オリックス・バファローズの2020年オープン戦の広告ポスターに載ったキャッチフレーズ。
この年加入したアダム・ジョーンズを指しており、これが転じてジョーンズは「本物」または「偽物」と呼ばれ、活躍すると「本物緊急来日」と言われる(詳細後述)。
【目次】
概要
ジョーンズはMLB通算1939安打、282本塁打、ゴールドグラブ賞も4度受賞した輝かしい実績を持ち、来日前年度となる2019年にもアリゾナ・ダイヤモンドバックスでプレーをしてシーズン通算16本塁打67打点を記録していた。
そんな現役バリバリのメジャーリーガーであるジョーンズが2019年12月11日にオリックスと契約合意。かつて同じく(当時)現役真っ只中のメジャーリーガーで「AJ」の通称を持つアンドリュー・ジョーンズが楽天を初のリーグ優勝・日本一に導いたことから、アダム・ジョーンズのオリックス加入が同じような効果をもたらすのではないか*1という期待が非常に高く、オープン戦告知ポスターにはジョーンズの姿と共に「本物が、来た!」というキャッチコピーが付けられていた。
2020年
しかしいざオープン戦が始まると、守備ではゴールドグラブを4度受賞したとはとても思えぬ緩慢な動きを連発*2。打席でも140km/h中盤の直球にすら差し込まれて凡退する場面を何度も見せる。この傾向は6月に延期された開幕直前の練習試合でも引き続き見られたため、ファンの間では一気に不安が広がることとなる。
そして迎えた開幕戦、ジョーンズは打撃でノーヒット*3、失点に絡むマズい守備を連発。これによりついに上記のキャッチコピーを捩って「偽物」扱いされてしまった*4。
その後も大物助っ人と呼ばれた割に低調な打撃で偽物扱いが続いていたが、成績不振で西村監督が辞任して中嶋聡監督代行が就任すると3試合連続ホームランを放つなどついに覚醒。「前の監督が嫌いだった」などとネタにされつつも、打撃においては評価を持ち直したかに見えたが最終的には下記の成績に終わり、戦力でこそあるが期待外れだったという評価に落ち着いた。
ボーア軍ネタで弄られこそされなかったが、立ち位置がよく似ていたジャスティン・ボーア(元阪神)とは成績も似ていた。
- ジョーンズ
打率.258、12本塁打、43打点、OPS.749、得点圏打率.233、盗塁1
- ボーア
打率.243、17本塁打、45打点、OPS.760、得点圏打率.250、盗塁1
2021年
複数年契約のため2021年も残留。オフにアメリカの番組で「ドミノピザは日本の方が美味い」と発言した事からファンに心配されたが、春季キャンプには一変してスリムな姿で現れる。
今年こそはと期待されたものの、打撃成績は年俸・実績を考慮すると低調だった。しかしシーズン途中で代打中心の起用に切り替わる*5と打率.429、出塁率.568、得点圏打率.462を誇る勝負強さを見せた。また、杉本裕太郎や宗佑磨らの打撃開眼に一役買い、「4億円の打撃コーチ」、「ラオウ(杉本)の育成が最大の功績」などと評された。
期待されていた姿とは違う姿ではあったがチームのリーグ優勝にも貢献したジョーンズは、対ヤクルトの日本シリーズでも代打にて出場。第1戦では9回裏に守護神S.マクガフに対し追い込まれてから冷静に四球を選び、逆転サヨナラ勝利に貢献。その後の第5戦では9回表にこれまたマクガフから値千金の勝ち越し決勝ソロホームランを放つという崖っぷちのチームを救う活躍を見せた。
いずれも8回にヤクルトの3番4番がホームランを放ち、嫌なムードが漂っていた中での結果であるため、案の定「本物緊急来日」というレスが多数書き込まれた。
同年オフには複数年契約が切れる事から翌シーズン以降の去就が注目されていたが、高額年俸がネックとなり惜しまれつつオリックスを退団。その後は所属球団無しの状態だったが2023年に正式に引退を表明した。結果的に、日本シリーズでのホームランが最後の花道となったのだった。
自己解説
ジョーンズはオリックス退団後に出演したポッドキャスト番組で「私が日本でホームランを打てる投手はアメリカ人だけだったと思う。フォークは全く打てない。頑張ったけど無理だった」と語っている。
告知ポスター
偽物が、来た!
↑の雑コラ。
関連項目
Tag: オリックス