モンスター/ラスボス(MHST2)

Last-modified: 2024-04-28 (日) 09:12:03
注意事項(記事閲覧・編集前に必ずご一読ください)
本記事には『モンスターハンターストーリーズ2 ~破滅の翼~』の
ストーリーの根幹にかかわるネタバレが含まれています。
まだ本作をクリアしていない方は注意してください。
編集を行う際は編集ルールを熟読した上で、ネタバレを避けている方への配慮をお願いします。

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基本情報

名前
アルトゥーラ
種族
古龍種
英語表記
Oltura
登場作品
MHST2
狩猟地
禁足地・祭壇*1

目次

生態・特徴

概要
各地に伝わる詩歌にて『滅びの定め』と謳われていた伝説の古龍。
遥か太古にモンスターライダー達が棲む常夏の島であるハコロ島の最奥、
禁足の地とされる祭壇の大地の底より現れ、世界に滅びをもたらしたとされる。
その名と姿は書士隊やハンターズギルドはおろか古の知識を持つ竜人達からも失伝しており、
かつて世界を滅ぼしたという《破滅の翼》の伝承が色濃く残された竜人族の隠れ里、
外界との関わりを強く絶った秘境にあるヌア・テ村の伝説にのみ記されていた。
世界に点々として伝わる《破滅の翼》の伝承から長い時を経て抜け落ちた存在であり、
このモンスターこそが破滅の元凶にして真なる《破滅の翼》であると目されている。
生態
地下深層に潜み、地上に現れる際は天を摩するほどの超巨大な複数の触手として顕現する。
観測された姿は地表に現出した触手の一部に過ぎず、その全長は概算ですら計り得ないものの、
触手一つですら史上最大級と推定される圧倒的巨躯を誇り、途轍もない規模の地形変動をもたらす。
白銀色の堅牢な鱗に覆われ、黒く鋭い棘が規則正しく並んだ威容は大蛇を思わせるが、
しかし頭部があるべきその先端はまるで(つぼみ)のように三叉に分かれており
その内側にも同様に三つに広がる顎を持つという他に類を見ない異質な形相を有する。
この特徴的な先端部は獲物を捉えると裂けるように、あるいは蕾が開花するようにして開き、
無数の牙が生え揃った捕食器官としての本性を露わにする。
前記の通り並み居る巨大生物を遥かに凌駕するほどのスケールを有しながら
空の王者と謳われるリオレウスを空中で捕捉するほどの機動力を備えており、
大地を貫き、地盤を容易く崩しながら凄まじい勢いで糧となる獲物を喰らい尽くす。
手負いであったとはいえ、強大な古龍を捕食し得るほどの強者である滅尽龍ネルギガンテ
触手一つの一撃で打ち払い戦闘不能に至らしめるその力は、まさしく言語に絶する脅威である。
巨大な触手を用いて地底深部より大地を貫き崩壊させることで巨大な穴を無数に生み出し、
穴の底から『凶光』と呼ばれる天に立ち登る茜色の光の束を放つ生態を持つ。
アルトゥーラが生じさせる巨大な穴による被害は世界各地に及んでおり、
大穴の形成に際する大地の崩落は何の予兆もなく始まるため防ぐ手立てはなく、
その地に村や街が存在すればなす術なく穴に呑み込まれて消滅してしまう。
だが地盤崩落と大穴の出現にも増して深刻な影響をもたらすのが、前述した『凶光』の存在である。
この凶光の正体はアルトゥーラ本体が備える異質なエネルギーそのものであり、
触手の鱗の隙間や捕食器官からはその片鱗と見られる赤く眩い光が漏出している。
巨大な大穴の底から放たれる凶光は遥か遠方からでも発生が確認できるほど強烈で、
時には海が水平線まで赤く染め上げられるという異様な光景が生じた事例さえあるが、
そうした環境の激変は副次的な作用に過ぎない。
真の脅威は、放たれた凶光が周囲一帯のモンスターを狂気に犯し尋常ならざる暴走を招く、
ハンターズギルドより“凶光化”と定義された現象を引き起こすことである。
凶光化したモンスターは茜色の光を纏い不気味に目を輝かせる異常な変化を来たし、
周囲の生物や人里を見境なく襲うほど狂暴化するばかりか、
本来の個体ではあり得ないほど強大な力を獲得し、周囲一帯に甚大な被害を及ぼす。
凶光化の影響からは古龍に匹敵する危険生物であろうとも逃れることはできず、
むしろ元来備える戦闘能力と凶暴性が一層助長され、並の生物を遥かに凌駕する脅威となってしまう。
アルトゥーラが大穴の底から放つ光は地域一帯の生物を凶光化させ、
その地を凶光化モンスターの巣窟としてしまうほどの影響力を持っており、
世界各地に及ぶ広範囲に大穴を開きながら凶光を振り撒く危険性は計り知れない。
ヌア・テ村に伝わる伝承においては、この力によって各地に災いが撒き散らされ、
世界が消滅するほどの破滅が齎されるとされており、その恐るべき影響力が窺い知れる。
禍々しいその姿と脅威を目の当たりにした者からは、
大いなる者」として現存する世界を終わらせ、新たな世界を作り出す存在であると信じられた。
だが、地中に潜み巨大な触手を操る形態は仮初の姿に過ぎない。
赤い光を放ってモンスターを惑わせ、大地を崩して獲物を喰らう無数の触手、
その正体はアルトゥーラが成体へと昇華するエネルギーを得るための捕食器官の一部である。
捕食によってエネルギーが蓄積され、その活動が活性化するにつれ、
放たれる凶光は茜色から赤い紫、そして青みがかった紫色へと変じていき、
そして不気味なほど蒼く染まった光が観測されるほどにエネルギーが高まると、
滅びの定めは遂に大地の底から姿を現し、羽化の時を迎える。
(つい)の姿
破滅の元凶たるアルトゥーラが成長を遂げた真なる姿。
純白の鱗と黒い甲殻に包まれた巨大な体躯、首元に生えた襟飾りを思わせる深い蒼色の棘
紅紫色のグラデーションを成した王冠の如き六本の角、
そして触手が変じたオーロラのような神秘的な色合いを呈する雄大な翼を備えた、
気品を感じさせるほどに美麗な、強靭な四肢と翼を誇る古の龍さながらの形態である。
エネルギーの収束によるものか、幼体時に誇った規格外の体躯の面影はないが、
それでもなお他の大型モンスターが矮小に見えるほどの巨躯を誇る。
他者の生死に全く関心を持たないとされる異質な生命体であり、
その性質を証するように瞳には瞳孔らしきものが存在せず、感情は全く読み取れない。
最大の特徴はやはり巨体を覆って余りあるほどの規模を誇る《破滅の翼》であり、
この翼には淡く光を湛える瞳のような模様が刻まれているが、
これこそがアルトゥーラの光の根源であり、凶光を放出するエネルギーの集約点でもあるとされる。
極限まで活性化した凶光のエネルギーは周囲の環境と気象にまで影響を及ぼし、
成体となったアルトゥーラが降臨した地と空にはその一帯を覆い尽くす巨大な渦巻き状の粒子帯が出現する。
更に膨大なエネルギーは絶えずその身から流出しており、可視化したオーラが周囲を取り巻き、
領域全体に蒼白い光の粒子が綺羅星の如く漂う幻想的な光景を作り出す。
この凶光の粒子は物理的な破壊力を持ったエネルギーであり、
接近した生物を返り討ちにし、放たれた攻撃を粉砕・霧散させる障壁ともなる。
蒼白の光へと変化した凶光はモンスターを惑い狂わせる性質を更に増幅させており、
ライダーと確固たる絆で結ばれたはずのモンスターでさえ凶光に染め上げる脅威となる。
アルトゥーラは膨大な凶光のエネルギーを武器として用い、
口内からブレスとして弾丸のように射出する、自身の上空に光を収束させエネルギー球とし、
投射することで地盤を砕くほどの大爆発を引き起こすなど、驚異の攻撃で敵対者を殲滅する。
だが特筆すべきはそれだけに留まらず、本種は周辺環境に全く依存することなく
火、水、雷、氷、龍の五大属性全てを発揮することが確認されている。
複数の属性を操る生物は超常的な力を操る古龍種においてもごく僅かで、
単一の生物が四つの属性を発揮することは周囲の環境を利用したとしても不可能というのが通例だが、
しかしアルトゥーラは凶光に加えてそれらあらゆる自然の力を自在に用い
ある時は燃え盛る炎迸る紫電を纏い、ある時は逆巻く水流凍てつく氷を帯び、
またある時は龍のエネルギーを収束させた巨大な球体を作り上げると、
複数の属性を融合させた状態で放出するという信じ難い現象を引き起こす。
属性エネルギーは凶光のように周囲の環境そのものを塗り替えるほど莫大なものではなく、
外敵を一掃する凶器として用いるものだが、その驚異的な破壊力と異常性は重ねて語るまでもない。
恐るべきことに、終の姿として羽化したばかりのアルトゥーラは未だ成長途中の段階である。
全身を巡る光のエネルギーが高まると光の根源たる翼は更なる進化を遂げ、
耳を劈く轟音、大気を震撼させるほどの巨大なエネルギーの発露とともに
胴部に密着するように折り畳まれていた第二、第三の翼が大きく展開する。
成長を終えたアルトゥーラは左右三対に展開する六つの巨翼を備え、
翼に刻まれた瞳のような模様の全てに禍々しい凶光を灯した妖しくも神秘的な姿へと変容する。
凶光と五大属性を駆使した連続攻撃、生物の生命力を一撃の下に奪い去り瀕死に追いやる
巨大なエネルギーの炸裂など、成長を遂げる中で振われる猛威は熾烈を極め、
無謀にも立ちはだかる者達に等しく滅亡の洗礼を与える。
そして凶光を灯した巨大な翼は通常の手段で破壊されようとも再生を繰り返し、
まるで生まれ変わるかのようにしてその脅威を増大させていく。
完全なる覚醒を迎え、眩く美しい光が凶気を湛える紫黒に染まった時、
アルトゥーラの《破滅の翼》は天に掲げられ、極限まで収束した必滅の光が万物を消し去るという。
その滅びの定めを退け、隠された真実を解き明かし、そして凶光の翼を打ち砕き得るのは、
天空の使者、そして仲間たちと揺るがぬ絆を結んだ乗り人を措いて他にないだろう。

概要

天を舞う光よ 天空の使者よ
紅蓮の炎で 滅びの定めを焼き尽くせ
茜の空が 蒼く染まる前に
                      ──ヌア・テ村の伝説
  • MHST2の長い旅の最後に登場する、今作のラスボスにして美しき破滅の元凶
    本作唯一のオリジナルモンスターである。
    悍ましさと異質さに満ち溢れた姿から美しく気品ある姿へと変態し、
    その後更に破滅を宿す妖しくも神秘的な姿に変貌していくという、
    度重なる形態変化によって印象が二転三転するモンスターとなっている。
    • メインシリーズとは異なり、本作ではモンスター図鑑に必ずしも別名などの情報が載っている訳ではなく、
      後述するがアルトゥーラの素材を手に入れる事は不可能であるため、
      基本的にはモンスターに欠かす事が出来ない「~龍」「~竜」といった別名については現在に至るまで不明である。
    • 劇中では言及されないが、モンスター図鑑による分類では古龍種に分類されている。
      とはいえ、MHWorldMHW:Iと同じく古龍を喰らう古龍であるネルギガンテが追っていた存在であること、
      四肢と巨大な翼を持つ古龍らしい姿、そして何よりその規格外を極めた能力と性質の数々から、
      ストーリー中であっても察することは出来るだろう。
    • 発売時点ではトレーラーを含めてほとんど情報がなく、いわゆる「ラスボスのチラ見せ」は存在しなかった。
      しかし、発売から半年ほど経ったヴィジュアルブックの発売と同日に公開された
      ファイナルトレーラーでは巨大な触手のみが顔を見せている。
      複数の触手が同時に登場するシーンも映し出されてはいるものの、
      ネタバレ防止の為か羽化した後の姿については見る事が出来ない。
  • 最初に登場した際の第一印象はまるでダラ・アマデュラのような巨大な蛇、あるいはワームであろう。
    全てが地上に現れる事はないため正確なサイズについては測れないが、
    通常のモンスターの域を遥かに超えた長大な鋼の体躯が齎す影響は蛇王龍が引き起こす規格外の地殻変動を想起させる。
    しかしダラ・アマデュラとは異なり、三つに開いた上で内部からもう三つ飛び出てくる先端部
    もはやパニック映画に出てくるクリーチャーかのような造形で、
    口から涎を滴らせながら赤い光を放ち、牙を剥いて気味の悪い咆哮を上げる姿は例えようもない不気味さである。
    • この先端部は口のようではあるとはいえ眼も鼻も耳も見当たらず、
      顎が3つに割れるといっても風神雷神のように上顎と2つに分かれた下顎という構造でも、
      深淵の悪魔のように上下の顎以外に花弁のように開く器官がある、という訳でもない。
      控えめにみてもおおよそ完全な生物の頭部であるとは言い難く、何か秘密があるとは察せられるだろう。
      そして物語の終盤ではこの規格外極まる巨大な怪物が同時に3つ登場するが…?
    多くのライダーの推測通り、この長大な器官はアルトゥーラの本体ではなく触手にあたる部分で、
    成体に変態を遂げた本種はしなやかな四肢と翼を持つ古龍然とした姿へと“羽化”する。
    アルトゥーラ最大の特徴でもある巨大な翼は目玉のような模様がついており、蝶か蛾のような印象を与える。
    ワーム型のモンスターから羽化するように見えるので、昆虫が行う“完全変態”も意識されているのだろう。
    ヴィジュアルブックによれば、本種のコンセプトは「妖光の女王」であるようで、
    その言葉通りに蠱惑的かつ神秘的な雰囲気が漂う立ち姿となっている。
    ちょうど2019年に公開された怪獣映画に登場する某巨大蛾怪獣の女王とも呼ばれており、
    アルトゥーラにも似ている事からイメージは掴みやすいだろう。
    • しかし、アルトゥーラの変化はこれだけでは終わらない。
      戦闘が進むとなんと畳んであった触手状の器官が広がって新たな翼となり、
      最終的にはなんと六枚の翼を持つまでに至る。
      翅ならともかく、翼を複数対持つモンスターは派生作品を含めても極めて珍しく、
      前例としてはハルドメルグくらいしかいない。
      形態変化と共にどんどん翼が増えていく姿はアルトゥーラの生物離れした異常さを際立たせてくれる。
      最終形態では禍々しい紫と黒の配色が追加され、まさしく《破滅の翼》たる姿へと変容する。
  • つまり、本種はバサルモスグラビモス、あるいはマガラジーヴァのように
    幼体と成体で異なるビジュアルを持つモンスターということになる。
    成体は途轍もないサイズを誇った巨大な蛇の姿からは想像できないほどスマートであり、
    ライダーたちとのサイズ比から推定される全長も通常の超大型モンスター程度となる*2が、
    そもそも本体は地下に潜んで翼の前身に当たる触手を伸ばしていただけだけなので、
    見えている部分が違っていただけで覚醒を経ても姿形がそこまで大きく変化した訳ではない可能性もある*3
    上述したメンバー達のように名前が変わる訳ではないのはこれが原因なのかもしれない。
    • この触手は見た目通り捕食のための器官であるようで、
      大口を振り翳してモンスターを大穴に引き摺り込む姿は薄ら寒い恐ろしさを感じさせる。
      成体になった姿では(少なくとも触手からの)捕食が必要なくなったので小さく萎んだのだろう。
      ビジュアルブックによれば触手部分は成体になると翼部分に置き換わるらしい。
      捕食器官だったものが飛行器官を兼任するので、アルトゥーラの中でも重要な部位であると言えよう。
      翼は6枚なので、劇中でお目見えした3本だけではなく、実際に存在した触手は6本である可能性が高い。
    • ちなみに、頭部以外に口のような捕食器官を持つモンスターには前例があり、
      MHXRに登場する古龍種モルドムントが翼に口を持つ派生作品のオリジナルモンスターとして先に登場している。
      とはいえ、それ以外の共通点は四肢と翼を持つ古龍骨格であることくらいで、
      そもそもアルトゥーラが触手の先に口を持つのは幼体の時だけであり、触手が翼になる頃には口は消滅している。
      どちらも膨大なエネルギーを必要とし、獲得した手段が新たな口であったというだけの話なのだろう。
  • 生態の項の通り、アルトゥーラは「凶光」と呼ばれる光を自在に操り、広範囲のモンスターを狂気へと至らしめる。
    誕生したての頃は赤色の光だったが、時間と共にピンク色紫色真っ青に変化していき、
    蒼白色が最大にして真の状態である。
    また、その凶光を未知の光エネルギーとして圧縮し、
    翼から鱗と共に発射したりブレスとして放ったりなど、直接武器として振るう事が出来るようだ。
    成体時は翼がこれを操る器官となっているようで、翼を部位破壊するとアルトゥーラの能力を抑える事が可能。
    特に瞳のような模様がある第一の双翼は凶光の根源とされる。
    光はダラ・アマデュラやゼノ・ジーヴァのそれと似た未知の蒼白のエネルギーだが、
    属性を持たない彼らのものとは違い、逆に五大属性全てに変化し得るという脅威のポテンシャルを秘めている。
    • 真の力の方に目が行きがちだが、幼体の触手が開ける大穴それ自体も他の類を見ないほど大規模な破壊行為である。
      実際にオルゴたちが住んでいたアイルー村は丸ごと飲み込まれており
      それが世界中の至る所で発生するのは想像を絶する大災害に他ならない。
      人間やモンスターが穴に落ちていく描写もあり、
      直接は避けられているが人命やモンスターの命も確実に奪っているだろう。
      触手がダラ・アマデュラに似ていることは述べてきたが、この触手は少なくとも3本、
      翼の数からして最大6本存在すると考えられるため、
      傍目に見れば6体のダラ・アマデュラに似たナニカが大暴れするというもはや
      この世の終わりでしかない天変地異が発生する可能性があるのが恐ろしいところである。
  • アルトゥーラが古龍種として司るモチーフについてだが、
    自然現象としては『』、そして概念としては『破滅』であると推測される。
    • 「光」の要素はあらゆる意味でアルトゥーラを象徴しており、
      「凶光」と呼ばれる正体不明のエネルギーを用い、代名詞でもある翼にも光の集約点が存在するほか、
      エネルギーを凝縮して放つ最大の切り札「ルーチェ」はまさしく「光」そのものを意味する技名である。
      『妖光の女王』というコンセプトについても、光を司る存在であることを意識したものだろう。
    • 「破滅」の要素も作中では色濃く描かれており、
      タイトルに冠された「破滅の翼」とは紛れもなくアルトゥーラのことである。
      凶光は数多のモンスターを惑わせ狂気に堕とす滅びの象徴であるだけでなく、
      光を凝縮することでプレイヤーに破滅をもたらす一撃必殺技としても用いてくる。
  • 多くの古龍種は活動するだけで周囲に影響を及ぼしてしまうほど尋常ならざる力を持っているだけで、
    意図的な破壊行為や大虐殺に及ぶなどといった意志はカケラも存在しないと考えられている。
    移動であったり、食事であったり、苦しみからであったり、繁殖のためであったりなど、
    恐ろしい力を持っていても彼らはただ生きていたいだけの生物であり、
    ハンターは副作用的に発生するそれを止めるため古龍に立ち向かう、というのはほとんどのシリーズで共通する事項である。
    • 今作におけるアルトゥーラは「破滅を齎す存在」「世界を終わらせるもの」と言われ続けており、
      実際にモンスターを狂気に陥れあるいは惨たらしい捕食を繰り返していたなど、
      その能力や生態が与える影響は甚大かつ破壊的であり、
      少なくとも既存生態系を破滅させ得る存在であったのは確かだろう。
      しかしその目的はただただこの世に生まれ出で、生を全うしようとしただけであり、
      世界に破滅をもたらそうなどという意志は皆無であった。
      あるいは…(ネタバレ注意)

      伝承の真実やエナが語る通り、ただ生きているモンスターに対して「破滅」の名前を与え
      その通りの存在だと信じてモンスターそのものの姿を見なくなってしまったのは
      伝承として伝えていた当時の人々(竜人族)とも言える。

    ただ裏設定として、成体のアルトゥーラは「他者の生死に無関心」という
    モンスターとして他に類を見ない性質を持つことが判明している。
    他の生物は生きていようが死んでいようがどうでもいい
    ということは即ち縄張り意識などという感覚についても皆無であるものと考えられ、
    星の規模で縄張りを争うとされる禁忌のモンスターとはまた別の次元で異常な存在である。
    • 作中でも誕生直後は眼前にいる主人公一向に全く興味を示さず飛び去っており、
      その後に禁足地の最奥部までアルトゥーラの追跡を敢行し、
      改めて決着をつけんと立ち塞がった彼らに対してようやく敵意を露わにしている。
      恐らく生存本能から「自らに害をなそうとするものを排除する」という意思は持ち合わせるが、
      脅威とならない生物や無関係な生物については全く関心を抱かず捨て置くのだろう。
      • また幼体時に固執していた破滅レウスについても、成体となった後は一切頓着していない。
        破滅レウスを求めていたのは単に己が羽化するためのエネルギー源として理想だったからであり、
        成体となりエネルギーが不要となった時点でもはや関心はなくなったということであろう。
        この辺りは「ただ生まれ出て、生を全うしたいだけ」という生態の現れでもあり、
        「他者の生死に無関心」という性質が図らずも表出した一幕とも言えるか。
  • ストーリー上では凶光化現象と破滅の翼の伝承を追うのが大まかな道筋だが、
    その元凶であるアルトゥーラの存在は終盤で登場するまではほとんど明かされない。
    初めて姿を見せるのはベルガ地方に赴いた時で、その場ではとある人物の助力によって追い払うことに成功するが、
    その圧倒的過ぎるサイズと奇怪な姿はプレイヤー達に凄まじいインパクトを与えた。
    • その後、ヌア・テ村の村長から彼の者の名前はアルトゥーラであると明かされ、
      さらにルトゥ村では失伝していたアルトゥーラに纏わる伝承を教えて貰い、
      そこで主人公は壁画に隠されていた謎に気づき、アルトゥーラへの勝機を見出す。
    • 再び登場するのはストーリーのラスト、ハコロ島へアルトゥーラを討伐しに向かった時である。
      破滅レウスに纏わる混乱の後、護りレウスが代わりに犠牲となってしまい、
      アルトゥーラは遂に十分なエネルギーを得て触手から古龍然とした姿へと新生を遂げる
      このまま野放しにしてしまえばさらに大陸中に甚大な被害を及ぼす事が予想されるため、
      カイルの熱い鼓舞と共に、最後の戦いに挑むことになる。
  • 現状、戦える機会は上記のストーリー上の1回のみであり、
    追憶としてもう一度戦ったり、強化個体と闘ったりする事などは現状では不可能となっている。
    また、アルトゥーラの素材も入手することは出来ないため、
    その素材を用いた武器や防具なども作成はできない。
    • 前作であるMHSTのラスボスはアップデートで強化個体と再戦することができたのだが、
      MHST2は発売後のアップデートを全て経た後もラスボスとの再戦が実装されることは残念ながらなかった。

戦闘概要

  • アルトゥーラとの戦いは今までのボスとは違い、HPを削り切る事が目的ではない
    アルトゥーラのエネルギーが集約している部位である翼を破壊することが主目的となる。
  • 第一形態では胴しか攻撃できないが、
    この胴は全武器タイプに対して耐性がある上に耐久値も高いので破壊するのはほぼ不可能。
    最初はテクニック攻撃、怒るとパワー攻撃しか使わないので
    この間に真っ向勝負やダブルアクションを決めて絆ゲージを溜めておこう。
  • 少しダメージを与えると翼を一対新たに成長させて第二形態へ移行。
    さらに初手で巨大なエネルギー弾を叩きつける全体攻撃「フィアムトゥーノ」を使用する。
    これはなんと強制的に999ダメージを受ける。が、HP1で持ちこたえるので落ち着いて立て直そう。
    その後はパワータイプの「ファイアバレット」と「サンダーバレット」を使用する。
    「チャージ」をした後はタイプ無しの全体攻撃である「フィアメルスパイロ」、
    その後のターンに再び全体攻撃の「トゥーノエルスパイロ」を使用する。
    ダブルアクションで防げないため、狩猟笛の回避のメロディなどで対処しよう。
    左翼、右翼を破壊すると「リリース」を使って第一形態に戻る。
  • 戻ってから少しダメージを与えると翼をさらに一対成長させて第三形態に移行。
    またしても初手で強制999ダメージの「アクアギアーシオ」を繰り出す。
    こちらもHP1で持ちこたえるのは変わらないので、生命の大粉塵で立て直そう。
    その後はスピードタイプの「アクアバレット」と「アイスバレット」を使用する。
    この形態は二回行動になり、ダブルアクションで完封することはできないので
    パーティメンバーのHPには常に気を配っておこう。
    「チャージ」をした後はタイプ無しの全体攻撃である「アクエルスパイロ」、
    その後のターンに再び全体攻撃の「ギアーシオルスパイロ」を使用する。
    左翼、右翼を破壊すると倒れ込むが絶命したわけではなく、
    光を纏いながら復活し、翼に赤黒く禍々しい模様が浮かび上がる第四形態に移行する。
  • 第四形態では部位に左翼、右翼に加えて左凶光翼、右凶光翼が追加される。
    やはり初手で強制999ダメージの全体攻撃「ドゥラーゴ」を使う。HP1で持ちこたえるのも同様。
    その後はテクニックタイプの「ドラゴンバレット」しか使用しない。
    しかし、第四形態は三回攻撃になっているため、攻撃の手が非常に激しい。
    翼をどれか破壊すれば二回行動になるので絆技などを使って早急に翼を一つ破壊しておきたい。
    この形態ではチャージからの全体攻撃は使用しない。
  • ここまで何度も翼を破壊してもアルトゥーラの力を抑え込むことはできず、
    遂にアルトゥーラは最大限のエネルギーを溜めて主人公達を消し炭にしようとする。
    しかし、そこでカイルがエナの持っていた護符を使用した一発逆転の策を思い付き、
    それを実行すべく、再びアルトゥーラの動きを止める為の戦いに挑む。
  • この最後の形態ではアルトゥーラはひたすら「インジェスティオーネ」を使用し、しばらく攻撃は仕掛けてこない。
    しかし、ターンが経過するとタイプ無しの全体攻撃「ルーチェ」を放つ。
    これは999ダメージだったこれまでの属性技と違って正真正銘の全体即死技となっており、
    発動を許すと9999ダメージを受け、HP0となってライフポイントを消費する
    特に主人公はオトモンの分と合わせて一気にライフを2つ消費してしまうため、必ず3つを維持しておこう。
    また、主人公は根性スキルがあれば1回だけだが持ちこたえることも可能。
    ルーチェを何度も放たれて全滅する前に左凶光翼と右凶光翼を破壊する必要がある。
    この形態に備え、絆ゲージを100にした絆技が単体攻撃のオトモンを複数ストックしておくのも有効だろう。
    左右の凶光翼を破壊できればエンディングとなる。
  • 以上のように、アルトゥーラ戦は第一形態を除いてひたすら翼を部位破壊する戦いとなる。
    胴を攻撃し続けても形態が進むのかは不明だが、ダメージ効率的にも翼を攻撃したほうが良い。
    なので、部位ダメージを与えられない全体攻撃はこの戦いにおいては厳しい立場にある。
    特に多大な部位ダメージを狙える絆技は単体か否かが非常に重要である。
    できるだけ有利に戦いを進めたいなら単体攻撃が得意なオトモンを選出しよう。

余談

  • 公式ヴィジュアルブックによれば、“アルトゥーラ”という名前の由来は
    「変化」を表す「Alteration(オルタレーション)」と、
    トルコ語で「6」を表す「altı(アルトゥ)」+「翼」の「Ara*4(アラ)」からとの事。
    • ちなみにスペイン語にはスペルの似た「Altura(アルトゥーラ)」という言葉があり、
      こちらは「高みへ」という意味がある。アルトゥーラの高貴な佇まいに通じるものがあるとして、
      公式からの情報公開がされる前は名前の由来として有力視されていた。
  • MHST2作中の描写を見る限り、幼体はリオレウスを狙って捕食をしているようである。
    作中では(恐らく凶光の性質を用いることで)その地域一帯のリオレウスをおびき寄せ、
    近付いたリオレウスを直接捕食するか、エネルギーによって返り討ちにして食らうという方法を取っている。
    凶光化現象に関してはそれに関連して発生した、あくまで副次的な現象に過ぎないもののようだ。
    またこの描写から、少なくとも幼体時の食性は肉食であると考えられる。
    • 世界各地で大穴を開きながらリオレウスを呼び集めては捕食していたことから、
      作中時点では世界中からリオレウスが姿を消すという恐ろしい現象が発生しており、
      実際にアルトゥーラを倒しエンディングを迎えるまで野生のリオレウスは一切登場しない
      一帯の生物を絶滅の危機に追いやる恐暴竜も戦慄を禁じ得ないであろう、凄まじい暴食ぶりと偏食ぶりである。
    • アルトゥーラがリオレウスを狙っていた理由は明らかになっていない。
      ただ、同作では破滅レウス護りレウスなど「通常個体を遥かに超える力を有するレウス」が複数確認されており
      (世界を破滅させるとされる前者は勿論、後者も単独でネルギガンテと渡り合えるほどの戦闘力を誇る)、
      そうした特殊な個体を糧とするために手当たり次第にリオレウスを呼び寄せていた可能性はある。
      実際、アルトゥーラは大量のリオレウスに加えて最後に護りレウスを食らうことで羽化を果たしている。
      • あるいは、本当にただ偏食なだけの種族である可能性も考えられる。
        リオレウスは全モンスター中でも最上位の飛行能力を誇るため、
        大量に集めるには極めて都合の良い生物である。
        だとすると雌個体であるリオレイアの方は捕食対象にしている描写が見られない*5のも、
        リオレウスほどの飛行能力はないため効率が悪いからと説明がつく。
      • 何にせよリオス種には凄まじい淘汰圧がかかるため、
        見る間にその数を激減、ひいては絶滅の可能性すら考えられる。
        であるならば、破滅レウスという異常個体が伝承通りに再び発生したのは、
        天敵アルトゥーラに対抗するためそちらと同じ周期で誕生する正常な生態とも推測できる。
    • 「光によって獲物をおびき寄せる」という狩猟方法を取る生物は現実にも数多くいるが、
      幼体時のアルトゥーラに見た目が比較的似ているものを挙げるのであればホタルイカが近いだろうか。
      また、「光によって異常行動を起こさせて害虫を駆除する」という害虫防除製品もあり、
      アルトゥーラの生態設定はこれらを参考に作られた可能性がある。
    • なお、意外にもモンハンにはモンスターでこうした光で獲物を誘き寄せる性質を持つ者はおらず、
      発光する性質を持つモンスターはその多くが閃光で目を眩ませる方にベクトルが向いている。
      一方「モンスターを誘き寄せる」という観点で考えるなら、
      老齢の古龍を新大陸に呼び寄せていた冥灯龍ゼノ・ジーヴァ
      そして大小の生命を導きの地へと誘引したとされる赤龍ムフェト・ジーヴァが挙げられるか。
      特に前者は羽化するためのエネルギーを希求してあらゆる古龍を新大陸へ呼び寄せており、
      羽化に至るために特定モンスターを呼び寄せていたアルトゥーラとはその点でも共通する。
      • 一応、環境生物まで視野を広げてみれば
        光で獲物を引き寄せるものならMHWorldで登場したアンドンウオが挙げられる。
        アンドンウオは頭部の先にある発光する突起でクラゲのような環境生物である
        オソラノエボシを誘き寄せて捕食しているらしい。
        アルトゥーラのそれと比べると大分リアルでささやかなものである
  • 使用するスキルの内、「○○バレット」はわかりやすい英語の技名であるが、
    他のフィアムトゥーノやアクエルスパイロなどはあまり聞き慣れない言葉である。
    これらは恐らくイタリア語であり、
    フィアムトゥーノは炎を意味するfiamma(フィアンマ)と雷を意味するtuono(トゥオーノ)を
    そのまま組み合わせたものであると推測される。
    アクエルスパイロはacqua(アクア、水)、e(エ、~と)、respiro(リスピーロ、息)を
    組み合わせたものであると思われる。
    スキルの由来一覧
    スキル名由来意味
    フィアムトゥーノfiamma + tuono炎、雷
    アクアギアーシオacqua + ghiaccio水、氷
    ドゥラーゴdrago
    フィアメルスパイロfiamma + e + respiro炎ブレス
    トゥーノエルスパイロtuono + e + respiro雷ブレス
    アクエルスパイロacqua + e + respiro水ブレス
    ギアーシオルスパイロghiaccio + respiro氷ブレス
    インジェスティオーネingestione摂取、取り込む
    ルーチェluce
    • ちなみに英語版ではフィアムトゥーノは"Thunderblaze"、
      フィアメルスパイロは"Blaze Tempest"となっており、イタリア語に訳されてはいない。
  • 前作であるMHSTのラスボスが「黒」や「闇」を強く意識したモンスターになっているのに対し、
    こちらは打って変わって「光」を意識しており、意図してかは不明だが前作とはまるで対照的な設定となっている。

関連項目

シリーズ/モンスターハンターストーリーズ2 ~破滅の翼~
ゲーム用語/ラスボス
世界観/マハナ村
世界観/凶光化
世界観/黒の凶気 - 前作で発生した凶光化の類似現象。
モンスター/リオレウス/派生作品 - 幼体の捕食対象。光によって各地のリオレウスをおびき寄せて触手で捕らえる。
モンスター/ダラ・アマデュラ - 幼体の姿と、蒼い未知のエネルギーを扱う姿が似通っている。
モンスター/ゼノ・ジーヴァ - 羽化直後(誕生直後)の古龍で、蒼い未知のエネルギーを扱う点が共通している。
モンスター/ガイアデルム - 大穴や赤い光、異形の口に狡猾なエネルギー補給手段と共通点が多く一時期話題となった。
モンスター/アルバトリオン - 五属性全てを扱い、世界規模の影響力が示唆される点が共通している。


*1 メインシリーズおよび前作であるMHSTにおける禁足地とは異なる
*2 おおよそミラボレアスと同等かやや上回るかと言ったところ。
*3 よって、厳密には昆虫達のような“完全変態”には当たらない
*4 トルコ語に「翼」を表す「Ara」といった言葉は見かけられないため、おそらくラテン語で「翼」を表す「Ala」を指していると思われる(要検証)
*5 凶光化はしているが、誘き寄せられるシーンは無い
*6 作中では地の底より響き渡るアルトゥーラの産声が「歌」と表現されるシーンがある。