No.075 | ||||
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ドラム缶(輸送用) | 簡易輸送部材 | |||
装備ステータス | ||||
火力 | 雷装 | |||
爆装 | 対空 | |||
対潜 | 索敵 | |||
命中 | 回避 | |||
射程 | ||||
装備可能艦種 | ||||
駆逐艦 | 軽巡洋艦 | 重巡洋艦 | 戦艦 | |
軽空母 | 正規空母 | 水上機母艦 | 航空戦艦 | |
備考 | ||||
雷巡装備不可・航巡&揚陸艦装備可 | ||||
ドラム缶を繋いだ簡易輸送用部材です。"東京急行"などに用いられました。 駆逐艦の甲板などに搭載し、敵制海権内に進入、強行輸送を敢行します。 (駆逐艦・軽巡洋艦・航空巡洋艦・水上機母艦・揚陸艦で運用可能です) |
ゲームにおいて
- 2014年2月26日アップデートで探照灯?とともに実装された新装備。「鼠輸送」系の一部の遠征や出撃において効果を発揮する。
- 効果は「一部出撃での資源マスの収入増・ルート制御」「一部遠征の成否判定、大成功判定補正」の模様。一部の詳細は後述。
- あくまで輸送用のドラム缶なので増減するステータスはない。
- 表記からはわかりづらいが、軽巡洋艦には積めるが重雷装巡洋艦には積めない、重巡洋艦には積めないのに航空巡洋艦には積める。
- 入手方法は開発のほか、任務「輸送用ドラム缶の準備」(1回のみ:3個)、「資源の再利用」(ウィークリー:1個)でも入手可能。
開発で出す場合、駆逐艦・軽巡洋艦・まるゆで資源All10で出ることが確認されている。長10cm砲レシピでもそれなりに出るので、ついでに狙うのが効率が良いかもしれない
- 運営告知より「鼠輸送型の遠征及び出撃で効果を発揮」とある通り、該当する「一部」は「鼠輸送型」と呼称される。
2014年2月現在、この鼠輸送型に該当するものは出撃では5-4、遠征では北方鼠輸送作戦・東京急行のみ。南西諸島海域の鼠輸送任務には効果がない。 - 長波が夜戦の度に捨てているが、ホントに捨てられてはいないので安心して欲しい。
小ネタ
- 日本海軍が大戦中期から駆逐艦を用いて実施した「ネズミ(鼠)輸送?」にて用いられたのが元ネタ。
鼠輸送は、制海権を奪われ低速な輸送船での輸送が困難になった帝国海軍による窮余の策であった。 - この方法は当初、大消耗戦を強いられたガダルカナル島*1への輸送手段として生まれた。
本来なら、輸送任務には輸送船を使うのが一番効率がいいのだが、輸送船は足が遅い。
既にガダルカナルの空と海を押さえている敵の目をかいくぐるには、夜間に島に辿り着いて夜明け前に逃げ帰らねばならず、鈍足の輸送船にはこれが困難だったのだ。
そこで、輸送船の3倍以上の高速が出せる駆逐艦に荷物を積載する方法が発案された。もちろん想定の範囲外の用途であり、輸送効率は著しく劣るのだが。
高速の駆逐艦が「夜になるとすばしこく走り回る」から「鼠」輸送なのである。 - 本来は輸送船で運ぶときは埠頭や橋頭堡が無い場合は、島に近づいたら小型の上陸艇で物資を浜まで輸送するなどしていたのだが、その余裕さえないので使ったのがこのドラム缶。
ドラム缶と言えば中身は普通ガソリンや灯油などの液体を想像するが、鼠輸送では防水包装された食糧品や弾薬・医薬品などを入れていた。
中を苛性ソーダで洗浄し、半分だけ物資を入れた。(満杯に入れると沈んでしまうので……)- そしてそのドラム缶を陸揚するのだが、駆逐艦は輸送船のように荷物の積み降ろしのための装備があるわけないので、陸揚に手間がかかる。
また、陸揚中に敵襲を受けたら即応できない可能性も高かった。 - そこで物資を入れたドラム缶をロープで数珠つなぎにし、目的地付近になったらドラム缶を海に放り込みロープの端を浜まで内火艇で持っていき、
現地部隊が地引網漁よろしく数珠繋ぎになって浮いているドラム缶を陸上からロープを引っ張って岸に手繰り寄せ引揚げる。
そうすりゃ揚陸のために停船する時間も少ないし埠頭も要らないし、水雷戦隊もすぐにとって返せば夜明けまでには空襲圏外にでれるんじゃね?という発想である。- まぁでも、潮流でドラム缶が迷子になったりすることもあったのだけど。
- そしてそのドラム缶を陸揚するのだが、駆逐艦は輸送船のように荷物の積み降ろしのための装備があるわけないので、陸揚に手間がかかる。
- 最初にドラム缶が用いられた輸送作戦では、警戒隊の長波、高波の2隻を除く駆逐艦(実装されている内陽炎?・黒潮?・涼風?もこれに参加)が200-240個を積み込み、輸送した。
駆逐艦の最大の武器である魚雷を、発射管の中に装填してある分だけ残しストックを降ろしてまでドラム缶の搭載数を稼いだのである。
ところが待ち受けていた米艦隊との戦闘になり、輸送隊は発射管旋回の邪魔になるドラム缶を投棄してしまい投入できず。
ちなみにこれが、長波らが奮戦したルンガ沖夜戦?となる。この史実を反映してか、長波はドラム缶を意識した台詞が目立つ。
- 長波「さぁ!ドラム缶は捨てて、戦闘態勢!」 陸軍「やめてください飢え死にしてしまいます」
- この時の作戦指揮官である田中少将は、米重巡1隻撃沈3隻大破、損失は駆逐艦高波のみという圧勝を得るも、
第三次ソロモン海戦での輸送船団壊滅や、後述する照月の喪失、度重なる物資輸送の失敗により更迭される。*2
- 失敗にめげずにすぐさま次の作戦を敢行して、今度は2000個近いドラム缶を投入することに成功、内火艇でロープの端をガダルカナルの陸兵に渡す事にも成功し後は引揚げるだけだった……が。
大和魂の足りない飢えと病気で体力が落ちている陸軍には200個(単純計算で1個100kgとして20トン)もつながったドラム缶を引き揚げる事ができなかった。
翌朝陽が昇って米軍がドラム缶を見つけ片っ端から機銃掃射で沈めてしまったため回収できたのは投入した数の1割程度だった。 - それでもそれでもめげずに3回目も決行。もうこの方法しかなかったんだな……。
先の反省を活かして今度は半分の100個ずつ数珠繋ぎにして軽くしたそうな。
ところが空襲を受けたり、日本軍が何をやってるか察知した米軍が魚雷艇を配備しだしたりしたため、危なくて近づけず投入できず。 - 痺れを切らした陸軍から強烈な申し入れが行われ、山本長官から直々に「海軍全体が期待してるからな、絶対成功させろよ」と激励文が送られた4回目は投入に成功。
ところが投入する時に停船した一瞬の隙を魚雷艇に狙われ、よりにもよって旗艦の最新鋭駆逐艦「照月(未実装)」が魚雷2本を食らって沈没する始末。
しかも折角工夫したドラム缶も夜明けまでに引揚げきれずまたもや回収率1割……
元々1回の輸送で守備隊2万人の食糧を2週間分しか輸送できず、実際の回収量はさらに少なく、毎回のように駆逐艦が大破したり沈没したりしていたため、コレでガダルカナル支援は打ち切り。
- 結局ガダルカナルの維持は不可能と判断され、島を放棄して将兵を撤退させる作戦、ケ号作戦?につながる。
……が、それまでにガ島の将兵は2/3が死亡していた。気付くのが遅い。*3 - しかし、最前線への輸送手段として「鼠輸送」はガ島撤退以降も多用されている。もう本当にこの方法しかなかったんだな……。
- 鼠輸送の次に考えられたのが、潜水艦に物資を満載して運ぶ「モグラ(土竜)輸送」であった。
これも結局1回で数十トンしか運べない上に、周辺海域を機雷封鎖した米軍の妨害もあり上手く行かず。
1回に1トンも運べない一式陸攻を使った空中投下作戦も行われたが焼け石に水。
島伝いに大発や内火艇で集団でドラム缶の数珠つなぎにしたものを引っ張っていく事も行われた(蟻輸送)が、武装もマトモにないので戦闘機や魚雷艇の襲撃あって上手く行かず。
その後各地でモグラ輸送などは行われ、当初は海軍の潜水艦が任務に充てられるも、戦局逼迫や陸海軍それぞれの事情ゆえに陸軍独自の潜水輸送艇も開発された。
そうして生まれたのが三式潜航輸送艇(まるゆ)?である。 - 一方、鼠輸送の失敗は逆に「鼠輸送対応艦」とでもいうべき一群の艦艇をも生んだ。
- ちなみに、米軍もガダルカナル島の戦訓を元に旧式化した駆逐艦を改造して高速輸送艦(APD)として活用していた。こちらも松型同様、上陸用舟艇を舷側に並べていた。