の要であったコンサドーレ札幌が2024年シーズン19位で9年ぶりにJ2へ降格*21。
- そのコンサドーレに対して使用料金を約10%値上げしてしまう*22。
- 2025年3月9日の北海道コンサドーレ札幌vsジェフユナイテッド千葉戦にて、後半ロスタイムにダメ押しゴールを決めた千葉の呉屋大翔選手がゴール裏のサポーター席に行こうと看板を飛び越えた際、約3メートル下のコンクリートの地面に落下*23してしまい、「サッカーでも殺ド」と皮肉られる。
- なお、ドームのゴール裏にダイブしたのは呉屋選手で3人目*24ということもあり「なぜ安全対策を今までしていなかったのか」という批判も相次いでいる。
等、半分以上は自らネタを量産している。
また、STV札幌テレビ放送の動画に寄せられた視聴者の意見もあまりの温度差からセットでネタにされることも多い。
2024年6月21日付けのHBC北海道放送のニュースでは「あなたが社長なら札幌ドームで何をする?」の質問に対し「自転車競技*25」「映画鑑賞」「大人の全力鬼ごっこ」「冬のビアガーデン」「2時間かけても出られないお化け屋敷」といった建設的な意見も多く見受けられた。
札幌市と市長と市議も変だな
- 四者協議で秋元克広札幌市長は、札幌ドームの野球専用化を提案してコンサドーレ札幌を見捨てるような発言をする。
- 新球場建設が決まると札幌市は、日本ハムが求める面積(20ha)に全く足りない北海道大学の敷地(約10ha)や八紘学園の敷地(約13ha)を勝手に候補地に上げて断られる。
- ならばと真駒内公園案を上げるも近隣住民から苦情の嵐にあう。
- 挙句、札幌ドーム主催のモニター座談会(「ファイターズ新球場建設について」参照)で、「(シャウエッセンの販売もできてないと言う声に対して)シャウエッセンのほか業務用食材としても仕入れさせていただいています*26」、「球場と球団の運営が別なのは東京ドームと神宮球場も同じ*27」、「人工芝はナゴヤドームと同じ仕様を採用しており、札幌だけが特別に劣悪な環境ではない*28」と的外れで見苦しい言い訳をし出す。
- 後任の札幌ドーム社長が就任早々「セ・リーグ興行を検討」と言い出す。
- そして北広島移転が決定すると、「セ・リーグの主催試合などができるだけ多くできないか交渉したい」と言い出し、北海道文化放送の音頭でヤクルトが槍玉に上がる*29*30。
- 移転後、札幌市議が最近の事実誤認による不当な札幌ドーム叩きが許せない。日ハムには良心的な値段で貸していたと喧伝し出すも、その根拠が「札幌ドームと東京ドームを比較して、札幌ドームが不当に高い使用料を日ハムに課していたとまでは言えないのではないだろうか」などと詭弁を言い出し、なんGで物笑いの種にされる*31。
- 赤字が6.5億円に膨らんだ経緯について札幌ドーム社長は「平日にプロ野球をやれたらいいが、やらせてくれないのでね」、「見通しが甘かったのではなく挑んだ結果」等と発言する。
など、所謂「もう遅い系なろう小説」のお手本のような醜態の数々を全国に晒すことになってしまった。
また、秋元は2023年4月の札幌市長選挙で再選を果たしているので、少なくとも2027年5月1日まで現在の体制が続くとみられる。
あいつまだ札幌ドーム知らねぇな
上沢直之が杉谷拳士との対談で「札幌ドームは打球が速い」、ヘッスラで血だらけになったルーキーに対して「あいつまだ札幌ドーム知らねぇな」とペラペラ人工芝をネタにしている。
該当部分は10:50~
ネーミングライツ契約成立
- 2024年7月19日に札幌ドームと大和ハウス工業の命名権契約の成立が報道された。条件は以下の通り(括弧内は札幌ドームにおけるネーミングライツ(命名権)協賛企業の募集要項による札幌ドームの希望条件)
- 名称は「大和ハウス プレミストドーム」(札幌ドーム側の名称に対する希望条件は以下の3点)
- 愛称に「ドーム」を含めること。
- 愛称は、公の施設の愛称としてふさわしいものとし、施設の設置目的がイメージできること。
- 親しみやすさや呼びやすさなど、市民及び施設利用者の理解が得られる愛称とすること。
- 契約金額は7月19日時点で非公表であるが、北海道放送の取材記事によると札幌ドーム側希望条件と同じ2.5億円/年とされている。
- 契約期間は8月1日より4年間。(札幌ドーム側希望条件は2~4年間)
- 名称は「大和ハウス プレミストドーム」(札幌ドーム側の名称に対する希望条件は以下の3点)
- NPB12球団の本拠地球場では試合前に場内の大型ビジョンで歌に乗せて歴代の各本拠地球場を紹介する映像を流しているが*32命名権名称を採用している他の各球場については最新の名前で紹介されているのに対して本球場は2025年版でも「札幌ドーム」のままとなっている*33。